鋼鉄都市 / 京都文化博物館 パリ・マグナム展

トロッコ列車1





機構内部





影の段






積みあがる底面

2017 / 07 (1)(2) 嵯峨嵐山
2015 / 09 (3) 中之島
2017 / 03 (4) 近所
Olympus Pen EES-2 / Holga +35mm Film Holder / Nikon F100
Fuji 業務用400 / Lomo Colornegative 400 / 100

硬く冷たいもの、光沢があるもの、稜線がはっきりとしていて鋭角的なもの、用途不明の何か。機械の類や工場が好きなのはこんな要因が絡んでのことじゃないかなと思ってる。こういうものは視線をひきつけるしシャッターを切りたくなってくる。用途不明に関しては知らない自分だけの事情で、知ってる人にはこんなものの何が珍しいという程度のものだろうとは思うけど。
誰一人その用途の想像もつかない複雑な機械とかあったら、もうわたしとしては夢中になってるに違いないと思う。ちょうど映画「禁断の惑星」で姿かたちも分からない、遥か以前に死滅してしまった惑星の前住人が残し、作った種族はとっくの昔にいなくなったのに今でも自動で駆動し続けている地下の巨大都市のような感じ。あんなところに入り込んだらもう寝食を忘れて写真撮り捲ってるだろう。

そのシーンだけ抜き出した動画があった。
Forbidden Planet: The great machine

これ、レスリー・ニールセンが出てるんだなぁ。ばかげたコメディ俳優のイメージが強烈だし、今まで気づかなかった。

☆ ☆ ☆

パリマグナム1
Nikon Coolpix S9700

パリマグナム2

パリマグナム3


京都文化博物館へ「パリ・マグナム写真展」を見に行って来た。
結果的に云うと結構面白かった。マグナム・フォトっていうのは展覧会のフライヤーによるとカルティエ=ブレッソンらが作った「写真家自身によってその権利と自由を守り、主張することを目的とした」組織だけど、個人的には社会性に積極的に関係しようとするジャーナリスティックな写真家の集団なんていう勝手なイメージがあった。だから写真の社会性なんかまるで関心がないものとしては、大して面白くないかもと思いつつ出かけてみたところもあったんだけど、見終わって出た感想はこういうものだった。
パリの歴史的な動きに連動してる写真はまさしく社会性を前面に押し出していて、その生々しさはやっぱり写真という手段を取ったことでよく伝わってくる。第二次世界大戦の時のレジスタンスが路上で銃を持って潜んでる写真とか、戦争映画では良く見るけど、リアルに路上にいたレジスタンスの姿は命のやり取りをしてる際どさが伝わってくるし、五月革命の時の暴動を撮った写真も、毛沢東の肖像を飾った思想は賛同できないにしても、でもそういう賛同できない本質も含めて現場の空気感が良く伝わってくるような感じだった。
で、見ていて意外だったのはマグナムの写真は大半がこういう社会性のある写真だと思ってたら、そういうのとは違った写真、ジャーナリスティックなものとはかなり距離を置いた毛色の変わった写真を撮る写真家も結構受け入れられて、参加してるということだった。歴史を辿る生々しい写真に混じってひたすらイメージに淫する写真が顔を出してくると、ドキュメンタリー的な写真も意外と面白かった上に、まさにわたしの関心の対象となり得る写真も色々と目にすることが出来て、こういう楽しさは会場にやってくるまではあまり思いもしなかった。
会場は歴史的なラインに沿っていくつかのブロックに纏められていて、社会的なリアリズムといったものを一義に置かない写真はやっぱり現代に近づいてくるにつれ多くなってくるようだった。カメラだって、これ、どう見てもホルガ使ってるだろうって言うのもあったし、マグナム・フォトの集団の中でトイカメラを見るとは思わなかったので、これにはちょっと吃驚した。偶然最近ホルガをまた使おうかなと思っていたから、これを見たとたんにその気分に火がついてしまった。
会場で区分けされていたものとしては最後の「解体の時代 1990-2018」と題されたブロック、これが面白かった。展示されていた写真家で云うとマーティン・パーとゲオルギィ・ピンカソフ、そしてハリー・グリエールにホルガの使い手で意表をついていたクリストファー・アンダーソンといった辺り。
なかでもゲオルギィ・ピンカソフが良かったなぁ。この写真家の写真がひときわ目を引いた。写っている事物の意味なんかそっちのけで、光と影と事物の形をいかにフレーム内に納めるかということ一点に腐心してるような写真。出来上がるイメージは極めて複雑で視覚的な豊穣さに満ち溢れてる。この写真家のことを知っただけでもこの展覧会を見に行った意味があったかも。

