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極私的

近未来的支柱





ボールと縄






青い壁画





回転橋






茫洋とした何か
2017 / 05
Diana Mini
Kodak Tri-X

誰かと共有するつもりもないような極私的な視線。形を成すかなさないかの境界で揺らぐイメージにすらならないイメージ。視線の外周をかすめすぎていく何か。そしてそういう何かを捉えるために焦点をずらす眼と世界。世界は無意味だと、そういう主張をするほどにも意味を持たない、無意味な事物の繋がり渡る集積。後で見て言葉になるのはそんなところなのかもしれないけど、これは本当に後付けで云ってるだけで、撮っている間そんなことを考えてるわけでもないと思う。ぼんやりとした視線ほとんど具体的な事物が目に入らないような半眼で眺める世界の、その世界に茫洋と分け入っていく視線の隅に垣間見えたように思った何か得体の知れないもの。自分ではそういうものの痕跡気配をフィルムの感光面に封じ込めるためにシャッターを切りたいと思っていつもカメラを携えて歩き回ってはいるものの、出来上がる写真の中に見えるものはすべてわたしにとってはいつの間にか既知となったものばかり。期待するのもむなしく得体の知れないものなどどこにも写ってはいない。こういう眼の定めで歩いていると後ろからクラクションを鳴らされるのは常態となってしまって、これは気をつけていないと、とことあるごとに冷やりとして我にかえる。先日四条の十字屋に入ってみて、今はここは一階がカフェ、地下一階が以前の十字屋の面影を少し残す雑貨ショップと成り果てていて、音楽のオーラもほとんどなくなってしまった場所に化してはいたんだけど、まぁそれはともかく何とまぁ様変わりしてしまったものだと思いつつ店内を歩いてる時に目についた12インチのEPレコードのジャケットがあった。エマーソン北村と言うミュージシャンのレコードだったんだけど、ジャケットの写真はどう見てもサブカル狙いの、怪しげで尖がった感性を見せびらかしてるようでどこか薄っぺらい底が見えてるようなものだった。でもこのジャケットでどんな音がおさまってるのかちょっと興味が出てきて帰ってからYoutubeで探してみたら、出てきたのがこういうものだった。



十字屋でみたレコードに入ってるものでもなさそうだったけど、意外と音は、こういうものにありがちなモンドミュージックっぽいところも希薄で、ふわふわした優しげなラウンジミュージックのような雰囲気。このある種気持ちのいい音の連鎖はあのジャケットで妙な期待を抱いてしまうと肩透かしをくらいそうだ。ちなみに十字屋でみたジャケットはこういうものだった。



最近ちょっと音楽づいてる。ウクレレなんていうのを衝動買いしてしまった。これでストレンジャー・イン・パラダイスだとか、リバー・オブ・ノーリターンだとか、好きな曲を弾けるようになりたいな。




もうほとんど最初から壊れてるといってもいいような破綻カメラ。一台で真四角フォーマットとハーフサイズが、フィルムを入れ替えずに撮影途中で切り替えられるなんていう、妙に豪華な仕様になってるのがまるで不釣合いにみえる。





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【写真】積み上がる形態 +【音楽】Cup Song

トーテムポール


なんだか眩暈でひっくり返ってる間に足早にやってきた桜の季節は、すでにどこかへ去っていこうかとでも云うような気配が漂い始めて、結局今年の桜は大して撮れないままに終わってしまいそう。
今年は名所のものじゃなくて、街の片隅や小さな公園に咲いてるような、市井の桜を撮ってみようかと思っていて、眩暈に体が馴染んできた頃にカメラ持ってちょっと出かけたりはしたんだけど、桜は咲いていてもやっぱりすでにどこか勢いがなくて、それほど思うようには撮れなかった感じでした。
街中の桜を撮りに行った日、ついでに京都府庁の中庭の桜とかも撮りに立ち寄ったりもしてはみたものの、さて結果はどうなるか。これの仕上がりは来週になるので、思うように撮れなかったとは云っても、来週までワクワクドキドキちょっと楽しみではあります。ただこの時の撮影はカメラがトラブルを起こしていたので、なんとかなだめすかして撮ってはいたけれど、ひょっとしたらフィルム全体がアウトになってる可能性もあったりして、今回のはこういうのも仕上がりのドキドキ感に加算されてます。

