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【洋画】 ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION

ミシェル・ゴンドリーのミュージック・ビデオ集です。

アイディアはシンプルなものが多いんだけど、仕上げる形はもうほとんどマジックといっても良いくらい。幻覚的な世界に引っ張り込まれます。
それもStar Guitarみたいに、人を食ったようなユーモアで味付けして楽しませてくれる。
最初観た時は「なんだ?ただ車外の風景が写ってるだけ???」って思ったのが、車外のいろんなものが音楽にあわせて流れて行ってるのに即座に気づき、あまりのばかばかしい発想とその発想を臆面もなく映像化してきた勢いに、もうその場で脱帽でした。

ミュージック・ビデオ出身ですが、ミシェル・ゴンドリーは「エターナル・サンシャイン」とか、映画もいくつか撮ってます。そのうちここにも書いてみよう。

Star Guitar - Chemical Brothers


Let Forever Be - Chemical Brothers


Come Into My World - Kylie Minogue









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【洋画】 DOWNTOWN 81

DOWNTOWN 81DOWNTOWN 81
(2001/12/05)
ジャン・ミシェル・バスキア

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監督 エド・ベルグリオ
出演 ジャン・ミシェル・バスキア
DNA ジェームス・ホワイト・アンド・ザ・ブラックス タキシードムーン
キッド・クレオール&ザ・ココナッツ デボラ・ハリー 他
公開 2000年

夭折した画家ジャン・ミシェル・バスキアが主演した唯一の映画。

脚本は一応あるみたいだけど、素人が書いたような出来のもので、ストーリーには起伏も何にも無く、家賃滞納で宿を追い出されたバスキアが映画の最初から最後までただひたすら街をさまよいます。
とってつけたような奇跡的な出来事が起きて唐突に終わる以外は、さまよってる間に街の仲間に出会ったり別れたりしてるその経過を追ってるだけで、誰かに会ったことで物語が転がっていくといった要素もありません。はっきりいって話はつまらない。
映画としてはどうってことない代物で、さらにあえて言ってしまうと私には主役のバスキアさえも実はそれほど関心の中央にいるわけではありませんでした。
関心の中心にあったのは、音楽です。

この映画の値打ちは、放浪するバスキアを通して記録される当時のニューヨークの風景と、80年前後のNo Waveのミュージシャンが見られるっていうこと。これに尽きます。この点で「DOWNTOWN 81」は個人的にはほとんどドキュメンタリー扱いになってます。この頃のニューヨークの音楽シーンが好きならいろんな思いが交錯すること間違いなし。
「DNA」や「コントーションズ」(ザ・ブラックス)のジェームス・チャンス(ホワイト)がスタジオやライブ演奏で動き回るのはこれで始めて見ました。
「DNA」はアルバム「NO NEWYORK」の、まさにあのフリーキーなノイズそのままな感じなんですが、ジェームス・チャンスのほうはこの頃には随分とまともな感じの音になってるようです。「DNA」のアルト・リンゼイが12弦ギターを弾いてたのもこれで始めて知りました。ほとんどテクニック無しで弾いてるのを弦の数を増やすことで補完しようとしてたのでしょうか?印象が「NO NEWYORK」の裏ジャケットにあった異様な写真そのままなのもなんだかわけも無く凄いというか。
日本勢も「DNA」のドラマー、イクエ・モリ以外に「プラスチックス」もちょっとだけ出てきます。

ただ、そういうミュージシャンも含めて、もうこの世界のどこを探しても永遠に見つからない、時代の空気を纏ったニューヨークの光景や、この映画の7年後にこの世を去ってしまうバスキアが生きて街をさすらう姿を目にしてると、映画的な関心はその起伏の無さに焦点が幾分ぼやけがちになりつつも、そのうち心は感傷的な気分に充たされてくるかも知れません。

DVDに同梱されてるトレーラーが、この脚本ともいえない脚本をフォローするかのように、たとえば楽器の機材が盗まれるシーン、映画では泥棒が盗んだものを車に運び込んでるのをたまたま見つけて、遠くから追っていくが近づいただけでそのまま逃げられるって程度のシーンしかないのに、そのシーンに「アクション!」という煽り文句を入れ、映画の中にさも大層な追跡劇でもありそうな紹介の仕方をしてたりして、何とか普通の劇映画の印象を与えようと画策してるのが見え隠れするようでちょっと面白かった。

バスキアと云えば、今年のユニクロのプリントTシャツにバスキアの作品をモチーフにしたものが幾つか出てます。でも、手を出したのは他の、たとえばキース・へリングとか松本大洋とかで、バスキアのは未だに買ってないなぁ…。