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【洋楽】 わたしの好きなクリスマスソング +クリスマスっぽい写真

一応わたしのところは音楽ブログでもあるので、久しぶりに音楽メインの形にしてみます。
久しぶりの音楽記事のテーマは、今年も季節が巡ってきた、一年振りのクリスマス・ソング。

とはいうものの、音楽メインの記事にすると意気込んでるわりに、今わたしはちょっと困ってます。これは去年のクリスマスの記事にも書いたと思うけど、一応記事のコンセプトはわたしが好きなクリスマス・ソングというもので、曲を選ぶ際に一種の制限を設けてます。そしてこの条件が回を重ねるごとにかなりハードになってきてるんですね。
大体クリスマスソングなんて毎年毎年大量の新曲がリリースされるわけでもなく、そんな状態で好きなクリスマス・ソングなんていうものも毎年毎年増えるわけでもないわけで、しかもクリスマス・ソング研究家でもないから既存の曲の中でもクリスマス・ソング限定で好きな曲が大量にあるはずもなく、数少ないわたしの好きなクリスマス・ソングは数回の記事を書いた時点でもう出し尽くした感じがしてきてます。

去年のクリスマス・ソングの記事を書いた直後からそんなことを考え始めて、今から来年のクリスマス用に曲を選定しておかないと、なんて思ったりしてたんですけど、夏場にクリスマス・ソングのことなど入る頭の隙間などどこにも無かったりして、すっかり忘れたままにまたこの季節を迎えることとなりました。

さてどうしよう。というのが今のわたしの正直な感想です。

でもまぁこんな言い訳話をしてどうしようなんて思案に暮れていても仕方が無いので、とりあえずそんな状況下で選んだ曲をアップしてみます。
ちなみに選曲には悩んでますけど曲そのものは悩みの種になるような出来というわけじゃなくて、全部名曲だったりするのでそれは安心して聴けると思います。

☆ ☆ ☆

一曲目はこれ!

早くも以前に一度アップした曲。でも確かあっというまに削除されて聴けなくなってたはずの曲です。

Patti Page - Christmas Bells



テネシー・ワルツのパティ・ペイジが歌うクリスマス・ソング。
この曲はクリスマス・ソングを特集したようなものに入ってるのをほとんど見たことが無いし、街で流れてるのも聞いたことが無いです。
ネットで検索してもクリスマスとかベルとか他の曲が一杯引っかかってくる単語しかタイトルに無いから、まず何もない状態で出会うのはなかなか難しい曲かもしれません。なにしろ「Christmas Bells Are Ringing」となっただけでまったく別の曲になってしまいます。

シンプルにメロディラインが好きな曲です。
歌詞に子供の歌声が聞こえるというような箇所があるけど、この曲の子供のコーラスはちょっと一本調子でわたしには煩雑に聴こえるところがあります。パティ・ペイジの歌だけでよかったんじゃないかなぁ。



大貫妙子 - 祈り

埋め込み禁止になってたので、クリックすればYoutubeの該当ページが開きます。

この曲、80年代にYENレーベルというところから出たクリスマスアルバム「WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS」に入っていた曲です。当時YMOを中心にしたミュージシャンが集まっていたレーベルだったようで、YMOの音楽仲間といった人たちが作ったクリスマスソングが集められていました。そのなかで一番印象に残った曲がこれ。最初に聴いた時の印象も鮮烈で、今になって記憶に残ってるこのアルバムの曲はこの曲一つだったりします。
後半部分のコーラスのところが凄い好き。要するに典型的な賛美歌の響きのようなもので出来上がってるんですけど、本物の賛美歌でもこんなに賛美歌っぽい曲ってあまり無いんじゃないかと思うくらい讃美歌的な曲になってます。
今年の3月に起きた出来事を思うと、なんだか胸にしみるというか、今年はこういう曲がふさわしいのかなぁと思ったりします。


Doris Day - Snowfall



ピアニスト、作曲家のClaude Thornhillの手によるスタンダード。
それほど起伏のあるメロディでもないけど、夢心地のような美しさに満ちてる曲。舞い降りる雪って確かにこんな感じです。
歌ってるドリス・デイはケセラセラで有名な歌手です。ジャズバンドの専属歌手というのがキャリアのスタートで後に女優にもなった人。小技で勝負することも無く、そのせいであまり癖が無い歌声ともいえるんですけど、綺麗な発音で正統派の歌手らしい端整な歌声は聴いていて気持ちがいいです。

PEGGY LEE - Christmas Carousel



優雅に舞い踊るようなリズムに乗って運ばれてくる曲。実はひらパーの記事とかけて選んだんですが、カルーセルって回転木馬のことなんだそうです。そうやって聴いてみるとメリーゴーランドがゆったりと回り出す光景が思い浮かびそうな気がします。ちなみに回転木馬もクリスマスにはツリーに灯が灯ると同時に回転させるところが多いらしく、またクリスマス・カルーセルはその名前の通りクリスマスにプレゼントされるものでもあって、回転木馬って意外とクリスマスとの関連があるものらしいです。
そういえば去年撮ったサンタさんの写真、あのサンタさんが置いてあった場所には回転木馬の置物も飾ってありました。

☆ ☆ ☆

いつもと比べると少ないですけど、今回のクリスマス・ソングはこれだけ!
今回のクリスマス・ソングの記事には「祈り」が入れられたからそれでいいとしておきます。
好きなクリスマス・ソングでは複数の記事を書くつもりなら条件がきつすぎるから、今度からはちょっとコンセプトを変えたほうがいいかもしれないと思いました。



