2023/09/20
閉じた合わせ鏡の中で、光は幽閉され行き場を見失う。写し絵の鏡の中で現実は隠されており、黒い光の無限反射の果てに見いだされるその解は

パソコンのモニターを眺めていて、ふと机の上に視線を落としてみれば、左腕を置いていた場所に、広い範囲で血をにじくった跡があった。松田優作の有名な台詞をまさしく生々しい感情を伴って初体験したような瞬間だった。椅子のひじ掛けを見てみると同様jに血濡れの状態になってる。何事かと思って肘の辺りを鏡で調べてみたら、直径1cmくらいに皮膚がはがれてくすんだピンクの肉が剥き出しになてる箇所があった。いったいいつどういう経緯でこんな怪我をしたのかまるで覚えがない。怪我をした瞬間に痛みもあったはずだし、机のうえになすりつけてる間も痛みがあったはずなのにまるで何も感じなかった。
頭に疑問符が山のように浮き上がったまま、とりあえず絆創膏を貼っておいたけど、なかなか傷口が乾かず、家に常備してあった抗生物質の傷薬はあいにく期限切れで、ドラッグストアに買いに行くことに。アマゾンの売値を調べていったら、ドラッグストアのはその約二倍の値付けになっていた。この値付けにひいてしまったけど、早く欲しかったのでとにかく購入した。あとでアマゾンのを確認してみたらセールでもないのにほぼ半額引きの但し書き付きで、なにか曰くつきの商品だったんだろうか。
それにしてもいまだにどうしてこんな傷を作ってしまったのかまるで分らない。
「にじくる」ってなすりつけると云った意味合いなんだけど、漢字変換できなかったから調べてみたら、京都の方言だと。一般的に使われてると思ってた。
しばらく前に島田荘司の「屋上」を読み終える。以前になんだか嫌な予感がするようなことを書いたけど、予感は見事的中し、まぁ一言で云うなら絵にかいたような駄作だった。御手洗潔ものの50作目にあたるものだったらしいが、50作も書けばこんなになってしまうんだと妙に納得、これではコアな御手洗ファンででもなければ許容できないだろう。
四人の人間が同じビルの上から動機もないのに次々と落下する謎はそんなことで人が全く同じように飛び降りるわけないだろうっていうう程度のものだし、人間瞬間入れ替わりに関してはあまりにも馬鹿らしくていったい自分は何を読まされてるんだと訝しむほどだ。映像化すれば絶対にこの部分は何だこれはと笑えないコントのようになるのは間違いないだろう。土台文字で書いてこそ成り立つトリックで実現不可能なものであり、ある意味小栗虫太郎ばりのものと言い張れば言い張れそうな感じもしないこともないが、あちらは怪しげな衒学趣味で目もくらむような大伽藍を構築して煙に巻く世界を成立させているのにくらべ、「屋上」はメリハリのない関西弁で面白くもないユーモアを作り出そうとしているのみ、この出来損ないのコントみたいなトリックも、あまり必要性を見いだせない関西弁の使用と重ねてみると、ひょっとしたら全体をユーモアミステリとして仕上げたかったのかもしれないけど、関西弁を使ってユーモアミステリにしようとする考えは安直に過ぎ、現に馬鹿げたトリックと平坦な関西弁に空中分解して面白くもなく、ちっともユーモアに結実していない。
ただ島田荘司は魅力的な謎を作り出す才能は傑出していて、謎が解けるまでは読ませるんだなぁ。なのに謎はまるで手品の種明かしのように解かれて、あとは幽霊と見誤った枯れ尾花が山のように積み上がってるばかりの荒涼たる光景になってしまう。「アトポス」とか「眩暈」辺りまでは単行本で出た時にまっさきに読んでいたのに、いつの間にか、といいうか「奇想天を動かす」辺りから文庫でいいやと思いだしたのはこういうところが原因なのかも。
それでもたまに思いついたように読んだ「巨人の遊戯」だとか「ネジ式ザゼツキー」は面白く読めたんだけど、この「屋上」はまるで駄目だった。
つまらなかった本に言葉を費やすのも興ざめなのでこれはこの辺にして、これを読んだあとは「ムーミン谷の彗星」と「星の王子様」なんていうのに手を出した。
ムーミンの「彗星」は日本だと一作目と紹介されたんだけど実際は二作目。ムーミンにしては彗星が落ちてくる話で随分と重苦しくシリアスな話になってる。まだムーミンの世界が固まってない状態ではあるものの、干上がった海、赤く染まる空、家路を急ぐムーミンたちの前に現れる終末下のダンスパーティなど、その分陰鬱でシュールとなった世界は馴染みのあるのとはまた違ったムーミンというのが楽しめてわたしは好きだ。ほの暗いイメージの強い物語にあって結構センスのいいユーモアが所々にちりばめられてるのもちょっと予想外で、楽しくていい。そしてスナフキン初登場の巻でもあって、スナフキン好きとしてはポイントが高い。もっとも一番お気に入りはリトルミイではあるんだけど、この巻にはまだ登場していない。ちなみにリトルミイには兄弟が34人もいるって知ってた?