☆ ☆ ☆

最初に眩暈に見舞われてから大体二週間くらい経過したけど、未だにすっきりとは取れてない感じの状態が続いてます。
普通に起きて生活してるぶんにはまるで大丈夫なんだけど、下を向いたり見上げたり、そして寝ようとして体を横にしたりすると相も変わらずふわふわと浮遊感が頭全体を包み込むような感じ。ジェットコースターのような激しい回転感覚はそれほどでもなくなりつつあって、たとえてみるなら最初の状態が台風のようなものだったら今の状態は熱帯性低気圧がさらに崩れて普通の低気圧に移行していってるような状態かも。
体のほうも眩暈に順応してるところもあるようで、なんだか眩暈と一緒に生活してるのが当たり前のような感覚にもなってきてるんだけど、だからといって眩暈に慣れたかというと、こんなものに慣れるわけもなく、歯医者とか美容院とか、倒れる椅子のある場所はいまだに怖くて立ち寄れないです。


☆ ☆ ☆


写真は去年の初夏の頃伏見稲荷から東福寺の間辺りを歩き回って撮ったもの。
これ、ダイアナで撮ったんだけど、フィルムの巻き太り防止のためにフィルムロールを抑える目的で、フィルム室の巻き取り軸の傍ら、巻き取り軸に沿うように貼っておいたスポンジテープが剥がれて、フィルムの中に一緒に巻き込まれてしまったものでした。
ダイアナはブローニー・フィルムを使うトイカメラで、トイカメラらしく巻き取ったフィルムを軸側に密着させておくような機構など何一つついてなく、そのまま使うと巻き上げたフィルムが緩んだままになって光線引きすることが多いです。だからちょっと工夫して使うんだけど、このときに貼っていたテープは貼った位置があまりよくなかったようでした。
フォトハウスKで事情を説明して、ラボにはスポンジが巻き込まれてると説明付きで出してもらった結果、ラボのほうでは紛失して後で何か云われるのもかなわないとでも思ったのか、取り出したスポンジテープ(実はただの隙間テープ)も丁寧にビニール袋に入れて、返却されてきました。
巻き込んだ以降のコマは全滅かと思っていたけど、スポンジテープを巻き込んで緩んだ部分で光線引きはしてるけどそれほどのダメージでもなくて、トイカメラではよくあるような出来上がりの範疇に入ってる結果になりました。

ただ、光線引きそのものはトイカメラ的と思えばどうってことのないものではあるものの、巻き込んだスポンジの影がくっきりと出てるのはちょっといただけないというか、間抜けな印象だしこれはやっぱりかっこ悪いかな。
スポンジの長方形の影が入ってしまった写真、これは東福寺辺りにある教会が掃除をしてる最中に近くを通った際に、教会前に積み上げてあったテーブルというか椅子というか、形が面白くて撮ったものだったんだけど、スポンジの影が入ってない状態で撮りなおしたいと思った写真でもありました。でもいつこんな形でこの教会がまた積み上げてくれるか分からないから、まさか東福寺まで日参して確かめるわけにもいかず、未だに撮りなおしは果たせずにいます。



積み上げられた家具


厨房の猫

これはまぁ積みあがる形じゃないけど。



Diana+
元は香港製のトイカメラ。今簡単に手に入るのはLOMOが出した復刻版だけど、オリジナルのほうはあのホルガの元になったという伝説を持つ、極め付きにチープなカメラです。企業の販促用のノベルティとして配られたものが多くて、そのせいでオリジナルのほうは企業の名前を冠したり、微妙にデザインの違うバリエーションが膨大に存在し、コレクター魂に火をつけるような存在のカメラでもあります。

伏見稲荷大社で外国の人がぶら下げていたのを一度見たことがあります。でも完全にお天気カメラだから、稲荷山では暗くてまともに撮れなかったんじゃないかな。



☆ ☆ ☆


Anna Kendrick - Cups (Pitch Perfect's "When I'm Gone")


Pitch Perfectという映画、DJを目指して聴く音楽はデジタルものばかりだった主人公が、親の勧めでしぶしぶ入学した大学でアカペラ部に入ることになって巻き起こる出来事を描いた音楽コメディ映画で出てくるパフォーマンス。
アカペラ部って云うのが結構いい。コーラスが主体で聴ける映画ってあまりないんじゃないかな。
それでこのカップ・ソングなんだけど、なんだか結構な人気になって、あまりの人気にこういうPVまで作られる一方、自分でこのカップのパフォーマンスを自録りしてYoutubeにアップする人が急増してるんだとか。

オリジナルは1931年のアメリカの歌と結構古く、カップのリズム遊びの要素を取り入れて2009年にLulu and the Lampshadesというバンドがこういう形に作り上げた曲なんだそうです。
でも人気に火がついたのはこのアナ・ケンドリック版だったから、Lulu and the Lampshadesのほうはちょっとかわいそうかな。

You're Gonna Miss Me When I'm Gone

こっちのパフォーマンスもなかなか手が込んでいて凄いです。