☆ ☆ ☆ クリスマスっぽい写真 ☆ ☆ ☆


これもちょっと制限を加えたために撮り難くなったテーマです。何だか愚痴ばかり書いてますね。

クリスマス的なアイコンを使わずにクリスマスっぽい写真を撮ってみるということ。これが写真を撮るに際して設けた制限でした。なぜこういうアイコンを外してみようと思ったかというと、サンタクロースさえ写しておけばクリスマスの写真になるじゃないかって云う考えがあってそれがちょっと安易に思えたから、それでそういうアプローチとは別の方向から写真を撮れないかと思ってのことでした。
これはでも難しいです。去年もこれでやってみて、やってみるとわかると思うんですけど、クリスマスの雰囲気ってツリーとかサンタクロースが一手に引き受けてるんですよね。結局この制限つきではほとんど撮れなくなってしまって、今回も結局のところリースだとか雪だるまに援助してもらったりしてます。


クリスマス1
Nikon Coolpix P5100

クリスマス2
Nikon Coolpix P5100

クリスマス3
Nikon Coolpix P5100

クリスマス6
Nikon Coolpix P5100

クリスマス5
Vista Quest VQ5090

暖かい光と緑色というのはクリスマスっぽいかなと思って撮ってみたものの、クリスマスソングのビデオクリップのようなもののひとコマくらいには使えるかもしれないけど、これだけではそんなにクリスマスと結びつかないなぁと思い、個々には切り取り方をちょっと考えたりしながらも、上に書いたように結局クリスマス・アイコンを入れてクリスマス的なものになるような写真を撮ることになりました。

イルミネーションの写真はイルミネーションそのものは派手でもなんでもないですけど、鋭角的な印象の写真になって、そういう部分は気に入ってます。

☆ ☆ ☆

はっきり云ってクリスマスっぽい写真を撮りあぐねているところに、大阪の中之島一帯で光のルネサンスというイルミネーションを主体としたイベントが開かれると知って、開催そのものは少し前から知ってたんですが開催日時までは知らなかったところ、14日に野暮用で大阪に行ったらちょうどこの日が開催日の初日だということだったので、帰り際にちょっと立ち寄って写真を撮ってくることにしました。クリスマスっぽい写真の援軍になる可能性が極めて大きかったです。

淀屋橋の銀杏
Nikon Coolpix P5100

淀屋橋に着いたのは夕方少し前のこと。光のルネサンスが開催されるのは午後五時ということだったので、夕日の中を日本銀行大阪支店の見事な銀杏の木の写真なんかを撮りながら、午後五時の点灯を待っていました。
木の周りにカメラ持ってる人が集まって写真を撮ってたので、わたしもその近くでカメラ構えたりしてました。それが気がつくと周りの人はいつのまにか何処かに消えてしまい、そのかわりに日本銀行の警備の人が近づいてきて、柵の外側からはかまわないけど、敷地内で撮影しないでくださいと注意されてしまいました。何でわたしだけ!?

光のルネサンス1
Nikon Coolpix P5100

開催直後、イルミネーションが点灯された会場の光景。まだ日が落ちきってなくて薄明の中をきらびやかな光が一斉に立ち上がりました。

光のルネサンス2
Nikon Coolpix P5100

イルミネーションに飾られた雪だるまです。上の写真の欄干の向こう手前にちょっとだけみえてますね。

光のルネサンス 3
Nikon Coolpix P5100

会場には屋台のテントが立ち並んでました。5時開催直後からイルミネーションそっちのけというか、おそらく食べてからゆっくりとイルミネーション見物をするつもりなんでしょうけど、もう色々と食べてる人がいました。写真では良く分からないですけど並んでるのは全部尖がり頭のテント。ちょっと中東風というか無国籍風のテントでした。

光のルネサンス4
Nikon Coolpix P5100

主催者側も当然この時期のことを考慮して開催日を決めたはずなので、わたしの思惑通りサンタさんも会場にいました。電飾でサンタさんを作るというより、サンタ人形に電飾の飾りをつけるという形。電飾でサンタさんを作るほうが豪華だけど、ここはこういう形にしてありました。ローズガーデンの広い空き空間に設置されていて、地面がちょっとさびしいです。電飾で地面も飾ってくれたらよかったのに、人が通る空間だから踏まれるのを恐れたのかな。

光のルネサンス5
Nikon Coolpix P5100

木に飾り付けられたイルミネーション。木の形に添って飾られ、イルミネーションそのものが木の形になってたのはわたしが歩いた範囲ではこれ一本でした。

光のルネサンス6
Nikon Coolpix P5100

土佐堀川を行く水上バス。駅に停泊中の光景です。
この日、土佐堀川にはイルミネーションで飾られた船が水上パレードしてたんですけど、夜も苦もなく撮れるデジカメといえど、シャッタースピードはかなり遅くなっていて、川面を進むイルミネーション船は全部流れたような写真になってました。この船のパレードは上手く撮っておきたかったです。

ライトアップ公会堂
Nikon Coolpix P5100

ライトアップされた中之島公会堂。普段から夜になるとライトアップされてるのかもしれないけど、かっこよかったのでスナップしてみました。モノクロだったら「メトロポリス」のようなレトロフューチャー的な映画に出てきそうなイメージですね。やっぱりわたしはこういう装飾過多の建築物が好き。

光のルネサンス8
Nikon Coolpix P5100

中之島公園の土佐堀川沿いに大阪芸大のグループが開催してる美術展が展開されてました。せっかく作品が並んでたんですけど、作品よりもライトが点されていたので撮りやすそうと思って、眺めてる人を中心に撮ってみた一枚です。

メインストリートのイルミネーション
Nikon Coolpix P5100

淀屋橋の駅から中之島公園に向かう、大阪市役所の脇を通る道。光のルネサンスの入り口に当たるその通りを中之島図書館のあたりまでドーム上に架けられていたイルミネーションの一部です。会場では中之島イルミネーションストリートと名づけられてました。

