【写真】糺の森 +【音楽】 Pat Martino - Once I Loved

手作りの店が立ち並んだ日




「ただすのもり」と読みます。京都の市街地に忽然と現れる巨大な原生林。以前この森の周囲を歩いた時の写真を載せたことがあると思うけど、住宅が並んでバスや車が走る道路の脇から、壁一つ隔てただけで小高い木々が密集する森が広がる、状況的コントラストの非常に強い場所です。

場所は京阪の出町の駅を降りてすぐ、賀茂川と高野川が合流して鴨川という一つの流れになるところ。糺の森はその「Y」字型の流れになる北側に、賀茂川と高野川にはさまれるようにして広がっています。
最奥には下鴨神社が控えていて、要するに下鴨神社の鎮守の森といった存在になるのかな。
森の規模は以前にも書いたかもしれないけど、東京ドームの約三倍。これでも応仁の乱での消失や明治政府の土地没収などで本来あった姿よりもかなり小さくなってるということです。両側を大きな川によって囲まれてるせいか木々の間を四本の川が流れる森の中は下鴨神社へと続く二列の参道が貫き、その周囲の森の中には木々の間を分け入るように散策路が設けてあるといった構造になってます。

4月の初め頃に何度か行って、最初に行った時は、森の中を走る遊覧馬車が目的でした。何年か前に写真撮りに来た時にこの馬車の写真も撮ったんだけど、その時はもう一つ上手く撮れなくて、今度はどこに行ってみようかなと考えていた時に、上手く撮れなかったこの馬車のことを思い出した次第。
でもこの時行ってみた結果は馬車の姿なんかどこにも見えず、お客さんが乗り降りしていた場所も、何の幻だったかと思うほどにただの通り道になっていました。
ちょっと調べてみたらこの馬車、下鴨神社が運営してるんじゃなく、京都府馬術連盟がボランティアで行っていて、数年前から週末のみの営業、でもそれもどうやらあやふやで、不定期というのが一番近いような運営になってるようでした。
ということで今年最初に糺の森にやってきた時は目的を達することが出来ずに、写真撮る気もうせて物足りない思いで帰宅することに。
もう一度、今度は森の様子でも撮ってみようかと思ってやってきた時は、森の手づくり市だったか、名前ははっきりと覚えてないけど、手作りの品物を並べるテント店が列を成して参道を埋め尽くしてる場に出くわすこととなりました。調べてこれを目的にやってきたわけでもなく、開催日と重なったのは全くの偶然。これはこれで面白かったものの、森を撮ろうとやってきた目的は果たせずに、おまけにこの日は春とは思えないほどの冷たい風が吹き荒れる日で、ほとんど初夏といった出で立ちでやってきていたから、これはもう絶対に風邪をひくと、店を楽しむ間もなく、市の端から端までとりあえず一往復しただけで帰ってきました。
その後も日を変えていってみるも、五月十五日の葵祭(わたしの誕生日!)の幕開けを告げる前儀となる流鏑馬の、流鏑馬そのものだったらまた被写体にもなろうというものだけど、その準備のために参道に無粋な赤い三角コーンが列を成して並べてあったりして、これまた写真撮れないじゃないかと、はぐらかされて帰ってくるというような顛末となってました。
森を撮るという些細な思惑なのに、どうしてこれほど疎外されなければならないのか、真剣に悩みそう。

最初の写真はその森の手作り市の時に撮った写真。
この店だけ、雰囲気がなんだか外国の蚤の市って云うような、まぁ行ったことはないんだけど、そんなちょっと洒落た感じがしてました。自作の絵を売ってるのかな。



河合神社01



河合神社04

糺の森の南西の縁に位置する、下鴨神社の摂社である河合神社で撮った写真。ここの祭神は玉依姫命で、女性の守護神、日本第一美麗神として安産、育児、縁結びから、美人になりたいという願いまでかなえてくれる神様とされています。ちなみに玉依姫命は神武天皇の御母神であり、日本創世に深く関わった神様でもあるので、国家安泰を祈願する神社でもあるようです。
ここの絵馬は美貌を司る神様に相応しく、手鏡の形をしていて、伏見稲荷大社の狐絵馬と同様に、そこに自分の理想となる絵を書き添えて奉納するようになってます。絵心に自信がない人は、これが理想と思われてはたまらないと、絵馬を描く手が震えるかも。いつごろからこういう形になったのかは知らないけど結構ユニークです。
神社の名前も美容祈願の神様として、ちょっと出来すぎてるんじゃないかというようなぴったりの名前で、どういういきさつでこんなぴったりの名前になったのか、これも結構興味深いことかもしれないです。





