2013/03/17
【写真】冬枯れの雨の日に、大川沿いを散策する。 +【写真】まるでホラー映画のようだ。 My Bloody Valentine - Sometimes / Throbbing Gristle - Hamburger Lady
前回、梅田の写真のお話しが続くと書いておきながら、今回は違う話題で話を進めます。オオサカガーデンシティの話はちょっと先延ばし。別に梅田の写真にトラブル発生というのじゃなくて、最近写真撮りに出かけていたのが結構楽しかったのでその楽しさの中にいるうちに形として纏めておきたかったからです。二月の下旬頃から三月に入った今にかけて、実は今も行動範囲を広げながら暇があれば通ってる最中の場所なんですけど、大阪の造幣局のある桜ノ宮一帯、淀川から派生して流れる大川の川縁で写真を撮っていました。
切っ掛けは雪でした。雪が降ったことじゃなくて雪が降らなかったこと、これが切っ掛け。
今年の冬は例年になく寒くて、これは京都でも例外じゃなく、あとで歩きにくくなるほどの雪なんてもう何年も降ったことがなかったけど、どうも今年の冬はそういう量で雪が降ってくる可能性があると、天気予報なんかをみていてもそういう予感に満ちた冬になっていました。
今年に入ってからお正月に八幡で写真を撮っていたあとで、去年の夏に一度撮って以来、いちいち三脚なんか立てないと撮れないのに36枚撮りのフィルムなんか入れてしまったためにほとんど撮り終わる時期の予測が出来なくなっていたピンホールカメラを持って、ジョギングしてる人がたまにいる程度だから三脚立ててもあまり気兼ねがしない宝ヶ池なんていうところに行って写真を撮ってました。
普通の35mmカメラやピンホールカメラを使って宝ヶ池で写真撮っていた頃は単純に寒かっただけで雪が降るところまではいかなかったんだけど、そのうち天気予報で雪が降るかもと云われてるうちに、向こうまで広大な池の水面が広がる空間を埋め尽くすように空から降ってくる雪なんていうのを思い浮かべて、ここで雪が降る光景なんかが撮れたら面白いかも何て思い始めることになりました。
宝ヶ池でのそういう気分が切っ掛けだったのか手に入れたからそういう気分になっていたのか発端はあやふやだったけど、ちょうどそんな気分になりかけていた頃に、安っぽいプラスチック製ではあるものの防水仕様になったコンパクトカメラを買っていました。
買ったのはオリンパスのフィルムカメラでミュー2ズーム110というカメラ。今はもう製造していないので当然中古という形で1800円の値段がついているものでした。暗いズームレンズを使ったプラスチック外装のカメラって金属でできた重厚なクラシックカメラに比べると全然人気がないから、有名写真家がサブで使っていたなんていうエピソードでもない限り、大体このくらいの安価で売ってるものがほとんどです。
以前に防水カメラが欲しかった時に色々調べたことがあって、このオリンパスのミューシリーズが生活防水を売りに一つにしているのは知っていました。その時の調べた候補には愛用のニコンからはニコノスといった防水というより水中カメラといったほうがいい本格的なものもあったんですけど、とりあえず雨が降りそうな日だけ使うという意味では大仰過ぎて、また中古市場でもあまり見かけなかったからこれはあまり選択肢には入らなかったです。
ミューは初代を森山大道が使っていたので有名なカメラで、でもミューが防水仕様になるのは二代目からなので、これは選択外。森山大道は全然カメラに拘る人じゃなかったから、ミュー初代もそれを手にしたからといって森山大道のような写真が撮れる特殊なカメラというわけでもなかったです。
そして初代以外のミューの防水仕様のもので中古ショップでよく見かけるのは大半がズームレンズになったものでした。
ただズームレンズはどうしても単焦点の明るいレンズに比べると画質は落ちるだろうし、あれば便利だろうけど雨の日にわざわざ撮影に出かけるなんていいうこともやってなかったから、一つ欲しいと思いながらもなかなか買えずにいました。
そういうあればいいけどなければ困るというほどでもないカメラを、結果そんなに予定していたことでもなかったにもかかわらず、雪の予報に右往左往している間のちょっとしたきっかけで買ってしまうことになったわけです。
買ってから動作確認で24枚撮りのフィルムを入れて東山辺りで適当に撮ってみました。中古は不具合があればできるだけ早めに表面化させるように、とりあえず試し撮りしてみるんですが、雨降り用が目的だからそれなりに写っていればそれでいいやと思っていたのが、仕上がった試し撮りの結果は、暗いズームというのは画質が悪いと思っていた先入観を吹っ飛ばすほどよく写っていたというものでした。
これ、雨だけど出かける何かの用事があってでもそんな日でもカメラがないとちょっと不便だしとりあえず持って出るといった程度ものじゃなくて、雨の日に積極的に撮影に出てみようという動機をかなり後押しするくらいの写り具合でもありました。
ちなみに買ったミューってこんなカメラです。

