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【写真】冬枯れの雨の日に、大川沿いを散策する。 +【写真】まるでホラー映画のようだ。 My Bloody Valentine - Sometimes / Throbbing Gristle - Hamburger Lady

前回、梅田の写真のお話しが続くと書いておきながら、今回は違う話題で話を進めます。オオサカガーデンシティの話はちょっと先延ばし。別に梅田の写真にトラブル発生というのじゃなくて、最近写真撮りに出かけていたのが結構楽しかったのでその楽しさの中にいるうちに形として纏めておきたかったからです。

二月の下旬頃から三月に入った今にかけて、実は今も行動範囲を広げながら暇があれば通ってる最中の場所なんですけど、大阪の造幣局のある桜ノ宮一帯、淀川から派生して流れる大川の川縁で写真を撮っていました。

切っ掛けは雪でした。雪が降ったことじゃなくて雪が降らなかったこと、これが切っ掛け。
今年の冬は例年になく寒くて、これは京都でも例外じゃなく、あとで歩きにくくなるほどの雪なんてもう何年も降ったことがなかったけど、どうも今年の冬はそういう量で雪が降ってくる可能性があると、天気予報なんかをみていてもそういう予感に満ちた冬になっていました。

今年に入ってからお正月に八幡で写真を撮っていたあとで、去年の夏に一度撮って以来、いちいち三脚なんか立てないと撮れないのに36枚撮りのフィルムなんか入れてしまったためにほとんど撮り終わる時期の予測が出来なくなっていたピンホールカメラを持って、ジョギングしてる人がたまにいる程度だから三脚立ててもあまり気兼ねがしない宝ヶ池なんていうところに行って写真を撮ってました。
普通の35mmカメラやピンホールカメラを使って宝ヶ池で写真撮っていた頃は単純に寒かっただけで雪が降るところまではいかなかったんだけど、そのうち天気予報で雪が降るかもと云われてるうちに、向こうまで広大な池の水面が広がる空間を埋め尽くすように空から降ってくる雪なんていうのを思い浮かべて、ここで雪が降る光景なんかが撮れたら面白いかも何て思い始めることになりました。

宝ヶ池でのそういう気分が切っ掛けだったのか手に入れたからそういう気分になっていたのか発端はあやふやだったけど、ちょうどそんな気分になりかけていた頃に、安っぽいプラスチック製ではあるものの防水仕様になったコンパクトカメラを買っていました。
買ったのはオリンパスのフィルムカメラでミュー2ズーム110というカメラ。今はもう製造していないので当然中古という形で1800円の値段がついているものでした。暗いズームレンズを使ったプラスチック外装のカメラって金属でできた重厚なクラシックカメラに比べると全然人気がないから、有名写真家がサブで使っていたなんていうエピソードでもない限り、大体このくらいの安価で売ってるものがほとんどです。

以前に防水カメラが欲しかった時に色々調べたことがあって、このオリンパスのミューシリーズが生活防水を売りに一つにしているのは知っていました。その時の調べた候補には愛用のニコンからはニコノスといった防水というより水中カメラといったほうがいい本格的なものもあったんですけど、とりあえず雨が降りそうな日だけ使うという意味では大仰過ぎて、また中古市場でもあまり見かけなかったからこれはあまり選択肢には入らなかったです。

ミューは初代を森山大道が使っていたので有名なカメラで、でもミューが防水仕様になるのは二代目からなので、これは選択外。森山大道は全然カメラに拘る人じゃなかったから、ミュー初代もそれを手にしたからといって森山大道のような写真が撮れる特殊なカメラというわけでもなかったです。
そして初代以外のミューの防水仕様のもので中古ショップでよく見かけるのは大半がズームレンズになったものでした。
ただズームレンズはどうしても単焦点の明るいレンズに比べると画質は落ちるだろうし、あれば便利だろうけど雨の日にわざわざ撮影に出かけるなんていいうこともやってなかったから、一つ欲しいと思いながらもなかなか買えずにいました。

そういうあればいいけどなければ困るというほどでもないカメラを、結果そんなに予定していたことでもなかったにもかかわらず、雪の予報に右往左往している間のちょっとしたきっかけで買ってしまうことになったわけです。
買ってから動作確認で24枚撮りのフィルムを入れて東山辺りで適当に撮ってみました。中古は不具合があればできるだけ早めに表面化させるように、とりあえず試し撮りしてみるんですが、雨降り用が目的だからそれなりに写っていればそれでいいやと思っていたのが、仕上がった試し撮りの結果は、暗いズームというのは画質が悪いと思っていた先入観を吹っ飛ばすほどよく写っていたというものでした。
これ、雨だけど出かける何かの用事があってでもそんな日でもカメラがないとちょっと不便だしとりあえず持って出るといった程度ものじゃなくて、雨の日に積極的に撮影に出てみようという動機をかなり後押しするくらいの写り具合でもありました。

ちなみに買ったミューってこんなカメラです。

ミュー2110
NIKON COOLPIX P5100

デザインされすぎていたり、安っぽいプラスチックなのに豪華なシャンパンゴールドのカラーリングとか、かっこ良いのか悪いのか良く分からないカメラです。

☆ ☆ ☆

宝ヶ池が降る雪で埋め尽くされるのを待ちながらも、予報では今にも大雪が降るとでも信じそうなことばかり云っていたにもかかわらず、結果は嫌になるほど寒くはなるけど肝心の雪が空間を埋め尽くすほど舞い降りてくるような光景には結局遭遇しないままに今年の寒さの峠は越していきました。

