2013/04/28
【展覧会】KYOTO GRAPHIE 開催中 【写真】冬枯れの雨の日に、大川沿いを散策する。天神橋から桜ノ宮へ 【音楽】 Keep Your Hands off my Baby / The Beatles
情報としては既に始まっているイベントで若干遅れているんですが、現在京都市内の複数の場所を拠点にして国際写真フェスティバルというタイトルで大掛かりな写真の展覧会が開催されています。
最近美術系の本を扱ってる店でフライヤーを見て、フェスティバルの存在を知りました。全体の案内をしているフライヤーは大きなポスターを折りたたんだような形状で全体をスキャンするのは不可能だったんですけど、それによると、メインとなるのが、細江英光の展示をしている高台寺塔頭 圓徳院や京都文化博物館別館でのマリック・シディベの展覧会など、12会場、その他市内中心部にある画廊などを多数利用してのサテライト・イベントが開催中ということです。全展覧会場の詳細をここに記すのは無理だけど、期間は5月の6日までということなので、興味があれば足を運んでみるのも一興かと思います。
京都でこういうイベントがあると大抵映画関連だったりするので、写真がテーマというのはちょっと珍しい感じがします。というか写真そのものが、興味がある人間だけじゃなくてこういう一般を対象にしたような形で巨大なイベントのテーマになるほどのものだったのかと若干意外な感触を持ちました。たしかにわたしを含めて街中にカメラ持って出かけてる人は増えているようには思うけど、フェスティバルが形になるほど人が集まってるのかなぁ。
☆ ☆ ☆
大川沿いを歩いた時の記録。この前の桜編を挟んで、時間としては遡った続きとなります。
大川へ赴いた2回目。
雨に煙る世界を撮りたくて、京阪の車窓から見える川を思い出し、思いつきでその川、旧淀川である大川に降り立って写真を撮った日、その時は結局最後は雨に気合負けして早々に終了となったんですが、その数日後に再び川縁の写真を撮るべく大川にやってくることになりました。
最初の時は上流に向かって歩き、その時は桜だとは気づかなかった並木道が遠くまで続いているのを見て、次はこの並木の先に何があるか見てこようと思っていたものの、2回目に天満橋で降りた時は結局上流には向かわずに下流の方向へと歩いていってました。予定変更に特に理由はなかったんだけど、一応両方向に様子見してどちら側を重点的に歩き回るか決めようと思っていたのかもしれません。
下流の方向も大体似たような感じの散策路が続いていたりして、巨大な椰子の木が生えてると、でかい!と思ってシャッター切ったりたけど、あまり代わり映えがしないなぁと思い始めると次第にシャッターを押すこともなくなってました。
やがて大川の真ん中に中州のような島が現れてその島の両側へと川が二分されてるところに出てきます。中州には川の両側から橋が架かり、橋の中央で中洲に降りる巨大な螺旋スロープが設置されているというかなり目を引く部分がありました。
そして、ここまで右岸を歩いて下っていったのが、左岸の方向を見ると川を挟んでかっこいい煉瓦造りのレトロビルを発見。あまり被写体がないなぁと思って歩いていたので、さっそくシャッターをきってみることにしました。

螺旋スロープが設置されていた橋、標識によると天神橋を渡って中洲に降り、螺旋のスロープに近づいてみました。
天満橋のほうから見ているときは目新しいものに見えたけど、下流側から眺めた時に、ここには来た事があると気づくことになります。中之島の大阪市中央公会堂から上流に向けて、一昨年の暮れにイルミネーションのイベントがあったときにこの辺りまでやってきてるって。要するにこの中州は中之島であって、そう思って下流の方向を眺めると遠くによく知った大阪市中央公会堂が見えていました。
考えてみれば京阪の淀屋橋に向かう路線と並走して流れている川だから淀屋橋で下りて上流に向かった川と同じ川だというのは容易に想像がつくことでした。あまり全体像を考えないで歩き回ってるから、こういう風に点でしか捉えていない場所がほとんどだったりして、その点が思わない時に線で結びつく瞬間はなんだか凄い秘密に出あって解き明かしたような、世界が秘めていた秘密の一つに光明が当たったような気分になってなかなか面白いです。