会場は4階のフロア全面で展開されていて、展示総数は100点以上と、それなりに見ごたえがある。一回りして会場を出ると、下の階で同時開催されてる展覧会に誘導される。これが近代京都へのまなざしー写真にみる都の姿ーっていうタイトルの展示だったんだけど、ついでに立ち寄ったにしては面白かった。っていうか本編の展覧会を見た後であまり面白いものを見てしまうと、パリ・マグナム展での印象が薄れてしまうじゃないかと思って、面白さに困ってしまった。
明治の初めくらいかな、そのころの写真を大きくプリントしたものが小さなオリジナルを添えて展示されてる。オリジナルとなってるものは一枚が木の特別な入れ物に入れられた形で保存されていたのがそのまま展示されていて、その当時の写真がどういう扱われ方をしていたかもよく分かる展示だったし、降り積もった時間の層の厚さを実感できるような存在感だった。他にも京都の古い様子を写したものは、さすがに自分の生きてきた時代ではなかったけれど、今の様子を知っていたりするから、その変遷の具合に興味を引かれる。明治の頃の八坂神社の石段下の光景なんか、片隅にお気に入りの狛犬が写ってたりして、まるで懐かしいものに出会ったような気分になったりした。
予想外の面白さに若干困るけど、パリ・マグナム展のおまけで見られるなら意外と豪華で本格的、お徳感満載の展示だったと思う。
また、これだけ単独で見ようとしたら一応料金を取られると後になって知った。そういう意味でも見ないと損なおまけだった。




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コメント

No title

鋼鉄都市!!!!
中学生の頃、好きだったアーティストの
アルバムがそのタイトルだった。
鋼鉄都市と書いて「バビロン」
アイザック・アシモフの小説からみたいだけど
私もこういうのに惹かれるなぁ・・・
というか、ここ10年位、ヒラヒラ可憐なものばかりだから
何となく昔を思い出した感じ。

東京の下町出身の私は町工場の
単なる廃棄物でしかない部品の欠片を集めたりしてたわ。

パリ・マグナム展も面白そう。

No title

1番最初のボルトを見た瞬間
傘地蔵を思い出したわ
何でだろう?
他の写真もホラーの世界を想像
夏だね^^

ROUGEさんへ

こんにちは!
このタイトルのアルバムがあるんだ。わたしは今回のはグラント・グリーンの「アイアン・シティ」から貰ってきたんだけど、確かにアシモフのにもあるし、わりと使われてる定番的な言葉なのかな。SFっぽいものが好きだと、こういう機械的なものはどこか親しみがある存在ですよね。無機的だけどそういうところに冷たい色気みたいなのがあって。そういえばわたしが子供の頃に住んでいたところでも近所に住んでいた友達の家が町工場でした。わりとよく遊びに行って仕事が終わった後の工場の中を恐る恐る眺めたりしてたのを覚えてます。今の自分の好みにはこういうのがルーツにあるのかもしれないです。コレクションは工場の中だと見慣れないものがいっぱい落ちてそうで、集め甲斐がありそうですね。
アニメなんかでもこういう機械ものでガジェット感覚に満ち溢れてるものとかが出てくると訳もなくわくわくしたりします。でも本気でこういう写真撮ろうと思ったら工場に入っていかないとならないから敷居が高いです。今回の最初の二つは鋼鉄都市といいながら嵯峨野のトロッコ電車の一部だったりして、本当は都市じゃないし。

展覧会はこのところの気力の低下に活を入れたいっていう思惑もあって行ってきました。面白かったです。ちょっとだけ気力回復にも役立ったみたい。会場に「写真を撮ってハッシュタグつきでツィッターなんかに上げて!」なんていう要望が書いてあったので、わたしもやってみました。ツィッターってブログの自動通知の分しか送信してなかったから、普通のツィートを画像つきで送信したのって始めて。見に来てくれる人増えるかなぁ。

みゆきんさんへ

こんばんは!
傘地蔵は面白い連想だなぁ。この、何か知らない突起とお地蔵さんを結び付ける何かの、一見関係なさそうだけど、でもまるで的外れでもない絶妙の距離感が凄い面白いです。傘地蔵って何体並んでるのか決まってたんでしたっけ?この突起の6つって言う数字はお地蔵さんの場合は六道のすべてに救いの手を差し伸べるということでお地蔵さんにとっては馴染みの数字。京都にも六地蔵って言う場所があります。お地蔵さんで連想を広げると、けっこう合致するものがあるんですよね。ひょっとしたらそういうところを無意識に探り当てたんじゃないですか?
傘という言葉から連想して、この写真のほうは何だかハットを被って俯いてるようにも見えるし、一見かけ離れてるようにも思うお地蔵さんって言うキーワードは色々と思いのほか空想を広げてくれるような気がします。
ホラーっぽいのは影の分量が大きさやちょっと暗めの色合いとかが作用してるのかも。イレイザーヘッドみたいなイメージに持っていけば、こういう機械の類は暗くて病んだ幻想的なイメージに仕上げられそうです。
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