さすがに3月ともなると、雪は今年はもう無理そうだと思うようになってそれは諦めるにしても、手元に手持ち無沙汰に残ってしまった防水カメラを何とかしようと思ったわけではないんだけど、晴れた日以外の世界という点では以前から撮りたいと思ってる状況があって、雪が期待むなしく季節とともに通り過ぎて行ったあとに、そういうことが頭の中に浮かんでくることとなりました。
それがどういうものかというと、大雑把に云えば遠くが霧のようなもので霞んで朧になっているような世界といったもの。
でも霧なんて考えてみたら生まれてから1~2度くらいしか遭遇していない世界で、おそらく京都ではまず遭遇することは無理だろうと。それで霞む世界に出会うにはどうしたらいいんだろう?曇り空をメインにしてみたらどうだろうかとか、写真を撮るといえば晴天の日だけを対象にして出かけている合間、霞む世界といったものが時折頭を掠めるたびに考えることがありました。そういうことを考えてイメージしていたものの一つに、今持っている機材では撮るのは不可能だけど、雨に霞む遠くの世界というものがあったんですね。これ、霧の時と同じようなイメージが作れるんじゃないかって。
そして防水カメラを持ったことで、今までは雨降りとなると無条件で撮影なんか止めとなっていたのが、こういう悪条件の時も撮影に出かけることが出来るようになっていました。

遠くまで見通せるような光景だったら街中よりも開けている場所が良さそうだけど、以前に荒涼としたものを撮りに行った宇治川公園のような遠くまでまるで何もないようなところだと、霞む状況さえ作れないから、霞んでいるのが分かる程度に遠くに何かがある、それでも見渡す限り開けている場所と云った感じのところがいいなぁと思い、でもそういうところって具体的にどんなところだろうとこれまたあれこれ考えているうちに、京阪の京橋から地下の天満橋駅に入っていく直前に線路に並走して流れる大きな川のことを思い出して、あそこなら雨さえ降れば条件にぴったりじゃないかと思いつきました。
それである雨の日に、防水カメラとして手元にやってきたこのミュー2ズームにイルフォードのモノクロフィルムを詰めて、これまた八幡の駅のときと同じように降りたことのない天満橋の駅で降りてみることにしたわけです。

☆ ☆ ☆

天満橋の駅で降りて地表に出てみると、駅の片側から直接川縁に出られるようになっていて、駅構内にあったマクドナルドの店舗も川縁の方向が大きな窓で開いている状態だったことからも、駅そのものが川(あとで調べてみると大川という名前の川でした)の景観をまず第一にしているというのがよく分かりました。

とりあえず駅から出て川縁で撮ってみた写真はこれ。南天満公園を大川を挟んで眺めたものです。

京阪天満橋駅の側
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400

駅を出て大川縁をどちらに進もうかと両側を見渡し、川上側が蛇行していたからこちら側のほうが変化に富んでそうと、とりあえず川上、方向で云うと東側に歩いていってみることに。
駅傍にかかっていた天満橋を横断して橋の東側に行き、中ほどから大川の上流に向けてスナップ。

天満橋
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
天満橋の南詰付近に建っていた銅像です。

天満橋 a
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
川の分量をうんと下に下げて、雨の空を多く画面に入れて、その場の雰囲気を切り取れるかと思って撮った一枚。蛇行する川の表情が若干変化を与えてる感じ。
天満橋を右岸のほうに渡りきる前に左岸に船が係留されてるのを見て、もう一度戻ってそちら側に降りてみました。

外輪船係留地
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
水上バスに外輪船風の装飾を施したものが係留されてました。寂れた石段を降りていって近づいてみて、雨が降る中誰もいない様子だったので、ひょっとしたら放置されたままになってるのかとその時は思ったんですが、後日この船が川面を移動していくのを見たから、現在稼動中の船だったようです。

天満橋左岸行き止まり
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
天満橋から降りていく左岸はそのまま進んでいくと行き止まりになってました。これ、写真のフレームからは外れてますけど、手前に柵があってこれ以上先に進めなくなってます。

天満橋 b
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400

左岸がそのままでは行き止まりになっていたのでそのまま天満橋まで戻って、今度は橋を渡って右岸のほうに歩いていきます。橋の途中で水上バスがやってきたので、一枚撮ってみました。

天満橋を渡りきると右岸の遊歩道が川縁に伸びているのが見えてきます。

天満橋右岸から見下ろしてみる
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400

小さな公園にて
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
いかにも雨が降りしきってるような光景です。
橋を渡りきった辺りにあった小さな公園風の空間には椰子の木が。あとで分かることなんですけどこの大川沿いには椰子の木が結構植えてあって、こういう集落を作っているところが目に付きました。暗かったからフラッシュ焚いてみたけど、葉の重なり具合が平たいレイヤーを重ねたような妙な写り方してます。フラッシュ焚かないほうがよかったかな。

雨の降るなかを水溜りを避けながら大川右岸を川上に向けて歩いていくともう一つ橋、川崎橋という名前らしいんですが歩行者専用の吊橋がみえてきます。天満橋から撮った写真に写ってる橋です。
ここを通って行き止まりだった大川左岸にもう一度渡ってみました。

川崎橋
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
橋のケーブルは見上げてみるとゆりかもめが並んで止まってます。下からカメラ向けても逃げなかったから、写真撮る人が多くてカメラという機材を向けられることに慣れてるのかな。でもどうしてこんなに留まっていたんだろう?雨が降ってるから雨宿りでもないと思うんだけど。

