【展覧会】KYOTO GRAPHIE 開催中 【写真】冬枯れの雨の日に、大川沿いを散策する。天神橋から桜ノ宮へ 【音楽】 Keep Your Hands off my Baby / The Beatles

情報としては既に始まっているイベントで若干遅れているんですが、現在京都市内の複数の場所を拠点にして国際写真フェスティバルというタイトルで大掛かりな写真の展覧会が開催されています。

KG1

最近美術系の本を扱ってる店でフライヤーを見て、フェスティバルの存在を知りました。全体の案内をしているフライヤーは大きなポスターを折りたたんだような形状で全体をスキャンするのは不可能だったんですけど、それによると、メインとなるのが、細江英光の展示をしている高台寺塔頭 圓徳院や京都文化博物館別館でのマリック・シディベの展覧会など、12会場、その他市内中心部にある画廊などを多数利用してのサテライト・イベントが開催中ということです。全展覧会場の詳細をここに記すのは無理だけど、期間は5月の6日までということなので、興味があれば足を運んでみるのも一興かと思います。

京都でこういうイベントがあると大抵映画関連だったりするので、写真がテーマというのはちょっと珍しい感じがします。というか写真そのものが、興味がある人間だけじゃなくてこういう一般を対象にしたような形で巨大なイベントのテーマになるほどのものだったのかと若干意外な感触を持ちました。たしかにわたしを含めて街中にカメラ持って出かけてる人は増えているようには思うけど、フェスティバルが形になるほど人が集まってるのかなぁ。


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大川沿いを歩いた時の記録。この前の桜編を挟んで、時間としては遡った続きとなります。

大川へ赴いた2回目。
雨に煙る世界を撮りたくて、京阪の車窓から見える川を思い出し、思いつきでその川、旧淀川である大川に降り立って写真を撮った日、その時は結局最後は雨に気合負けして早々に終了となったんですが、その数日後に再び川縁の写真を撮るべく大川にやってくることになりました。
最初の時は上流に向かって歩き、その時は桜だとは気づかなかった並木道が遠くまで続いているのを見て、次はこの並木の先に何があるか見てこようと思っていたものの、2回目に天満橋で降りた時は結局上流には向かわずに下流の方向へと歩いていってました。予定変更に特に理由はなかったんだけど、一応両方向に様子見してどちら側を重点的に歩き回るか決めようと思っていたのかもしれません。

下流の方向も大体似たような感じの散策路が続いていたりして、巨大な椰子の木が生えてると、でかい!と思ってシャッター切ったりたけど、あまり代わり映えがしないなぁと思い始めると次第にシャッターを押すこともなくなってました。

やがて大川の真ん中に中州のような島が現れてその島の両側へと川が二分されてるところに出てきます。中州には川の両側から橋が架かり、橋の中央で中洲に降りる巨大な螺旋スロープが設置されているというかなり目を引く部分がありました。
そして、ここまで右岸を歩いて下っていったのが、左岸の方向を見ると川を挟んでかっこいい煉瓦造りのレトロビルを発見。あまり被写体がないなぁと思って歩いていたので、さっそくシャッターをきってみることにしました。

レトロビルが見える

螺旋スロープが設置されていた橋、標識によると天神橋を渡って中洲に降り、螺旋のスロープに近づいてみました。
天満橋のほうから見ているときは目新しいものに見えたけど、下流側から眺めた時に、ここには来た事があると気づくことになります。中之島の大阪市中央公会堂から上流に向けて、一昨年の暮れにイルミネーションのイベントがあったときにこの辺りまでやってきてるって。要するにこの中州は中之島であって、そう思って下流の方向を眺めると遠くによく知った大阪市中央公会堂が見えていました。
考えてみれば京阪の淀屋橋に向かう路線と並走して流れている川だから淀屋橋で下りて上流に向かった川と同じ川だというのは容易に想像がつくことでした。あまり全体像を考えないで歩き回ってるから、こういう風に点でしか捉えていない場所がほとんどだったりして、その点が思わない時に線で結びつく瞬間はなんだか凄い秘密に出あって解き明かしたような、世界が秘めていた秘密の一つに光明が当たったような気分になってなかなか面白いです。