☆ ☆ ☆

一応公園の端まで歩いていってみました。全体の印象は光の~と銘打ってるわりにあまりきらびやかでもなかったこと。空を埋め尽くすようなイルミネーションをちょっと期待してたんですけど、上の写真の、会場入り口の通りを覆うドーム上のものでもイルミネーションを絡めるアーチが間隔を置いて並んでるだけで、並木を飾る光もそれほど派手なものでも無かったです。会場でのイルミネーションは単体でそこかしこに点在するような形で置いてあるだけ。それもちょっと小ぶりなものがほとんどでした。
節電の意味もあってこういう感じになったのかどうかは良く分からなかったですけど、光の洪水の中に埋め尽くされるような感覚を味わわせて欲しかったと思いました。

☆ ☆ ☆

この日フィルムカメラもモノクロフィルムを入れていたCONTAXを持っていってたんですけど、夕方を過ぎる頃の光の乏しさに早々と悲鳴を上げて使い物にならずでした。感度400のフィルムだと手持ちでは夕方が限度。それ以降は三脚が必要となります。
ということでこの夜活躍したのは一緒に持って出てたデジカメのほうでした。デジカメもフラッシュ無しでは撮れないところが多かったものの、光のイベント会場で多少光が満ちているところであれば手持ちのフィルムカメラがそのままでは拒否するようなところであっても苦もなく写せました。この1年以上フィルムカメラに没頭していてデジカメに比べたら色々と不便なところを面白がって使ってたけど、デジカメの融通の利く部分もこうやって使ってみるとやっぱり便利ですね。本当は夜もフィルムで撮りたいけど、これだけ融通が利くなら夜の撮影はデジカメに任せてしまおうかな。

☆ ☆ ☆

光のルネサンスは25日まで開催されてるそうです。ひょっとしたらクリスマス当日はもっと派手に展開してるかもしれないので、行ってみるのも面白いかもしれません。



ということで、ちょっと早いですけど、メリー・クリスマス!





☆ ☆ ☆

We Wish You A Merry ChristmasWe Wish You A Merry Christmas
(2005/11/23)
オムニバス、高橋幸宏 他

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【洋楽】わたしの好きなクリスマス・ソング +街を彩るクリスマス・アイコン

12月に入ると街の様相はクリスマス仕様へと一気に変化してしまったようです。このところカメラ片手に積極的に街を流れ歩き、街の佇まいを写真に収めようとして、今更のようにその様変わりの様子を目の当たりにしてます。
前に書いたように秋から年末にかけて、この時期のわたしの気分はいつも実際の季節のリズムには全然追いつけないで、季節の後を追いかけてるような状態ではあるものの、ファインダーを通して変化していく街の様相を眺めてるうちに、その季節感にあふれた変化に惹かれてそろそろ恒例のクリスマス・ソングの記事を書かなくてはと思い立ちました。恒例といってもブログを始めてから迎える冬は三回。セゴビア爺さんのギター演奏で始めたクリスマス・ソングもブログの重ねた月日同様に今回でまだ3回目です。

でもまだ3回しか回を重ねていないのに、何を集めようかと思案する事情に関しては去年書いたのと全く同じ状態に陥ってます。
クリスマス・ソングの記事を書く時に選択してる基準はあくまでもわたしが好きなクリスマス・ソング、わたしが好きなクリスマスに似合ってるような曲を収集するというものです。選曲にこの縛りを入れてしまうと、一年経ったからといって早々新しいお気に入りのクリスマス・ソングが増えるわけでもなく、おまけにわたしは別にクリスマス・ソングの専門家でもないわけだから、集めたい曲の顔ぶれは毎年同じようなものになってしまいがちです。
去年はそれで一度記事に取り上げたお気に入りクリスマス・ソングのバージョン違いとかを選んできたんですけど、今回もそんな感じになる他ない選曲になってしまいそうです。

依然ジョン・レノンのものとか、マライア・キャリーのものとか(マライア・キャリーはちょっと好きかな)、ワムのものとか、定番ポップス系というようなクリスマス・ソングには余り食指が動かなくて、賛美歌やトラディショナルなもの、ジャズのスタンダード的なものがメインの好みになったりしてます。
これは以前に書いたかもしれないですけど、わたしが小学校の頃に住んでいた地域には教会があって、そこの子供と同じ小学校で仲良くなっていっしょによく遊んでました。だからこの教会にもよく遊びに行ったし、クリスマスの催し物の寸劇では一応役貰ったりして賑やかしに参加させてもらったりしてました。宗教的には今に至るもキリスト教とは無縁の人間なんですけど、こういう係わり合いを子供の時に体験していたせいで、賛美歌的な響きはわたしの音楽体験の中で結構基盤的な部分を作ってるのかもしれないと思ったりもします。
今から考えるとこれも布教の一種だったのかなと思わないこともないですけど、教会に出入りして遊んだことは、こういうことをわたしの中に形成しただけで終わってしまったようでした。
ちなみに4年ほど前に、子供の頃に自分が住んでいた壬生御所ノ内町っていうところに何十年被りに様子見に出かけたことがあります。その時はこの教会はまだ残ってました。でも住んでた友達一家はもう別の教区に移動したのか表札には違う人の名前がかかってたような記憶があります。
小さい時に引越しでもしない限り子供の時に住んでた街を再訪するって云うことはないと思います。でももし子供の時に引越しをした街を持ってるなら大人になってから訪問するのは面白いですよ。懐かしさもそうなんですけど、あまりにも小さい街だったことに吃驚します。

☆ ☆ ☆

In the Bleak Midwinter 讃美歌468番 「木枯らしの風 ほえたけり」- sissel



去年グロスター大聖堂聖歌隊のものを載せた曲です。今回はシセルのもの。バックはモルモン・タバナクル合唱団で、これはモルモン・タバナクル合唱団がシセルを客演として迎えて行った演奏のようです。曲の事に関しては以前に書いたとおりです。「惑星」を書いたホルストが作った賛美歌。「木星」の作曲者でもあるホルストのメロディメイカーぶりが発揮されてる曲だと思います。今回聴いていて思ったのは「家路」に曲のタイプとして似てるかなぁってこと。
コーラスはこれだけ人数が集まるとやっぱり壮大な感じがします。実際にここで聴いたら豊かな響きだったんだろうなぁって思いました。

