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【洋楽】HNに秘められたもの~Memories Of Green

いつも遊びに行ってるブログ、りい子☆さんが主催する「りい子の日々のハマリもの」で先日、といってもちょっと時間が経ってしまってるんですが、「ハンドルネームについてのおはなし」という記事がエントリーされました。記事の内容となってるのはハンドルネームをどのようにして決めて行ったかということにまつわる話題でした。

わたしはハンドルネームとか決めるのがかなり苦手です。たとえば何かのアカウントを作ろうとして、ニックネームを書き込むようなことを要求されただけでも途方にくれてしまいます。洒落た名前にしようとするとこれがまた全然頭に浮かんできません。アカウントのようなもので自分にしか見えないようなものだったらもうその時目の前にあって見えてるものとかで適当に作ってしまうんですけど、他人も目にする可能性があるものだとあれやこれやといろいろ考え、そのうち考えあぐねて決められなくなってしまいます。
だからいろんなブログに遊びに行くたびに、上手くつけたハンドルネーム、洒落たハンドルネームを見たりすると、一々感心してどうやってこのハンドルネームにたどり着いたんだろうって好奇心が頭をもたげたりします。上手くつける秘訣があるならちょっと教えてほしいなぁって。

ブログ巡りしていてこういうことを良く考えるものだから、このりい子☆さんの記事もわたしはなかなか面白く読めました。実は以前からハンドルネームの最後にはいってる「☆」が不思議で、唯の飾りなのかなと思ってたんですが、名前に入ってる「☆」の意味もこの記事の中にちゃんと書いてありました。りい子☆さんの名前になぜ「☆」がついてるのかという疑問が氷解した上に、ハンドルネームを決めていった過程とか、意図的に表に出さない限り秘密になってるような裏事情を垣間見てるようなところもあってこの記事は結構興味深く読めたって云うわけです。
それでわたしもちょっとこの話題に便乗してみようかなと思いました。わたしは自分のブログで自分語りはほとんどしてこなかったから、気紛れに近いような感じだけどほんのちょっとだけ自分語りをしてみようかって。
ただわたしはりい子☆さんの記事を読んでハンドルネームの秘密を垣間見て興味深く思ったわけですけど、これを自分で書くとなると、わたしにとってはわたしのハンドルネームは何の秘密でもないわけだから、りい子☆さんの記事で感じたような興味深さを自分で感じることは出来ない訳です。これはちょっと残念。

☆ ☆ ☆

ということで、わたしのハンドルネーム「薄荷グリーン」なんですけど、これはもちろん本名じゃないです。
本名は姓が漢字二文字で名が漢字一文字の合計三文字。名の方はひらがなで三文字になります。ニックネームをつけるのが苦手って上に書きましたけど、実生活でも他人をニックネームで呼んだことないし、わたしもニックネームで呼ばれたことがないです。思うにひらがな三文字の名前ってわざわざそれ以上に字数を増やしてニックネームにするってあまり無いだろうし、もとの三文字だけでどこかニックネーム的に通用するところがあるから、あえて新しくニックネームを追加する必要がなかったんじゃないかなと思います。普段からニックネームで呼ばれてないし自分からも呼ばないからニックネームのような存在そのものに縁が無くて、そういうものをつけろといわれた段階で途方にくれてしまうのは当然といえば当然という気がしないでもないです。
だからハンドルネームを決める時に自分の名前を変化させたりそこから何かを連想したりというような発想には最初からならなかったです。本名とは全く違うもので考えるということしか頭の中にはありませんでした。

最終的にはもう見てそのまま分かるとおり、単純に色の名前を使うことになったんですが、でも最初は「ミント」だけが頭にあったような記憶があります。PCのデスクの上にはいつもミント・タブレットが置いてあるので(フリスクのブラックミントの箱買いです)、ハンドルネームを決めようとあれこれ考えてる時におそらくこれが眼に入ったんでしょう。それで「ミント」がいいかなと云う思いつきに導かれたと。
その後でただの「ミント」だけだと単純すぎるかなと思って、具体的な色の名前の方に持っていったんじゃなかったかと思います。最初「ミント」という言葉を玩んでいる時は清涼感のあるお菓子というイメージも頭の中では入り混じっていたんですけど、ブログでは映画とか絵画とかを扱うつもりだったので、お菓子よりは色の名前のほうがそういう題材に相応しいだろうとも考えました。