川崎橋を越えて 大川左岸 1
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400

川崎橋を渡りきって左岸に下りて川上に目を向けると遠くまで並木が続いているのが見えました。雨に濡れる冬枯れの並木はまるで外国のような雰囲気だったりします。

この日はいつも歩き回るほどに全然歩いてはいなかったけど、この辺りで早くも足元がびしょびしょになってきてました。カメラは防水とはいえやっぱり濡れるのは嫌でちょっと保護気味に持っていたら、その分体のほうが疎かになって普通に雨の中を歩いて濡れるよりも激しい濡れ方になっていた感じでした。
行く手を眺めてみると左岸は並木が結構先まで続いてるようだったし、似たような写真が撮れるだけかもしれないと思うところもあって、さらに雨が目的だったけどその雨に気おされるような形になったりして、この辺りから先にすすむのは今日はちょっと止め、と判断。もうちょっと雨に濡れないような場所で写真を撮ろうと元に戻ることにしました。

再び天満橋に戻って今度は川下側を見下ろせる側を天満橋の駅に向かって歩いていきます。
橋の途上で撮ったのがこの写真。

天満橋から天神橋の方向を向いて 1
OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400

このあと持って出ていたいつものバッグがびしょ濡れになってるのに気づいて、しかも防水だと思っていたのに外についたポケットの中まで水が染み込んでいるのを発見してしまったら雨の中を歩くのが急激に嫌になり、写真もそこそこ撮れたし、今日はこの辺で中止することにしようと、駅に戻ることに。駅に戻ってからは駅を出る前に目にした構内のマクドナルドへ一服するために立ち寄りました。いつもメニューにあればクォーター・パウンダー・チーズを頼むので、この時もこれがメニューにあったから頼んだんだけど、店を出る時、店の外に貼ってあったポスターで、テキサス・バーガーが復活していたのを知って、店に入る前に気づいてたらこれを頼んだのにと、これはちょっと失敗をしました。以前に食べた時にテキサス・バーガーを結構気に入ってました。
マクドナルドは最近業績が悪化してるらしくて、そういえば京都でも河原町辺りにあったマクドナルドは知らない間に全滅してるし、人気のある商品をどうして期間限定なんていう扱いにしておくのかちょっと理解に苦しみます。

☆ ☆ ☆

この日雨降る中へ撮影に出たもののほとんど天満橋周辺だけで撮っていて、あまり川沿いを歩いたわけでもないままに終了。でもカメラ庇って足元びしょ濡れなんていう状態に雨の中で途方にくれながらも、その途方にくれる感覚もある種楽しんでいるようなところがありました。
撮影している最中は、雨の大川を橋の上から眺めながら、思ったほど遠くは霞んでないなぁと思っていて、写真の仕上がりがどうなるか気になっていたんですけど、旧ムツミから仕上がったものを受け取りに行ってみると、その場で見ていた以上に遠く霞み溶け込んでいくような仕上がりになっていました。。自分でもおぉ、ちゃんと霞んでると吃驚。
それで、大川の天満橋駅周辺からほとんど離れないままに歩くのを止めて帰って来たせいもあって、大川が天満橋の間際で滝になって落ちているというような状態でもなければそのまま川は続いていくわけだから、それならば大川沿いにもうちょっと行動を広げて上流、下流へと川の様子を見に行ってこよう、天満橋のすぐ先の上流で蛇行して視界から去っていくさらにその先がどうなっているのか探りにいってこようと思いたちました。
そしてその興味は川の先に広がっていたわたしにとっては意外な光景に誘われ予想外に持続して、その後三月の中旬の今現在に至るまでカメラ持って足繁く通う動機となっています。

ということで、梅田のガーデンシティの写真を続きとしたままで、こちらの雨の日の遠く霞む世界の話題も二度目の大川散策以降のお話として次回に続きます。さて、蛇行する先の大川に一体何が見えてきたのか。


☆ ☆ ☆


My Bloody Valentine - Sometimes


「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」なんていう名前だと、ホラーものの何かを連想するし、実際にこの名前のホラー映画もあったりするんだけど、こんな名前のバンドだからといって別にホラーを髣髴とさせる音楽をやっていたわけでもなくて、単純にメンバーの代表であるケヴィン・シールズがホラー映画が好きだったというだけの理由で名づけられたものらしいです。でもやっぱりデスメタルを演奏するガールズ・バンド辺りのほうがぴったりするバンド名ですね。
のちにシューゲイザーと呼ばれることになるジャンルを代表するグループなんだけど、グループ名のちぐはぐさ同様にこのシューゲイザーって言うジャンル命名も今ひとつしっくりこないところがあります。俯いてひたすらコードをかき鳴らすギタリストの様子などから、靴を見つめる人なんていう意味合いで付けられたジャンルの名前で、ちっとも音楽の本質を言い表してる名前じゃないから、ジャンルとしても何処か成立しにくいところがあったように思っています。