O Christmas Tree - ARETHA FRANKLIN




邦題は「もみの木」。トラディショナルなクリスマス・ソングです。元歌はドイツの古い民謡で19世紀に今のような歌詞が新しく作られました。クリスマスソングとして流布してますけど、元はあまりそういうことを想定しては書かれてないそうです。
このアレサ・フランクリンが歌うバージョンはクリスマス・エイドのチャリティーとして出されたコンピレーション・アルバムに収録されてます。でもこのアルバムに入ってるだけでアレサ・フランクリン名義のアルバムには未収録となってます。
意外なほどハートウォーミングでなおかつドラマチックというか、この曲ってこんなに盛り上がるものだとは思いもしませんでした。
最後の笑い声が、本当に楽しそう。


The Christmas Song - Ella Fitzgerald




この前エラ・フィッツジェラルドの歌を取り上げたので、今回も一曲。これは1960年にVERVEレーベルからでたエラ・フィッツジェラルドのクリスマスアルバム「Ella Wishes You a Swinging Christmas」に入ってる曲です。定番クリスマスソングを集めたアルバムなので曲目に新鮮さはないものの、フランク・デヴォール・オーケストラをバックにスィンギーに歌い上げて、ジャズ・ヴォーカルの王道をいくような仕上がり具合は聴き応えはあります。この曲は随分と暖かい感じに歌ってます。結構少女のような可憐な響きがある声で、わたしはそういうこの人の声質がすきなんですけど、この曲にもその声の質の良さが出てるように思えます。

How can I keep from singing? - Libera



ブログを始めた最初の年のクリスマスソングについて書いた記事でエンヤが歌ったバージョンを取り上げた曲です。今回のはわたしが最初に聴いて気に入ったリベラの歌ったもの。
アメリカ産の賛美歌でRobert Wadsworth Lowryという人が作ったものらしいです。リベラが歌ってるものはエンヤが歌ってるものに非常に近い印象を与えるんですけど、オリジナルの教会で歌われているものは、聴いてみると随分と違った印象を受けます。1991年にアルバム「Shepherd Moons」でエンヤが歌った時にこの賛美歌に質的な変転があったような感じ。もともとアメリカ産の賛美歌は、これもわたしの大好きな曲「It Came upon the Midnight Clear」のような曲同様にあまり宗教的な側面を感じさせないというか、割とポピュラー音楽の一ジャンルのようにも聴けるというような馴染みやすい側面があるように、個人的には思ってるんですけど、オリジナルと聴き比べるとエンヤ以降のこの歌のバーションはさらに馴染みやすい音楽になってるような感じです。
タイトルは反語的な言い回しで歌わずにはいられないというような意味だと思います。このタイトルも結構お気に入りです。

Vince Guaraldi - Skating


ピアニスト、ヴィンス・ガラルディのクリスマス・アルバム「A Charlie Brown Christmas」に収録されてた曲。48歳で早逝したせいなのか、ピアニストの歴史にはあまり足跡を遺したという感じじゃないです。この人はスヌーピーの音楽を書いていて、どちらかというとそちらのほうで名を残した形になってます。ピアニストとしては美しく端正なタッチとある種分かりやすいノリの良さを併せ持った演奏の人と云う感じ。
スケートといえばわたしは小学生の頃スケートリンクの真ん中まで出て行って戻れなくなった記憶が最後のもので、今でも全く歯が立たない遊びですけど、静かに雪が舞い降りてくるモノトーンの光景の中で、凍った池の上をくるくると滑っていく、どこか夢心地な情感はこの曲から十分にくみとれるような気がします。
去年はこのアルバムから「Christmastime Is Here」を取り上げました。最近マライア・キャリーがこの曲を歌ってるのを聴いて、意外とアメリカ人の間では定番クリスマス・ソングになってるのかなと思いました。

Mariah Carey - Charlie Brown Christmas (Christmas Time Is Here)



Claudine Longet - Snow (song for the holiday season)


甘く飛びっきりキュートでロマンティックなウィスパー・ヴォイスが一度耳に入ってしまったら離れなくなってしまうような、ものすごくお洒落な歌声。そういう妖精のような声が映画的というか映像的な印象のメランコリックで美しい曲を静かに紡いでいきます。冬枯れの白い世界が目に浮かびそう。
ちょっと聴いた感じはフレンチ・ポップみたいですけど、クロディーヌ・ロンジェは生まれはフランスではあるものの活躍してたのは60年代から70年代にかけてのアメリカでした。プロデュースしていたのも全部アメリカ人、ちなみに夫はアンディ・ウィリアムズだったりします。
クロディーヌ・ロンジェのフレンチっぽい歌を色々聴いてると、生まれついてのフランス人の血が自然とこういう雰囲気に行き着かせてしまうのかなぁなんて思ったりします。
堂々と歌う歌手も好きですけど、わたしはどうもこの手の舌足らずな歌手には耳が反応してしまうようで、アストラッド・ジルベルトを初めブロッサム・ディアリーだとかリサ・エクダールだとか、みんな好きな歌手の方に入っていきます。
囁く声って音は小さくても物語的でドラマチックに響いてくるようです。

Phil Spector / Darlene Love - White Christmas


続けて聴いてみるといつものことでしっとり系が多い選曲となってるような気がして、最後は華やかなクリスマスソングで締めくくります。この曲が収録されたクリスマス・アルバム「A Christmas Gift For You From Phil Spector」はウォール・オブ・サウンドといわれた特徴的なアレンジで名をはせたフィル・スペクターが60年代のアメリカン・ポップスを代表するミュージシャンを集めて作り上げた、賑やかで楽しいクリスマスの雰囲気一杯のレコードと云う感じで、クリスマス・アルバムの大定番らしいです。
この曲自体はビング・クロスビーが歌った超有名な曲。この曲は今時分の季節になると聴きたくないと思っていても無理やり耳に入ってくるので、知らない人はいないと思います。アルバム一曲目に入ってるもので、歌い手としてはフィル・スペクター傘下のミュージシャンの一人、セッション・シンガーとソロ・シンガーの掛け持ちをしていたダーレン・ラブがクレジットされてます。