わたしはミント・グリーンって結構好きな色なんですね。ミントって限定しなくてもグリーン系は小さい時から大好きで、幼稚園の頃クレヨンの緑色だけが異様に早く減っていったのを今でも覚えてます。洋服でも何でも無意識的にグリーンに傾倒していくのを自覚して、一定時期意図的にグリーン系を選ぶのを避けていたこともあります。でもカーキとかベーシックな色にグリーンって使いやすいから、選ぶ範囲はこれだけのことで結構限定されたりしてました。もちろんグリーンだけが好きな色というわけじゃなく、他の色でもブルー系のパープルだとかオレンジだとか好きな色はあるんですけど(結構派手好みです♪)、グリーン系にはちょっと特別な感覚が働いていたような気がします。
そういえばこの前誕生日のことを書きましたけど、わたしの誕生日5月15日は星座で云うとおうし座、そしておうし座の守護石はエメラルドで、ここでもグリーンなんですよね。

ちなみにミント・グリーンってこういう色。

カラーサンプルーミントグリーン

ミントグリーンシャツ

かなり微妙な色で写真ではニュアンスが上手く出なかった感じもあるけど、雰囲気はこんな感じです。
ついでにテディ・ベアもわたしは大好きで、最近はそうでもなくなってますけど、以前は服のモチーフに使ってると見境無しに買ってしまうことがありました。


それで、唯の「ミント」から少し拡張して好きな色である「ミント・グリーン」をハンドルネームにしようかなというところまで進んだんですが、試しにネットで検索してみると当たり前のことかもしれないけど、すでに使ってる人がそれなりにいることを知りました。せっかくたどり着いた名前だったのに、普通にありきたり過ぎたということなんですよね。
どうせならわたしだけを指し示す唯一のハンドルネームをつけたい。そう思って暫く考えてるうちに今度は漢字に置き換えてみることを思いつきました。「ミント」を漢字に置き換えると「薄荷」。ハッカ色って云う音の響きもわたしは大好き。漢字だってちょっと見慣れない感じがして字面は嫌いじゃないです。フェリーニの映画「81/2」とも日本語読み限定ですけど音的に繋がっていきそうっていうのも悪くない感じがしました。
漢字にしてみようと思いついて、最初は全部漢字に変えてしまって「薄荷翠」というのを考えました。でもこれは自意識過剰の女流作家みたいで、暫く眺めたりしてましたけどやっぱり却下することに。実際「第七 官界彷徨」という変わった小説を書いた尾崎翠という作家もいるから、そこからの連想だと思われるのも面白くないと。
そのあと自意識過剰の女流作家からの脱却は半分だけ漢字にすることで解決することになりました。
こういう経緯で今見ての通りのハンドルネーム「薄荷グリーン」の出来上がりです。

こうやって書いて見ると特に凄い秘密が隠されてるって云うわけでもなかったですね、まぁそれでもいいかな。

出来上がったハンドルネームを眺めてみると、見た目にも音的にも何だかごつごつと出っ張りがあるような感じがしました。「ミント」なんていう単語から出発した割には、すっきり涼やかといった感じには行かなかったかなという印象です。でもそういう印象を得たけれど、多少引っ掛かりがあるほうが記憶に残るかもしれないと良いほうにとって、これでいくことに決めました。

☆ ☆ ☆

気がついてる人がいるかどうか分からないけど、FC2のURLに含まれてるIDについてもちょっと書いておきます。FC2はURLが登録時のID+サーバーナンバーという形で、IDの部分は登録する時にこちらが決められることになってます。
わたしがFC2に登録した時に申請したIDは「marumeganeism」。「丸眼鏡主義」という意味合いを込めてつけました。何を主張したいのかもうひとつ良く分からない得体の知れない主義ですが、最初から映画、絵画など視覚に関すること、「観ることの快楽」のようなものを扱うつもりだったので、「眼鏡」というのはそういうものを象徴するイメージとしては最適じゃないかなという発想が一つ、それと音楽も扱う範囲に入ってたから、こっちを担当するのが「丸」い形のほうという感覚が合わさって出来上がってます。
ジョン・レノンなどを例に出すまでも無く、当時のヒッピー文化だとかサイケデリックだとかいろんなことが纏わりついて、わたしの中では「丸」い「眼鏡」は音楽が聴こえてくる眼鏡という落ち着き方をしてる部分があります。だからわたしには映画などの「視覚の快楽」と音楽が誘う「聴く快楽」を両方併せ持ってるように見えるアイテムとして、「丸眼鏡」はIDにするには最適じゃないかと思えました。

