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Joker、大阪の夏

ジョーカー
2016 / 07 / Konica C35 EF / Lomography Colornegative 400





細断
2016 / 07 / Konica C35 EF / Lomography Colornegative 400





破れ目に落書
2016 / 07 / Ricoh AUTO HALF E / Kodak SuperGold 400



大阪のアメリカ村で見かけたジョーカーの、これは案山子??
なんやこれ!と、思わずシャッターを切ったものだけど、これもまた自分だけが知らなくて、本当はアメリカ村のジョーカーとして誰もが知ってるものだった可能性もある。そうだったとすると、道頓堀のグリコの看板に、わあ、すごい!とばかりに一人で舞い上がってたようなもので、ちょっとかっこ悪いなぁ。
おまけにこういう特異な被写体なんかはこの前をカメラ持って通った人はおそらく100パーセント写真に撮ってると思うので、これも難波の巨大な信楽焼のたぬきと同じように、撮った瞬間に被写体が物珍しいだけでありきたりな一枚になってしまってる可能性もある。

ごちゃごちゃしたもの好きの好奇心が動いた写真。満遍なく散らばってるような様子が混沌としていていい。写真は引き算だなんてまるで思ってないし、おそらくこういうのが、自分が周囲の世界を見ている時の基盤になってる形なんだというような気がする。
で、フレーム内満遍なく散らばって混沌としていれば何でもいいのかというと、混沌と散らばっているものを前にしてもシャッターを切る気にもならない場合もあって、そこにやっぱりシャッターを切るきっかけになってる何かがある。でもそれが何なのかは自分でも分からない。

今年の夏はあまり写真が撮れなかった。いや、数こそいつもより少なくはなってるけど、一応撮るには撮っていた。なのにあまり撮れなかったという感触が拭いきれないのは、枚数を撮っていても今年の夏はこういうのを撮った!という実感のようなものが希薄だからなんだと思う。それなりに出かけてはカメラを構えていたけれど、あとで見直してこれは上手く撮れたなぁとか、こういうのも好きなんだよと認識を新たにするとか、自分の写真を楽しんだり考えたりすることがあまりできない季節だった。ここまで暑さに辟易するタイプじゃないと思っていたけど、今年の暑さにはどうにも我慢できないところがあって、出かけはしても写真を撮ろうっていう勢いのほうが負けてしまっていたところもあるし、被写体的にも感覚的にもなんだか既知のものばかり撮っているような気もする。
まだ残暑の真っ最中のようだけど今年の夏の纏めでもしてみれば、暑い暑いと、ただひたすら唸っていただけで、その間に夏のほうは目の前を勝手に通り過ぎて行ってしまったといったところかなぁ。

ちょっと仕切り直しをしてみたいところだ。






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暑中お見舞い申し上げます

夏の挨拶
2016 / 07 / Konica C35 EF / Lomo ColorNegative 400



梅雨明け前から酷い暑さが続いてます。どうそ皆様もお体を大切にお過ごしください。


写真はこの前、祇園祭の長刀鉾で粽が買えなかった日、さぁどうしようと考えをめぐらせながら歩いてた時に撮ったもの。ちょっと前の記事で菊水鉾の車輪を撮っただけで終わったと云ってた、その当の写真がこれだ。
こういうのを撮る時、以前だったら縦横90度交差で、格子がきっちりと正確なパターンを見せてるような位置から撮らないと気がすまなかったんだけど、最近はべつに正確に並んでなくてもいいんじゃない?という感覚のほうが面白くなってきて、あまり気にしなくなってきた。どこか外した感じがあるほうがなんだか余裕があるイメージに見えるというか、対象との関係性は幾分変化しつつある。

☆ ☆ ☆


使ったのはピッカリコニカという愛称のカメラ。
c35EF

オリンパス35DCと並んで自分的には結構しっくりとくるカメラだ。というわりには梅田のガーデンシティで使ったきりだったんだけど、まぁ細かいことは云わない。距離計は目測で適当にあわせて、ただシャッターを切るだけ。世界初のストロボ内蔵だったカメラは暗いところでも感覚を中断することなく走り抜けていく。
ポラロイドのイメージと結びついてるアンディ・ウォーホルが愛用したカメラの一つとしても知られていて、そういう部分でもお気に入りの度合いが幾分プラス側に傾いてる。ウォーホルは他にもダイアナなんかも使ってたりして、一眼レフのような大掛かりなカメラを持ってる写真なんか見たことがないから、手軽な大衆的コンパクトカメラの類が好きだったんだろう。
大衆的なアイコンを駆使したポップアートと、手軽で誰もが使える疾走感にあふれたカメラは、精神としてどこかで通じてるところがあるのかもと思うと、このカメラはポップな写真を生み出してくれそうな予感も孕んでる。