☆ ☆ ☆


12月に入ってから、クリスマス・モードに一変した街の様子をスナップして歩いてました。年末の一ヶ月、目にするいろんなものや場所が浮き立つような気分を纏わりつかせてる街のなかで、クリスマス的な気配を写しこむような写真が撮れないかと思って、それらしいと感じたものにはファインダーを向けてました。
でも、シャッターを切りながら思ったのは、クリスマス的な雰囲気は12月になってから街の中にあふれ出したクリスマス的なアイコンに寄るもので、これを外すとほとんどクリスマス的な写真にはならないなぁって云うことでした。実はツリーだとかサンタクロースだとかのクリスマス・アイコンに頼らないで、クリスマス的な気配を写真の中に封じ込めないかとちょっとした野望を持ってカメラを構えてたんですね。でも残念なことにその野望は見事に打ち砕かれてしまったようでした。

という具合にちょっとだけ思惑はずれの結果になったんですが、そういうわたしの野望はさておき、12月に入る頃からこんな写真を撮ってました。写さないつもりだったツリー状の物体とかサンタクロースが一杯入ってます。

イルミネーション2
Nikon COOLPIX P5100

河原町の御池通りに飾られてたイルミネーション。少し絞って撮ったら明かりが星型の光芒になりました。

サンタ・ペコちゃん
Nikon COOLPIX P5100

四条高瀬川にある不二家のペコちゃんもサンタに衣替えです。でもこの店来年早々に閉店なんですよね。わたしは不二家といえばこの店と河原町三条にあった店が直ぐに思い浮かぶんですけど、ここが閉店してしまうと両方とも京都から消えてしまうことになって、すごく淋しいです。

クリスマスリース
Nikon COOLPIX P5100

サンタ
Nikon COOLPIX P5100

四条河原町の高島屋でみたクリスマスのおもちゃ。右のものはそりに乗った人が滑り降りてくるおもちゃです。
下まで降りてきたそりは機械仕掛けでスロープの下を通ってまた出発点に戻され、延々と滑り降りるようになってました。


高瀬川のテラス
Nikon COOLPIX P5100

高瀬川沿いにあったレストランのテラス。この寒い夜空の下で食べようなんていう酔狂な人はさすがにいないようです。でも一応テーブルはセットされてるんですよね。

☆ ☆ ☆


それでは、メリー・クリスマス♪(*^^*)


☆ ☆ ☆

Spirit of the SeasonSpirit of the Season
(2007/10/16)
Mormon Tabernacle Choir & Orchestra Temple Square

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Very Special Christmas 2Very Special Christmas 2
(1992/10/20)
Various Artists

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Ella Wishes You Swinging ChristmasElla Wishes You Swinging Christmas
(2002/10/29)
Ella Fitzgerald

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恋は水色恋は水色
(2002/02/06)
クロディーヌ・ロンジェ

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Christmas Gift for You From Phil SpectorChristmas Gift for You From Phil Spector
(2009/10/26)
Phil Spector

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【洋楽】我が耳に残るクリスマスソング

前回の記事も京都駅のクリスマスツリーで終わってることだし、繋がりも良いということで今の季節にぴったりなクリスマスソングの話題です。
去年もちょうど今くらいの時期にクリスマスソングの記事を一つ書いてます。それで今回もまた同じように、クリスマスソングの記事でも書こうかなと思いたちました。
そう思い立ってから今年はどういう曲が良いだろうと曲集めに思いを巡らせ始めたんですが、集め始めて程なくしてから、ちょっと困惑することに直面することになりました。
実は去年記事にしたクリスマスの曲はわたしが今まで耳にした曲の中では一番のお気に入りとそれに近いものばかりを集めていたんですが、この時に後先考えずにわたしにとってのベスト1級のものばかりを集めて記事にしたものだから、今年のこの記事にどんな曲を入れてみようかと思っていろいろ考えてみたら、去年のと重複しないような選択にすると、一番のお気に入りが何一つ入ってないクリスマス・ソング集になりかねないって云うことに気づいたんですよね。クリスマスソングなんてそうそう毎年大量に新曲が出てくるわけでもないから、年毎にお気に入りが変わる可能性もまずないと。
お気に入りの入ってないクリスマスソング集を記事にしても面白くないなぁって思って、それでしばらく考えてました。
結局、お気に入りはお気に入りとしてまた記事に入れてしまうしか方法はないと開き直って、今回の記事にも去年の選曲の一部を組み入れることに決定。一応アレンジ違いのものを選んだものの、去年わたしの記事を読んでくれた人には同じ曲がいくつか並んでしまうことになりました。

どんな曲が良いか選んでいて思ったのは、これもまた去年に同じようなことを書いてるんですけど、「ホワイトクリスマス」だとか「ジングルベル」だとか「サンタが町にやってくる」だとか、ポピュラー的なクリスマスソングよりも、やっぱりどちらかというと賛美歌、あるいは賛美歌のような響きを持ってる曲のほうが好みに合ってるかなということ。だからといって別に教会に足繁く通ってるわけでもないんですけどね。でもなぜかこういう響きに心惹かれるところがあります。


☆ ☆ ☆

☆ El noi de la mare ☆





ということでトップバッターは去年と同じ、去年はセゴビアのギター演奏バージョンをアップした「聖母の御子」です。今回の最初のほうはJean-Felix LalanneとMuriel Andersonのデュエットによる同じくギター演奏。下のほうはこの曲のコーラスバージョンがあったのでアップしてみました。
Jean-Felix LalanneとMuriel Andersonのギターのほうはウディ・アレンの2008年の映画「Vicky Cristina Barcelona(邦題 それでも恋するバルセロナ)」の挿入曲としても使われてます。