糺の森01



糺の森02


色々とはぐらかされながら、それでも撮っていた糺の森の写真。
森そのものは、実際には意外と均一な印象で、広さはあるんだけど、平地に展開してるものだから、起伏による変化というのがまったくないような様子。光の加減で表情が変わることはあっても、森そのものの様子はどこに立ってもあまり変化のあるようなものでもなかったです。鬱蒼と茂ってるというほどの密度には若干足りなくて、森の向こう側、木々の合間に住宅地との境の壁でも見えると興ざめでした。森林浴でもするつもりだったとしてもちょっと期待はずれの結果になるかも。

写真はこのところ自家現像してるうちの一本です。現像の結果はちょっと現像しすぎてる感じで、やたらと黒っぽいネガになってました。フジやコダックが出してるデータにそってやってるんだけど、これはかなり安全策が取られてるようで、必要時間とされてる値の8割くらいで適正になりそうな気がします。
フォトショップで調整してみるものの、明るさを落とすと暗い部分が潰れ気味になる感じ。こういうコントラストの強いイメージも嫌いじゃないんだけど、今回に関しては若干思惑外れの結果となってます。





下鴨神社01

下鴨神社で、風に揺らめく垂れ幕。最近こういう風でなびいてる幕を見かけると撮ってることが多いです。なぜか気を引くんだけど、気をひかれる理由は自分でも分からず。
ただ風の強い日というのは、わたしはなんだか不安になってくるので、なびく幕を撮ってる割には、幕がはためくほどの強い風の日はあまり好きじゃないです。

結局、この春の一時期に糺の森には何回か行ったけど、最奥に控える下鴨神社にはあまり立ち寄らずに、ほとんど写真撮らない結果となりました。
今度行く時があったら、下鴨神社をもっと撮ってみよう。もちろん馬車も心残り。

最後に、これは糺の森じゃなくて鴨川の出町付近で見た猫の写真を一枚。


出町の猫


使用したカメラはNikonのFM3A。50mmと135mmのレンズを使って撮ってます。
フィルムはフジのプレスト400で自分で現像してます。




☆ ☆ ☆



Once I Loved - Pat Martino


曲はアントニオ・カルロス・ジョビン作曲のボッサ・ナンバー。パット・マルティーノはマシンガン・ピッキングなんていう形容をされる技巧派ギタリストだけど、ここはちょっとリラックスして演奏してる感じかな。のちにアシッド・ジャズ的な扱いをされるトゥルーディ・ピッツのオルガンが競演していて、でもわたしはどちらかというとトゥルーディ・ピッツはラウンジ的なオルガンプレーヤーって言う捉えかたのほうが強くて、この演奏でもそういうリラックスした雰囲気が良くあってるような気がします。とはいうものの、ラテン・テイストの曲だから、ダンサブルな側面もきっちりと確保して、甘い音で雰囲気作りながら技巧派の顔も見せるパット・マルティーノの演奏はやっぱり面白いです。










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【写真】あじき路地 +【音楽】Ram On - Paul McCartney

あじき路地 01




五条の鴨川と東山の間辺りにあじき路地という一風変った名前の路地があります。
五条通りの北側を鴨川辺りから東山のほうへ歩いていくと程なくナガサワという喫茶店があり(この喫茶店、父の知り合いの店だったりします)、ここの角で道を北に折れてそのまま四条のほうに上がっていくと、大黒湯というお風呂屋さんが見えてきます。あじき路地はそのお風呂屋さんの北隣、お風呂屋さんと隣の家の間で東西方向に開いてる細い路地のこと。
路地の入り口にはあじき路地なんていう表示は一切ないし、この辺りは碁盤の目の道構成で似たような路地が次々に目の前に現れるから本当にここ?って思うかもしれないけど、このお風呂屋さんの脇の路地で間違いないです。