☆ ☆ ☆

久しぶりに展覧会の話題も。
と云っても写真撮りに歩き回るのも一時間もすれば本気で嫌になってくるような暑さの中で、わたし自身まだ見に行ってない。だからここに書けるのは情報だけなんだけど、現在京都ではダリ展が開催されてる。今回の展覧会は京都市美術館と文化博物館の二ヶ所で同時開催という形をとっていて、文化博物館のほうはダリの作品の中で版画だけを集めた展示になってるらしい。ダリの版画とかわたしはほとんど見た事がないので、これはちょっと珍しいな。でも一ヶ所でやりなよと思う。入場料金が両方ともかかってしまうのはなんとも納得がいかないじゃないか。

ダリ展フライヤー

シュルレアリスムを代表する画家ではあるものの、なぜかわたしがシュルレアリスムのことを思い浮かべた時、ダリはあまり頭の中には登ってこなかったりする。王道すぎるのか、シュルレアリスムという運動体の一つとして納まるよりも、誰もダリのようには描かなかった「ダリ」という極めて個別的な形で完結してしまってるせいなのか、たとえばブルトンだとかエルンストとかがシュルレアリスムと即座に結びついて現れてくるようには、自分の中ではダリは現れてこない感じがするんだなぁ。結果的には典型的なイメージになりすぎて、その分シュルレアリスムの本質の一つを体現してるんだとは思うものの、一般的なイメージとして流布した結果、幾分通俗的なシュルレアリスムという印象でとらえられる部分もどこかにあるような気がする。即座に思い浮かべられないのはそんなところが影響してるんだろうか。
ダリもいいけどマックス・エルンストの展覧会もやってくれないかな。ある日街中で見た絵をきっかけに船員から画家へ変身したというエキセントリックなエピソードを持つイヴ・タンギーの絵画の実物も見てみたい。シュルレアリストじゃなくダダイストだけどマルセル・デュシャンの大回顧展なんてやってくれたら舞い上がってしまうと思う。フィラデルフィア美術館に行かなければ覗き穴から中を覗けない遺作とか本気で覗いてみたい。デュシャンは卒論のテーマだったんだよ。


廻廊にて 続き + 始めてオークションで入札してみる。 + The John Buzon Trio - Don't Worry 'Bout Me

人が積む塔
2012 / 09 / Canon Autoboy Tele / Kodak Try-X




木立の中の像
2013 / 01 / Lomo Diana+





緑の扉
2012 / 10 / Konica C35EF / Kodak Gold 100


今年の梅雨は豪雨が降り続くという印象でもないけど、何だか性根の悪い降り方をしてるようだ。
陰鬱な日が続くなか、あまり気乗りがしなくてもとにかく出かける時はカメラは持って出てる。でも出歩いてる途中で小雨が降ってきたりして、カメラ持っていても写真撮れないで、そのまま帰ってくることが多い。気がつけばいつの間にか撮る写真の数が激減していて、最後までまだ撮り終わってないままのフィルムが何本か、カメラの中で淀んでるような状態になってる。そんな日が続くと、何だかどんな風にして写真撮っていたのか、何をきっかけにファインダーを覗いたり、目の前の空間を切り取る判断をしてたのか、忘れてしまいそうになる。
七月に入ってもう半月位すれば梅雨も明けると思うけど、まぁその後に酷暑が控えていて、それがまた気力をそぎ落としそうではあるものの、とにかくこんなに気が滅入る梅雨は早く明けて欲しい。梅雨明け宣言の次の日に雨が降っても、もう梅雨じゃないというだけで、それがどんな土砂降りの雨だったとしても、気分は晴れやかになってると思う。

☆ ☆ ☆

最近ヤフオクで始めて入札してみた。騙しにかかる人ばかりという印象で今まで手を出す気にはなれなかった。でも古いカメラとかリアル世界の中古屋だけだと、たまたま店にあるものしか相手にできないことを考えると、品物が集まってくる規模が大きいほど、そういう古いものに出会う確立も多くなるわけで、騙されそうと思う反面利用できたら便利だろうなと思っていた。

利用して思ったのはよく言われるように物欲の伏魔殿そのもので、よほど引き締めてないと物欲に流されてしまいそうだということだった。

入札してみたのはカメラ二台。一つは東ドイツにあった、イハゲー社のエキザクタ ヴァレックス IIaで、もう一つはリコーの、確か70年代頃の古いカメラである、オートハーフ。
エキザクタのほうは昔からそのデザインに一目ぼれで、東独のカールツァイスのレンズを備えてたりするから写りは酷いものじゃないとは思うけど、実のところこのカメラに関してはそんなことは結構どうでも良かったりする。わたしにとってはこのカメラはデザインだけが突出してる。とにかく問答無用でかっこいいんだ。

exakta varex

写真代わりにYoutubeから引っ張ってきたのは外国のユーザーがコレクションについて説明してる動画で、後半は使い方講座になってるから手に入れてからは役立ちそう。カメラ紹介としては長すぎる動画になってる。