螺旋スロープ

天神橋からおそらく自転車などで中之島へ降りてくるためのスロープ。スロープの真下まで近づいてかっこいい自転車乗りでも降りてこないかなとカメラ構えて待っていたんですけど、冴えないおじさんが降りてくるだけだったのでそういう写真を撮るのは断念してしまいました。
レンジファインダータイプのカメラで撮ってるために、中央に収まらなくて若干トリミングしています。
トリミングとか後で加工を加えるやり方は色々と考える事があるものなんですけど、ホンマタカシの著作でロバート・フランクのネガのコンタクト・シートを見た時、縦横構図違いで同一被写体を何枚も撮るというようなお仕事撮りの方法を忠実に実行していたり、完成作はトリミングしてるものもあるというのを知ったというようなことが書いてあったのを読んで、ちょっと気楽に考えても良いのかなと思ったことがあります。あまりトリミング等を当たり前の行為と考えすぎて、後で適当に加工できるから撮る時は加工しやすいように全体を撮るだけでいいなんてことになったらおそらく写真の上達なんて望めないと思うから、そこまでラフに考えたりはしないけど、プロでさえも何パターンも撮ったりしているんだから、アマチュアが一発撮りで完成作を撮れるというのも考えて見るとかなり傲慢な思考じゃないかとも思います。

もう一つ。以前に手前が暗がりで向こう側に明るい世界があるようなシーンが好きといったようなことを書いたけど、ああいうことは書かなければよかったと。だってこういうことを云ってしまってるとこの写真もあの類の写真ねと簡単に腑に落ちてそれでお終いって云うところが出てくるわけだから。種明かししてるマジックみたいな感じが出てくるんですよね。

レトロ煉瓦ビル


蔦模様

後で調べてみたら、この対岸に見えたレトロな煉瓦ビル、元は大林組のビルなんだそうで、今はレストランになっているらしいけどビルの一部を大林組の歴史博物館として平日のみ一般に開放しているそうです。この写真を撮った時はなぜか川縁の裏側しか興味が行かずに表側に回り込むことさえしなかったんだけど、機会があればビルの中もちょっと見に行ってみたいなぁと思いました。レストランはル ポン ド シエルという高級フランス料理の店で、入るには敷居が高すぎます。
ビルの裏面の蔦模様を撮った場所は裏寂れた中庭のような風情で、わたしには趣があったけど、レストランから見るにしてはちょっと場違い感がありました。この寂れた小さな中庭もなぜか写真撮るのを失念して、壁の模様を撮っただけで満足してしまい、この時の感覚の動きは我ながらちょっとおかしかった感じでした。

この日はたどり着いた場所が知っていた場所だと判明した時点で左岸側を引き返し、天満橋のマクドナルドで前回食べそびれたテキサスバーガーを楽しんだだけで終了となりました。

3回目。

3回目に出かけたときは、今度は上流に向かって並木道の先にあるものを確かめに歩くことにしました。でも最初に来たとき川縁を歩くには左岸側は街路が途絶えており、天満橋で対岸に渡ってさらにあのユリカモメが並んで止まっていた歩道橋を使って左岸に戻ってくるというような迂回ルートを取る必要があったから、ここは並木道が始まる地点まで街中を歩いて行こうと決めてました。大川の左岸側の並木道が始まる辺りは京阪が地下に潜っていく地点とほぼ一致していて、ここには線路を挟んで大川とは反対側に大阪城公園があり、その公園に行く歩道橋が植物に覆われてちょっとした廃墟の風情を持っているのを京阪の窓から眺めていたので、まずこれを写真に撮ってから川縁に下りようと計画してました。

廃墟風橋脚

歩道橋

下のは廃墟風って訳でもなかったけど。椰子の葉を上から見下ろしたのが新鮮だったので。

大阪城公園の歩道橋から大阪陸軍造兵廠の写真も撮ったけど、これはあまり上手く撮れずに大川の桜並木の街路へと向かいます。
この日大川の左岸を大阪環状線の桜ノ宮辺りまで歩いて、この辺りが大体大川の中間地点くらいになって、ここを基点に上流と下流の様相が激変したりするんですけど、この日の時点ではそこまで様子は分からずにちょうど激変するターニングポイントまで歩いて、その後再び天満橋のほうへと帰ってくることになりました。

