2008/11/14
【洋楽】 We Started Nothing - The Ting Tings
ザ・ティン・ティンズ…それにしても、日本人にはなんとも過激に聞こえるバンド名だこと。
本来は中国語の「聴く」っていう意味の単語から取ったものと云ってるらしいけど、もっともらしい分、これは本当のことだかどうだか怪しいものです。あとで適当にくっつけた理由という雰囲気が結構漂ってきます。ボーカルのケイティ・ホワイト(Katie White)はこの名前が日本ではどういう意味なのか知っていてやってる、というインタビューもありました。
06年にイギリス、マンチェスターで結成。マンチェスターと云えば80年代後半、かつてのリバプールのようにUKロックの本拠地みたいになっていた所ですが、中心に居たファクトリー・レコードが破産した後、今でもそういう余力みたいなのはある場所なんでしょうか。
The Ting Tingsはそういう場所から出てきた、ボーカル、ギターのケイティ・ホワイトと、ドラムのジュールズ・デ・マルティーノ(Jules De Martino)の2人組みのユニットということになります。地元で人気に火がついて、人気は口コミで広がって行きました。
瞬く間に業界の注目を集めて、メジャー各社が争奪戦を始めることになり、結果英国と米国2カ国と直接の原盤契約を結ぶことになります。これは前代未聞のことだったそうです。
このアルバムは今年出たアルバムで、物凄く新しい。iPodのコマーシャル曲にも使われていて、そういうのは今が旬のバンドっていうのを保障しているみたいです。
☆ ☆ ☆
曲目はこういうの。
1. Great DJ
2. That's Not My Name
3. Fruit Machine
4. Traffic Light
5. Shut Up and Let Me Go
6. Keep Your Head
7. Be The One
8. We Walk
9. Impacilla Carpisung
10. We Started Nothing
一番長い曲で6分ほど。あとは3分程度の曲が並んで、アルバム全体は大体30分を少し越えるくらいで聴き終えてしまえる、コンパクトな分量になっています。
音の感じは、エレクトロ・ポップ、パワー・ポップといったところでしょうか。結構キャッチーでキュートなポップ・チューンなんですが、ふわふわ柔らかくて甘いもので綺麗に覆われてるかと云えば、かなりソリッドで、余計なものをそぎ落としたかのような鋭角的な音を堪能させてくれます。キュートさとソリッド感の微妙なバランスが面白いです。
2人組みのユニットで、余計なものをそぎ落とした音なんて云うと、物凄くシンプルな音楽をイメージするかもしれませんが、たしかにごたごたと飾り立ててるような感じはないんだけど、音自体にソリッド感が利いてるだけで、音数はそれなりに複雑に組み込まれてるという印象はあります。
ケイティ・ホワイトのボーカルが、こういうのはパーカッシヴとは云わないのかな、メロディを歌うというよりもリズムを歌ってます。これがまた、パワフルで結構かっこいいです。ドラムも基本ビートに煽り感を加えてリズムを叩き出してるんだけど、リズム・ボーカルとでも云うようなケイティ・ホワイトの歌声がさらにドライブ感を付け加えてるんですよね。ちょっと麻薬的かも。
わたしは「ブロンディ」だとか「シンディ・ローパー」だとか、そういう辺りに連想が働きました。
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![]() | We Started Nothing (2008/06/03) The Ting Tings 商品詳細を見る |
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Shut Up And Let Me Go - The Ting Tings
That's Not My Name - The Ting Tings