NIKON COOLPIX P5100
デザインされすぎていたり、安っぽいプラスチックなのに豪華なシャンパンゴールドのカラーリングとか、かっこ良いのか悪いのか良く分からないカメラです。
☆ ☆ ☆
宝ヶ池が降る雪で埋め尽くされるのを待ちながらも、予報では今にも大雪が降るとでも信じそうなことばかり云っていたにもかかわらず、結果は嫌になるほど寒くはなるけど肝心の雪が空間を埋め尽くすほど舞い降りてくるような光景には結局遭遇しないままに今年の寒さの峠は越していきました。
さすがに3月ともなると、雪は今年はもう無理そうだと思うようになってそれは諦めるにしても、手元に手持ち無沙汰に残ってしまった防水カメラを何とかしようと思ったわけではないんだけど、晴れた日以外の世界という点では以前から撮りたいと思ってる状況があって、雪が期待むなしく季節とともに通り過ぎて行ったあとに、そういうことが頭の中に浮かんでくることとなりました。
それがどういうものかというと、大雑把に云えば遠くが霧のようなもので霞んで朧になっているような世界といったもの。
でも霧なんて考えてみたら生まれてから1~2度くらいしか遭遇していない世界で、おそらく京都ではまず遭遇することは無理だろうと。それで霞む世界に出会うにはどうしたらいいんだろう?曇り空をメインにしてみたらどうだろうかとか、写真を撮るといえば晴天の日だけを対象にして出かけている合間、霞む世界といったものが時折頭を掠めるたびに考えることがありました。そういうことを考えてイメージしていたものの一つに、今持っている機材では撮るのは不可能だけど、雨に霞む遠くの世界というものがあったんですね。これ、霧の時と同じようなイメージが作れるんじゃないかって。
そして防水カメラを持ったことで、今までは雨降りとなると無条件で撮影なんか止めとなっていたのが、こういう悪条件の時も撮影に出かけることが出来るようになっていました。
遠くまで見通せるような光景だったら街中よりも開けている場所が良さそうだけど、以前に荒涼としたものを撮りに行った宇治川公園のような遠くまでまるで何もないようなところだと、霞む状況さえ作れないから、霞んでいるのが分かる程度に遠くに何かがある、それでも見渡す限り開けている場所と云った感じのところがいいなぁと思い、でもそういうところって具体的にどんなところだろうとこれまたあれこれ考えているうちに、京阪の京橋から地下の天満橋駅に入っていく直前に線路に並走して流れる大きな川のことを思い出して、あそこなら雨さえ降れば条件にぴったりじゃないかと思いつきました。
それである雨の日に、防水カメラとして手元にやってきたこのミュー2ズームにイルフォードのモノクロフィルムを詰めて、これまた八幡の駅のときと同じように降りたことのない天満橋の駅で降りてみることにしたわけです。
☆ ☆ ☆
天満橋の駅で降りて地表に出てみると、駅の片側から直接川縁に出られるようになっていて、駅構内にあったマクドナルドの店舗も川縁の方向が大きな窓で開いている状態だったことからも、駅そのものが川(あとで調べてみると大川という名前の川でした)の景観をまず第一にしているというのがよく分かりました。
とりあえず駅から出て川縁で撮ってみた写真はこれ。南天満公園を大川を挟んで眺めたものです。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
駅を出て大川縁をどちらに進もうかと両側を見渡し、川上側が蛇行していたからこちら側のほうが変化に富んでそうと、とりあえず川上、方向で云うと東側に歩いていってみることに。
駅傍にかかっていた天満橋を横断して橋の東側に行き、中ほどから大川の上流に向けてスナップ。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
天満橋の南詰付近に建っていた銅像です。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
川の分量をうんと下に下げて、雨の空を多く画面に入れて、その場の雰囲気を切り取れるかと思って撮った一枚。蛇行する川の表情が若干変化を与えてる感じ。
天満橋を右岸のほうに渡りきる前に左岸に船が係留されてるのを見て、もう一度戻ってそちら側に降りてみました。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
水上バスに外輪船風の装飾を施したものが係留されてました。寂れた石段を降りていって近づいてみて、雨が降る中誰もいない様子だったので、ひょっとしたら放置されたままになってるのかとその時は思ったんですが、後日この船が川面を移動していくのを見たから、現在稼動中の船だったようです。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
天満橋から降りていく左岸はそのまま進んでいくと行き止まりになってました。これ、写真のフレームからは外れてますけど、手前に柵があってこれ以上先に進めなくなってます。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