音楽的にはサイケデリック・ミュージックの一形態といったところかな。一般的にはギターの甘い爆音ノイズというような表現がされる音で、でもノイズといった時に連想される、少なくともわたしが連想するようなものとはちょっと毛色が変わった音を作っていました。
わたしはノイズ・ミュージックというと、スロッビング・グリッスルなんかのアヴァンギャルドなノイジー・ミュージックを思い浮かべるんだけど、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのノイズというのはギターでひたすらかき鳴らし続けるコードの連鎖音にエフェクターなどをかけて歪ませ、分厚い音の壁のようにしたものを指しています。
ノイジーといっても随分と音楽的。コードの構成はしっかりと残って、そのコードが持つ色彩感は様々に工夫されたエフェクターで増幅され、甘い爆音といわれる甘美な要素をも増幅させていくような方向で音の空間を形作っていきます。
写真でいうと色の飽和を起こしたような音楽という感じがします。色彩の綺麗さは残して同時にひたすらに過剰な感じ。昔のヴェルヴェット・アンダーグラウンドのようなサイケデリック音楽のバックに使われていたような不定形の色の泡が拡大収縮するような映像、光が乱舞するような抽象的な映像はむしろこういう音楽のほうが似合うんじゃないかと思います。

音楽的には嫌いなジャンルじゃないんだけど、ギターの扱いが、せっかく6本も減が張ってあってそれぞれ違う音にチューニングされてるんだから、一面に塗りつぶしてしまうようなコード掻き鳴らし専用楽器じゃなくてもうちょっとそれを生かした弾き方したほうがいいんじゃない?なんて思うことがありました。ここから愛されるギタリストは登場しないだろうなぁと、ジャンルとしては最近また息を吹き返してるようだけど今でもそういう風に思っています。

Throbbing Gristle - Hamburger Lady


言葉の意味でノイジーな音楽をやっていて好きだったバンド、スロッビング・グリッスル。
実験的で退廃的で病んでる音楽で、映画でいうとリンチ監督の「イレイザーヘッド」と同系列のような感じ。そういえば「イレイザーヘッド」の音楽も音響的なノイズ・ミュージックでかっこよかったです。
これはかなりイメージの喚起力が強い音楽になっていて、内容は歌詞も含めて極めて不快なものなんだけど個人的にはスロッビング・グリッスルの曲のなかではわりと好きなものになります。呪術的な呟きをのせて彼方の異界からかすかに届いてくる音楽のようでもあり、聴いているうちにどこかこちらの精神も確実に蝕んでいくような雰囲気もあって、なかなかやばい印象の音楽ではあります。
真夜中に暗い部屋で聴いてると、効いてきます。




☆ ☆ ☆



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(2012/05/07)
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【写真】梅田界隈で京都では撮れない都市の写真を撮ってみる。+【音楽】~タカタンタン、スウィート・サウンド・オブ・ザ・シャミセン♪~

大阪の梅田で撮っていた写真です。
撮っていた時期は去年八幡の鉄橋から見えた気になるものに接近していった頃よりも前のこと。コスモスクエアで写真を撮っていた夏が去っていき、そろそろ紅葉が始まるかなと思わせる雰囲気になりつつあった、晩夏から秋の半ば過ぎる頃のことでした。西梅田ガーデンシティという、色々撮っていたのはこの辺り周辺だったんですけど、そこにあるうどん屋さんでお昼御飯を食べた時、メニューに秋の新メニューのカレーうどんを始めましたという表示が出ていたのを覚えています。というか覚えてるというよりも実際にそのカレーうどんを食べました。
記事にする順序として俯瞰してみると、今年の石清水八幡宮の初詣から八幡へ行く切っ掛けになった橋脚の廃墟の話に続いて、さらその前に撮っていた写真のことを書こうとしてるから、なんだか意図的に時間を遡って去年の真夏のコスモスクエアに再び連結させようとしてるような意図的な展開に見えるかもしれないけど、時間を遡っている記述には大して意味はないです。去年の夏の終わりから秋の半ばころまでに撮った写真は結構数多くあるのでここに載せる写真の数が足りなくて困ったということでもなく、今頃になって数ヶ月前の写真を載せる気になったのは、単純に梅田という場所について書きにくかったからだったんじゃないかと思います。

梅田というと中古カメラ屋が結構店を開いているのを知ってからは、京都から京阪にのって終点の淀屋橋で降り、御堂筋線の地下鉄で次の駅になるこの地下道が迷路のようになった街に一番に立ち寄るような具合になっています。
この辺りにやってくるのは今は京阪を使ってやってくるものの、以前は阪急を使っていたこともありました。阪急だと河原町の駅から乗って神戸なんかのもっと先の土地に行く以外だと、終点の梅田で降りることになります。
阪急にのって大阪といえば梅田へ一番に向かうというルートを取っていた頃、大阪へやってくる一番の目的は難波の日本橋界隈で、ここは東京で言うと秋葉原のような一大電脳空間ともいうような場所だったんですが、PC関連、3DCGのソフト関連の買い物をしたり、掘り出し物の映画DVDでもないかと廃盤DVD漁りに出かけたりするのが中心であって、北の梅田というのは大阪への入り口ではあったけど、そのまま御堂筋線に乗って南の難波へ行く通過点に過ぎないような場所でした。

大阪の北区にある梅田という地域は西日本で最大の繁華街で、JR、阪急、阪神、大阪の地下に張り巡らされた地下鉄などの主要鉄道の駅が一同に介し、RPGファンなら狂喜しそうな一大迷宮と化した地下街が地下空間を縦横に走っている場所というある種特異な場所ではあるものの、わたしにとってはせいぜい迷宮地下街の一角にあるキディランドや紀伊国屋書店に立ち寄る場所、たまに足を伸ばして古本屋街とか駅前第1~4ビルの、時間から忘れ去られたような寂れた異空間を巡ったりする程度の場所で、印象的にもいつまでも地下街と地上のポイントが結びつかないところといったものから出るほどの場所でも無かったです。

