2011/12/11
ひらパーに行った時のことを少しだけ。
ひらパーのことはモノクロの記事を書いた後少し手をつけた状態で中断、その間北野天満宮と東福寺に紅葉見物に行ったり、そのことを書いたりしていたものだから、このひらパーに行った時の印象は今ではちょっと生々しさが飛んでしまった感じになってるんですが、写真眺めながらだと少しは園内を歩いていた雰囲気も取り戻せるかもしれないと思ってちょっと書いてみます。
この時連れて行ったカメラとフィルムのことを少し書いておくと、カメラのほうはNikonのFM3AとCONTAXのTVS2の2台で、Nikonのほうにモノクロ、CONTAXのほうにカラーのフィルムを詰めてました。
モノクロ写真の記事で書いたように、10月の終わり頃にひらパーで撮ったこのフィルムをムツミに現像に持っていくと、モノクロフィルムの現像のほうは2週間近くかかると云われて、出してから2週間後の先月の12日にようやく取りに行ってきました。
記事には11日に仕上がりと書いたものの、実際にはわたしの見間違えで10日に上がっていたフィルムで一日くらいは早く結果が分かったんですけど、どちらにしろ撮った時から2週間近く待たされたことにはあまり変りませんでした。
2週間待って目にした結果はというと、出来上がったネガを見て、あまり上手く現像されてないというのが最初の印象でした。今まで何度となく撮ったフィルムの現像は頼んでいたのに、こういう出来になって帰ってきたのは始めてです。
このフィルム、コダックのプロラボ送りになってるはずなのに、現像むらはあるし、全体にかなり濃度の濃いネガになってました。濃度のほうはわたしの撮り方というか、場所が遊園地だったのでハイキー気味のほうが雰囲気が出るかなと思って一段ほどオーバーめに露出設定して撮ってたので、そのせいなのかもしれないですけど、もうひとつの現像むらのほうは、ひょっとしたらもっと違う現象が起きたのかもしれないけど、これはこちらの事情とは思えないところがありました。
どんな仕上がり方だったかというと、フィルムの巻き取る方向に垂直に濃度が変る分岐線のようなものが最初のコマのほぼ真ん中にあるというようなものでした。一齣の右と左でモノクロの濃度が異なっていて、異なる境目が縦にラインとして残ってるといった感じ。FM3Aのシャッターは横走りのものじゃなくて縦に落ちるシャッターだからフィルムが感光した瞬間にコマの左右で状況が変るということはありえないんですよね。
最初のコマは特に大した出来のものでもなかったから良いようなものの、気に入ったショットにこんな縦に濃度が変るようなものがあると気落ちしてしまいそうな気がします。ということで1200円も取られ、同時プリントしなかったからコダックのラボのほうではインデックスも作ってくれず、ムツミのほうで別扱いで作ってもらったそのインデックス代がさらにプラスされて実際には1400円ほどの支払いだったんですが、それだけのコストがかかったわりに2週間待たされて、濃度差のある縦線入りのネガを渡された結果となって、自家現像の方向にさらに後ろから蹴りを入れられたような気分になりました。すべての事象がわたしに自家現像を促してるかのよう。自家現像のほうが当然失敗が多そうですけど、自分でやって失敗するのはまだ納得できるんじゃないかと思います。
ちなみに自家現像の道具、ちょっとづつ買い集めてます。現像タンクの次に買ったのがこの道具。これ、何をする道具だか分かります?