左岸がそのままでは行き止まりになっていたのでそのまま天満橋まで戻って、今度は橋を渡って右岸のほうに歩いていきます。橋の途中で水上バスがやってきたので、一枚撮ってみました。
天満橋を渡りきると右岸の遊歩道が川縁に伸びているのが見えてきます。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
いかにも雨が降りしきってるような光景です。
橋を渡りきった辺りにあった小さな公園風の空間には椰子の木が。あとで分かることなんですけどこの大川沿いには椰子の木が結構植えてあって、こういう集落を作っているところが目に付きました。暗かったからフラッシュ焚いてみたけど、葉の重なり具合が平たいレイヤーを重ねたような妙な写り方してます。フラッシュ焚かないほうがよかったかな。
雨の降るなかを水溜りを避けながら大川右岸を川上に向けて歩いていくともう一つ橋、川崎橋という名前らしいんですが歩行者専用の吊橋がみえてきます。天満橋から撮った写真に写ってる橋です。
ここを通って行き止まりだった大川左岸にもう一度渡ってみました。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
橋のケーブルは見上げてみるとゆりかもめが並んで止まってます。下からカメラ向けても逃げなかったから、写真撮る人が多くてカメラという機材を向けられることに慣れてるのかな。でもどうしてこんなに留まっていたんだろう?雨が降ってるから雨宿りでもないと思うんだけど。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
川崎橋を渡りきって左岸に下りて川上に目を向けると遠くまで並木が続いているのが見えました。雨に濡れる冬枯れの並木はまるで外国のような雰囲気だったりします。
この日はいつも歩き回るほどに全然歩いてはいなかったけど、この辺りで早くも足元がびしょびしょになってきてました。カメラは防水とはいえやっぱり濡れるのは嫌でちょっと保護気味に持っていたら、その分体のほうが疎かになって普通に雨の中を歩いて濡れるよりも激しい濡れ方になっていた感じでした。
行く手を眺めてみると左岸は並木が結構先まで続いてるようだったし、似たような写真が撮れるだけかもしれないと思うところもあって、さらに雨が目的だったけどその雨に気おされるような形になったりして、この辺りから先にすすむのは今日はちょっと止め、と判断。もうちょっと雨に濡れないような場所で写真を撮ろうと元に戻ることにしました。
再び天満橋に戻って今度は川下側を見下ろせる側を天満橋の駅に向かって歩いていきます。
橋の途上で撮ったのがこの写真。

OLYMPUS μ2 110 +OLYMPUS LENS ZOOM 38-110mm f/4.6-10.9 : ILFORD XP2 SUPER 400
このあと持って出ていたいつものバッグがびしょ濡れになってるのに気づいて、しかも防水だと思っていたのに外についたポケットの中まで水が染み込んでいるのを発見してしまったら雨の中を歩くのが急激に嫌になり、写真もそこそこ撮れたし、今日はこの辺で中止することにしようと、駅に戻ることに。駅に戻ってからは駅を出る前に目にした構内のマクドナルドへ一服するために立ち寄りました。いつもメニューにあればクォーター・パウンダー・チーズを頼むので、この時もこれがメニューにあったから頼んだんだけど、店を出る時、店の外に貼ってあったポスターで、テキサス・バーガーが復活していたのを知って、店に入る前に気づいてたらこれを頼んだのにと、これはちょっと失敗をしました。以前に食べた時にテキサス・バーガーを結構気に入ってました。
マクドナルドは最近業績が悪化してるらしくて、そういえば京都でも河原町辺りにあったマクドナルドは知らない間に全滅してるし、人気のある商品をどうして期間限定なんていう扱いにしておくのかちょっと理解に苦しみます。
☆ ☆ ☆
この日雨降る中へ撮影に出たもののほとんど天満橋周辺だけで撮っていて、あまり川沿いを歩いたわけでもないままに終了。でもカメラ庇って足元びしょ濡れなんていう状態に雨の中で途方にくれながらも、その途方にくれる感覚もある種楽しんでいるようなところがありました。
撮影している最中は、雨の大川を橋の上から眺めながら、思ったほど遠くは霞んでないなぁと思っていて、写真の仕上がりがどうなるか気になっていたんですけど、旧ムツミから仕上がったものを受け取りに行ってみると、その場で見ていた以上に遠く霞み溶け込んでいくような仕上がりになっていました。。自分でもおぉ、ちゃんと霞んでると吃驚。
それで、大川の天満橋駅周辺からほとんど離れないままに歩くのを止めて帰って来たせいもあって、大川が天満橋の間際で滝になって落ちているというような状態でもなければそのまま川は続いていくわけだから、それならば大川沿いにもうちょっと行動を広げて上流、下流へと川の様子を見に行ってこよう、天満橋のすぐ先の上流で蛇行して視界から去っていくさらにその先がどうなっているのか探りにいってこようと思いたちました。