ところがこの何年かで行動パターンはすっかり変わってしまって、中古カメラショップが意外と集中して存在してるというのを知ってからは、やってくるルートは京阪の淀屋橋経由と変化はしていたけど、梅田は以前の通過する街という存在から、そこを目的にやってくるという街に変貌してしまいました。逆に難波、日本橋のほうにはあまり行かないようになって、稀に行っても黒門市場前のトキワカメラ程度で電器屋街にはあまり近寄らなかったのが、最近DVD漁りに久しぶりに行ってみたら街角のいたるところにメイドさんコスチュームの女の子が道行くオタク相手に客引きしている、PC関連の店が特長だったのにそういう店が激減して、アニメのフィギュアショップなんかが妙に目立つ、なんだかオタク以外にあまり意味を成さないような街に変化していて、諸行無常を痛感するような有様となっています。

こういう風にこの数年は大阪といえばまず梅田に足を運ぶという行動パターンになっているものの、梅田という都市の印象は足繁く通う場所になったとはいえ、以前の通過地点の時と大して変わらなくて、よく行く場所に関しては地下街のどのルートを通ればたどり着くかということくらいは把握しているものの、巨大迷宮地下街と地上との関係は自分が行く場所以外は依然と全く把握できずに茫洋とした印象のままの街といった姿を変えようとはしていません。

去年だったかそれほど写真が撮れなかったから記事にはしなかったけど、お初天神や偶然見つけた街の区画全部が廃墟と化してる空間の色合いがそこだけ彩度をなくしたようなところとかを巡り歩いたことはあるものの、通過するだけ場所から目的の場所に変わったけれど、梅田という巨大繁華街は錯綜する地下迷路と、隣接するビジネス街とむやみに多い人という印象ばかりが際立ち、あまり魅力的な要素も目に入ってこなくて、目的地であることから離れても意味のある場所という対象には必ずしもなっていませんでした。

そしてそんな折に、目的地とは全く関係のないところにまたカメラを持って出かけてみようと思ったわけです。

☆ ☆ ☆

去年の夏の終わりから秋の中頃にかけて梅田で写真を撮り歩いていた切っ掛けは、コスモスクエアから今度はどこで写真を撮ろうかなと考えていたような頃、中古カメラ屋に行ったあとで梅田大丸の上層階にあるレストランでお昼御飯を食べた際、屋上でもないんだけどちょっと空中テラス風に張り出した展望台から眼下に見える隣の阪神百貨店の屋上を眺めていて、そういえばあの屋上って一度も行ったことがなかったと、ちょっとした気まぐれで隣の阪神百貨店の屋上まで出かけたのがそれだったように思います。わたしとしては梅田の百貨店では大丸が利用度ではトップ、ほとんど行かないのが阪急百貨店、大丸の隣にあるのに全く行ったことがないのが阪神百貨店という序列になってました。これ、京都の百貨店のわたしの中の親密度とぴったり一致してる感じ。阪神に立ち入ろうともしなかったのはおそらく京都には阪神百貨店がないというのが無意識的な理由にでもなっていたように思います。

その阪神百貨店の屋上で撮った写真がこんな感じ。

屋上
OLYMPUS 35 RC +E.ZUIKO42mm f/2.8 : KODAK SUPERGOLD 400

道があまり綺麗じゃないかな…。
阪神百貨店の屋上って多段構成になっていて、段差のある下の階層を上から俯瞰で望めるような位置取りが出来ます。
ただの屋上なんだけど、それでもみたこともなかった光景はやっぱり新鮮で、このあと梅田も大半が行ったことのない街だし、いつもは行かないようなところを回ってみようかなと思い立ちました。
考えてみるとこういう大都市の光景って京都では見られないものなんですね。なにしろお寺なんかの景観を壊さないようにという意味合いで建築物の高さ規制があって、京都には高層建築が見当たりません。だからその気になって周囲を見渡すと梅田のような街は通りすがる分にはそれなりに見慣れてはいるけど、立ち止まってみると思いのほか新鮮な場所であったりします。

何故東や南ではなく、そちらに向かったかはあまり覚えてないんですけど、100円で買ったオリンパスのカメラに詰めていたフィルムのコマの順番からみると、JR大阪駅の北側にあるヨドバシカメラのさらに北側からJRの線路に沿って西のほうに歩いていくルートを取っています。この辺りってヨドバシカメラくらいが出向く目的の場所の北の限界なので、それよりも北側なんてほとんどいったことが無い場所でした。

ヨドバシカメラ前
OLYMPUS 35 RC +E.ZUIKO42mm f/2.8 : KODAK SUPERGOLD 400

大阪駅の2階屋外回廊からヨドバシカメラの方向を見て撮った一枚。若干変わった切り取り方をしてみたもので、こういうフレームの撮り方をすると上の阪神百貨店の屋上写真同様にどことなく意味ありげに見えてくるけど、形の配置くらいにしか興味を持ってなくて、それほど意味があったわけでもなかったりします。
大きなテーマを担うようなものへの懐疑だとか億劫さがあって、自分が図らずも撮ってしまっている写真はごく小さな視点からの眺めに終始するような、わたしの場合はごく小さな視点の元になるような個人的な生活も絡める気がほとんどない視点から周りの世界を眺めて撮っているような写真なんだと思っています。
なんというか、こういうことを自己分析すると都合のいいように考えるところもあってあまりやらないほうがいいかもしれないんだけど、ポストモダン的なパラダイムの中で自分なりの立ち位置を探りながら撮ってるような感じになるのかなぁ。