Nikon Coolpix P5100
正解はフィルム・ピッカーといって、パトローネの中に入り込んでしまってるフィルムの先端を引き出す道具です。
一般的な35mmフィルムはパトローネという金属の筒状のケースに入っていて、ケースに開けられた細いスリットからフィルムが引き出されてくるようになってます。パトローネごとカメラにセットして、カメラの中でフィルムを巻き取りながら使っていく形になっていて、全部取り終わったら今度はパトローネの中に巻き戻して、カメラから取り出し、パトローネごと現像所に持って行くという使い方になってます。この巻き戻す段階で全部巻き戻してしまうとそのままではフィルムが取り出せなくなります。
普通は端っこも中に巻き取ったパトローネは、店のほうでちゃんとやってくれるのでそんなこと考えもしなくてもいいんですけど、自分で現像するとなると、全部巻き取ったフィルムをもう一度パトローネから引き出さなければならないわけで、これはそういう時にパトローネのスリットからフィルムの先端を引き出してくる道具です。
こんなので本当にフィルムを引き出せるのかというと、半信半疑で実際にやってみたら本当に引き出せました。予想以上に見事にフィニッシュが決まって、かなり面白いです。
売り場には3つくらいのメーカーが出してるものが並んでたんですけど、どれも寸分たがわずにまるっきり一緒の形でした。こんな使う人が限定されていて、しかも一つ買えばほとんど買い換える必要もない道具を多数の企業が競争しながら造ってるわけがないから、きっと製造元は一つなんでしょう。それでも製造が一社だけでもやっていけるかどうか疑問なほどの売り上げしかないと思います。
この道具、おそらく見ただけでは使い方は予想もつかないと思います。人類が滅亡した後、違う文明を築いた未来生物が人類の遺跡からこの道具を発掘したら、その用途が皆目分からなくて、とびっきりの謎の道具として頭を悩ませること間違いなし。用途が分かっていても考えてみたらかなり不思議な道具だといえると思います。
☆ ☆ ☆
ということで、待たされたわりには、いろいろとあまり結果の良くないフィルムとなったけど、ひらパーに行って撮って来たものをいくつかアップしてみることにします。
ひらパーというのは関西の人にはこの名前だけで通じると思いますけど、ひらかたパークという遊園地の愛称になってるものです。遊園地って、まぁべたなところはあるけど被写体としてはいろいろと撮れるものがそろってるような感じで、写真撮る目的で遊園地に行ったのは夏の終わりに生駒山上遊園地に行ってから2回目のこととなりました。被写体として撮れるものが多そうと書いた尻からこんなことを言うのもなんですけど、生駒のほうは帰ってから確かめてみれば記事に出来るほど変化にとんだ写真を揃えられなくて今のところ書きあぐねたままになってます。
ひらパーには京阪に乗って行きました。京都からだと京阪の淀屋橋行きに乗るんですが、特急の止まる「枚方」という、ここに違いないと思わせる駅があるもののここでは降りません。この枚方駅の次に「枚方公園」という駅があって、ひらパーに行くにはこちらで降りるのが正解。でも枚方公園駅には特急が止まらないので、特急に乗ってきたならまず枚方で降りて枚方公園駅に止まる電車に乗り換える必要があります。枚方公園ってまさしくひらかたパークの駅名で、でも遊園地がある駅なのに特急が止まらない規模の小さな駅というのはちょっとちぐはぐな感じがします。
枚方公園駅に降り立って改札を出ると目の前には小さなロータリーがあって、駅の案内にはこのロータリーからひらパーに行くのはどの方向に進めばいいか書いてありました。でもひらパーへの案内は探してこの表示を見つけた程度で、駅を出た瞬間に誰の目にも問答無用でひらパーがどこにあるのか分かるような表示は見当たりませんでした。枚方公園駅って名前からしてひらパー専用の駅みたいなのに。
地方の小さな町の商店街のようなものとくっついた駅前のロータリーを指示通りの方向に曲がって進んでいくと、幅は広いけどもう早くも住宅地のような様相の道になります。そして本当にこの道でひらかたパークにつくのか?と疑いを挟みたくなるような日常的な風景の道を歩いてると、というか前を見て進んで程なくすると道路の突き当たりに見えていたものがひらパーの入り口の光景だと分かって、けっこうあっけなく到着することになりました。
日常的雰囲気の広い道がいきなり非日常の空間に接合されてるような唐突な印象でゲートが目の前に現れます。ひらパーの入場ゲートと今来た道の間を横断するように車道があったものの、わたしが行った昼過ぎ頃の時間帯では通る車もほとんどないような状態で、横断信号が手持ち無沙汰に点滅してました。結局位置的には枚方公園駅から遊園地の前の大通りに当たる道を進んできた形になったわけだけど、大通りの周辺には遊びに来た客相手の店もほとんどなくて、目の前の非日常的空間に繋がるゲートを視界から外すと、閑散とした車道と相まって、本当に静かな住宅地の真っ只中にいるような雰囲気でした。
