2010/11/27
【京都】南禅寺の紅葉 +名残の秋に一曲
南禅寺に紅葉の写真を撮りに行ってきました。少し前から紅葉の季節になったら観て来ようと色々考えてはいたものの、どこの紅葉が一番いいのかさっぱり判断がつかずに、意外と見ごろになるのが遅かったのも重なって、決めかねたまま保留状態になってました。ところが気がついてみると悠長なことをやってる間に紅葉の名所はとこもかしこも今が盛りみたいな状態になって、観にいくなら早急に場所を決めなければならないって云う状態になってました。考えても目移りして決められなかったのが、事態が切迫したからといって急に決められるわけもなく、そこで植物園から園繋がりで動物園に行ったように、動物園から地形繋がりで南禅寺に行くことに急遽決定。南禅寺は毎週所用で出かけてるところから少し寄り道すれば立ち寄ることができる場所でもありました。
南禅寺って京都市の動物園の直ぐ近くにあります。動物園の南の噴水のある場所から東の方向に歩いて行くと南禅寺まで大体3~4分くらい。交通機関は色々あると思いますがわたしは地下鉄に乗ることが多くて、地下鉄だと蹴上の駅で降りてインクラインの線路沿いに少し歩くだけで南禅寺の参道に出られます。実は動物園に写真を撮りに行って、その後蹴上のインクラインから南禅寺辺りは先月の後半くらいに結構歩き回ってました。
先月の末にこの辺りを歩き回ってた頃は観光客が来ていても割とまばらな感じで、ねじりまんぽのあたりもトンネルをくぐる人なんてほとんどいなかったのに、一月経って紅葉のシーズンが到来してる最中に来てみるとやっぱり観光客が激増してました。南禅寺では空にカメラを向けない限り一定数以上の人が必ずフレームに入ってくるし、ねじりまんぽもトンネルをくぐる人がまるで列でも作ってるかのようでした。
南禅寺といってもお寺自体は割りと見慣れてるし、写真にとってもわたしには何だか代わり映えのしない写真になりそうであまり興味を惹かれないところがあります。ここでわたしが好きなのは南禅寺そのものよりも、境内の南東隅に異質な空間を開いてる水路閣のほうです。上を滋賀から京都にかけての運河ともいうべき疎水が流れてる煉瓦製の巨大な陸橋。異国風のデザインに名前のつけ方もかっこいい。テレビドラマでよくロケしてるところでもあります。こんなものを内に含むお寺ってまずないですよ。わたしはこの水路閣の古風とモダンが交じり合ったような感じが結構好き。南禅寺という古くからある場所にモダンで異物な要素を持ち込みながらも奇妙に馴染んでる近代建築物って、京都そのもののあり方のようにも見えます。
写真撮ってる人もここは見逃せないのか結構集まってきて写真とってました。橋脚部のアーチ状に刳られた面は水路閣の一番特徴的な部分なので写真に撮るのも順番待ちのような感じになってました。
動物園側からの参道を歩いてくると南禅寺境内に入る門に突き当たります。この門、南禅寺の中央に向けて設置されてるものとは別に南西の角にあって、調べてみたけど特別な名前は無いみたい。大きく南禅寺と書かれた札がかけられてます。おそらく大概の観光客はここから入っていく形になると思います。
境内は三門と法堂を境内の中央で東西に並べ、その周囲を木々の植わった庭園が囲み、さらにその外側を南禅院などのさまざまな関連した建築物が取り囲んでます。
わたしはこの日はとにかく紅葉が散りきってしまわないうちに写真に収めようと、寄り道感覚で紅葉を観に来ただけだったので、お寺の建築の中までは入らずに三門、法堂の周囲周囲を巡り歩いて紅葉を眺めたり、水路閣周辺の様子を写真に撮っただけでした。
三門は上に上がると京都が一望に見渡せるんですけど、登門するのに料金がいるのでこの日は止め。ちなみにこの三門って石川五右衛門が上に上って「絶景かな絶景かなと」やった門でもあります。
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Nikon COOLPIX P5100
正門だかどうだか分からないですけど、疎水の方から来るとここから境内に入ることになります。

Nikon COOLPIX P5100
三門前に広がる木々が密集した空間。女の人が一眼構えて熱心にこの方向を眺めてました。傍から見ていて何か凄い被写体でもあるんだろうかってちょっと興味を引かれて、その女性が立ち去った後に同じ場所にわたしも立ってみて同じ方向を向いてカメラを構えてみました。見えた光景がこういうものだったわけなんですが、あの女性一体何に興味を引かれてこちらの方向に熱心にカメラ向けてたんだろうって、謎が解明できるどころか余計に謎めいた感じが残ってしまいました。人一人一人が同じものを見ても全然違うポイントに関心を持ってるって云うことなんでしょうけど、あの女の人、この光景の中の何がよかったんだろう。