これ、梅田に思い入れがあったなら、たとえばヴィム・ヴェンダースの映画「東京画」のように、わたしの梅田というような独自の写真も撮れそうなんですけど、何しろ通過地点の街であることはあまり変わっていないものだから、都市のきらめきのような写真を撮ろうと思って去年の秋の一時期シャッターを切ってはいたけど、わたしがその場所でその方向を向いてシャッターを切ったという対象との関係性はあるものの、わたしと梅田という巨大都市の間に何か個的で特別なものが生じたわけでもなく、表層的なものと戯れていた(こういう書き方をすると構造主義っぽくてちょっとかっこよかったりしますね)一時期であったことはいつもどおりだったんじゃないかと思います。

ヨドバシカメラのさらに北側にある閑静なビル街。言い方がちょっと変だけど、表通りからいくらか入り込んだ場所だったせいか、本当にビル街なのにひっそりとしている一区画でした。

木立を通して
NIKON F2 PHOTOMIC A +AI-S NIKKOR 50mm F/1.4 : KODAK TRI-X 400

JR西日本本社内にあるちょっとした公園の中から道路を挟んで対面にあったビルを眺めた光景。
木立のような自分の立っている場所が若干暗闇で、その木立を境にして向こう側に少し明るい世界が広がっているというのは、わたしにとっては好みのパターンになっているようです。

梅田未踏地域への侵入はここからJRの東海道本線と貨物駅に挟まれた間を縫うようにして走る道路に沿って西側に向かうことから始まりました。

ガラス窓越しのスカイビル
CANON AUTOBOY TELE +40-70mm二焦点切り替え方式 f/2.4-4.9 : KODAK T-MAX 100

JRは高架の線路になっているんですけど、その高架の高さまで登ったところにある通路というのか、そういう線路に沿った道の側にあった汚い窓から北のほうを眺めた光景。汚い窓というのがポイントで、ガラスが曇って向こう側が幾分ぼんやりとした見え方になってるのに気をひかれて撮ってみたものです。遠くに写っているのは梅田スカイビルです。

ディテールに富んだビル
OLYMPUS 35 RC +E.ZUIKO42mm f/2.8 : KODAK SUPERGOLD 400

東海道本線に沿って貨物駅側に建っていた、ディテールに富んだビル。いかつい印象がかっこよかったです。建物はわたしはコンクリートとガラスで出来たただの直方体のような機能主義追求のビルは大嫌い。この写真の建物は装飾的という細部ではなかったけど、ディテール感覚に富んだ装飾性のある建物のほうがはるかに好きなので、こういうところもモダニズムには属していない感性なんだと思います。

この辺りを線路が敷かれた方向に向いて歩いていると、まぁ歩道脇にはいろんなビルが建っていたり、再開発で工事中のところも多くて、そのビルの駐車場や工事現場の出入り口なんかに、交通整理なんだか警備なんだか、とにかくそういう仕事を髣髴とさせる制服を着たおじさんや兄ちゃんが立っていて、道行く人にいちいち挨拶をしてるんですよね。わたしもその人たちの前を通るたびに「こんにちは!」なんて声をかけられて、こういう通行人に対する態度って流行ってるのかなぁ。工事中は色々と迷惑をかけるから日ごろの態度で懐柔しておこうというような算段なのかもしれないけど、なんだか声かけられるたびにいちいち愛想笑いを顔に浮かべて軽く会釈しながら通り過ぎるのがそのうち苦痛になってきて、この辺りの道はそのうちあまり通らなくなりました。後になってこういう状況をカメラに収めておくのも都市の表情として最適のものだったと思ったものの、どうも居心地悪さに足早に立ち去るほうが気分としては先立っていました。

東海道線の高架下を大阪駅から西に歩いて、次の駅に着く手前くらいの所で高架下を横断できるところがあり、昼を結構すぎていた頃に思いつきで行動開始したものだから、そろそろ暗がりが広がり始めるような時間となっていたこともあって、この辺で一度戻ろうと高架下を潜って線路の反対側に出たあとは線路の南側に沿って伸びている通を歩いてJR大阪駅のほうに戻っていきました。戻ってる途中で右手ビルの林立する合間にちょっとした並木が並んでいる空間を発見、ただのビルの谷間の空間じゃなくて散策もできるような公園に近い雰囲気の空間でした。
時間が夕刻を過ぎつつある頃だったからこの空間が気になりはしたものの最初に彷徨っていたこの時は足を踏み入れず、そのまま出発点だった大阪駅に戻ることになります。
その日帰宅してからもこの公園状の空間のことは頭に残っていて、今度行ったらどういうところだったのか確かめてこようと思いました。

結果からいうとそのビルの谷間に見えた空間はオオサカガーデンシティという名前の再開発区域で、その一帯の複数の高層ビルを含めて情報時代の都市空間、さらに憩えるような緑が豊富な空間をも併せ持つ、商業、文化両面での魅力のある複合空間を形成する意図を持って再開発された場所であったことが分かりました。
次に梅田に来た時にこのガーデンシティに行ってみたら、意外と範囲は広く洒落た都市空間を作ろうとする意図もわりとよく伝わってくるような場所だったので、これはちょっと面白そうと、去年の夏の終わりから秋の半ばころまでこのガーデンシティと、東海道本線を歩いていた時に目に付いていたスカイビル周辺で写真を撮ることになりました。