ひらパーに向かう人の列もないし、この遊園地も寂れてる?というのが最初の印象。というのも夏の終わりに行った生駒山上遊園地もこんな感じだったから。
生駒山上遊園地はわたしが行った時はほとんどお客さんがいませんでした。小学生くらいの団体客が先生らしい人に引率されて来てはいたものの、団体で移動するだけだから多少賑わってる雰囲気なのはその団体が移動している場所だけといった様相で、そのほかの場所はほぼ無人といってもいいくらいの状態でした。寂れてるというよりもほとんどゴーストタウンにでも来たような感じ。廃墟好きだからこんな雰囲気も嫌いじゃないんですけど、この時は廃墟を撮りに来たわけでもなかったから乗り物一つ動いてない園内は活気に乏しいこと夥しくて、予想外の雰囲気にかなり面食らうことになりました。遊具にイルミネーションが灯るような夜まで開園してる時はそれなりに人出もあるんでしょうけど、わたしが行った時はたしか夕方の5時くらいで閉演になる営業形態になってる時でした。
Nikon AF600 : FUJI X-Tra 400
お客さんの見当たらない生駒山上遊園地。遠くに見えるタワーは日本最古の飛行塔の遊具、
夏に行った比叡山の麓のあった八瀬遊園や比叡山山上遊園地、新世界の記事で触れたフェスティバル・ゲートや、他にも奈良のドリームランドとかあやめが池遊園など、ちょっと思い浮かぶだけでも潰れてしまった遊園地が多いです。こういう地域型というような遊園地は関西だとお客さんをUSJなんかに取られてしまった結果の零落振りだと思います。ディズニーランドのクローンだったドリームランドとか小さい時に行って面白かったんですけどね。
生駒山上遊園地はわたしが行った時は特別なイベントも何もなくて夕方の5時くらいには閉園してしまうような時期だったので、遊具にイルミネーションが灯るような頃も開園してる時期にはそれなりにお客さんは来てるのだと思います。
時期的なものだったかもしれないと思うもののゴーストタウンと化した生駒山上遊園地を体験した後だったので、京阪の駅ではブラックマヨネーズを使って遊園地の頂点を目指すといったポスターなんかを貼ってはいるけど、ひらかたパークも零落しつつある遊園地の一つなのかなぁと云った印象を受けました。
まぁ門の前でそんな感慨にふけってるよりはせっかくきたのだからとりあえず入ってみようと、感慨も半ばに切符売り場に直行。乗り物は乗るものではなく撮るものというスタンスで来たので入場券だけを購入してゲートをくぐります。
正面ゲートはただくぐるだけで、フラワーコートというちょっとした広場をはさんで歩いていくと、今度は園内に入る、ここは切符を見せないと通してくれないゲートがもう一つ仕立てられてました。
このゲートを通るとひらパー構内に入れるようになってるんですが、ゲートからひらパーに出てくる短い間が薄暗がりのドーム状の通路になっていて、思うにおそらく外の日常の世界から中のひらパーの非日常空間に切り替えるために設けられた空間としても意味合いがあったんじゃないかなと思ったりします。「2001年宇宙の旅」で映画の始まりに映像が出てくるまでしばらく暗闇を続けたのと同じような意味合いですね。
☆ ☆ ☆ メリーゴーランドにくびったけ ☆ ☆ ☆
短いうす暗がりの通路を抜けると、目の前にはそれまでの空間とは性質を異にしたひらパー空間が広がってました。入った直後、ひらパーのマスコットの着ぐるみを着た人が近くを通って、なんだかわたしに向けて手を振ってたようですけど、気恥ずかしいので気がつかなかった振りをして園内に入っていきます。
ゲートから園内に入ると、こういう場所には欠かせない人口の山マジカル・ラグーン、妖精ピピンとポピー達が住む不思議な島をモチーフにしているらしい山が聳え立ってるのが見えて、通路はその山の周辺を巡るようにして園内に導いていきます。そのマジカル・ラグーンの周辺にはうす暗がりから出てきた目には鮮やかなコントラストを成すように色とりどりのカラフルな花が咲き乱れていました。どうやらわたしが行った時にはオータムフラワーガーデンショーというものを開催していたらしくて、説明によると菊人形の技術を承継して作ったフラワー・トピアリーを約100体設置して園内を演出したイベントだったらしいです。ひらかたってそういえばひらかた菊人形という具合に菊人形とセットになった語感として頭の中に入ってました。
ここでメインのFM3Aにモノクロを詰めてきたのは失敗だったかなと早くも後悔しかけました。一応CONTAXのほうにはカラーフィルムを詰めては来てるんですけど、メインと決めて持ってきたほうをやっぱり主役として使いたかったから。
でも仕方がないので園内に入った直後にバッグからCONTAXを取り出して、花の写真を撮っていきました。カラフルになるように並べてあるんだから当たり前といえば当たり前なんですけど極めて色とりどりでまるで南国に通じてるようなかなり目立つ一角となってました。