Nikon COOLPIX P5100
三門の手前。紅葉も三門の様子も中途半端な捉え方になってしまいました、

Lomo Lc-a+ ; Kodak Ektar 100
ちなみに10月下旬の頃の南禅寺三門の様子です。こちらは法堂側から観たものですけど、観光客はあまりいなかったです。静かでわたしはこういう状態にある南禅寺のほうが好きです。

Nikon COOLPIX P5100
三門から法堂へ続く南禅寺の中央部分の木々が立ち並ぶエリアです。この辺りは見てのとおり絢爛豪華。

Nikon COOLPIX P5100
地面を見れば一面が落葉で紅色になってました。写真撮る時は、下見て歩いてると結構面白いものが見つかるときがあります。あまり気を取られてると危ないですけど。

Nikon COOLPIX P5100
法堂の手前です。法堂の前に、これは香炉というのか、線香を立てる場所があって、その傍らには有料ですけど線香が用意されてます。参拝客はその線香を買ってここに立てていくわけです。線香の匂いが周囲に散ってこの辺りはまさしくお寺という雰囲気になってます。

Nikon COOLPIX P5100
わたしも試しに、よく観る背景暈し写真を撮ってみました。フィルムカメラだと全部撮りきって現像するまで時間がかかるので、紅葉の時期に間に合うように今回は写真の取り扱いが簡単なコンパクト・デジカメを持って出たんですけど、コンデジでもこの程度の写真は撮れるんですね。

Nikon COOLPIX P5100
文字通りの紅葉。でもこういう撮り方するとどこの写真なんだかさっぱり分からないというか。

Nikon COOLPIX P5100
水路閣です。写真を撮る観光客で賑わっていて、誰もが入らないタイミングを取るのが難しいです。これも向こうのほうにちょっとだけ人が入ってしまいました。

Nikon COOLPIX P5100
別アングルから。こんな建造物がお寺の片隅にあるのはやっぱり凄いです。作る時によく許可したものだと思います。

Nikon COOLPIX P5100
水路閣の裏側というか、法堂に向いてる面とは逆の側。
南禅寺側から水路閣をくぐって、裏側に回りながら上のほうに続いて水路閣の天辺にまで導いてる石段があるんですけど、その途中から撮った写真です。
自分としてはこの日に撮った写真の中ではこの写真がお気に入りの一枚です。

Nikon COOLPIX P5100
水路閣はその天辺、疎水が流れてるところまで上れるようになってますが、水路閣そのものの橋の上は柵が設けてあって先には進めないようになってます。だから上まであがってきた人は水路閣の上に水が流れてる光景を見て降りてしまう人がほとんどだと思います。
でもこの疎水の水路は流れてきた方向へ、水路閣とは逆方向にむけて水路沿いを散策できるようになってるんですね。道は木立の間に消えていって、一見立ち入ってはいけないような雰囲気なんですけど、水路沿いは疎水がやってくる方向に向けて散歩することが出来ます。この道を歩いてる人は本当にほとんどいないんですけど、ここまで来てこれを歩かないのは絶対に勿体無いです。
道の水路側は山、通路側の片側は写真では分かりにくいかもしれませんけど、じつは崖です。柵も無いので結構スリリング。たまに見回ってる人がいるみたいで、落ちた人がいないか調べてるのかもしれません。
この道の先にはインクラインの廃墟があります。南禅寺からは遠ざかってしまいますが、インクラインから南禅寺に戻るのは簡単なので、この疎水を辿る道はこの辺りの散歩には欠かせない場所だと思います。
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南禅寺って湯豆腐で有名で、門前にも湯豆腐を食べさせてくれる店が軒を連ねてます。今時分の季節はちょうど良いんですけど、写真を撮って帰り際、食事しようとする観光客が集まってるそういう店の前を通っていて、真夏でもやっぱり湯豆腐食べるんだろうかって思ったりしました。
観光できたら名物だからぜひとも食べて帰らないと気がすまないところですけど、真夏に湯豆腐ってほとんど苦行みたいです。
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Jo Stafford - September in the Rain
ジョー・スタッフォードの歌を一曲。ケニー・ドーハム同様、季節にちなんで「September In The Rain」
と云いたい所ですけど、秋にした恋を思い出してる曲で本当は春の歌なんですよね。でも細かいことは気にしないでおきます。
Harry Warren作曲の曲で37年の映画「Melody for Two」に使われてるんですが、もとはブロードウェイ・ミュージカルの曲らしいです。James Meltonという男性歌手が歌ってヒット。名演として知られてるのは演奏だったらジョージ・シアリングのもの、歌だったら、サラ・ボーンのものが有名です。わたしはSue Raneyが歌ったのが割りと馴染んでます。
このジョー・スタッフォードのバージョンの雰囲気が結構好き。真ん中あたりのスキャットと楽器がユニゾンで重なっていくところとかその後に続くオーケストラの部分とか。
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