わたし自身も丸眼鏡のサングラスを持ってます。上のような意味合いを強引につけなくても形として結構好きなんですよね。ただ、丸眼鏡といえばジョン・レノンとかウッドストック的なヒッピーという図式が出来てるかもしれないけど、わたしはそういう当時の音楽状況の雰囲気を自分も身に纏いたいから持ってるというわけでもないです。第一わたしはビートルズは大好きですけど、ジョン派じゃなくて完璧にポール派です。オノ・ヨーコとつるんでからのジョンなんかもう完全に関心の外。
わたしが魅せられてる丸眼鏡のイメージは実はこういう音楽にまつわる文脈からくるものじゃなくて、映画「フレンチ・キス」でメグ・ライアンがかけてたサングラス。ちなみにわたしが好きな丸眼鏡はサングラスであることが絶対の条件で、普段かけるような普通の眼鏡としてはほとんど関心が無いです。

「フレンチ・キス」で登場した丸眼鏡ってこういう眼鏡です。

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OLIVER PEOPLESのOP-5モデル、シルバーフレームに青のレンズという仕様。青のレンズていうのもかなりポイント高いです。聞くところによるとOLIVER PEOPLESっていうのはハリウッドのセレブ御用達のブランドだそうですね。
実際の形は真円じゃなくて横にわずかに長い楕円で丸みを帯びたボストンといった感じかな。形はクラシカルなものだけど、ものすごく微妙で繊細なラインを描いてます。わたしの中の丸眼鏡はこういうのが理想なんですね。
かけてるのがメグ・ライアンということもあって、とってもキュート。この眼鏡はショートヘアのほうが圧倒的に似合いそうです。

☆ ☆ ☆

締めくくりに映画と音楽と「グリーン」がすべて合わさった、これほどこの記事に相応しいものはないんじゃないかと思えるものを一つ。その誂えたように都合のいいものとは何かというと、映画「ブレードランナー」のサウンドトラックに挿入されていた「Memories Of Green」という曲です。



ブレードランナーブレードランナー
(2007/02/21)
サントラ

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映画の中で聴いているとそうでもないんですけど、こうやって曲だけ取り出して聴いてみると、バラード好きのわたしでもちょっと辛気臭い感じがするかな。

音楽を担当したのはヴァンゲリス。でもヴァンゲリスは実はわたしにとってはそれほど創意が感じられないというか、どうも趣味に合わないところがあって、レコードなどは2~3枚聴いたきりです。
この頃ヴァンゲリスは他でもいくつか映画音楽を担当していて、その関連で聴いたことはあるけど、その程度の係わり合いしかないミュージシャンでした。少し前に「ALEXANDER」といった映画で音楽を担当してるようですけど、今でも趣味に合わないのは変わりないようです。
でもこの「ブレードランナー」の音楽は、映画の印象に引っ張られてかなり好意的に聴いてるせいか、映画の雰囲気に上手くあってたように思います。

わたしはリドリー・スコット監督が1982年に製作したこの映画「ブレードランナー」が大好き。わたしのなかではオールタイム・ベスト5には絶対に入る映画になってます。
冒頭の広大な闇の中に炎を吹き上げる塔が林立する冥界のシーンから、タイレル社のレプリカント・テストのシーンを挟み、ダグラス・トランブルがフィルム上に出現させた2019年の酸性雨が降りしきるロサンジェルスの光の都市に導かれていく過程でわたしのなかに生じてくるのは、この映画を観てるというただひたすらな幸福感のみだったりします。
最初に観てからもう何年たってるのか、未だに幸福感に誘われるだけで、この映画との距離感が全くつかめず対象にし辛いところがあるんですが、いつかわたしにとっての「ブレードランナー」がどういったものだったのか、できれば言葉にしてみたいと思ってます。

☆ ☆ ☆

私事に過ぎない内容にもかかわらず、最後まで付き合っていただいて有難うございました♪

☆ ☆ ☆

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【洋楽】 Always Look on the Bright Side of Life - Monty Python

作詞作曲はモンティ・パイソン・メンバーのエリック・アイドル、エリック・アイドルというのはラトルズのポール役をやってた人です。
エリック・アイドルにこういうのを作ってしまえる才能もあったんだと、曲のクレジットを見た時にびっくりした覚えがあります。