その後マジカルラグーンに沿う道は辿らずに、そのまま直進してひらパーの中央広場、というか椰子の木が並木になった大通りのパームウォークのほうに行きます。飲食店が両側に並んだ一角でした。ひらパーに入園した場所辺りに案内図でもあったのかもしれないけど、そんなもの見ずに歩いてたので、この大通りに着いたのは偶然でした。でも中央広場風の雰囲気だったから、何も考えずに歩いていたら大抵ここにつくような道順になっていたのかもしれません。そしておそらくこの大通りから周囲に色々と移動できるようになってるんだろうと予測して、とりあえず人が集まってる気配のある方向に向かうことにしました。お客さんの数は遊具がある場所ではそれなりに来ているようで、寂れたという印象は入り口で感じたほどはなかったです。でもこのパームウォーク辺りはこういう場所でイメージするほどには人がいない印象ではありました。ちょっと閑散としていた感じ。混みあってる場所には辟易するのでわたしにはこのくらいがちょうどいい感じです。
それで位置的には傍らに京阪の線路が通ってる側、人が集まってる方向に歩いていって見つけたのがメリーゴーランドでした。派手に動き回る湯具のほうがパームウォークに近い場所においてあったような印象だったので、その一角でもちょっとだけ外れた位置、動き回る遊具とは反対側になる隣はローズガーデンという静かな場所になってるその境界の辺りにそれはありました。
もう遠めに一目見ただけで「わぁ、凄い!」といった印象で、派手な遊具は後回しにしてとにかくそちらのほうに近寄って行きました。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
遠目でもすぐに分かったのは多色使いの装飾で凄く優美だったこと。多色使いといっても今風のはっきりした色合いじゃなくてどこか色あせたような優しい風合いの色使いでした。近くによって見ると、詳細がわかるようになったんですけど、ひらパーのメリーゴーランドはそういう優しい色を使って描かれた、これまたノスタルジックなタッチの絵画、古びた風景を描いたような絵画で天井や屋根や壁面を隙間なく飾られていました。
さらに絵画だけじゃなくてメリーゴーランド全体も曲線を主体にした装飾で隙間なく飾り立ててあるし、やさしい色あいの中にも金色なんかもふんだんに使って絢爛さも付け加えています。2階建てのメリーゴーランドというのもその印象の過剰さに拍車をかけてたという感じで、遠目に見たときも近づいて眺めた時も、それはもう夢見るようにノスタルジックで豪華としか云いようのないオブジェとして目の前に立ち現れていました。
大体普通の建築物でも近代的なコンクリの箱みたいなビルは全然いいとも思わずに、高いバルコニーの高い庇の上なんかにガーゴイルでも蹲ってるような建築物のほうがはるかに好きだから、こういう装飾過多の建造物って割りと無条件に好きなほうなんですね。
それにこの前に生駒で見たメリーゴーランドがこういういささかシンプルなものだったから、これが頭に残っていたわたしとしては、これを見た瞬間とにかくその優雅で豪華な様に目を奪われてしまったわけです。
Hasselblad 500C/M Carl Zeiss T* Planar 80mm F2.8 : FUJI Reala Ace 100
生駒山上遊園地のメリーゴーランド。柵がちょっと邪魔でした。
それで、ひらパーのメリーゴーランドの優美さに一目でノックアウトされて撮ってたのがこんな写真。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
こちらはポールがちょっと目立つかな。この方向から木馬を撮ったら必ずといっていいほどこの位置にポールが入ってました。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
とにかく気に入ってしまって、ひらパーの他の場所に行っても事あるごとにここに戻ってきては写真撮ったり眺めたりしてました。係りの人から見たら相当変な人間に思われてたかも。なにしろ乗る気配は一向に見せないわりに、何度も立ち寄っては遠くから眺めてはまた撮るのかと思われるほど近づいてカメラ構えたりしてましたから。
最後の写真は夕方帰り際に最後にと思って立ち寄った時に撮った一枚で、逆光の具合とかこの日撮ったメリーゴーランドの写真の中では一番気に入ったものでした。逆光で細部が曖昧になって雰囲気が出てると思うんですけど、はっきりと精緻に写るのが信条のFM3Aで撮りながら、曖昧に写ったのが一番のお気に入りといってしまうと、FM3Aが拗ねてしまいそうです。
家に帰ってからその優雅さ豪華さが頭から離れずに、一体世の中にはどんなメリーゴーランドが存在してるんだろうって調べてみました。ひょっとしたらもっと凄い、さらに写真にしたくなるようなものもあるかもしれないと思って。