☆ ☆ ☆

この期間、写真を撮っていたのはガーデンシティ周辺のほうが圧倒的に多かったけど、今回はそちらじゃなくてスカイビルのほうの写真を載せてみます。

スカイビルは阪急で梅田経由で難波に行っていた頃から阪急の車窓から良く見える、他に高い建物もない所で一棟だけ空中高く聳えたつようなかなり目立つ高層ビルでした。
メインはタワー・イーストとタワー・ウエストという二棟の高層ビルで、その二棟の高層ビルが頂上で連結され、その連結された部分が空中回廊風の展望台になっているという形の建物。
阪急の車窓からは梅田に着いたということが一目で分かるランドマーク的な様相も合わせ持ったビルだったんですが、梅田経由で大阪に来ていた頃は先に書いたように梅田そのものに目的があったわけじゃなかったので、駅から少しだけど離れているこの場所にわざわざ足を向ける必要性もなくて存在は知ってはいたけど今まで一度たりとも行ったことがない場所でもありました。

今回ガーデンシティで写真を撮っている間、日頃の通過都市としての範囲を超えて行動していたので、ガーデンシティで写真を撮るのに飽きてきた頃合に、それならばそんなに遠いところにあるわけでもないし、ここは行動範囲が広がったついでにスカイビルの辺りも一度歩いてみようかと思って行ってみることにしました。

JRの貨物駅が近くにあるせいなのか倉庫風の建物が目立つ、あまり人気のない大通りを暫く歩いてスカイビルに到着。

はるかな高みで連結されたスカイビルのある一帯を眺めて最初に思ったのは、これ、京都駅とそっくり!ということでした。敷地内に点在するパステルカラーで塗られた巨大な円筒状の装飾オブジェだとか、碁盤の目上に四角い空間が並んで口を開けている直方体の謎の建築物とか、全く同じものが京都駅にもあるし、全体のなんだか纏まりがなくて、混沌といったある種豊穣なものとはまた違う雑多なだけで妙に安定しないイメージを与えようとするところも全く京都駅と同じ。
あとで調べてみたら予想通り設計者は京都駅を設計した人と同じデザイナーでした。これはでも作風というよりも自己の模倣に近いんじゃないかなぁ。デザインのコンセプトが一貫してるというよりも、京都駅で使ったパーツのデザインをそのままスカイビルに流用してるという印象のほうが強かったです。建築のコンセプトでたとえばコンクリート打ちっぱなしというのが一時期はやってましたけど、ああいうのは建築のコンセプトが同じという印象はあっても流用しているという感じには見えなかったから、スカイビルは成立の意図が根本的にそういうのと違っているんじゃないかという印象でした。京都駅は結構好きなんだけど、このスカイビルはあまり好印象でもなかったかな。

わたしはシャッターを切る時、後で思うとその時目の前にした世界に何か気配とでもいうようなものを感じて、シャッターを切っていると思ってます。
その気配がどういうものだと云われると、言葉で云うのは不可能な何かなんですけど、上手くいけば写真には特に非現実的なものが写ってはいなくても、ただ目にした通りの世界がフィルムに定着されていても、そこに何か別のものが生起してくる予感というものも一緒に封じ込めることができるんじゃないかと思っています。云うならばありふれていて同じような光景なんだけど、受ける印象はちょっと異なった何かがあるというような写真です。

このスカイビルは見た目は特異点の塊、非現実な要素ばかりで成り立っているような高層建築だったのに、自己を模倣してるだけ?なんていうことが頭に浮かんだせいもあったのか、このシャッターを切ろうとする気配のようなものをほとんど感じることが出来なくて、被写体の目立ちぶりに反比例するかのようにあまり写真を撮ろうという気にはならなかった場所でした。

裏返された数字
NIKON F2 PHOTOMIC A +AI-S NIKKOR 50mm F/1.4 : KODAK TRI-X 400

陽の当たるマネキン
NIKON F2 PHOTOMIC A +AI-S NIKKOR 50mm F/1.4 : KODAK TRI-X 400

滑り台は撮りにくい
NIKON F2 PHOTOMIC A +AI-S NIKKOR 50mm F/1.4 : KODAK TRI-X 400

柱の向こうに
NIKON F2 PHOTOMIC A +AI-S NIKKOR 50mm F/1.4 : KODAK TRI-X 400

結局結果としては見上げる視点があまり好きじゃないということも相まって、スカイビル全体の様子が分かるように写した写真はほとんどなく、地上部分に広がっている鏡張りだったかガラス張りだったか周囲の光景を壁面に写すビルの写真なんかを数枚撮ってみただけで、その写真もただの反射ビルが写ってるだけという結果に終わってました。

一番上のは数字が写したかったのが一番の目的。街中の言葉の断片とか数字とか、J・M・スコットの「人魚とビスケット」ように、秘密の通信やちょっとした暗号のようにみると随分と意味ありげに見えてくることもあって、これはあまり暗号風には見えないけど、そういうのを写すのはわりと好きだったりします。

マネキン一体にスポットライトのように陽光が降り注いでいた場所。

妙な建築なのに撮る気にならないなぁと思って、一度スカイビルから出て近くにあった公園で気分転換に撮ってみた滑り台の写真。公園の遊具は被写体としては写しにくい対象です。どう見ても様になるところがない。落ち着かない異物感丸出しでどうしてもかっこよく画面に収まってくれないです。