天神橋からおそらく自転車などで中之島へ降りてくるためのスロープ。スロープの真下まで近づいてかっこいい自転車乗りでも降りてこないかなとカメラ構えて待っていたんですけど、冴えないおじさんが降りてくるだけだったのでそういう写真を撮るのは断念してしまいました。
レンジファインダータイプのカメラで撮ってるために、中央に収まらなくて若干トリミングしています。
トリミングとか後で加工を加えるやり方は色々と考える事があるものなんですけど、ホンマタカシの著作でロバート・フランクのネガのコンタクト・シートを見た時、縦横構図違いで同一被写体を何枚も撮るというようなお仕事撮りの方法を忠実に実行していたり、完成作はトリミングしてるものもあるというのを知ったというようなことが書いてあったのを読んで、ちょっと気楽に考えても良いのかなと思ったことがあります。あまりトリミング等を当たり前の行為と考えすぎて、後で適当に加工できるから撮る時は加工しやすいように全体を撮るだけでいいなんてことになったらおそらく写真の上達なんて望めないと思うから、そこまでラフに考えたりはしないけど、プロでさえも何パターンも撮ったりしているんだから、アマチュアが一発撮りで完成作を撮れるというのも考えて見るとかなり傲慢な思考じゃないかとも思います。
もう一つ。以前に手前が暗がりで向こう側に明るい世界があるようなシーンが好きといったようなことを書いたけど、ああいうことは書かなければよかったと。だってこういうことを云ってしまってるとこの写真もあの類の写真ねと簡単に腑に落ちてそれでお終いって云うところが出てくるわけだから。種明かししてるマジックみたいな感じが出てくるんですよね。


後で調べてみたら、この対岸に見えたレトロな煉瓦ビル、元は大林組のビルなんだそうで、今はレストランになっているらしいけどビルの一部を大林組の歴史博物館として平日のみ一般に開放しているそうです。この写真を撮った時はなぜか川縁の裏側しか興味が行かずに表側に回り込むことさえしなかったんだけど、機会があればビルの中もちょっと見に行ってみたいなぁと思いました。レストランはル ポン ド シエルという高級フランス料理の店で、入るには敷居が高すぎます。
ビルの裏面の蔦模様を撮った場所は裏寂れた中庭のような風情で、わたしには趣があったけど、レストランから見るにしてはちょっと場違い感がありました。この寂れた小さな中庭もなぜか写真撮るのを失念して、壁の模様を撮っただけで満足してしまい、この時の感覚の動きは我ながらちょっとおかしかった感じでした。
この日はたどり着いた場所が知っていた場所だと判明した時点で左岸側を引き返し、天満橋のマクドナルドで前回食べそびれたテキサスバーガーを楽しんだだけで終了となりました。
3回目。
3回目に出かけたときは、今度は上流に向かって並木道の先にあるものを確かめに歩くことにしました。でも最初に来たとき川縁を歩くには左岸側は街路が途絶えており、天満橋で対岸に渡ってさらにあのユリカモメが並んで止まっていた歩道橋を使って左岸に戻ってくるというような迂回ルートを取る必要があったから、ここは並木道が始まる地点まで街中を歩いて行こうと決めてました。大川の左岸側の並木道が始まる辺りは京阪が地下に潜っていく地点とほぼ一致していて、ここには線路を挟んで大川とは反対側に大阪城公園があり、その公園に行く歩道橋が植物に覆われてちょっとした廃墟の風情を持っているのを京阪の窓から眺めていたので、まずこれを写真に撮ってから川縁に下りようと計画してました。


下のは廃墟風って訳でもなかったけど。椰子の葉を上から見下ろしたのが新鮮だったので。
大阪城公園の歩道橋から大阪陸軍造兵廠の写真も撮ったけど、これはあまり上手く撮れずに大川の桜並木の街路へと向かいます。
この日大川の左岸を大阪環状線の桜ノ宮辺りまで歩いて、この辺りが大体大川の中間地点くらいになって、ここを基点に上流と下流の様相が激変したりするんですけど、この日の時点ではそこまで様子は分からずにちょうど激変するターニングポイントまで歩いて、その後再び天満橋のほうへと帰ってくることになりました。
大川の左岸を歩いての印象は、川縁の並木道っていくら歩いても視界はそれほど変わらないなぁと云うこと。散策には気持ちいいかもしれないし、ジョギングしてる人が結構いたりしてそういう人には最適の場所なのかもしれないけど、写真撮ろうと思って歩いてる人間にははっきり云って川側は代わり映えのしない光景が続くということになります。逆に云うと代わり映えしない光景が続くなぁと思い始めると、撮影できそうなポイントを見逃しがちになるということにもなってくるようでした。
対岸は造幣局があるけど仕切り壁のさらに向こう側だし、いきおい川縁を歩いてるのに視線に目新しいものが掠めていくのは川縁じゃない方向にあるものばかりというような状態になってました。
散策の桜並木が続く道の脇には小さな池とかもあったけど、水が汚いというか、大川自体も都会の中を流れる川の宿命なのか実は川面そのものは塵が淀んでいるような場所もあって、そんなに云うほど綺麗でもなかったりします。
そんな中で左岸沿いに歩いて撮っていたのがこんな写真でした。