実のところ、最近までこの路地のことは知りませんでした。父にこんなところに行って写真撮ってきたというと、父もあじき路地の存在は知らなかったようでした。雑誌の京都特集なんかには取り上げられてるようだから、ひょっとしたら旅行で来る人のほうが良く知ってるのかも。
結構そういう雑誌には訪れるポイントとして紹介されてるようなので、紹介されてるからどんな見ごたえのある場所かと期待するものの、規模としてはかなり小さい、両側に町家の長屋を連ねて直進する、50mにも満たない、しかも袋小路になって通り抜けることも出来ない、その空間に居を構えてる人しか関係しないような生活空間的な路地だったりします。路地の入り口から向こう側に見えてる奥の突き当りまで歩いて行って帰ってくるのもあっという間。
そんな花街のように豪奢でもないごくありきたりのささやかな路地がどうして雑誌なんかの紹介されてるかと言うと、この路地、古い町家が並んだ長屋という風情もあるんだけど、ある種職人街とでもいえそうな、ちょっと特殊な場所になってるからでした。


あじき路地 02



あじき路地03


もとは住む人もいなくなり廃墟然とした長屋だったのを、普通だったら取り壊してしまう可能性もあったのに、大屋さんの意向で、取り壊してしまうよりは物作りに励んでる若手の職人さん相手に創作の場として貸しだしたほうがいいということになり、今の路地の形が出来上がったんだとか。
町家の再利用として結構前から小さなブティックなんかがその町家の外見を生かした形で、表通りから二筋も三筋も生活空間に入り込んだところで店開きしてるようなところもあるんだけど、おそらくこのあじき路地もそういう町家の再活性の流れの一環として存在してるんだろうと思います。

ただ活動としては普通の店のようにいつも開いてるというわけでもなくて、平日は町家の奥で創作活動に精を出し、週末の休みの日にその創作の結果を並べて店開きするというようなシステムで運営されてるようで、平日に行ってもまるでどこも開いてない、ただの閑散とした路地だったりします。
わたしは平日と週末の二回来てみたんだけど、平日は本当に人の気配のない静まり返った空間で、普通に日々を送ってる人が住んでるわけでもないから、町家的な生活臭もないちょっと不思議な空間になってました。週末はちょっと活気が出ていたというか、格子の向こうから料理教室なんだと思うけど賑やかな声が聞こえてきたりして、雰囲気はやっぱり平日とはちょっと変化していたような感じ。
ただ全体に町家そのままの形なので他人の家に入っていくような気がして、若干入りにくいところがあるというか、喫茶店もあって表にメニューが出てたりしても、本当に入ってもかまわないのかなと足を止めさせるようなところもありました。


あじき路地04



あじき路地05



写真ははっきり云って撮りにくかったです。路地の長さもそんなにないし、奥まで見通せるようなただ直進するだけの空間に、同じような外観の町家が軒を連ねてるだけ。各町家にはそれぞれ違う分野の職人さんが住んでるんだけど、町家を改造して店にしてるわけでもなく、表にちょっと植物とかオブジェを置いてささやかに空間演出してる程度なので、正直なところ何枚か写真撮ったらもう撮るものが見当たらなくなってました。
そういう状態からさらに違う写真を撮るようなのが腕の見せ所かもしれないけど、わたしはギブアップ。
写真のバリエーションを追加するには店の中に入るほかない感じだけど、そこまでやるのはちょっと気後れがします。

町家の再利用としては、これはたぶん正解なんだろうと思います。でもわたしとしては廃墟となったままでこの路地一本そのまま保存して欲しかったかなと思わないこともないです。一つの地域全部が廃墟になったところを探索するって職人街になってるよりもきっとワクワクすると思います。



あじき路地06



あじき路地08



使用した機材はカラーのほうはフジのティアラにヴィーナス800を詰めて、モノクロのほうはニコンのFM3AとイルフォードのXP2、フジのプレスト400という組み合わせで撮ってます。フジのプレスト400は自家現像でした。



☆ ☆ ☆


Paul McCartney - Ram On


ポール・マッカートニー、来日してはいるけど体調不良ということらしく、まぁもう年も年だから無理しないで体調回復に努めて欲しいと思います。
しかしそれにしてもあのポール・マッカートニーが64歳を超える年齢になってしまうなんて、想像もできないことでした。