スペインのカタロニア地方に伝わる古い歌で一般的にはカタロニアのギタリスト、ミゲル・リョベートがギター演奏用に編曲したカタロニア民謡集の中の一曲として知られてます。そしてこの曲はクリスマスキャロルとして良く歌われる曲の一つでもあります。
素朴なんだけどそのシンプルな旋律が含み持ってる和声の動きがことのほか綺麗な曲という印象で、わたしはこの曲のそういうところが大好き。
コーラスのものは他にもいくつか聴いてみたんですが、後半の下降していく旋律部分はなぜか歌の旋律の中には含まれてないんですよね。どうしてなのか分からないけど、この後半部分の旋律が結構好きなので、それを欠いたコーラスバージョンは若干物足りないところがあります。


一応探せるものはCDの情報も置いておきます。

DuetDuet
(1999/04/06)
Muriel Anderson & Lalanne

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それでも恋するバルセロナ オリジナル・サウンドトラックそれでも恋するバルセロナ オリジナル・サウンドトラック
(2009/05/27)
サントラビエル・バレスター・トリオ

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☆ It Came Upon The Midnight Clear ☆



賛美歌114番「あめなる神には」という邦題がついてるクリスマスキャロル。
アメリカ産の賛美歌で1850年に音楽家Richard Storrs Willisの手によって作曲されてます。この曲は一風変わった特徴があって、同じタイトルではあってもイギリスで歌われてるものはメロディが異なってるんですね。アメリカのクリスマスキャロルなんかに負けていられるかというような対抗意識でもあったのか、イギリスのこの曲はイギリス本国にある昔からのクリスマスキャロルを作曲家Arthur S. Sullivanが編曲した旋律に乗せて歌われてます。ちなみにこの人は劇作家William S. Gilbertと組んで数々のオペレッタを世に送り出したことで有名な人。ギルバート・アンド・サリヴァンのサリヴァンさんです。
だからこの曲に関しては同じタイトルだからと聴いてみればぜんぜん違う讃美歌が出てくることがあって、おそらくそれがイギリスバージョンなんでしょうけど、わたしの聴く限りでは曲の出来はアメリカ版のこの旋律のほうが圧倒的に良いです。
去年はイーディ・ゴーメが歌ってるものを取り上げました。イーディ・ゴーメらしい非常に伸びやかでつやのある気持ちのいい声で歌われていて、いつもながらの歌の上手さが際立ってるような仕上がりのものでした。この曲はわたしにとってはイーディ・ゴーメのものがベストという扱いになってます。ちなみに「~That glorious song of old」の部分のEm→A7→Am7→D7っていう和声の動き(おそらくこれで間違ってないと思うけど)に乗って伸びていくゴーメの歌声がわたしにとってのツボをつかれたちょっとしたポイントだったりします。
今回アップしたのはイーディ・ゴーメのものとは完全に曲調を変えて、マヘリア・ジャクソンのゴスペル・バージョンです。心に直接切り込んでくるように歌われる、こういうソウルフルな形もまた聴き応えがあっていい感じです。
ちなみに1991年の映画「A Midnight Clear 邦題:真夜中の戦場」でかなり印象を違える編曲を施されてこの曲が使われてます。わたしはこれも聴いたことがあるんですけど、編曲者が映画の意図に合わせすぎてるようであまり好きな感じではなかったです。


Christmas with MahaliaChristmas with Mahalia
(1990/07/16)
Mahalia Jackson

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このCDは今のところ入手不可。同タイトルのジャケット違いのものがあるんですが、トラックリストが無かったために同じ内容なのか確認できませんでした。



☆ Christmas Time is Here ☆



「PENUTS」の1965年の初アニメ映画「A CHARLIE BROWN CHRISTMAS (邦題 スヌーピーのメリー・クリスマス)」に出てくる曲です。このアニメが成功したおかげで「PENUTS」はTVシリーズ化されることになって、スヌーピーなどのキャラクターが広く知られるきっかけになったそうです。作曲と演奏をしてるのはジャズ・ピアニストVince Guaraldi。
この子供の歌声を使ったボーカル・バージョンはアニメに使われてたものです。後にスタンダード曲になっていろんなミュージシャンがカバーすることになるんですけど、この子供の奇をてらわない素朴な歌声が何だかこの曲には一番あってるような気がします。
わたしはこの曲を聴くと静かに降り積もる雪の光景を思い浮かべたりします。内省的な雰囲気も少しあるような曲ですが、歌詞の内容は意外にもクリスマスの楽しさ、幸福感について歌ってるんですよね。



A Charlie Brown ChristmasA Charlie Brown Christmas
(2006/10/10)
Vince Guaraldi

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☆ In the Bleak Midwinter ☆


邦題は讃美歌468番 「木枯らしの風 ほえたけり」
先にも書いたようにキリスト教徒でもなんでもないわたしの胸の奥にまで、どうしてこれほど迫ってくるものがあるのかと思うくらいに清廉で美しく、教会という空間で歌われることがこれほどふさわしいものもあまりないのではないかと思わせるような曲。
波乱万丈の展開でこちらの感覚を翻弄するでもなく、どちらかといえば訥々と語りかけるような曲調なんですが、むしろそういうシンプルさを持ち合わせてることが胸に迫るような感情を徐々に引き出してくる要因になってる気がします。
桂冠詩人Christina G. Rossettiが書いた詩に、後になってイギリスを代表する作曲家のひとりGustav Holstが曲を作るという形で成立したイギリスの賛美歌。作曲年は1905年というから、現代の賛美歌という扱いになるんでしょうね。
ちなみにこのGustav Holstはあの「惑星」の作曲家のホルストでもあります。「惑星」のなかの一曲「木星」を何年か前に平原綾香が歌にしてました。これも優れて美しい旋律を持った曲でした。