大川の左岸を歩いての印象は、川縁の並木道っていくら歩いても視界はそれほど変わらないなぁと云うこと。散策には気持ちいいかもしれないし、ジョギングしてる人が結構いたりしてそういう人には最適の場所なのかもしれないけど、写真撮ろうと思って歩いてる人間にははっきり云って川側は代わり映えのしない光景が続くということになります。逆に云うと代わり映えしない光景が続くなぁと思い始めると、撮影できそうなポイントを見逃しがちになるということにもなってくるようでした。
対岸は造幣局があるけど仕切り壁のさらに向こう側だし、いきおい川縁を歩いてるのに視線に目新しいものが掠めていくのは川縁じゃない方向にあるものばかりというような状態になってました。
散策の桜並木が続く道の脇には小さな池とかもあったけど、水が汚いというか、大川自体も都会の中を流れる川の宿命なのか実は川面そのものは塵が淀んでいるような場所もあって、そんなに云うほど綺麗でもなかったりします。
そんな中で左岸沿いに歩いて撮っていたのがこんな写真でした。

休憩所

縦のライン

ベックリン風

個人的なイメージとしたらベックリンの描いた「死の島」的なもの。実際には死の島のように山で囲まれてるわけでも、島でさえもないんだけど。

大川沿い

川沿いを撮りに来ているにもかかわらず、この日川沿いを撮ったのってこの程度でした。

大川の岸

源八橋で大川は別流に導かれるところがあり、分かれた流れは程なく再び大川に合流してるんですけど、その分岐した区域に海岸風の人工の砂浜が設置されています。元は貯水場だったものを散策できるように設えなおした場所で、一応水の広場という名前がついてる区域のようです。
無粋な工事中の柵が並べてあったのがちょっと邪魔。柵が並べてある四角いパターンの行列は面白かったんだけど。

コンコルド(嘘)

同じく源八橋付近で飛行機に遭遇して慌てて撮ったもの。でも慌てなくてもこの辺りは航路になってるようで、飛行機もしょっちゅう飛んできてました。京都だと飛行機が飛んでる光景って見ないから、こういう光景は大阪の人には当たり前かもしれないけど、実はビルの上に飛行機があるというようなイメージはいかにも京都とは別の世界に来たと云うイメージなんですよね。

と、こんな感じでこの日は左岸を桜ノ宮の駅辺りまで歩いて引き返すことになりました。帰りは途中の京阪国道を渡って右岸に移り天満橋まで造幣局の側を歩いて駅に到着。

京阪国道は大川を渡る部分は近代的なアーチ状の橋なんだけど、橋から川縁に下りる部分はレンガ造りのちょっと変わった螺旋階段が設えてありました。

ベッヒャー風螺旋階段塔

モノクロで正面切ったこういう撮り方をすると、意図していたわけでもないのにベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻の採掘塔や砂利工場を撮ったタイポロジーの作品っぽいイメージ、一枚ではタイポロジーは成立しないんだけど、そういう作品と見かけだけは似てしまうことになったようです。こういうことをやるうえで何かに似ているというのはあまり褒められたものじゃないけど。
意図せずに何か顔のようにも見えるところがあるのも撮った本人的には明確に駄目な部分でした。下の部分は足にも見えるし。
顔に見えるから撮ったわけじゃないので、こういう要素は出来ればついて欲しくなかった。


桜ノ宮の駅の前まで歩いたのに、それを無視して再び戻ってきた天満橋の駅のマクドナルドでまたテキサスバーガーを食べようとしたら、テキサスバーガーは期間限定だったこともあって既にメニューから消えてました。
仕方なくこの日は代わりにメニューに登場していたアイダホバーガーを食べることに。
別にアイダホバーガーも不味くはなかったけど、テキサスバーガーが食べたかった。


大川沿い、次回に続きます。




使用機材。
OLYMPUS μ ZOOM 140 +OLYMPUS ZOOM LENS 38-140mm
Leotax F +Ernst Leitz Summitar 5cm/F 2.0


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Keep Your Hands off my Baby - The Beatles


ビートルズがBBCラジオのライブで残した曲の中で結構好きなもの。昔の録音ということもあって音はかなり悪いんだけど。
元はキャロル・キングが作って、ロコモーションのリトル・エヴァがヒットさせた曲で、こういう曲をカバーした時のビートルズは本当に上手くて、往々にして元歌よりもかっこよく、しかもビートルズでしか演奏できないだろうって云うほどビートルズっぽい雰囲気を纏わせた形に仕上げてる場合が多いです。基本的に彼ら自身ががこういう音楽の大ファンだったのが本当に良く分かる感じ。
この曲も、曲は典型的な60年代ポップスなんだけど、最初期のビートルズっぽい雰囲気もいっぱいあって楽しい仕上がりになってると思います。
So keep your hands ~のところのノリが結構好きだったりします。ジョンの気持ち良さそうに歌ってる声が決まってかっこいいです。