そしてその興味は川の先に広がっていたわたしにとっては意外な光景に誘われ予想外に持続して、その後三月の中旬の今現在に至るまでカメラ持って足繁く通う動機となっています。
ということで、梅田のガーデンシティの写真を続きとしたままで、こちらの雨の日の遠く霞む世界の話題も二度目の大川散策以降のお話として次回に続きます。さて、蛇行する先の大川に一体何が見えてきたのか。
☆ ☆ ☆
My Bloody Valentine - Sometimes
「マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン」なんていう名前だと、ホラーものの何かを連想するし、実際にこの名前のホラー映画もあったりするんだけど、こんな名前のバンドだからといって別にホラーを髣髴とさせる音楽をやっていたわけでもなくて、単純にメンバーの代表であるケヴィン・シールズがホラー映画が好きだったというだけの理由で名づけられたものらしいです。でもやっぱりデスメタルを演奏するガールズ・バンド辺りのほうがぴったりするバンド名ですね。
のちにシューゲイザーと呼ばれることになるジャンルを代表するグループなんだけど、グループ名のちぐはぐさ同様にこのシューゲイザーって言うジャンル命名も今ひとつしっくりこないところがあります。俯いてひたすらコードをかき鳴らすギタリストの様子などから、靴を見つめる人なんていう意味合いで付けられたジャンルの名前で、ちっとも音楽の本質を言い表してる名前じゃないから、ジャンルとしても何処か成立しにくいところがあったように思っています。
音楽的にはサイケデリック・ミュージックの一形態といったところかな。一般的にはギターの甘い爆音ノイズというような表現がされる音で、でもノイズといった時に連想される、少なくともわたしが連想するようなものとはちょっと毛色が変わった音を作っていました。
わたしはノイズ・ミュージックというと、スロッビング・グリッスルなんかのアヴァンギャルドなノイジー・ミュージックを思い浮かべるんだけど、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインのノイズというのはギターでひたすらかき鳴らし続けるコードの連鎖音にエフェクターなどをかけて歪ませ、分厚い音の壁のようにしたものを指しています。
ノイジーといっても随分と音楽的。コードの構成はしっかりと残って、そのコードが持つ色彩感は様々に工夫されたエフェクターで増幅され、甘い爆音といわれる甘美な要素をも増幅させていくような方向で音の空間を形作っていきます。
写真でいうと色の飽和を起こしたような音楽という感じがします。色彩の綺麗さは残して同時にひたすらに過剰な感じ。昔のヴェルヴェット・アンダーグラウンドのようなサイケデリック音楽のバックに使われていたような不定形の色の泡が拡大収縮するような映像、光が乱舞するような抽象的な映像はむしろこういう音楽のほうが似合うんじゃないかと思います。
音楽的には嫌いなジャンルじゃないんだけど、ギターの扱いが、せっかく6本も減が張ってあってそれぞれ違う音にチューニングされてるんだから、一面に塗りつぶしてしまうようなコード掻き鳴らし専用楽器じゃなくてもうちょっとそれを生かした弾き方したほうがいいんじゃない?なんて思うことがありました。ここから愛されるギタリストは登場しないだろうなぁと、ジャンルとしては最近また息を吹き返してるようだけど今でもそういう風に思っています。
Throbbing Gristle - Hamburger Lady
言葉の意味でノイジーな音楽をやっていて好きだったバンド、スロッビング・グリッスル。
実験的で退廃的で病んでる音楽で、映画でいうとリンチ監督の「イレイザーヘッド」と同系列のような感じ。そういえば「イレイザーヘッド」の音楽も音響的なノイズ・ミュージックでかっこよかったです。
これはかなりイメージの喚起力が強い音楽になっていて、内容は歌詞も含めて極めて不快なものなんだけど個人的にはスロッビング・グリッスルの曲のなかではわりと好きなものになります。呪術的な呟きをのせて彼方の異界からかすかに届いてくる音楽のようでもあり、聴いているうちにどこかこちらの精神も確実に蝕んでいくような雰囲気もあって、なかなかやばい印象の音楽ではあります。
真夜中に暗い部屋で聴いてると、効いてきます。
☆ ☆ ☆
![]() | Loveless: Expanded Remastered Edition (2012/05/07) My Bloody Valentine 商品詳細を見る |
![]() | D.O.A. The Third And Final Report Of Throbbing Gristle (2011/11/07) Throbbing Gristle 商品詳細を見る |