2008/11/17
【洋画】 ラトルズ 4人もアイドル!
原題は「THE RUTLES in ALL YOU NEED IS CASH」なんですが、日本語のタイトルもふざけていて良いです。わたしが最初にラトルズを知ったのは輸入盤のLPレコードで、音のほうがまず最初でした。
音だけが自分の見聞きできる範囲に登場したので、映像はその時はまだ日本で紹介されてないと思っていたんですが、実際は78年に東京12チャンネルで深夜に日本語吹き替えで放送されていたそうです。
それと今は「ラトルズ」と呼んでるけど、最初は確か「ルートルズ」と呼んでいたはず。
ビートルズとの類似性を強調するなら、「ルートルズ」の方が良いと思うんだけど、映像の中では「ラトルズ」と云ってるので、正確には「ラトルズ」で良いんでしょう。本家がカブトムシならこちらはネズミという感じになってます。
題名からも分かるとおり、ビートルズへのパスティーシュで、架空のバンド「ザ・ラトルズ」を主役にして、ビートルズの成功物語とビートルズがリリースした楽曲を、そのままナンセンスなギャグを散りばめて再構成した映像作品です。
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70年代中頃にイギリスのコメディ番組「RUTLAND WEEKEND TELEVISION」のなかで、コメディ集団であるモンティ・パイソン・メンバーのエリック・アイドル(Eric Idle)や、ボンゾ・ドッグ・ドー・ダー・バンドのニール・イネス(Neil Innes)らがビートルズのパロディとして演じたバンド「ザ・ラトルズ」が元になってます。
そしてほぼ同時期、エリック・アイドルがアメリカのコメディ番組サタデー・ナイト・ライブ(SATURDAY NIGHT LIVE)でラトルズを紹介したのを、プロデューサーが気に入ってしまったのがきっかけで、サタデー・ナイト・ライブの特別番組としてラトルズの成功物語を作るプロジェクトが発足することに。
その結果できあがったTV番組がこの「ラトルズ 4人もアイドル!」です。
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これがラトルズ・メンバー。 左からダーク・マックィックリー/ポール・マッカートニー(エリック・アイドル)、バリー・ウォム/リンゴ・スター(ジョン・ハルシー)、スティッグ・オハラ/ジョージ・ハリスン(リッキー・ファター)、最後がロン・ナスティ/ジョン・レノン(ニール・イネス)。
名前は似せようとはしてないようですね。
見た目は…これのどこがビートルズ?っていう感じなんですが、一応コメディなので。
でも歌ってる時の動作とか雰囲気は結構ビートルズを彷彿とさせる部分もあります。エリック・アイドルのポールと二ール・イネスのジョンは似せるために仕草とか相当研究したらしくて、わたしとしては二ール・イネス扮するジョン・レノンが動き出すと予想以上にジョンそっくりだったので面白かったです。
解散後のラトルズの行方こそビートルズが辿った道筋とは変えてありましたが、映画(厳密に云うとTV番組で、映画ではないんだけど)は、エリック・アイドル扮するナレーターの進行で、実際のビートルズのサクセス・ストーリーをそっくり辿っていきます。
マックィックリーとナスティの出会いから、キャバーン・クラブ、ハンブルグ公演、デビューと、ビートルズ好きには周知のエピソードが、残された写真とか、ラトルズに置き換えてそっくりに真似た物を使って次々と目の前に現れます。
実際のところコメディと云っても、誰もが無条件で大笑いできるものかと云えば、そういう仕上がり方でもなくて、もとのビートルズの物語を知ってると、ふざけ具合が良く分かってくすくす笑える程度のものでした。
たとえば静かなビートルズと称されていたジョージ役のスティッグ・オハラには歌ってる以外に台詞が一言もありません。
静かにも程があるっていう話なんですが、こんなのジョージの性癖を知らなければ、仕掛けられても分からないです。
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この映画、とにかく画面の中のものをビートルズそっくりに仕上げることに徹底して神経を使ってるのが見物なんですよね。ビートルズがリリースしたアルバムにそっくりな、いちいち細かいところで微妙にふざけたラトルズ・リリースのアルバムもきちんと用意してるし。



( ビートルズの方はアビーロードのジャケット写真でポールが靴を履いてないことから、当時それが死を意味するとしてポール死亡説が流れました。ラトルズの場合は、ジョージがズボンを穿いてない事から、ジョージ死亡説が流れます )
アルバム・ジャケットだけじゃなくて、映画のなかで実際に演奏した曲も飛びっきり良く出来てました。
曲のタイプは2種類で、ビートルズの元歌を巧妙に弄くってどこか関節が外れたような具合に仕上げたタイプと、ラトルズ完全オリジナルで、いかにもビートルズだったら作りそうなタイプの曲。
ラトルズの音楽を手がけたのはレノン役のニール・イネスでこの人はコメディアンでも有るんですが、れっきとしたミュージシャンでもあって、ビートルズの「マジカル・ミステリ・ツアー」にも出演してピアノを弾いてるそうです。
この映画での音楽担当でグラミー賞のコメディ音楽録音部門にノミネート。ラトルズの音楽はコメディの付け足しみたいなものじゃなくて、完成度は非常に高いです。特にビートルズだったらいかにも作りそうなオリジナル曲の出来具合は特筆ものでした。
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あとカメオ出演っていうのか、劇中の脇役から本人として登場するタイプまで、いろんな人が出てました。ミック・ジャガー、ポール・サイモン、ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、ビル・マーレーなど。
面白いのはジョージ・ハリソンまでがインタビュアーの役で出てるんですよね。なかなか茶目っ気があるというか。
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先に書いたように、音楽だけ纏めたものがリリースされてます。
これはLPの時のジャケットを再現したものです。わたしの持ってるCDは上のほうのメンバー写真としてスキャンしたタイプなんですが、こちらの方が良いなぁ。
原題 THE RUTLES in ALL YOU NEED IS CASH
監督 Eric Idle & Gary Weis
公開 1978年
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I Must Be In Love - The Rutles
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↓動画とジャケット画像がもう少しあります↓
さらに、2曲追加してます。