講談社文庫版のムーミンシリーズにはいくつかカバー違いのものがあって、わたしは21世紀版の限定カバーが飛びぬけて好き。あまりに気に入りすぎてボックスセットを一つ持ってる上に読むためのものをもう一冊ずつばらで持ってる。
「星の王子様」は人間批評みたいな部分がちょっとうざったい。象を飲み込んだ蛇の絵で始まるにしては、もうちょっとイメージの多彩さで語れなかったものかと思う。
すっかり児童文学脳になってしまったあと、次は何を読もうかと思って手元に積んである本を眺め選んだのが、「奇っ怪建築見聞」という日本の不思議な建築の話をまとめた本。実在の幽霊屋敷である三角屋敷に住んだレポートが載ってるというので買った本だ。でこの本を読んでいて気づいたのは寒い間怪談や幻想譚ばかり読んでたのに夏になってからこの類の本をさっぱり読んでなかったこと。もっとも夏に怪談っていう図式は自分にはいまいちよく理解できなくて、蒸し暑い夜に本気で気味悪い話なんか読んだりしたら逆に嫌な汗をかいて寝苦しくなったりするだけだろう。
この建築の本は岩窟ホテルだとか京都にあったオールプラスティックの透明建築だとか常識外れの建築の話が多く、それはそれで面白かったんだけど、幽霊屋敷は三角屋敷だけだった。気味の悪い話に回帰気味となったわたしの志向にはちょっと物足りなくなって,また怪談、心霊ものに舵を切るべく、次は川端康成が残したこの手の作品を集めた本を読もうかと思ってる。実は川端康成は心霊的、幻覚的、病み果てた妄想的な薄気味の悪い作品を数多く書いていて、踊り子さんだけの作家じゃない。
ちくま文庫の「東雅夫編 文藝怪談傑作選 川端康成 片腕」という本なんだけど、手に入れたのは結構前で、美味しいものは一番後までとっておくわたしの悪い癖が出て、パラパラと頁を繰って拾い読みをする程度で今もまだ手元で眺めて、中身を想像しては楽しんでる。
美味しいものを一番最後まで残していざ食べようとする時には満腹になってたりするのが分かってながらこういうことをするんだな。
ディア・ハンターのテーマだ。
大好きな歌 My Romance
mRNAコロナワクチン接種により14歳の女子が全身炎で亡くなったのは記憶に新しいところです。今も政府は生後6ヶ月以上の国民全員を対象にワクチン接種を奨励しています。秋から導入されるXBB株対応の1価ワクチンは動物実験しか行っていません。ワクチン接種についての安易な判断は避けましょう。 https://t.co/LZN74p66mA
— DR. DOGGIE (@sabuchanhakoda1) August 26, 2023
ファイザー社は、新型コロナワクチンがなぜ心筋炎を引き起こすのかを説明できない… pic.twitter.com/fm1XzWzy99
— 連新社 (@HimalayaJapan) August 27, 2023
DONBASS 2016 ドンバス ドキュメンタリー アン=ロール・ボネル【 日本語字幕】
音楽もあまり聞いたことがないタイプの薄気味悪さでいい。