この曲はモンティ・パイソンの映画「ライフ・オブ・ブライアン」のラスト・シーンに使われたのが最初。
以後何度かリバイバルして、耳に届いてくる機会もあったようです。数年前にNIKEのCMにも使われています。これは何となくわたしも覚えてます。サッカー・ファンにはこの曲に馴染みのある人が多そうな感じかな。
最近では2005年にトニー賞作品賞を受賞した「モンティ・パイソンのスパマロット」というミュージカルにも使われていたそうです。

☆ ☆ ☆

別に言葉を費やさなくても、たった一言だけ「名曲」で済んでしまいそうな曲。本当にこの曲はよく出来てる。

旋律は綺麗だし、目新しい音楽形式とかいったものとは無縁なんだけど、全体は洒脱というか、粋に仕上がってる曲です。そのままスタンダードに移行してもちっともおかしくない正統派の曲。
曲の印象としては、歌詞の中にもある口笛の音が物凄く新鮮なんですよね。この口笛が特徴的で結構耳に残る。NIKEのCMでもそんな感じでした。

歌詞も良いです。
希望に導くような力。勇気というと大袈裟なんだけど、打ちひしがれた心があるとするなら、どこか明るい場所に向けて後押ししてくれるような優しい力がある。

その希望に向かうような優しい力がある曲だからこそ、映画のラストシーンではモンティ・パイソンらしいシニカルな使い方をされてました。考えてみればこの歌にこれほど相応しい場所も無いような気もするんだけど、やはりそんな状態で歌う歌か?と。言葉にすればそんな感じの、モンティ・パイソン流のひねくれたラストシーンでした。

☆ ☆ ☆

Always Look on the Bright Side of Life - Monty Python

Nike - Bright Side Of Life

NIKEのコマーシャルです。

そしてこれが映画のラストシーン、音楽が使われた部分。ラストシーンなので映画未見なら注意、です。
Life Of Brian - Ending


☆ ☆ ☆

「Always Look on the Bright Side of Life」は「Monty Python Sings」というCDに収められています。これは輸入盤のみになるのかな。一種のベスト盤で、他はモンティ・パイソンのコメディに使われた音楽とかが収録されてます。
25曲ほど入って曲数はやたらと多いんですが、元のコメディに組み込まれた一部のような曲も多く、この曲以外は、英語であるということを差し置いても(輸入盤で対訳無しの歌詞を書いた小冊子しか入ってません)、もとのコメディを知らないと今一つ意味が良く分からない、笑いのポイントがわからないというものが多かったです。
この曲だけはコメディとは関係無しに、曲として独立してるんですけどね。

でもこれアマゾンで値上がりしてる。わたしが買った時は500円くらいの投売りだったと思うんだけど。

Monty Python SingsMonty Python Sings
(2008/07/18)
Monty Python

商品詳細を見る


☆ ☆ ☆

モンティ・パイソンは最近Youtubeに専用のチャンネルを設置したらしいです。
粗悪なパイソン動画がYoutube上に氾濫してるのに業を煮やして、本家が乗り出してきた結果だとか。

-- The Monty Python Channel on YouTube --


追記
ガーナの手書きポスター記事にポスター画像を追加してます。


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【洋楽】 River of No Return - Marilyn Monroe

映画「帰らざる河」の超有名な挿入曲。映画の最後近くで、酒場のピアノの上に腰掛けてモンローが歌います。

映画がどうとか云うよりも、モンローが酒場で歌うこの「River of No Return」が、これがもう、ただひたすらに良いです。この歌、大好き。
この歌とマリリン・モンローのけなげさ、可愛らしさ、そしてジーンズ姿、映画「帰らざる河」はわたしにとってほとんどこれで全て。

モンロー・ジーンズ

このポイントを外したら、映画「帰らざる河」は紋切り型の悪役インディアンとか合成丸出しの激流筏くだりとか、そんなのばかりがのろいテンポのアクションと一緒に詰め込まれた駄作西部劇、というか、映画の骨格はロバート・ミッチャムと酒場の踊り子モンローの恋物語なんだけど、中心テーマであるそういうことさえ、ほとんど記憶に残ってないほどの、印象の薄い出来上がりの映画です。

