2016/11/19

2016 / 11 / 写ルンです シンプルエース

2016 / 10 / Nikon Coolpix S9700

2016 / 11 / Nikon F100 / Kodak Super Gold 400

2016 / 10 / Zeiss Ikon Ikonta521/16 / Fuji Pro160
少し前に最近転倒づいていると書いたせいなのか、転倒を司る神様がそれを見て張り切ってしまったのか、二週間ほど前に再びの派手な転倒をやらかしてしまった。今年二回目の転倒。こんなの一回あっただけでも稀なことだと思うのに。
笠置に行くJR奈良線の車窓から外を眺めていて、結構規模の広い採石場のような場所が通り過ぎていったのに気づき、玉水という駅の近くだったんだけど、ある日笠置までは出かけずに途中下車してその採石場風の工場地帯を写真に撮ってこようと思った。なにしろ木屋峠の採石場が笠置からも加茂からも歩くにはちょっと遠い上に、対岸には道もなく、直下の車の走る道路を歩いて辿りついたとしても真下から仰ぎ見る以外に撮りうる視点はものすごく限られているだろうと、撮りたいのに条件が整わなすぎて、その宙ぶらりんの気分をこの採石場風の工場地帯で解消したかったのかも知れない。
玉水で降りたその日、線路沿いを少し戻って工場付近に到着。採石場風のいかつい場所は特に塀で囲うこともなく脇の道路から丸見えの状態だった。そんななか頭上に展開される鉄の構造物を撮ろうとして、もうちょっと全体をフレームに入れたいと思って道路上を後ずさっていたら、思いもかけず線路脇の側溝に足を踏み入れてしまって、そのままいきなり後ろ向けにひっくり返ってしまった。そこへやってくるまではそんな側溝なんてなかったのに、わたしが写真を撮ろうとした辺りからどうやら側溝が設えてあったらしい。おまけにその部分から道路脇には雑草が生え始めていて、側溝があるというのが見て分からなくなっていた。
首からかけていたFM3Aはわたしの体がクッションになったようだけど、手に持っていたニコンのコンパクトカメラは思い切り放り投げてしまい、起き上がると同時に拾いに行った。
派手にひっくり返ったわりにどこかが痛くて起き上がれないといったこともなく、その場は気分が落ち着いてから写真を撮り続けた。まぁちょっとは上の空状態ではあったけど。
ところが2,3日経過したくらいからどうも脇腹の辺りが痛み出した。体を動かすとグキグキと痛みが走る。痛みはある程度まででそれ以上ひどくはならなかったけど、なかなか痛みが引かないので今週になってから病院に行ってきた。
何か心当たりがあるかと問われ、転倒したことを話してみる。診察のあと、痛みの感じからきっとそれの影響だろうということで、痛み止めともう一つ飲み薬をもらって帰った。もう一つのほうはビタミン剤だということだったが、ビタミンで本当に治るのか?と半信半疑で飲んでみたら、なんと翌日には、一週間以上続いた痛みが嘘のように激減していた。効くのか?どころか、無茶苦茶効いたってことだ。
後で考えてみたら、工場地帯の道路だし通る車はトラックがほとんど、わたしが転倒した時はあまり車が通っていない時間帯だったけど、時間によってはとんでもないことになっていたし、側溝が広く深いものだったら、転倒ではすまずに溝の中に落下していたかもしれないなんて思うと、本気でぞっとした。
ということで、写真を撮る人はファインダーに夢中になって足元が疎かにならないように気をつけましょうってことだ。
☆ ☆ ☆
笠置の駅前に立って、さてどちらの方向に向けて足を踏み出そうかと一瞬考えたものの、見渡してみれば右側は栗栖天満宮への暗く誰も居ない石段がある以外、行き止まりになっているのが容易に目に入って、踏み出す方向はとりあえず左側しかないと分かる。観光地以外の何者でもないのに、本当に商売気がないのか駅に付近の案内図さえ一つも立っていない。電車は一時間に一本で、加茂方面は大体全時間帯、発車が20分頃となっているから、メモを撮る必要もなく、笠置の駅で得られる情報はほとんど無いといっても良かった。まぁ笠置町案内のチラシがおいてあったのは何回か訪問してから気づいたので、一応は駅に来た人が迷わないようにはしてあったのは後になって知ることになる。
左に踏み出して、閉まってる雑貨屋風の木造家屋を通り過ぎ、左手に産業振興会館という建物を見ながら、その道沿いの壁に笠置の古い歴史物語、元弘の乱の様子が絵巻物風に描いてある前を歩いていく。でもこの絵巻風の壁画、元の文章が欠落していたというよりも、まるで落丁本のようにいたるところ欠けたままで綴られていて、何が書いてあるのか細かいことがよく分からない。