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ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBCザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC
(2001/06/08)
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【写真】冬枯れの雨の日に、大川沿いを散策する。桜編 【音楽】I Loves You Porgy / Nina Simone

少し前のニュースになるんですが、去年の夏灼熱の太陽の下で眺めた遠未来的廃墟然とした海に浮かぶドーム状建築物「なにわの海の時空館」が閉館になったらしいです。それも橋下市長の「こんなばかげたもの」という罵詈雑言のおまけつきで。
それにしても去年の夏によく訪問しておいたものだと思います。ただエントランスの建築物には入ったんですけど、ドームそのものは中の展示物が激しく不釣合いで、こちらの期待するものとは違ったためにお金払ってまで入る気にはならなかったのが今となっては悔やまれるというか、こんなに早く閉館になるのが分かっていたらあまり興味はなくてもドームのほうにも入っておけばよかったと思ってます。
閉館のあとの円形ドームの再利用はまだ決まっていないとか。中には実物大で復元された菱垣廻船が展示してあって、この船もドームそのものもそれぞれ再利用出来そうに思うけど、建築する際に船を収めた上にドームを被せるような作り方をしたために、そのままでは船がドームから出せない状態になっているとか。船を再利用するには円形ドームを取り壊さなければならなくてそれにはかなりの費用が要る、またドームのほうをたとえばレストランなんかで再利用しようとしても実物大の船が取り出せないものだからそういうことも不可能と、そのままにしておいても維持費がかなりかかるらしくて、なんだか袋小路に入ってしまってるような状況のようです。

わたしとしては維持なんかしないままにあの状態で朽ち果てていくのに任せたら、海で隔離されて孤絶したような、きっと凄い廃墟が出来上がるのにと、想像するだけでワクワクするんだけど、やっぱりそういうのは無理なのかなぁ。あの地域って去年行った時の印象で書いたけど開発に失敗して廃墟の集積地になってるんですよね。だからもう一つ飛びっきりの廃墟が追加されることで廃墟のワンダーランドのような空間にしてしまえないものかと思ったりします。

☆ ☆ ☆

ということで今回のメインの話題。

実は前回の雨の日に撮った写真の続きにしようと思ってたんですけど、関東が先に満開になったのに関西はどうしたんだろうと思うくらい開花が遅れていた桜がこのところ急に満開になり始めて、でも考えてみれば桜って入学式だとかに添えられるような花だから関西の開花が特に遅れていたわけでもなかったわけで、まだかなまだかなと思う反面、この調子だときっともうちょっと先だろうと思って油断していたところへの急展開の開花となって、わたしの記事も予定変更することとなりました。
雨の日の写真を撮りに行ったのが切っ掛けで、上流へ向かって川沿いを歩いて写真を撮り続けることになった大川ですが前の記事に載せた写真に写っていた並木道の並木は桜の並木で、この一帯ってシーズンになると川の両岸を延々と桜が埋め尽くす桜の名所だったんですね。
今年の桜はどうしようかと、大川に行く前はまだ決めてなくて、石清水八幡宮に行ったから、あそこの木津川河畔の背割堤は桜並木だしあそこにしようかなと思っていたのが、大川沿いがシーズンになると桜でびっしりと埋め尽くされると知ってからは、川沿いの写真を撮ってるんだからその一環として今年の桜もここの桜にしようと思うようになっていました。
一応考えていたのは天満橋周辺から桜ノ宮を越えて淀川からの分岐点になる毛馬の閘門、さらにその先に広がる広大な淀川河川公園の毛馬地区まで歩いて写真を撮っていたのを何回かに分けて記事にして、その一連の記事の最後を大川の中心部分である桜ノ宮の桜で締めくくろうと思っていたのが、悠長に構えていたら締めくくりとなるはずの季節があっという間にやってきてしまって、まるで番外編のような扱いになってしまったのが残念といえば残念なところでしょうか。