でも、ラストシーンは良かったかな。ミッチャムがモンローを酒場から掻っ攫っていく時、馬車だったかに担ぎこまれて一緒に去っていく時に、もういらなくなった舞台用の靴をモンローが道に投げ捨てるシーンがあって。これはちょっと洒落てました。

曲はモンローのCDだと大抵収録されてます。いくつか聴いたことがあるんだけど、わたしの聴いたのは全部映画のサントラを収録したものでした。ちょっと音が悪い。レコードにする目的できっちりと録音されたものって存在しないんでしょうか。

River of No Return - Marilyn Monroe


☆ ☆ ☆

思いつきで他にも「河」の歌をいくつかピックアップ。

The Water Is Wide - Eva Cassidy


古いアイルランドの歌です。歌ってるのはエヴァ・キャシディ。33歳の若さで夭折したヴォーカリスト。
ギター一本の弾き語りで、全霊を込めて情感豊かに歌い上げていきます。「The Water Is Wide」をここまで鋭角的に、心に切り込んでくるように歌った歌手はあまり知らないです。
この人は生前にはついに表舞台に立つことなく終わりました。一般に知られるようになったのは自身のコンピレーション・アルバムを取り上げた、イギリスの放送局からの情報発信がきっかけになってます。
この曲はアルバム「アメリカン・チューン」に収録されてます。

Shenandoah - Sissel


この曲も好きです。これは古いアメリカの歌。
シセルはサラ・ブライトマンほど変化自在しゃない感じを受ける分、ちょっと印象が薄いんだけど、この曲は見事に歌いきってます。
いくつか複数のアルバムに収録されてるみたいです。わたしの持ってるものだと「シセル・イン・シンフォニー」というCDに収録されてました。でもこの動画とはアレンジが違う。





【洋楽】 Solaris - Cliff Martinez

ソダーバーグ版「ソラリス」のサントラです。この映画は突出して音楽が良かった。

実物かサンプリングかどちらかは知らないけれど、バリのガムラン音楽を思わせる音とリズムに乗せて展開するミニマル・ミュージック。
繰り返される短いフレーズが作り出すほとんど動かない単色の音空間に、同じく静的で浮遊感に満ちたオーケストラが時折何がしかの色彩を導いてきます。単色の音空間にその色彩が拡がっていったり、さし色を加えて行ったり。
聴いているとなにかトランス状態にでも入っていくような感じです。

作曲者のCliff Martinezは初期Red Hot Chili Peppersのドラマーだったそうです。



映画のほうもちょっとメモしておくと、

映画は…成功しませんでした。
同名のタルコフスキーの映画が立ち塞がってるから正当な評価もされにくい。正当な評価もされないまま忘れ去られていく運命に、今や両足を突っ込みかけてるようなところでしょうか。
映画のほうは観てから時間がたってるので確かなこともいえないんだけど、物凄く大雑把に云うと愛情(の喪失)みたいなテーマに絞りこんでいて、ある意味分かりやすい作りになってたような気がします。冗長な印象があったものの、原作もそういうところがありました。

映像は宇宙船内がセットにしか見えないというようなことは別にして、絵作りは神秘的で、思索的。音楽がこういうイメージを助ける要因になってるところは多分にありました。というより映画内容そっちのけで、ソラリスの映像と音楽に心奪われてました。

スタニスワフ・レムの原作をあらためて読み直すまでもなく「ソラリス」は異星生物との理解不可能なファーストコンタクトを扱ったSFでもあります。
「ソラリス」の場合は惑星を覆ってる「海」が知性を持ってる。
その海は目的は不明だけど人の心に入り込み心に留まった想念を実体化させる能力を持っていて、調査船に乗り込んだ精神科医クリス(ジョージ・クルーニー)の自殺した妻を、クリスの記憶を元に蘇らせてしまう。

その蘇った妻を前にして、心の傷が再び意識に上ってきたり、ソラリスが作り出した幻影と知りながらも、もう一度やり直せるかもしれないと揺れ動くクリスの心に焦点をあわせた、ソダーバーグのテーマの絞り方は、こういう物語世界があまり生かされてません。そういうテーマで進むから、映画の間中、ソラリスのことじゃなく、内省的なジョージ・クルーニーをずっと観続けてることになる。
別にSFにしなくても十分に語れる内容じゃないかと、映画に関してはそんなことを思ってました。

SolarisSolaris
(2003/03/17)
Cliff Martinez

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Solaris - First Sleep (Cliff Martinez) [HD]