町の紹介としてよく目にするようなものなのに、じっくり眺めてみるとどこか得体の知れなさのある、そんな壁の絵巻物の前を通り過ぎて大通りに出てくるわけだが、笠置のメインストリートが目に入ってきた時に思ったのは、とにかくただ一つ、誰も通ってない!ということだった。時間帯によってはそれなりに自動車も行き交うし人が生活をしている気配もあるから、時間の中に忘れられたゴーストタウンって言う感触でもないんだけど、とにかく人が目につかない。人が通っていない上に、駅前の大通りにしては店らしいものもあまりなく、あっても大半がシャッターを閉じていて、駅前らしい賑やかなところがほとんどない大通りだった。
ここでちょっと困ったのは駅の近くに食事が出来るところくらいあるだろうと思っていた思惑が完全に裏切られてしまったことだった。近くのキャンプ場でのキャンプファイヤーの材料を調達する店とか目についたけど、いつ前を通ってもただいま配達中の貼り紙が出ているだけで、店が開いているところを見たことがない。ひょっとしてシーズンオフの期間だからこんな状態なのかと思わないこともなかったけど、そう納得しても食事できるところが見当たらないという状態に何の変化が生じてくるわけでもない。
そのうち旅館らしいものが何軒かあって、そこが食事も提供しているらしいと分かってくるものの、どこも思いつきで立ち寄る客に対しては気安く門を開いていないような感じだし、旅館と云ってもどこが旅館?大きな民家じゃないかと思うようなところもある。おまけに名物の雉料理とか云われても、写真撮りに行くたびに旅館で雉鍋とか、どこか何かが違うだろうと云う気がする。
笠置山の頂上に普通にイメージする食堂らしいものがあるようだけど、まさかお昼ごはんを食べるために笠置山の頂上まで登るというわけにも行かない。
何だか読み返してみるとないない尽くしの文章になっているなぁ。
で、後になって木津川対岸の国道を暫く行けばドライブインがあるとか知ることになるんだけど、結局あれこれ方策を考えるのも面倒になってきて、もっと手早く、電車に乗り込む前にコンビニでおにぎりでも買って持って行くというシンプルな方法に落ち着いてしまった。カメラバッグの中はレンズじゃなくておにぎりが入っている。ちなみに笠置の町では今のところわたしが歩き回った範囲でコンビニは一軒も目にしたことはない。
閑散としているなぁと思いつつ、大通りを歩いてるとキャンプ場への入り口という看板がかけられた脇道を目にした。駅のホームからキャンプ地の片隅にどうも寂れた遊園地のような雰囲気の一角が見えていて、そこにちょっと立ち寄りたかったものの、キャンプ場込みで入るのに料金がいるらしいことが看板に書かれていて、そこで足が止まった。キャンプしに来たわけでもないのにお金払うのも嫌なのでここは遊園地風の場所は断念することにして、さらに進んでいくと、木津川に注ぎ込む白砂川とそこにかかる大手橋が現れ、崖の上の家が視界に入ってくることとなる。
☆ ☆ ☆
最初の二枚は、笠置大橋を渡ったところ、国道の向こう側へ行ける歩道橋で撮ったもの。ここは歩道橋に上がっていく螺旋階段の周りがもうとんでもなくかっこいい状態になっていて、ここへくるたびに写真撮っている。昼過ぎくらいの時間帯で云うと誰もこの歩道橋を利用する人はいない。少なくともわたしがここでしつこく写真を撮っている間に螺旋階段を登り降りした人は一人もいない。
二枚目のは右手前の支柱と壁面を覆い尽くす植物の間に若干の隙間があるのが興ざめかなぁ。螺旋の向こう側、完全に覆い尽くしてる状態から左手の光が若干射す方向へと流れていくような感じの方が良いと思う。今度行ったらもうちょっと角度を変えて撮ってみよう。
ちなみにグーグルのストリートビューでは
この場所。
これを見ると周りを覆い尽くす植物は時期によっては刈り取られてることが分かるので、あるうちに撮影しておかないと。
三枚目のは、本当はこんな色の写真じゃないんだけど、家の壊れかけのスキャナーでフィルムをスキャンしてみたらこんな色になってモニタに現れてきた。で、面白いのでそのまま掲載。云うなら我が家のスキャナー作の作品といったところか。
本気で買いかえたい…。
☆ ☆ ☆
今回は全部違ったカメラで撮った写真の組み合わせになっている。
そのなかでブログに載せたのが初めてのカメラについて書いてみよう。
ツァイス・イコンの古いスプリングカメラ、イコンタ 521/16。蛇腹のカメラで普段はコンパクトに収納されているが、ボタン一つで展開してこんな形に変貌する。この類のカメラでメカニカルなギミックを楽しいと感じる人は多いんじゃないかと思う。

