2016/07/04

2012 / 09 / Canon Autoboy Tele / Kodak Try-X

2013 / 01 / Lomo Diana+

2012 / 10 / Konica C35EF / Kodak Gold 100
今年の梅雨は豪雨が降り続くという印象でもないけど、何だか性根の悪い降り方をしてるようだ。
陰鬱な日が続くなか、あまり気乗りがしなくてもとにかく出かける時はカメラは持って出てる。でも出歩いてる途中で小雨が降ってきたりして、カメラ持っていても写真撮れないで、そのまま帰ってくることが多い。気がつけばいつの間にか撮る写真の数が激減していて、最後までまだ撮り終わってないままのフィルムが何本か、カメラの中で淀んでるような状態になってる。そんな日が続くと、何だかどんな風にして写真撮っていたのか、何をきっかけにファインダーを覗いたり、目の前の空間を切り取る判断をしてたのか、忘れてしまいそうになる。
七月に入ってもう半月位すれば梅雨も明けると思うけど、まぁその後に酷暑が控えていて、それがまた気力をそぎ落としそうではあるものの、とにかくこんなに気が滅入る梅雨は早く明けて欲しい。梅雨明け宣言の次の日に雨が降っても、もう梅雨じゃないというだけで、それがどんな土砂降りの雨だったとしても、気分は晴れやかになってると思う。
☆ ☆ ☆
最近ヤフオクで始めて入札してみた。騙しにかかる人ばかりという印象で今まで手を出す気にはなれなかった。でも古いカメラとかリアル世界の中古屋だけだと、たまたま店にあるものしか相手にできないことを考えると、品物が集まってくる規模が大きいほど、そういう古いものに出会う確立も多くなるわけで、騙されそうと思う反面利用できたら便利だろうなと思っていた。
利用して思ったのはよく言われるように物欲の伏魔殿そのもので、よほど引き締めてないと物欲に流されてしまいそうだということだった。
入札してみたのはカメラ二台。一つは東ドイツにあった、イハゲー社のエキザクタ ヴァレックス IIaで、もう一つはリコーの、確か70年代頃の古いカメラである、オートハーフ。
エキザクタのほうは昔からそのデザインに一目ぼれで、東独のカールツァイスのレンズを備えてたりするから写りは酷いものじゃないとは思うけど、実のところこのカメラに関してはそんなことは結構どうでも良かったりする。わたしにとってはこのカメラはデザインだけが突出してる。とにかく問答無用でかっこいいんだ。
exakta varex
写真代わりにYoutubeから引っ張ってきたのは外国のユーザーがコレクションについて説明してる動画で、後半は使い方講座になってるから手に入れてからは役立ちそう。カメラ紹介としては長すぎる動画になってる。
見てのとおりの古い工芸品のようなカメラで、わたしは装飾的なものが大好きときてるから、このカメラは最初に知ったときから琴線に触れまくる存在となってる。
でもこのカメラ、装飾的な工芸品的外観は一世紀ほど前のアジェとかがいた時代のもののようにも見えるけど、実は戦後のカメラで見た目ほどにはそんなに云うほど古いというわけでもない。戦後にこういうテイストのデザインを考案する感覚がイカしてる。