調べてみて意外だったのは、ひらパーのメリーゴーランドと非常に良く似た2階建てメリーゴーランドが多いということでした。最初見たときは唯一無比くらいの強い印象だったのに、いろんなメリーゴーランドを眺めてみると、ひらパーのメリーゴーランドはユニークというよりむしろ典型というか、けっこう基準タイプのものという印象に変ってきました。ユニークだというならシンプルな生駒山のもののほうがユニークだったような気がします。
考えてみれば、フィルムピッカーと同じで、メリーゴーランドなんて遊園地の数だけしか売れないわけで、しかも一度設置したらよほどのことでもない限りもう一つ買ってみるなんていうことはありえないいから、毎日どこかで遊園地がオープンするような稀有な時代にでもならないと、複数のメリーゴーランド製作会社がしのぎを削るなんてありえないことになります。メリーゴーランド製造会社というような専門の会社があるかどうかわからないですけど、そんなことを考えるとメリーゴーランドはどこのものでもフィルム・ピッカーのように一社が提供してるんじゃないかと妄想してます。
でも意外と典型的なものであったとしても、このメリーゴーランドが気に入ったことは変らず、帰り際に気に入ったものが撮れたという結果から、その続きをまたやりたいと思っていたりします。でも二階に上がる階段は登ってみたい気はあるものの、乗ってみる気は今のところないんですよね。映画でそんなシーンはありそうだけど、リアルでは大人が木馬に跨るのは子供の同伴でもない限り、ちょっと恥ずかしいです。
☆ ☆ ☆ 空を行くもの ☆ ☆ ☆
メリーゴーランドのあった場所とはパームウォークを挟んで大体反対側にあるエリア。ここには意図的でもないんでしょうけど、絶叫系の遊具がいくつか纏めるように設置してありました。おそらく見た目も動きも一番派手なエリアだったんじゃないでしょうか。
生駒のほうもそんな感じだったんですか、ひらパーもどうやら絶叫系の乗り物は数を減らしていってるような感じです。お客さんの層を家族的な階層を中心にしたいと思ってるんじゃないかなと思います。
今ひらパーにおいてある絶叫系で一番派手なのはジャイアントドロップ・メテオなんじゃないかと思います。一本の支柱が空高く聳えたち、客を乗せたシートがその支柱の一番上まで持ち上げられて、少しの間をおいて一気に地上に向けて落とされる遊具。テレビなんかでたまに見ますけど、実際にみたのはわたしは初めてでした。真下近くに行って見上げてみると、百貨店くらいの規模のビルなら確実に屋上よりも高い位置までシートが持ち上げられるようになってるんですね。わたしはデパートの屋上の柵の内側から地上を見ただけで足が竦んでしまうほうだから、この屋上から椅子に座った状態で空中に突き出されるような状況を思い浮かべただけで、冷や汗ものでした。こんなものにお金を払って乗る人の気が知れないというか。実際に乗ってる人も見てましたけど、人の大きさが豆粒のように見えるほど高くまで持ち上げられていく様相を見てよくもまぁ気を失わないことだと思い、その勇気に感心してました。絶叫系ではおそらく一番怖い乗り物だと思うので遊具としては花形なんでしょうけど、見た目はただ支柱が立ってるだけの代物だったので、写真に撮るのは面白くなさそうに思って一枚も撮りませんでした。面白いというなら一番上に上がったシート席を撮るのが一番だと思うものの、それを撮るにはシート席と同じ高さの場所まで上がる必要があり、そんな場所も無かったのでやっぱり写真を撮る方向には向かわなかったです。
そのメテオの隣にあったのがこの遊具。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
スーパートマホークと云うらしいです。トマホークと名づけてるのは云いえて妙というか、支柱の両脇に斧の柄が長くなったような形状のものが取り付けられていて、それがおのおの逆方向に回転をし始めます。斧の刃に当たる部分にお客さんが乗るようになってるので、回転して刃の部分が頂上に来たらお客さんはまっ逆さまの状態に。
大体一回のプレイで4~5回転するみたいでした。以前にこういうのに似たもので搭乗する部分がロケット状になっていて回転するとき垂直方向に向いてる段階でロケット部分が回転して頂上に来ても客席は逆さまにならないという遊具があったような記憶があるんですけど、これは頂上で完全に逆さまになったままでした。頂上に来たときに少し止まると恐怖感倍増だと思うけどそこまではやってないようです。
すぐに眩暈を起こすわたしには禁断の乗り物のような気がします。でも何かにつけ世界がぐるぐる回るのを日常で体験してるからかえってこういう刺激には強いかもしれないなんて思ったりしました。もっともそんなこと考えても本当に強いかどうか試してみる気にはならなかったですけど。
写真は、これはあまり上手く撮れなかっかな。こんな動きをするものを画面に納めるのはけっこう難しいです。あまり高くまで振り上げられてるような感じがしてない。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