このところは大川沿いというよりも淀川の河川敷で写真を撮っているほうが多くて、大川沿いに毛馬の閘門まで行こうとすると電車だと大阪の環状線の桜ノ宮駅で降りて、この大川に隣接する駅から上流を目指すんですが最初の頃ならまだしもある程度写真を撮った後だと感覚的には無闇に遠い道のりになってきます。だから撮影場所の中心が淀川よりになった頃から交通は阪急を利用、京都線の淡路で千里線乗り換えて淀川の反対側になるけど毛馬の閘門に近い場所にある次の駅の柴島(これでくにじまと読みます。いきなりこう読める人はおそらく皆無でしょう)で降りるというルートを取ったりしていました。
こんな感じで大川沿いにやってきても最近は桜ノ宮から下流のほうの様子はほとんど確認していなかったりしたから、三月の下旬頃関東のほうでは既に桜が満開になってると聞いて、あまり立ち寄らなくなっていた桜ノ宮の下流の桜がどうなっているのか確かめに行ってみました。

今年の桜はこの大川の写真を撮っていた感覚の延長上で、曇り空に朧に霞むような感じで撮ってみるというのが基本にありました。桜ノ宮に桜の写真を撮りに行ったのは合計で三日だったんですけど、三月下旬に最初の様子伺いに出かけた日はまさしく思惑通りに曇った日になっていました。
一応こういう図柄で撮ってみたいというのも頭にあって、それはどういうのだったかというと縦構図で下半分が水、桜は上半分に治まる形で淡い色の花がグレーの空に淡く溶け込んでいくような感じ。桜の幹も画面に入れてみたいとも思っていました。桜の木って花が儚げな印象なのに結構黒々として、肌理もごつごつした厳つい印象で、でもそれでも淡い桜とマッチしてユニークな視覚バランスで成り立っていると思います。
三月下旬に桜の咲き具合を見に行ったときにこういう感じで写真を撮ってみて実際にどんな感じに写るかどうか確かめてみようと思ってました。

様子見の桜
OLYMPUS μ ZOOM105 +OLYMPUS LENS ZOOM35-105mm KODAK SUPERGOLD400

関東のほうではとっくに満開になってると聞いてちょっと焦りながら出かけてみたんですが、桜ノ宮の桜並木がある場所に降り立ってみると、桜の花そのものはこの3月下旬の時で木によっては満開に近い状態になっているのもあるけど、全体的には三分咲きくらいだったかなぁ。やっぱり関東のスピードの比べるとかなりスローテンポの開花のままのようでした。
何枚か撮ってみて、思い描いていた構図の写真はもうちょっとくすんですべてがグレイッシュな空間に溶け込んでいくようなのが頭にあったんだけど、曇りの日にはこんな感じで撮れるという確認は出来ました。それでも結構気に入った写り方だったので桜が満開になったときもこんな感じで撮ってみようと思いました。

曇り空に溶け込んでいく桜1
OLYMPUS μ ZOOM105 +OLYMPUS LENS ZOOM35-105mm KODAK SUPERGOLD400

曇り空に溶け込んでいく桜2
OLYMPUS μ ZOOM105 +OLYMPUS LENS ZOOM35-105mm KODAK SUPERGOLD400

曇り空に溶け込んでいく桜3
OLYMPUS μ ZOOM105 +OLYMPUS LENS ZOOM35-105mm KODAK SUPERGOLD400

結構咲いていた木で花中心にとって見たもの。曇り空に溶け込むといった感じとしてはこういうのを狙っていました。青空に映える桜もいいけどこういうシックなのもいいんじゃないかと思います。

この日は桜もまだあまり咲いていなかったので、様子見を済ませただけで、写真はそんなにも撮らずに帰って来ました。

そして四月にもなろうかという月変わりの週末の日に再び出かけてみる事に。ちなみにこの日はそれほど雲ってもいない日でした。結果的に3回桜の写真を撮りに桜ノ宮に行ってきたんですけど、期待通りに完全に曇っていたのは様子見に来た日だけでした。
スローテンポで終始するのかと思えた桜の開花は4月が目の前に近づいてくる頃になると急激にスピードを増していくような感じで街中を歩いていて目にする桜も豪華に咲き誇ったものが目立つようになってきていました。