見てのとおりの古い工芸品のようなカメラで、わたしは装飾的なものが大好きときてるから、このカメラは最初に知ったときから琴線に触れまくる存在となってる。
でもこのカメラ、装飾的な工芸品的外観は一世紀ほど前のアジェとかがいた時代のもののようにも見えるけど、実は戦後のカメラで見た目ほどにはそんなに云うほど古いというわけでもない。戦後にこういうテイストのデザインを考案する感覚がイカしてる。

オートハーフE
もう一つのリコーオートハーフというのはこんなカメラ。
ぞっこんのハーフカメラなんだけど、中古屋では意外に高価で並んでる。これもデザイン的に面白い。今のデジカメは他に類を見ないデザインとか、こんなところに労力を注ぎ込む余裕があまりないようなもの作りの印象で、今のデジカメ製品に混ざっても異彩を放つんじゃないかと思う。ぜんまい仕掛けのモーターで駆動するようなギミックが本当に楽しい。

さてヤフオクの入札の結果だけど、エキザクタのほうは、上で自分で撮った写真を貼らずに誰とも知れない外国人の動画で誤魔化してるのでも分かるように、終盤で横から高値入札の誰かに掻っ攫われて落札できず、オートハーフのほうだけまぁ納得の安値で落札できたという形で終わった。
終わる10秒ほどの間に入札すれば逃げ切れるんじゃないのと思ってたけど、上手くできてるもので最終の入札から自動的に5分だったか時間延長になるから、相手の入札を時間切れで封殺できないようになってる。相手がその5分の間に意図的に入札するのを止めるいう形以外では終わらない。わたしは競り合いで予算オーバーになってきたので、ここでブレーキがかかって競るのをやめてしまい、値段吊り上げてた誰かに取られてしまったというわけだ。何だか、妙に負けてしまったという感覚が残る。入札できたほうもこっちの競り上げで不必要な金額を上乗せして買わざるを得なかったのは、ざまをみろとは思うけど、やっぱり負けたという気分はどうしても残る。こういう気分に捉われるのが伏魔殿の罠の一つなんだろうなぁ。


☆ ☆ ☆


今回の写真、もはや廻廊に見立てたものも無いけれど、一応暫く前に記事にした西梅田ガーデンシティの写真の、それも忘れた頃の続きということで。廻廊はこっちの漢字のほうがかっこいいな。


二枚目のはトイカメラのダイアナで撮ったもの。ひょっとしたらホルガよりも酷いカメラかもしれない。ロモが復刻するカメラはトイカメラなんだから上手く写らなくてもかまわないというような、なめた考えで作ってるとしか思えず、フィルムではリリースしてくれてるのに感謝はするけど、カメラに関してはとてもじゃないけど賛同できないところがある。
イタリアにベンチーニ・コロールという洒落た大衆カメラがあって、安くで見つけたら欲しいカメラの一つなんだけど、作りはほとんどトイカメラということもあって、ベンチーニファンの人が、ロモに目をつけられてダイアナのようにならなければいいけどと云ってたのを読んだことがある。それを読んだ時に、ああ、ロモが復刻したために酷いカメラとして世に出てると思う人がここにもいるんだと思った。
と、こんなことを書いてる割にダイアナはレギュラーのものとピンクのど派手なものの二台、おまけにワイドレンズの交換用レンズまで持ってたりするので、心底嫌いというほどでもなく、酷いカメラなのは承知の上でたまに面白いのが撮れたりするから使ってみたりしてる。
今回のもわりと効果的に写ってたものだった。
復刻版のダイアナはいかにもトイカメラ風にするためなのかわざと周辺光量落ちが出るようにしてある感じで、このわざとらしい、まるで望遠鏡を覗いてるような仕上がりになるのが大嫌いなので、一回り小さなフレームに付け替えて使ってる。撮れる枚数が少し増えるのも好都合だ。

最後の緑の扉のような写真は最近は撮らなくなったなぁ。

☆ ☆ ☆


The John Buzon Trio - Don't Worry 'Bout Me


Don't Worry 'Bout Meにはキース・ジャレットの極め付きの演奏があるんだけど、これはその薫り高く繊細な音空間を描いていくような演奏とは正反対というか、古臭くて安っぽくてうさんくさくて、オルガンがまたここぞとばかりにモンド感を持ち込んだりして、だからこそキース・ジャレットにはない面白さ満載のDon't Worry 'Bout Meだ。
マイトガイが出てくる昔の日活のプログラムピクチャなんかで眼にするキャバレーのシーン。そんなシーンで半裸の踊り子さんが踊る背後で鳴ってるような音楽とか、結構好きだったりする。


ちなみにキース・ジャレットの演奏はこういうの。以前にも記事の中で紹介してる。
Don't Worry 'Bout Meは1938年にRube Bloomによって書かれたスタンダード曲。でも同名異曲のものがあって、そっちのほうが圧倒的に新しい曲だからなのか、アイドル的なロックバンドが歌ってるからなのか、検索しても違うほうがヒットして面食らう。
何かにあやかろうとしてるのか、過去の曲名と同じ名前なんてつけないで欲しいな。