この遊具もメリーゴーランドと同じ雰囲気の過剰な装飾が施されていて、気に入りました。ひらパーにいる間にメリーゴーランド同様に何度も舞い戻っては写真撮ってました。これも帰ってから調べてみたら他の遊園地にあるものとデザインがそっくりだったので、典型的な形があるのかもしれません。
見た目はメリーゴーランドの印象の延長からなのかもしれないけどどちらかというとファミリー向けに見えるところがあります。でも動き出すと様相は一変。ファミリー向けなんていう印象は吹っ飛んで、かなり凶悪な遊具の姿を露にするようです。怖さといったらトマホークよりもこちらのほうが怖いんじゃないかな。
あのワイヤーロープに命を預ける人の気が知れないです。ワイヤーが切れたらどの辺りまで吹っ飛んでいくんだろう。
写真はもうこの遊具の典型的な撮り方ですね。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
観覧車。ひらパーでの名前はスカイウォーカーとなってます。場所的には絶叫エリアからちょっとはなれた小高い丘の上に設置されてます。ひらパーって住宅地の中に作られてるように見えて、なかは森あり小高い丘ありのかなり高低に変化がある作りになってるんですね。
被写体としては撮りつくされてるという感じの被写体。画像処理とか色合いをわざと狂わせるような変化でも追加しない限りあまり新鮮な印象に写真を撮れないような気がします。
部分だけで全体像が分かるものは全部を画面に収める必要はないので、観覧車のようなものは部分を切り取る撮り方で十分だと思います。
でもこの日わたしが撮ったものを眺めて思ったのは、下のほうが面白いなぁって云うことでした。ほぼ全体が写ってるもののあまり説明的なものにもなってないようだし。
これが観覧車です!って云うような写真にしたくないから、切り取り方を工夫しようという方向に向かうんですけど、観覧車は全体を写してもそれなりに絵になるんじゃないかって思いました。
それと下のほうのは閉園間際でフィルムの残り3枚くらいの状態で、とにかく消費してしまおうと思って撮った一枚。あまり考えてませんでした。あまり考えないで撮るのも一つの方法かもしれないと、トイカメラも使ってるものとしては再認したようなところがあります。きちんとしたカメラを使うと無意識的にでもきちんとした写真を撮ろうとしてるところがあって、トイカメラで破綻した写真を撮ってやろうという意識を持ってたのが知らない間に何処かに行ってしまいがちです。
☆ ☆ ☆ 動物たち ☆ ☆ ☆
動物たちといっても生きてるものじゃなくて置物、ディスプレイされていたもの。
ひらパーは中に入ってみると意外に起伏があって、遊園地内には小高い丘というか小ぶりの山のようなところもあります。人の通りは遊具が並べてあるところから比べると極端に少なくなって、木々の合間の静かな場所を散策するような気分が味わえたりするんですが、そういうところに本当の動物を見せているエリアもありました。
ワンダーガーデンとかピッコロガーデンとか名前のついたミニ動物園で、さすがに虎やライオンはいないものの、レッサーパンダやメガネザルなどの小動物が見られるようになってました。
でもわたしが行った時はここまでやってくるお客さんもまばらで、動物たちもなんだか忘れ去られたような場所に隔離されてる感じ。動物にしてみれば始終見られることもなくてストレスはあまりないのかもしれないけど、華やかさにかけてあまり写真に撮る気にはならなかったです。
ということで写真に撮りたくなったのはもっぱら作り物の動物たちばかり。街中でも動物の置物とか見つけたらわりとシャッター切ってるほうなので、遊園地ということもあってこういう装飾動物も多く、けっこう目をひかれてました。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
わたしはけっこう象が好き。このほかにもバッシュという名前のウォータースライダー系のアトラクションで象が鼻からアーチ上の噴水を上げているところを潜り抜けるというようなのもあって、この日はその象の写真も撮ったりしてます。わたしには象はインドっぽい神秘性が視覚化されてるように見えてそういうところが気に入ってるのかもしれません。
下のものはシロクマ?なんだか遊具の脇のちょっと開いた空間に唐突に置かれていたものでした。シロクマのほうは塗装がはげてたりしてちょっと面白かったものの、こういう撮り方をすると余白がシンプルすぎるような気がします。余白のほうにもうちょっとテクスチャ感が欲しい感じ。
一番下のはお土産コーナーで撮ったもの。あの新世界のカブト虫少女が背負っていたものと同系のおもちゃのようです。動物の形をしてるから動物園限定で置いてあるのかと思ってたら、こういうアミューズメント施設ならどこにでも売ってるものだったんですね。