一応ネットで桜ノ宮の開花情報を確認して行って見ると、環状線の桜ノ宮駅を降りた目の前の桜並木も上の写真を撮った頃とは見違えるほど薄桃色の花を空一面に敷き詰めたような状態に変化していました。

おぉ咲いてる!と逸る気持ちにせかされて駅前の源八橋の袂から大川沿いの公園に降りてみます。
駅から出てきた時、駅員さんが総出で駅に出入りする人の案内をしているような様子から容易に予測できたし、公園に降りるまでの人の列でも確信できたことだったけど、満開の桜が埋め尽くす桜ノ宮の公園は空を桜が埋め尽くすように、とにかくお花見の客で地上が埋め尽くされてるような状態でした。
見渡す限り見物客がシートを広げてお弁当を食べているような状態。桜の木の周りにもカメラ持ったわたしみたいな人が順番待ちして撮ってるような場所がいたるところに出現していました。
さて、こういう場所で桜の写真を撮ることになったんですが、期待に満ちてやってきたわりに人の多さに気おされて1時間もしないうちにあまりカメラを構える気力もなくなってしまってるという状態になっていました。
お弁当を食べてるような人を入れたくないとカメラを向けるのは人がいない大川のほうばかり。水の光景が画面下半分を構成する写真が頭にあったから大川の方向にカメラを向けるのはそれほど予定と違う行動でもなかったんですけど、帰って現像プリントしてもらったものを眺めてみると、ものの見事に同じような絵柄の写真ばかり撮っているという結果になっていました。

2回目は花見客の多さに気おされて、その結果から3回目に来た時はおそらく桜の宮公園の中心部よりは人が少ないだろうと予想をつけて、上流の毛馬閘門に向かう川筋の桜並木にそって歩いてました。結局こっちもそれなりに人が集まっていたんですけど、そういう状態で撮ったこの2日間の桜の写真を並べてみます。

ちなみにこの2日間持って出たカメラはニコンのFM3Aに35-105mmのズームレンズをつけたもの。このところニコンの一眼レフを持って出かけるとなると視野率100パーセントでサラ・ムーンも使っていたらしいF2がメインだったんだけど、ズームレンズが結構重いので、F2よりも軽いFM3Aにしました。

水辺の桜1
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

水辺の桜2
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400
源八橋から。

水辺の桜3
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

水辺の桜4
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400
これも源八橋から川面を望んで。

桜 水辺
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

水辺の桜6
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

最後のが最初様子見に来た時に、試しに撮って見たものの構図応用編といったところ。他のものも同様に水辺の桜というものでわたしがイメージしていたこの絵柄のバリエーションと云ってもいいかもしれないです。最後のは妙に平面的で日本画にでもありそうな写り方になってる感じ?

撮って見て思ったのはやっぱり頭の中にある種のイメージを用意して写真撮るのはあまりいい方法じゃないかなということ。頭の中の絵柄に合うように世界を見るということは、せっかくその場に行ったのにその場の空間なり雰囲気なりをちっとも見たり感じたりしていないんじゃないかということでした。実際に桜ノ宮に行かないと見られない光景ではあるものの出来上がった写真は桜ノ宮にいかなくても成立する写真になっています。
物を見るということを意識化させる装置であるカメラは、目の前の世界と、それを持った人間の頭の中にある好みのイメージとのバランスの上で成り立っていて、そのバランス具合では物を見ない装置にも簡単に変化するところがあるように思います。

木漏れ日と桜
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

これは大川の川縁を離れて民家の桜を撮ったものです。木漏れ日が落ちてるのがちょっとかっこよかったので。
桜の名所の桜よりもこういう桜のほうが色々変化に富んで撮れそうなところもあります。

桜と遊歩道
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

これは3回目に行った時に撮ったものだったかな。あまりにも水辺の桜の写真ばかり撮っていたのでちょっと違う状態で撮ってみようと思ったものだったはず。
源八橋の上からしたの歩道をバックに撮ろうと思い、点景に人物が入っていたほうが良さそうだったので、橋の上でしばらくカメラ構えたまま待っていました。あまり絵になる人も通ってくれなくて痺れを切らしてシャッターを切ってしまったんですけど、アンチ・ドラマチック派の本領がここでも発揮されて、人の様子も妙なタイミングで撮ってしまってる写真となりました。人の影は木の影と重なってるし、向こう側に去っていく人影だったのも、よく分からない写り方というか。