これはビートルズ解散後、ソロとなったポール・マッカートニーがウィングスという新しい形を取るまでの間に作成されたアルバムに入っていた曲。
ビートルズ好きだと、大抵ポール派かジョン派かで好みが分かれたりするんだけど、わたしの場合はポールの音楽が好き。といってもサイケデリックをやり始めたころからの妙に凝った音楽よりもシンプルな初期ビートルズのサウンドが好きなので、ウィングスも堂々としたポップミュージック的に手の込んだ音作りが、レコードは何枚か持ってはいたものの、ポール好きといってもあまりのめりこむ要素にならなくて、好きといいつつ解散後のポールの音楽にはそんなに付き合っていたわけでもないところがあります。だからポールの音楽が好きというよりもビートルズのポールの音楽が好きといったほうが正確かも。
ジョン・レノンに関しては同じく解散後の話で行くと、この曲を好きな人には悪いけど、「イマジン」を歌った時点でわたしのなかでの評価は地に落ちてしまいました。普通の人が到底手にできないような富と名声を得た人間が、持たざる人間に対して所有することをやめよと説くような歌なんて、グロテスクな冗談以外の何者でもないし、多くの人が言ってるように共産主義礼賛、全体主義国家を夢想する歌としかわたしには思えませんでした。わたしは信心深いほうでもないけど死んでしまえば総て無意味というような、宗教のない、さよならだけが人生のような世界には住みたくないし、一つになった世界よりも多様な世界のほうが絶対にいいと思ってるから、ジョン・レノンも何でこんな歌を歌ってしまったのかなぁと思ったりします。
だからジョンにしても、ビートルズのポールが好きだったように、わたしはビートルズのジョンが好きというところかな。

ここを離れてしまうと、その輝きのいくばくかを失ってしまう、やっぱりビートルズは奇跡的な場だったということなんでしょう。

話を戻して、この曲は凝ったビートルズ後期とウィングスの中間で、ちょっと肩の力を抜いたかのように、ラフでシンプルに作られたのが、今になっては結構新鮮な響きとして耳に届いたりします。
実際にはいろんな音が入ってるものの最初に聴いた時はほとんどウクレレ一本の伴奏という印象が強くて、なんとも頼りない儚げな曲だと思ったんだけど、結局後になってもこのアルバムで一番耳に残ってる曲になってます。
どことなくのどかなウクレレと儚くメランコリックな響きが同居しながら空間を漂ってるような感じがいいです。





ラムラム
(2012/05/30)
ポール&リンダ・マッカートニー

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【写真】蹴上浄水場 +【音楽】 Latona - Big John Patton

蹴上浄水場01



ゴールデンウィークに場内施設と場内に植えてあるつつじの一般公開をやっていた蹴上の浄水場で撮ってきた写真。

地下鉄東西線の蹴上の駅を出てすぐのところにある施設で、同じく東西線の一つ隣の東山駅からこの辺りにかけては平安神宮、南禅寺、疎水のインクライン、動物園、美術館など、広範囲の観光スポットになってるから、普段から人出は多いところなんだけど、なにせ場所が浄水場なんていう無骨そうなところだから、人出も他の場所ほどじゃないだろうと思って行ってみたら、他の観光スポットほどではなかったかもしれないけど、それでも予想以上に多人数の見物客が集まり賑わう場所となってました。
つつじが有名な場所だから、皆つつじが目当てでやってきたんだと思ったものの、場内を歩き回った感じでは浄水場の空間のほうにも興味を持ってきてる人も意外と多そうな印象。この蹴上の浄水場は三条通りに面した地表の入り口から入る平坦な普通の施設のように見えて、実は背後の粟田山の斜面に展開する起伏にとんだ空間を形成していて、施設の中を歩くのがそれなりにスペクタクルな体験というか、ちょっとした山登り感覚を楽しめるようにもなっているから、これを楽しもうとする人もいるんじゃないかと思いました。

わたしはといえば京都の水事情の啓蒙活動もつつじもそれほどの目的とはなっていなくて、妖しげな歯車だとか異様な配管だとか、意味不明の機械だとか、そんなのを写真に撮れないかと思ってやってきたので、主催者にしてはあり難くない訪問者だったと思います。



上の写真はつつじが咲き乱れる山の斜面。このお饅頭のような形の積み重なりのほうがつつじの花本体よりも興味を引いて、つつじを撮る行動に出ても、花そのものはほとんど撮らなかった結果となりました。
これはなんだかティム・バートンの「マーズアタック」みたい。
ところでつつじっていうのは自然にこういう形で群生するものなのかなぁ。でないとするとこの広範囲に広がるお饅頭の群れを庭師の人が総出で形を作ってるということになって、限定した期間しか公開しないにしては手間がかかりすぎてるような気がします。やっぱり自然にこんな幾何学的な群れになるのかな。