こういう旋律をもってる曲だからなのか、他にもクロスオーバー系の歌手、サラ・ブライトマン、とかケルティっク・ウーマンとか、IL DIVOとか、けっこう大勢のミュージシャンが取り上げたりしてるようです。わたしはシセルが客演して歌ったアルバム「Spirit of the Season」に入っていたバージョンも結構お気に入り。ただアルバム自体はクリスマスアルバムではあるんですけどかなり宗教よりの感じで、単なるクリスマスソング集として聴こうとすると結構違和感があるものでした。良かったのはこれと「Lux Aurumque」くらいかな。

この曲は映画のほうでは1995年の映画「 In the Bleak Midwinter (邦題 世にも憂鬱なハムレットたち)」というのに使われたことがあります。映画のタイトルは曲のタイトルそのままですね。


Gloucester Cathedral Choir(グロスター大聖堂聖歌隊)の「Christmas Carols」というCDが以前にリリースされてましたが、現在は入手不可。



☆ All I want for Christmas is you ☆


趣向を変えてボッサ・アレンジのクリスマスソング。曲はマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」のカバーです。
2006年ごろに発売された「Christmas In Bossa」というコンピレーションCDに収録されてました。リオのレーベル「ALBATROZ MUSIC」から「~ In Bossa」って云うタイトルの、ジャンルを決めてそのジャンルの曲を全部ボサノヴァにしてしまうCDがいくつかリリースされていて、これはその中の1枚。
全曲本場ブラジルのミュージシャンが演奏していて、この曲を歌ってるのはマルセラ・マンガベイラ (Marcela Mangabeira)という人。実はこの歌手のことはわたしは良く知りません。どうやらボサノヴァの創世期に重要な役割を果たし、のちにプロデューサーになったロベルト・メネスカル(Roberto Menescal)の娘らしいって云うことくらい。アルバトロスというレーベルがメネスカルのレーベルだから、マンガベイラはこのレーベルの歌姫的な扱いのようです。


クリスマス・イン・ボッサクリスマス・イン・ボッサ
(2006/11/15)
オムニバスセシリア・デイル

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☆ White Christmas ☆



もう一曲ボッサ・アレンジのクリスマスソング、こちらは歌ってるのは小野リサです。
曲のほうはもう誰もが知ってるクリスマスの代表的な曲ですね。
一応補足的に書いておくと、ジョージ・ガーシュイン(George Gershwin)にアメリカのシューベルトと云わしめた作曲家アーヴィング・バーリン(Irving Berlin)の作。
曲の初出は1942年公開の映画「スイング・ホテル」で、ビング・クロスビーが歌ったもの。これが大ヒットしてのちにクリスマスソングのスタンダードになっていくわけです。1954年に「ホワイトクリスマス」っていうそのままのタイトルで映画はリメイクされて、この映画の主題歌としても使われました。
アーヴィング・バーリンといえばアメリカのポピュラーソングの創始者のような人です。「God Bless America」の作者でもあるから、アメリカ人でこの人を知らない人はいないんじゃないかと思います。アーヴィング・バーリンの曲だとわたしは「All Alone」なんかが好きかな。セロニアス・モンクが「セロニアス・ヒムセルフ」で弾いてたリリカルなソロ・ピアノ版を良く聴いてました。

マンガベイラの曲もこちらも冬の曲なのにボッサ・アレンジはほとんど違和感が無いです。むしろ冬のイメージの曲に南の国の温かい風が吹き込んで、気候的にちょうど良くなってるような感じさえします。
暖かくした部屋でリラックスして過ごすクリスマスって云うイメージになるのかな。ゆったりと流れる時間に耳をゆだねるのは、なかなか心地良いです。小野リサは声質もハートウォームな印象で、こういうアレンジには良く合ってると思います。


BOAS FESTASBOAS FESTAS
(2000/11/16)
小野リサ

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小野リサのクリスマス・アルバム。現在はamazonでは入手不可。
同じ内容のCDは別ジャケットで再販されていてそちらで利用できるんですけど、再販されたのはただの白っぽいだけのジャケットでつまらないです。



☆  Lux Aurumque ☆



去年のクリスマスソングのなかに、現代音楽の作曲家パトリック・ホーズ(Patrick Hawes)の「Quanta Qualia」って云う曲を入れておいたんですが、今回も同じような枠組みで一曲入れておきます。

エリック・ウィテカー(Eric Whitacre)作曲の合唱曲「Lux Aurumque」。

原題はラテン語で「黄金の光(Light of Gold)」という意味だそうです。「In the Bleak Midwinter」のことを書いてる中にシセルの客演アルバムで良かったとあげたもう一つの曲がこれです。
エリック・ウィテカーは70年の生まれというからまさに同時代をともに生きてる作曲家と云えるでしょう。現在は主に吹奏楽と合唱曲の作曲家として名前を知られています。
現代音楽の作曲家だしラテン語のタイトルがついた曲なんていうのもあるところから、若干面倒くさそうな印象も持つんですけど、ウィテカーは元々ロック好きだったらしくて、現代音楽的な範疇に入りそうにも無い「ラスベガスを喰い尽くすゴジラ (Godzilla Eats Las Vegas!)」っていうような妙なタイトルの曲も書いてます。

この曲の全体の印象は静謐でただひたすら美しい祈りの音楽といったようなものだと思いますけど、わたしがこの曲を聴いた時にさらに思ったのはそういう美しさと同時に、随分と音響的な作り方をしてる合唱曲だなということでした。時間に沿って展開していく旋律というような通時的な要素と同じくらい、その場で同時に鳴り響いてる音の層といった共時的な要素のほうをかなり重点的に考えて作られてるとでもいうか。こういう部分が凄く面白いものとして印象に残りました。最後のほうで途切れ途切れに音の塊が現れては消えていくようなところ。この辺は聴いていて、かっこいいなぁなんて思ったりしました。
共時的な音作りという点では、この曲がどれだけの声部パートに分けられてるかは詳しくは知らないんですけど、大体ウィテカーの作る合唱曲は構造がきわめて細かく分割されていて、多い時では16声部くらいにもなる曲もあるらしいです。隣接した音を細かく重ねるトーン・クラスター(ある音からもう一つ別の音の間にあるすべての音を同時に鳴らすこと)技法を使って、そういう時の響きは斬新というかかなり異様な印象を与えてくるようになります。