この写真、スキャンしてから眺めていて、おもちゃだけで画面を埋め尽くしたほうが面白かったかなと思いました。それで験しにトリミングしてみたのがこっち。
一応お気に入りの象を中心にトリミング。絵柄としてはこういうごちゃごちゃしたものもわたしは好きです。でもこの絵柄にするとモノクロだとちょっと頼りない感じがします。こういう風におもちゃで埋め尽くすなら絶対に色があったほうがいいです。もう一つ、モノクロは光のグラデーションとオブジェの質感が印象の大半を占めると思うので、こういうビニール素材のものが集まってるだけの場面だと、モノクロにしてしまうと質感が乏しく単調になってしまうような気がします。
☆ ☆ ☆ 視線がたどり着いた場所 ☆ ☆ ☆
なんとなく意味深にサブタイトルを決めてみましたけど、要するに遊園地内の様子です。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
園内に入場したとたん目にはいってくる山、マジカルラグーンです。遊園地というと必ずこういう山がありますね。奈良のドリームランドにもあって、周りや内部をジェットコースターのレールが取り巻いてたのを覚えてます。ひらパーのは絶叫系のものを絡ませてるわけでもなく、宝探しといったイベント的なアトラクションが用意されているようでした。この山、時間によって噴火するんですよね。噴火の時間は立て看板に告知されてましたけど、わたしはその時ちょうど休憩にレストランに入ってたので、見事に見逃してしまいました。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
そのレストランの光景。実際にはお客さんはちょっとは入ってたんですけど、こちらの方向は無人状態。3時過ぎくらいだったから、閉園が5時だとするともう店じまいにかかってるような感じだったのかも。空いてる方がゆっくり出来ていいですけどね。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
中央通り、パームウォークの風景。なんだか思いっきり古びた写真のような印象になってしまってます。
Nikon FM3A Ai-S Nikkor 50mm F1.4 : Kodak TMAX 100
これはちょっとかっこいいかな。イルミネーションの枠がパームウォークの上空に架けられていた光景です。枠がもうちょっと黒っぽい感じに写るものだったらもっとよかったんだけど。
それと空が単調かも知れないです。ひとコマの真ん中に縦線入れるような無粋な現像むらじゃなくて、こういうところにこそ現像むらのもやもやしたような模様でも入ってくれたら面白かったんじゃないかと思いました。
☆ ☆ ☆ カラー編 ☆ ☆ ☆
ということでFM3Aで撮っていたモノクロはこの辺にしておいて、こちらはこの日持って行ったもう一つのカメラ、CONTAX TVS2で撮ったカラー写真のアップ。
CONTAX TVS2 : Kodak Portra 400NC
CONTAX TVS2 : Kodak Portra 400NC
薄暗いドーム状通路を抜けていきなり目にはいってくるのがこのカラフルな光景でした。演出はこういう風に思い返すとけっこう計算されてたんじゃないかなという印象です。いきなりこんなカラフルなものを目にして、これは写真に撮っておかないと駄目じゃないかなと思って、まず園内散策に出る前にここで足止めを食らったような感じで意外なほど時間を取られる事になってしまった感じでした。
☆ ☆ ☆ メリーゴーランドにくびったけ ☆ ☆ ☆
CONTAX TVS2 : Kodak Portra 400NC
CONTAX TVS2 : FUJI X-tra 400
CONTAX TVS2 : FUJI X-tra 400
絢爛豪華なメリーゴーランド。色がつくと印象も変ります。モノクロで撮ったのもシックでいいし、ここまで色使いが特徴的だとカラーで撮るのもまた楽しいと思います。
天井や屋根に描かれていた絵はこうやって見てみるとゴンドラなんかが描かれてるようだからベニスの風景か何かだったのかな。古びた風景画という印象はあったけど、園内にいる時はメリーゴーランドの全体に圧倒されて個々の絵の内実までよく見てなかったです。細々とした装飾も一つ一つ見ていくと面白いかもしれません。
☆ ☆ ☆ 空を行くもの ☆ ☆ ☆
CONTAX TVS2 : FUJI X-tra 400
逆光がかっこいいです。わたしの撮り方の傾向として最近やたらと太陽に向けて撮ってるようなところがあります。どちらかというとフレアーでも入って写りとしては破綻してくれるほうが楽しいといった撮り方。今のところ逆光のコントロールって意図的に出来ないので、どんな写り方になってるかさっぱり分からずに、現像が出来てくるのがドキドキものです。
後ろに写ってるポール状のものがメテオで、右に見えてるのがトマホークですね。
この写真はそれほど振り回してるようには見えないですけど、それでもやっぱりこの椅子に座るのは怖いです。