最後のは手前が暗くて向こうに明るい世界が垣間見えてるっていうののバリエーションかな。とはいっても撮ってる時は明確にそういう風にも思ってなくて、薄暗いところに柱が林立してる光景を上手く写真に出来ないかなと思って撮った写真です。柱が一杯写ってるけど、だから?とか自動車が向こうのほうにみえてるのがどうかした?とか云われたらその時点でお終い。何かが写ってるというよりも気配勝負って云う感じになってるかも。

☆ ☆ ☆

スカイビルで撮った写真でもう一枚。
ここを訪れていた時、サブにイキモノカメラというトイカメラを持ってきていたことがあって、それで写した中の一枚です。110フィルムというちょっと特殊なカートリッジタイプのフィルムを使うカメラで、フィルムはフジフィルムが生産を終了した後供給が途絶えてカメラそのものも置物としか利用できない状態になっていたのが、去年別のメーカーだったけどこの110フィルムを復活させたところがあり、110フィルムを使うカメラをまた使えるようになりました。
このスカイビルに持ってきていた時のフィルムは撮りきった後もなかなか現像に出さないで放置していたんですが、最近その放置フィルムをようやく現像に出して、半年振りくらいに写したものを見ることになりました。
ちなみにイキモノカメラは京都駅八条口のイオンに入ってるヴィレッジヴァンガードで売れ残りのうえに処分品扱いもされないで棚の隅でほこりを被っていたのを入手したものです。最近では110フィルムにちょっと活気が戻ってきたので売り場の隅に埃まみれで転がっていたこのカメラもきちんと壁に並べて売られるようになってました。
カメラは1000円以内で買えるけど、フィルムがちょっと高いかな。

スカイビル高層通路
イキモノカメラ(ハチカメラ): A-POWER 110 Fukkatsu ISO400

サブ・カメラとして思いついたようなタイミングで撮る撮り方をしていた上に中身を見たのも半年振りだったから、何を写したのか綺麗さっぱり忘れていたし、この写り方も相まって、おぉこんなのがこんな風に写ってる!♪と、仕上がったプリントを見るのが結構刺激的でした。
ディテールなんかほとんど飛んでしまってる、これぞトイカメラとでもいえる写り具合がなかなか味わい深いというか、ちょっとシュールな被写体の特徴と上手くマッチしてる感じがします。

この出来上がった写真をみて、梅田で撮った写真はガーデンシティで撮っていたもののほうが多かったのに、これを早くブログに載せてみたくて、気配が感じられなくてあまり写真が撮れなかったスカイビルのほうを先に持ってきたというところも多少はあったかもしれないです。

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西梅田路上カフェ2
CANON AUTOBOY TELE6

ということで、イキモノカメラにつられてスカイビルでの写真を持ってきたために、この記事はメインのオオサカガーデンシティの写真を残したままで次の記事に続くことになります…。



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MONKEY MAJIK × 吉田兄弟 -CHANGE-


Youtubeで座頭市の殺陣なんていうタイトルの動画があって、みて見たら勝新のじゃなくてタケシのものだったからちょっとがっかりしたものの、それにつけてあった音楽がなかなかかっこよくて、調べてみて行き着いたのがこの曲でした。
これ、海外のバンドだと思ったら在日外国人が組んだ、日本のそれも東北から出てきたロックバンドらしいです。ほとんどこういう分野のものって聴かないから知らなかったけど、わたしが知らないだけで結構メジャーなバンドだったらしく、この曲もわたしがブログを始めるよりも前といった、意外と以前にリリースされたものでした。

とにかく耳を捉えて離さない吉田兄弟の三味線と無茶苦茶かっこいいベースの音。展開されるイメージも勘違い日本じゃなくて、そこは日本に住んで日本の空気感を知るロックグループの本領発揮というのか、ワンダーランドの日本っていうイメージで纏めてるのが面白いです。
三味線はギター的な奏法を導入してはいるものの完全にギターの擬態をしているわけでもなくて、三味線の本来のテイストを保ったままでこういう曲に馴染んでしまってるのも驚異的。テクニック云々以前に、曲の中での三味線の扱い、位置づけそのものが本当に上手いと思いました。

歌の内容は、何も上手くいかないし自分には変化する必要があるけど、変化するためには導いてくれる人が必要だ、なんていう内容のようで、これはいただけないというか新興宗教の教祖熱望の歌のような感じに聴いてしまいました。

PVは片や薄暗がり、片やカットの切り替えが激しくてよく分からないけど、すもうダンサーズとラップシーンの右手で激しく狐憑依のダンスを踊っていた女子高生風の女の子がかっこいいです。PV全体に狐のイメージを使ってるけど、個人的には狐はちょっと気味が悪いです。京都だと伏見に稲荷大社があって、幾重にも連なる鳥居がイメージとしては有名なところなんだけど、あの場所、どうも苦手。
PVでひとつ理解不能なのは、車との正面衝突で幕を閉じているところかな。この閉じ方は意味不明だし音楽の扱いの面白さに比べると天と地ほどの差がありそう。



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イキモノカメラはすでに生産終了になって、デジタルハリネズミなんていうデジカメになってるからもう入手するのは残り物以外では不可能。
これは同じ110フィルムを使うベビーホルガ。カメラとしてはイキモノカメラと大差ない感じかな。