個人的なイメージとしたらベックリンの描いた「死の島」的なもの。実際には死の島のように山で囲まれてるわけでも、島でさえもないんだけど。

川沿いを撮りに来ているにもかかわらず、この日川沿いを撮ったのってこの程度でした。

源八橋で大川は別流に導かれるところがあり、分かれた流れは程なく再び大川に合流してるんですけど、その分岐した区域に海岸風の人工の砂浜が設置されています。元は貯水場だったものを散策できるように設えなおした場所で、一応水の広場という名前がついてる区域のようです。
無粋な工事中の柵が並べてあったのがちょっと邪魔。柵が並べてある四角いパターンの行列は面白かったんだけど。

同じく源八橋付近で飛行機に遭遇して慌てて撮ったもの。でも慌てなくてもこの辺りは航路になってるようで、飛行機もしょっちゅう飛んできてました。京都だと飛行機が飛んでる光景って見ないから、こういう光景は大阪の人には当たり前かもしれないけど、実はビルの上に飛行機があるというようなイメージはいかにも京都とは別の世界に来たと云うイメージなんですよね。
と、こんな感じでこの日は左岸を桜ノ宮の駅辺りまで歩いて引き返すことになりました。帰りは途中の京阪国道を渡って右岸に移り天満橋まで造幣局の側を歩いて駅に到着。
京阪国道は大川を渡る部分は近代的なアーチ状の橋なんだけど、橋から川縁に下りる部分はレンガ造りのちょっと変わった螺旋階段が設えてありました。

モノクロで正面切ったこういう撮り方をすると、意図していたわけでもないのにベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻の採掘塔や砂利工場を撮ったタイポロジーの作品っぽいイメージ、一枚ではタイポロジーは成立しないんだけど、そういう作品と見かけだけは似てしまうことになったようです。こういうことをやるうえで何かに似ているというのはあまり褒められたものじゃないけど。
意図せずに何か顔のようにも見えるところがあるのも撮った本人的には明確に駄目な部分でした。下の部分は足にも見えるし。
顔に見えるから撮ったわけじゃないので、こういう要素は出来ればついて欲しくなかった。
桜ノ宮の駅の前まで歩いたのに、それを無視して再び戻ってきた天満橋の駅のマクドナルドでまたテキサスバーガーを食べようとしたら、テキサスバーガーは期間限定だったこともあって既にメニューから消えてました。
仕方なくこの日は代わりにメニューに登場していたアイダホバーガーを食べることに。
別にアイダホバーガーも不味くはなかったけど、テキサスバーガーが食べたかった。
大川沿い、次回に続きます。
使用機材。
OLYMPUS μ ZOOM 140 +OLYMPUS ZOOM LENS 38-140mm
Leotax F +Ernst Leitz Summitar 5cm/F 2.0
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Keep Your Hands off my Baby - The Beatles
ビートルズがBBCラジオのライブで残した曲の中で結構好きなもの。昔の録音ということもあって音はかなり悪いんだけど。
元はキャロル・キングが作って、ロコモーションのリトル・エヴァがヒットさせた曲で、こういう曲をカバーした時のビートルズは本当に上手くて、往々にして元歌よりもかっこよく、しかもビートルズでしか演奏できないだろうって云うほどビートルズっぽい雰囲気を纏わせた形に仕上げてる場合が多いです。基本的に彼ら自身ががこういう音楽の大ファンだったのが本当に良く分かる感じ。
この曲も、曲は典型的な60年代ポップスなんだけど、最初期のビートルズっぽい雰囲気もいっぱいあって楽しい仕上がりになってると思います。
So keep your hands ~のところのノリが結構好きだったりします。ジョンの気持ち良さそうに歌ってる声が決まってかっこいいです。
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