2016/03/08
木霊

2016 / 01 / OLYMPUS PEN F + E.Zuiko Auto-T 100mm f3.5 / Lomography ColorNegative 400

2016 / 01 / OLYMPUS PEN F + E.Zuiko Auto-T 100mm f3.5 / Lomography ColorNegative 400

2016 / 01 / OLYMPUS PEN F + E.Zuiko Auto-T 100mm f3.5 / Lomography ColorNegative 400

2016 / 01 / OLYMPUS PEN F + E.Zuiko Auto-T 100mm f3.5 / Lomography ColorNegative 400
5日の土曜日にPCの修理の約束。さてこれをアップする頃には全部片がついてるとは思うけど、これを書いてる今は修理に来てもらう前に部屋の整理をしておかないといけない事態に直面してる。でもこれがまた大変。なにしろ床の上に足の踏み場もないほど本だとか何だとかが積み上げてある。最低でも修理作業が出来るくらいの何もない空間を確保しておかなければならないと思いつつ、部屋を埋め尽くすいろんなものを移動させてるけど、15パズルでさえも必ず用意してある一マスの空間を確保するだけでも頭を捻るような様相で途方にくれる。
小奇麗に整理するまではとてもじゃないが無理な感じで、作業空間を空けるだけの整理となりそうだけど、一度しか来ない修理の人にいいところを見せても仕方ないので、もうこの見栄え関係なしの一時的な整理の仕方でいいかと開き直ってる。
コレクション癖があるのは認めるけど、そんなにマニアックでもないし、悩みなく収納できるような広い家に住んでるわけでもないから自然とブレーキがかかるようなところもある。でもその程度の嗜好でもいつのまにやらこれだけのものが集まってしまうんだと、我ながらちょっと感心してる。必要最小限の家具しか置かないで無印の広告にでも出てきそうな部屋に住んでる人とか、まるでものを集めたりはしないんだろうか。それは物質に捉われない確かにシンプルな生き方で身軽ではあるかもしれないけど、多少は個的空間を傾向付けるような雑多なものでもないと、生活をしていてつまらなくはないんだろうか。と、なかなか身軽になれない者としての自己正当化をしてみたりもする。
☆ ☆ ☆
幽霊ときたら、中学生の頃に北杜夫の小説が好きだったわたしとしては木霊と展開していく以外に選択肢はない。このところブックオフでの100円文庫漁りのリストに北杜夫も入っていて、何冊か買いなおしたけど、「牧神の午後」とか文庫で出てなかったのかな、全然見当たらない。わたしには中学の頃に結構好きで読んでた作家だった。この年代に北杜夫の本を読んだと言う人は特に理由はないけど多そうな感じがする。でも反対に大人になってから読む人はそんなにいないかもしれない。
ちなみに最近見つけたら買ってるのが谷崎潤一郎の文庫。意外と読んだ気になっているだけで実際には読んでない作家の扱いになってる人は多そうな気がする。わたしも「途上」だとか「柳湯の事件」だとか谷崎潤一郎が書いたミステリ的なものはよく読んでいたんだけど、それ以外はあまり読んでないのに今更の如く気づいたりしてる。「陰影礼賛」なんて写真的興味で読んでみたら、何か発想の役に立つものでもあるかもしれない。
「柳湯の事件」の不気味さは感覚としては今回の写真の4枚目に近いところがある。同じ範疇にあるような感覚を写真に取り込んでみたいというほどに、個人的にこういう感じはやっぱり無条件で好きなんだと思うし、こういう感覚的なものを拾い上げられる作家の感性は、他のも読んでみると結構夢中になるかもしれない。
今回の写真は木霊なんていうタイトルをつけてみたけど、それっぽいのは最初のだけかな。真冬のほうが良かったかもしれない。
最初のははるか上空から大陸の海岸線でも望んでるような感じにも見える。
2枚目のは手前の曲線と背後の直線の対比みたいな感じで撮ろうとしたものだけど、あまり際立った感じにはならなかった。パターンを見つけたりといったような、ラインの整理はまるでする気がなくて、それでも混沌としたパワフルなイメージにもなってないなぁ。
3枚目のキャベツ畑はなんだか薄気味悪い。ずらっと並んで画面を埋め尽くしてる様子や若干転び気味の色の感じでそんな風に見えるんだと思う。青白く生気のない血管のような葉脈に包まれて、キャベツってこんなに気味悪いものだったんだと認識を新たにするかもしれない。まるでエイリアンの卵の集積所。
最後のは普通に言うと失敗写真なんだけど、荒れ具合、破綻具合がそれなりに意図に沿ったイメージになっていたもの。単純にいうと露出不足で色の出方がめちゃくちゃになってるのと粒子が極端に荒れてしまってるのと、さらに不出来なネガをスキャンしたためのノイズが混じってこんな感じになってる。
でも、これがまた意外なほどにシュルレアリスティック!
フィルムを使った時の予想もしないイメージの荒れとかは単純に失敗とすることもない。サラ・ムーンなんかは積極的にフィルムに物理的、化学的ダメージを与えたりしていたようだし、考えようによっては千切れでもしない限り、失敗したフィルム写真なんて本当はどこにも存在しないのかもしれない。
この前カメラの中で千切れてしまったフィルムがこれだったんだけど、結局それ以降も使ってる。何しろ安いしフィルムの画質としても、多少は色のりが悪いときはあるけど、コダックなんかに比べて安い分だけ落ちてると言う感じもしない。というかロモが自社でフィルムを生産してるとも思えないし、ロモのモノクロはフォマのものらしいから、このカラーネガもコダック辺りの低価格フィルムのOEMなんじゃないかなと思ってる。千切れたトラブルはあの時一度だけだったから、あの時のフィルム個別のトラブルだったんだろうと、希望的な観測で捉えてる。
ちなみにロモのカラーネガで感度100のものは色調や画質も積極的に好きな部類に入ってる。