もう一つのリコーオートハーフというのはこんなカメラ。
ぞっこんのハーフカメラなんだけど、中古屋では意外に高価で並んでる。これもデザイン的に面白い。今のデジカメは他に類を見ないデザインとか、こんなところに労力を注ぎ込む余裕があまりないようなもの作りの印象で、今のデジカメ製品に混ざっても異彩を放つんじゃないかと思う。ぜんまい仕掛けのモーターで駆動するようなギミックが本当に楽しい。
さてヤフオクの入札の結果だけど、エキザクタのほうは、上で自分で撮った写真を貼らずに誰とも知れない外国人の動画で誤魔化してるのでも分かるように、終盤で横から高値入札の誰かに掻っ攫われて落札できず、オートハーフのほうだけまぁ納得の安値で落札できたという形で終わった。
終わる10秒ほどの間に入札すれば逃げ切れるんじゃないのと思ってたけど、上手くできてるもので最終の入札から自動的に5分だったか時間延長になるから、相手の入札を時間切れで封殺できないようになってる。相手がその5分の間に意図的に入札するのを止めるいう形以外では終わらない。わたしは競り合いで予算オーバーになってきたので、ここでブレーキがかかって競るのをやめてしまい、値段吊り上げてた誰かに取られてしまったというわけだ。何だか、妙に負けてしまったという感覚が残る。入札できたほうもこっちの競り上げで不必要な金額を上乗せして買わざるを得なかったのは、ざまをみろとは思うけど、やっぱり負けたという気分はどうしても残る。こういう気分に捉われるのが伏魔殿の罠の一つなんだろうなぁ。
☆ ☆ ☆
今回の写真、もはや廻廊に見立てたものも無いけれど、一応暫く前に記事にした西梅田ガーデンシティの写真の、それも忘れた頃の続きということで。廻廊はこっちの漢字のほうがかっこいいな。
二枚目のはトイカメラのダイアナで撮ったもの。ひょっとしたらホルガよりも酷いカメラかもしれない。ロモが復刻するカメラはトイカメラなんだから上手く写らなくてもかまわないというような、なめた考えで作ってるとしか思えず、フィルムではリリースしてくれてるのに感謝はするけど、カメラに関してはとてもじゃないけど賛同できないところがある。
イタリアにベンチーニ・コロールという洒落た大衆カメラがあって、安くで見つけたら欲しいカメラの一つなんだけど、作りはほとんどトイカメラということもあって、ベンチーニファンの人が、ロモに目をつけられてダイアナのようにならなければいいけどと云ってたのを読んだことがある。それを読んだ時に、ああ、ロモが復刻したために酷いカメラとして世に出てると思う人がここにもいるんだと思った。
と、こんなことを書いてる割にダイアナはレギュラーのものとピンクのど派手なものの二台、おまけにワイドレンズの交換用レンズまで持ってたりするので、心底嫌いというほどでもなく、酷いカメラなのは承知の上でたまに面白いのが撮れたりするから使ってみたりしてる。
今回のもわりと効果的に写ってたものだった。
復刻版のダイアナはいかにもトイカメラ風にするためなのかわざと周辺光量落ちが出るようにしてある感じで、このわざとらしい、まるで望遠鏡を覗いてるような仕上がりになるのが大嫌いなので、一回り小さなフレームに付け替えて使ってる。撮れる枚数が少し増えるのも好都合だ。
最後の緑の扉のような写真は最近は撮らなくなったなぁ。
☆ ☆ ☆
The John Buzon Trio - Don't Worry 'Bout Me
Don't Worry 'Bout Meにはキース・ジャレットの極め付きの演奏があるんだけど、これはその薫り高く繊細な音空間を描いていくような演奏とは正反対というか、古臭くて安っぽくてうさんくさくて、オルガンがまたここぞとばかりにモンド感を持ち込んだりして、だからこそキース・ジャレットにはない面白さ満載のDon't Worry 'Bout Meだ。
マイトガイが出てくる昔の日活のプログラムピクチャなんかで眼にするキャバレーのシーン。そんなシーンで半裸の踊り子さんが踊る背後で鳴ってるような音楽とか、結構好きだったりする。
ちなみにキース・ジャレットの演奏はこういうの。以前にも記事の中で紹介してる。
Don't Worry 'Bout Meは1938年にRube Bloomによって書かれたスタンダード曲。でも同名異曲のものがあって、そっちのほうが圧倒的に新しい曲だからなのか、アイドル的なロックバンドが歌ってるからなのか、検索しても違うほうがヒットして面食らう。
何かにあやかろうとしてるのか、過去の曲名と同じ名前なんてつけないで欲しいな。