以前から手軽に使えるブローニー仕様のカメラが一つ欲しかった。持っているのはペンタックス67とRZ67とハッセル、ピジョンフレックス、そしてホルガにダイアナ。本格的なのは大掛かりだったり、まるで馴染めないウエストレベルのファインダーだったり、わたしにはどうも使い勝手が良くないような感じがする。そんな状態だったから、普通にファインダーを覗く形で負担にならない大きさのカメラ、トイカメラほどやさぐれていないカメラとしてこういうのが欲しかった。
手に入れたのはヤフオクで夏の始めの頃だった。出品していたのは質屋さんだったようで、価格設定は確か1500円くらいだったかな。競ることもなくこちらの手の中へ落ちてきた。今回のが試写をかねての初持ち出しだったんだけど、懸念していた蛇腹の穴あきとかもなく、若干曇っているレンズもそれほど撮影には影響なさそうで、きっちり使える状態のカメラだった。ちなみにツァイス・イコンの蛇腹は珍しく穴が開いてるなんて云ってる人を見かけたくらい強靭なものらしく、古くなっていても穴なんてあいていないのが当たり前のカメラのようだ。
きちんとしたファインダーと距離計がついているイコンタは名前の前にスーパーがつく。わたしのはそのスーパーイコンタじゃなく、ただのイコンタだ。
でもこのシンプルなのが欲しかったんだな。覗いてもあまり意味がないよと囁いてくるような、ボタンを押せば二枚の板が直立するだけのファインダー。フレームは目の前の外界に対するある種の意志表示になるんだけど、わが思念を客観的な外界に投影する最大の手段であると同時に、フレームはわたしの感覚への呪縛ともなる。
この簡素なファインダーはノーファインダーへとカメラそのものが誘っているようで、ひょっとしたらそこにフレームの呪縛から逃れる術を見出せるかもしれないと思わせるところがある。
アマゾンが直接販売している、一番低価格なのがこれになっている。他にアマゾンで見られるのは業者が出品しているもので価格が1000円越していて高い。
わたしはヨドバシカメラで買っているんだけど、大体アマゾン直接販売のものと同じくらいの価格だ。
感度は400ので十分かな。一応差し込む光があるならこの歩道橋くらいの明るさでも、まぁこのくらいが限度かもしれないけどきちんと写るし。
こんなのも見つけた。