トーン・クラスターを使った緊張感のある音と多層にわたるパートが作る飽和状態になったような音空間、こういうのが美しい祈りの音楽と撚り合わされてウィテカーのかなり特異な音楽が姿を現すことになるんだと思いますが、こういう音楽って、その充満する音の海に聴感覚をゆだねてしまえば簡単にトリップできそうな感じがしますね。あるいはウィテカーの音楽を聴くことでトリップ感覚の擬似的な体験に近いようなものを感じ取れるっていうか。
もしも60年代後半にこの音楽が存在してたなら、キューブリックは確実に「2001年」で使ってたんじゃないかっていうことも思ったりしました。宇宙空間の絶対的な孤独とか、ボーマン船長が潜り抜けていくスターゲイトコリドーのシーンとかものすごく親和性がありそうです。


Eric Whitacre: The Complete A Cappella Works, 1991-2001Eric Whitacre: The Complete A Cappella Works, 1991-2001
(2003/04/29)
不明

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わたしが聴いてるのはこのアルバムなんですけど、amazonではどうやらこれも廃盤のようです。
マーケットプレイスのほうで出てるのは、2009年のこの時期、かなりのプレミアがついてますね。



☆ Auld Lang Syne ☆



この曲はたまにクリスマスソング集に入ってるのをみかけるものの、ほとんどクリスマスソングって云う印象はないです。
どちらかといえば聴いてしまうとクリスマスどころか一気に年末まで時間が飛んでしまうような曲です。でもYoutubeを漁っていてシセルが歌ってるのを見つけたものだから、クリスマスソングを探すという目的をそっちのけにして聴きほれてしまいました。その結実として、まぁわたしが好きな曲というだけの理由でここに入れてみたわけです。あえて日本語の題名は出しませんけど、赤ん坊、幼児を除いておそらく日本中の人が必ず耳にした事のある曲のはずです。
元々はスコットランドの古い歌、内容は古い友達と再会して、過ぎ去った懐かしい日々にともに乾杯するっていうような内容だったと思います。ここでは2番以降、シセルはおそらく母国のノルウェー語?だと思うんですが、自分の存在根拠を託してる言葉で歌ってます。そういう言葉で歌うのがふさわしい曲でもあります。

ということで、最後は年末に飛んでいってしまいましたが、2009年のクリスマス・ソング集でした。楽しめました?

では、メリー・クリスマス!です。



最後まで読んでくださってありがとう御座いました。




【洋楽】 クリスマス・ソングいろいろ

クリスマスソングの記事を一つ書いておこうと、でも投稿するのは24日でいいやと思ってたんですが、24日だとピンポイント爆撃みたいに照準はぴたりと合ってはいても、記事の賞味期限が恐ろしく短いということに今更のように気づいてしまい、ここら辺りで書いてしまうことにします。

といっても曲を並べるだけですけど。

わたしはキリスト教徒ではないけれど、賛美歌の響きはなぜか結構好き。教会音楽ってキリスト教と全く無縁の人間にも、静謐な感じとか天上の優美な響きとかそういうのを分かる形で伝えてくるのが面白いです。宗教が違っても共有してるような宗教的感覚が人にはあって、賛美歌はそういう部分を刺激してくるのか。あるいは単純に西洋音階に馴らされてるだけなのか。どちらなんでしょうか。

☆ ☆ ☆

El Noi De La Mare - Andres Segovia


日本語のタイトルは「聖母の御子」。カタロニア地方に伝わる古い歌で、ミゲル・リョベートがギター用に編曲したのが有名です。ここでギターを弾いてるのはセゴビアなんですが、古い録音で残念なことにギターの音が痩せてしまってます。趣はあるんですけどね。
わたしはギター曲として馴染んでるんですが、クリスマス・キャロルとしてもごく普通に歌われているようです。
シンプルだけど、和声の動きが極めて綺麗な曲という感じで好きです。

It Came Upon a Midnight Clear - Eydie Gorme


イーディ・ゴーメが歌う「It Came Upon a Midnight Clear」。
この曲は確かアメリカで初めて作られたクリスマス・キャロルじゃなかったかと。
賛美歌114番「天なる神には」というタイトルがついてます。
同じ歌をシナトラが歌ってるのもありましたが、聴いてみて、あまり洒脱に歌うと逆に雰囲気出てこないんじゃないかと、そんなことを思いました。

It Came Upon A Midnight Clear - Frank Sinatra



How Can I Keep From Singing - Enya


エンヤのはアルバム「シェパード・ムーン」に収録。
曲はエンヤが作ったのではなく、イギリス辺りのトラディショナルだと思うんですが、はっきりしたことは分からずです。
わたしはリベラの前身The St Philips Boy s Choirのアルバム「Angel Voices」に入っていたのをよく聴いてました。
エンヤはあまり好きな歌手でもないんですが、このPVみたいに現代の紛争地域などの映像を背景にして流されると、祈りの歌として切実な感じで心に入り込んでくるようです。

こちらはリベラ版のHow Can I Keep From Singing。CMのようで曲は一部だけですが、こちらのほうはより直接的にクリスマスしてます。
でも最後の方にちょっとだけエンヤ風の映像も出てきて、この歌はやはり「祈り」の歌ということなんでしょうか。
How Can I Keep From Singing [Waitrose Advert 2008] - Libera





↓さらにもう少し曲があります

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