CONTAX TVS2 : FUJI X-tra 400
この日ジェットコースターを撮ったのはこの一枚だけでした。
ひらパーには複数のジェットコースターが用意されていて、それぞれ回るコースの演出によって印象が異なっています。たとえば写真のものの他には木製のコースターでインディ・ジョーンズみたいな雰囲気の「エルフ」とかいったものもありました。これは絶叫エリアに隣接してる、一番シンプルで一番ジェットコースターらしいジェットコースターでした。
ジェットコースターって意外と撮るのが難しいという印象。猛スピードで動いてるコースターを撮りたくなるんですけど、画面の占有率は物凄く小さくてあまり迫力が出ないんですね。よほど近くによって撮らないと様にならないような感じでした。むしろうねうねしたコースの様子を撮った方がジェットコースターの絵としては様になるんじゃないかなと思います。
☆ ☆ ☆
とまぁこんな写真を撮りながら午後のひと時をひらパーの散策で楽しんでました。閉園が5時というのはちょっと予想外で、確かに多少日は翳ってはきてたけどまだ十分に明るい時間に閉園のアナウンスが流れてきた時はもうお終いって云う気分になりました。イルミネーションや遊具に電飾があるのもみてるからそういうのが灯るところまで開いてると思ったのに。わたしが行ったのは平日だったので、こういうのが灯るのを見られるのは土日だけなのかもしれません。
閉園のアナウンスに追い立てられるように出てきて、色々とまだ撮り足りない気分だったのは今でも残ってるし、細部を眺めてるともっと絵になりそうなところが見いだせそうだったような気もします。それにイルミネーションが灯ってる状態も見てみたいと思ったし、ゲートから出て振り返ったときに逆光に浮かぶゲートの飾りがなんだか名残り惜しかったです。
また来てみたいと思いました。やってくるときは写真の被写体を探しに来ただけの気分だったけど、結論的にわたしはひらパーがわりと気に入ったようでした。
それと雨の日。雨に濡れる遊具というのは想像しただけで被写体としては良さそうで、こういうのも撮ってみたいです。
☆ ☆ ☆
こんな感じのひらパー探査行の締めくくりに、菊人形という花にまつわる遊園地に似合いのローズガーデンで撮った写真を一枚置いておきます。
CONTAX TVS2 : FUJI X-tra 400
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
先日エスニックの雑貨屋を覗いた時に来年のカレンダーが吊ってあるのを見て気に入ったので買いました。
毎年今頃にカレンダー買ってるんですけど、毎年どんなものを買おうか迷いに迷ってます。どんなに洒落た絵や写真が使ってあってもカレンダーだというだけで垢抜けないんですよね、どうあがいても洒落た壁飾りにはなりきれない感じがあって、それならいっそのこと飾り気無視のカレンダーのほうが潔いかと思って、シンプルなものを選ぶことが多かったです。
今年は美術館の売店でも来年のカレンダーを売ってるのを見て、いつもは京都駅の伊勢丹とか河原町のイノブン辺りで買って済ますんですけど今度は美術館で買ってみようと思ってました。
それが、エスニック雑貨屋でこれを見て、ほとんど迷うことなく購入することに。
ちなみにこんな絵が描かれてます。
VistaQuest VQ5090
ガネーシャの絵。上にも書いていたように象の神秘性好きの大元がこの神様だったので、素朴な絵柄と相まって目に止まった時には即決してました。
紙もネパールで漉いたらしいすぐに破れそうな印象ではあるけど素朴な風合いの紙で絵にマッチしていました。
でもこれ日が過ぎて不要になった時はどうしようかと、一応描いてあるのは神様だし不要になったからといって捨ててもいいのかなぁと思ってます。
買うときはそんなこと考えもしなかったんだけど。
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OOIOO "UMO" live
VIDEO 日本のロックバンドOOIOOのUMAのライブ版。詳細についてはよく知らないんですけど、前衛ジャズのジョン・ゾーンのところで絶叫ボーカルをやってたBOREDOMSの山塚アイの関連で知ったバンドでした。このライブ版はリズムに変化をつけたりしてわたしが知ってるオリジナルのとはちょっと雰囲気が違うんですけど、何処かの部族みたいな音楽のコアは一緒で面白いです。言葉はこれは人造語なのかな。「和太鼓」だとか「明太子」だとか聞こえるところがあります。
ドラムがかっこいい。たたき出すリズムのわりにゆったりとした体の揺らぎで優雅に叩いてるのが本当にかっこいいです。
一度CDはヴィレッジ・ヴァンガードに置いてあるのを見たことがあるけど、あまりこっち系とも思えないです。
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