2014/03/23
【写真】私的京都駅 ドームの回廊で +【音楽】Billy Wooten-Monkey Hips And Rice


京都駅で撮った写真の続き。
電車利用だとなかなか眼にしないような切り取り方で写真にしてるけど、そろそろネタ切れになりそうな予感もはらんで続けていきます。
これは、位置的には京都駅の正面玄関の南端、大階段から東のほうへと延びる、ちょうどホテルへ続く通路の上階あたりになるはずの通路。電車に乗るつもりで京都駅に来ていたら、おそらくまず誰も足を踏み入れない場所かも。
その通路に半球状の小さなドームが並んでいて、そのドームの乳白色のガラスの表面に写り込んでいたイメージを切り取ったものです。
撮ってる時はこの湾曲した間接的な反射イメージがかっこいいと思ってあれやこれや角度を考えたり、写り込んでる雲の見え方の幻想的なポイントを探しながら撮ってました。
仕上がりは結構面白いと思ったんだけど、父に見せたらこれは魚眼で撮った?と云われ、魚眼レンズなんて持ってないし、湾曲はレンズの特性じゃなくて被写体の曲面によるものだったから、ちょっと特異な被写体による写り方になったと思っていたものの、云われてみれば魚眼レンズなら特に工夫しなくてもこんなイメージは撮れるんだと、そう思うと撮った時に熱中していた気分は幾分か削がれてしまいました。
もっとも反射してるイメージ特有というか細部のはっきりしない写り方はこういう場合独特だと思うので、イメージの質感は魚眼レンズで直接撮ったものとは随分と違うものになってるだろうとは思います。薄ぼんやりしてるイメージって想像力を刺激するところがあるようで結構好き。
二枚目のはこの場所のイメージ。わたしはここを見るたびに、実際にはこんなシーンなんてなかったと思うけど、なぜか昔のSF映画「禁断の惑星」を思い浮かべたりします。イドの怪物なんていう素敵なモンスターが登場する映画、何かの知的生命体が異星で築き上げ、文明そのものは何千年も何万年も前に滅んでしまったものの、滅亡の後も地下深くにある動力で主がいないままに動き続けてる文明の廃墟といった想像力を刺激して止まない世界が舞台になる映画。
確かにドームが並んでる様子はレトロ・フューチャー的な古いSF映画っぽいところがあるんだけど、ただの一般的な古臭い映画というだけじゃなくて「禁断の惑星」名指しになってしまうのは、わたしにもよく分からないところです。
それにしてもこのドーム何の意味があってここに並んでるのか。下の階はホテルへの通路になってると思うんだけど、採光目的にしては回廊のうちに引き込みすぎてるし、やっぱりただの飾りなのか、探索してみるほど興味を引いてるものでもないんだけど、とにかく謎めいたオブジェです。

その日ドームの通路から望んだ空。
雲の形や立体感を強調する陰影が、どこかこの世界の外へと通じてるような異様な眺めの空でした。
どちらかというと被写体の特異な側面に頼ったり委ねたりせずに、日常見慣れたもののそのものの色、形でこういう幻覚的なイメージに持っていけたら面白いだろうとは思うものの、そういうのはやっぱり難しいところが一杯でなかなか思うようにはならないです。
☆ ☆ ☆

真ん中の写真はティアラ、他の二枚はPRAKTICA MTL5Bという東独のカメラを使ってます。
別に安売りでもなく2500円で買って、これはまともなカメラの値段じゃないです。
M42という昔のスクリューマウントのレンズを使うためのボディ。M42マウントは別名プラクチカ・マウントといってるから、このカメラの源流がオリジナルになるマウントなのかも。世界中で流通した規格だったから、各国で作られたいろんなレンズが今も残っていて、しかも結構安価で手に入るものも多い、なんだか楽しいレンズ・マウントだったりします。日本でこの規格を使った代表的なメーカーは昔のペンタックス。一連のタクマー銘のレンズがこの規格です。
ただタクマーのレンズはトリウム・ガラスを使ったアトムレンズが多いから、量的には微々たるもので人体に影響を及ぼす量じゃないらしいんだけど、気になると手が出せなくなるかも。
プラクチカは東独製というのも興味深いです。なにしろ東ドイツの製品なんて使う機会はほとんどないと思うから、貴重な体験になるかもしれません。
妙なところに手の込んだことしてる割に、その効果が手を加えない従来式よりも劣ってるだとか。
イージー・ローディングシステムなんか、独自路線に手が込みすぎて見ただけではどうするのか絶対に分からないし、やってみると普通にフィルムの先を軸のスリットに差し込むほうが遥かに簡単で、ちっともイージーじゃなかったりします。
こういうもの作りの思考回路を見てると国が消滅してしまったのが納得できるようなところがあるかも。
☆ ☆ ☆
Billy Wooten-Monkey Hips And Rice
ジャズ・ファンクの分野では黒っぽい演奏で有名なアルバム。
わたしはビリー・ウッテンはグラント・グリーンの「ヴィジョンズ」っていう奇怪なレコードで知ったミュージシャンでした。メロウなヴァイブを使ってこういうハードで、黒い汗が飛び散るようなファンクをやってしまうというのがこの人の音楽の特徴だし、聴き所なんじゃないかと思います。
この曲、レコードの一曲目に入ってるんだけど、聴くものを引き入れるパワー全開です。ファンクに相性抜群のオルガンなんかが熱気を呼び込んでただひたすらにヒートアップする感じ。ギター・ソロもなんだか息継ぎなしで泳ぎ続けてるようなテンションを維持して面白いです。
ウドゥン・グラスというのはこのバンドの名前なんだけど、他のレコードではまるで聞いたことがないです。あまり長続きしなかったのかな。