出来上がりとしては、自分で、橋の上で待ち構えてまでして撮った写真にこういうことを云うのは何だけど、ちょっと情緒的過ぎるところが今ひとつだったかもしれないです。本当のことを云うと自分の好みはもう少しストイックな感じのものだったりします。

ちなみに源八橋って古風な名前の橋のわりに、この橋の周辺は結構フォトジェニックな場所が多いです。桜の季節の前に撮ったこの辺の写真は、この記事のあとで雨の日の大川散策の続きの記事としてブログに載せるつもりでいるんですけど、かっこよく写ったのが多いです。

桜と遊歩道2
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

同じく橋の上から。3回目に行った時に撮った写真で、ずっと人が入らないように撮っていたのに飽きてきてお花見に来ていた人も入れて撮ってみました。人が入ると写真が動的になるしその場所の雰囲気もよく出てくるようです。こうやってみるとシートひいてお花見してる人も、桜の写真には邪魔だと思って避けていたんですけど、遠慮なく撮ってしまってたほうがよかったかなと思ったりします。何よりも桜ノ宮の桜の下の雰囲気がそうだったんだから。
ただ、知らない家庭やまるっきり縁のない会社の宴会の写真がわたしの写真のストックに入っても、わたしにとってはあまり面白いものでもないだろうなぁと云うところはあるかもしれないですけど。

桃色桜1
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

桃色桜
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

色違いの桜。
下のは房にあたる光の加減が柔らかくて立体的で、好みの感じで撮れてました。
あらためてみると、曇りと雨の日を目指していながら、桜目当てでやってきた三日目のこの日は思い切り晴れてますね。あの日ここまで晴れてたかなと思うくらい空が青いです。

桜咲く丘にて
NIKON FM3A +AIS ZOOM NIKKOR 35-105mm : KODAK SUPERGOLD 400

個別の桜じゃなくて全体的に撮ったものの一枚。大川を上流へ遡った毛馬の閘門に近い場所で、桜ノ宮の帝国ホテルの前辺りの中心部分からかなり離れているせいなのか、桜ノ宮の駅から出て辺りの光景に面食らったほどの人出ではなかった場所でした。ちょっとした丘のようになったところからなぜかここだけ人がいなかった場所を俯瞰的にスナップしてみました。お花見客がいないとこれはこれでちょっと物足りないイメージになってしまうかなぁ。

☆ ☆ ☆

大川の周囲は関西以外の人も知っているかどうか分からないけど、隣接する造幣局の桜の通り抜けでも有名といった、いわゆる桜尽くしの場所でもありました。だから川縁にいつ果てるともなく連なる並木がすべて桜だと知った時、川縁を一面に埋め尽くす桜の光景は壮観だろうと思って、このところ撮影にやってきている場所でもあったから今年の桜の場所はここにしようと決めたんだけど、実際にシーズンが始まってきてみると、人の多さでちょっと失敗したかなというのが正直な感想でした。たしかに空一面に桜の絨毯を敷き詰めているような光景は圧巻ではあったけど、川縁の綺麗に整地されて起伏のない並木道だとか、視覚的にはそれほど変化に富んでいるわけでもないというのも、若干マイナス要素に働いてる感じもしました。橋が架かってるところだから橋から俯瞰で撮れるのは、俯瞰好きのわたしとしては面白いところだったけど、それ以外では特筆するようなものはあまりなかったです。
ここは桜の名所ではあるものの、宴会をする目的でもない限り、写真を撮るということでは桜が咲いていない時のほうが面白い場所だったように思います。


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Nina Simone - I Loves You Porgy


ガーシュインの曲をニーナ・シモンが歌ったもの。この曲の演奏としてはおそらくトップレベルのものになるはず。
なんだか魂を鷲づかみにされるような感じで、文字通りソウルフルとしかいいようのない演奏だと思います。
この人の歌声ってこの曲はそうでもないけどビブラートの付け方があまり好きでもなかったり、ガーシュインの曲もそれほど自分の感覚にフィットするものも無いというような程度の関心の持ち方だったんだけど、この演奏だけは別格という感じでした。
ニーナ・シモンは元々はジュリアード出身のスタジオ・ピアニストというだけあって、歌もさることながら、情感を込めて紡ぎだされるピアノの音、一粒一粒が本当に美しいです。


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