蹴上浄水場04


蹴上浄水場05

入り口で貰ったパンフレットには第一高区配水池と記してある、斜面の中間ほどにあったプール。古びt煉瓦作りの外観がかっこいいところでした。上のハンドルのも同じ場所にあったもの。枯れた植物を纏った円形の台座の上で、鉄柵に囲まれて建っていました。
これ、お城風だけどお城でこういう形になってるところって敵を見張るような場所のように思っていたので、浄水場で出会ったのは、お城風で面白かったけどかなり意表をついたデザインでした。下からでは様子が伺えないけど、植物で満ちていそうな雰囲気も時間が降り積もってる印象でいいです。
このお城風の建物は窓の格子とか無造作に今の素材を使ってるところがあるのが興ざめだったけど、煉瓦の建物そのものの雰囲気は風情があって好き。
ハンドルはこの位置が一番朽ち果ててるような雰囲気だったので撮ったものの、配置バランスはいまひとつだったかも。バックに無粋な建物が入ってるのがなんだかなぁっていう感じがします。パンフレットには後ろの建物は水質管理センターと書いてある。木漏れ日の中で朽ち果てた植物に絡まれて立ってるこの装置の廃墟的な雰囲気は良かったのに。

わたしがつつじそっちのけで期待していた妖しげな機械などは、浄水場全体に立ち入り禁止の区域が多くて、施設そのものには近寄らせてもらえなかったので、浄水場の活動を知ってもらうための啓蒙目的の説明会場にあったもの以外は、遠くから眺めるばかりで内部や詳しい細部ほとんど眼にすることが出来ませんでした。コンクリートの壁に囲まれた無機的な空間にハンドルのタワーが林立してるシュールな場所があって、写真に撮りたかったんだけど、立ち入り禁止のロープに阻まれて、遥か遠くから眺める他になすすべなしでした。
立ち入り禁止の包囲網はそれはもう徹底していて、ちょっとした脇道も総て短いロープを用意してまで通れなくしてある始末。しかも単純に工事現場にでもあるような三角コーンとかをあまり考えもなしに立てて禁止区域の表示にしていたりするものだから、かなり無粋な空間がいたるところに出現してました。



蹴上浄水場06



蹴上浄水場07



近くに寄らせてくれないし、中も見せてはくれないので遠くから望む形で撮った浄水場のディテール。
幾何学的で妖しげでちょっと気に入った2枚でした。



蹴上浄水場08


蹴上浄水場09


蹴上浄水場10

歯車の写真が撮れたのは結局これだけ。この歯車の機械に付随していたメーターの針のイメージもレトロっぽく、わりと気に入ったのでこれはこれでよしとするかな。今は使われていない古い機械の部分がガラスのケースの中に収められて、本館の説明会場に飾られてました。


最後にこれは浄水場じゃないんだけど、蹴上浄水場の中腹から、三条通りをはさんで向かい側にあるねじりまんぽの写真です。俯瞰で撮れるのはこの浄水場からだけなので、これを撮れたのもやってきた価値がありました。


ねじりまんぽ01



使ったカメラは久しぶりにNikonのFM3A。レンズはNIkkorの50mm/f1.4と135mm/f2.8をとっかえひっかえして撮ってます。
FM3Aはニコンが作った最後のフィルムカメラ。視野率が100パーセントじゃないために最近は視野率100パーセントのF2やF3を使うことが多くなってたんだけど、カメラの性能は本来は中級機扱いのカメラだけど、最後発ということもあって、昔のフラグシップ機よりも使い勝手が良くなってるところもあります。ファインダーで見えていない周囲もわずかに入るために、微妙に構図を決めにくい時がある以外は、ファインダーそのものは明るいし、やっぱり使いやすいカメラだと思いました。

フィルムはイルフォードのXP2っていうカラーフィルムの現像で処理できるモノクロフィルムでした。だから逆に自分では現像できなくてフォトハウスKに出してます。

写真屋といえば、最近岡崎公園の近くでフィルムを中心に活動してる店が出来てるのを知りました。
Photolabo hibiっていう名前の、洒落た店構えの写真屋さん。
モノクロを使うことが多くなって、モノクロの現像は自分でするから利用する機会は頻繁には来ないかもしれないけど、カラーフィルムで撮った時は一度ここに出してみようかと画策中です。



☆ ☆ ☆


Big John Patton - Latona


とにかくジャケットが無茶苦茶クールでかっこいいアルバム「レッテムロール」にはいってた曲。
このジャケット写真のかっこよさは、音楽のほうはあまりピンと来なかったソニー・クラークの「クール・ストラッティン」に匹敵すると思うんだけど、知名度はまるで異なってるのがちょっと残念。
オルガン奏者ビッグ・ジョン・パットンはなんだか戦車を思わせるような名前やビッグなんて言葉が入ってるからいかつい人のようにイメージするんだけど、実際はどうやら小柄な人だったらしいです。

ジョン・パットンは聴いたことがあるのはこのアルバムと、電撃ネットワークのテーマ曲を思い起こさせるThe Silver Meterくらいで特に強い印象もないんだけど、アーシーなソウル・ジャズを演奏するミュージシャンといった印象です。
この曲はラテンテイストが入って、ラテン好きのわたしの琴線に触れたりするんだけど、ラテンテイストでダンサブルなのに、どことなくスムースというかリラックスした感じがある両義的で不思議な感触を持ってるのが面白いところなんじゃないかと思います。
ちなみにギターがグラント・グリーン、ヴァイブがボビー・ハッチャーソンと、両者ともオルガンにはきわめて相性が良く、オルガン・ジャズ、ソウル・ジャスを展開するには最適のメンバーになってるのも聴きどころになってると思います。



レッテム・ロールレッテム・ロール
(2010/04/21)
ジョン・パットン

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【写真】高瀬川 木屋町辺り +【音楽】Street of Dreams - Count Basie & Shirley Scott

木屋町01



もともと人が大勢いるところが苦手なので、連休といっても特にどこかへ遊びにいくということもあまりしない性質の人間なんだけど、今回の連休は、一日フィルムの現像したり、雨で外出する気にならずに撮った写真をどういう文脈でブログに載せようかとあれこれ眺めていたりといった、その性質全開の時間を過ごしていた以外に、蹴上の浄水場が連休の間に限り場内のつつじと施設を一般公開するというので、ちょっと思い立ってカメラ持って出かけてみたりしてました。
蹴上といえば近くに動物園や平安神宮、南禅寺などがある広範囲の観光スポットなので、予想通り人一杯。柄にもなく人ごみ覚悟で出かけてみたものの、結局辟易して早々に退散してきました。休みだからと張り切って海外なんかに出かける人の気が知れない。

その首尾はまた別の機会に譲るとして、今回は今月のブログ更新日をとりあえず記録しておきたかったので、ごく最近撮った写真の中から、ちょうど桜の時期前後に木屋町の高瀬川周辺で撮った写真を載せてみようと思います。
高瀬川はこの木屋町周辺が桜並木もあって一番観光スポットにになってると思うし、一般的な高瀬川のイメージもこの界隈の印象が元になってると思います。でも三条から四条にかけての高瀬川のイメージも、五条以南に流れ込む辺りから、たとえば五条から七条にかけては五条楽園という元遊郭の中を通り抜けていくといった具合に結構表情豊かに変化していく川だったりします。高瀬川沿いに観光スポットを離れて散策してみるのも、雑誌なんかではあまり見られないところもあるはずだから面白いかもしれないです。

個人的には木屋町あたりの、いわゆる酒場や料亭が立ち並んでる、先斗町の一筋隣というイメージはちょっと手垢がつきすぎた印象だったり、普段良く通る見慣れすぎた通りだったりして、あまり鮮烈な印象にはならない場所となってます。おまけに夜になってから通るよりも、昼間に通ることが圧倒的に多いので、装いを凝らさない雑然としたイメージのほうが強いし。もっともこういう日常的な雰囲気も考えようによっては面白いイメージなのかもしれないけど、ちょっと見慣れすぎてるのがやっぱり新鮮さにかける場所になってる気がします。
今回のはそんな印象の中で、とりあぐねた今年の桜の残滓の写真を撮っていた時に、盛りを過ぎていく桜だけというのも物足りなくて、見慣れてると思いながらも、ついでにこの辺りをちょっとスナップして見ようと思って撮っていた写真でした。

木屋町の、これは何の店だったんだろう、最初のはネオン管の曲がり具合が面白かったので撮ってみたんだけど、撮ってみると管の質感もなかなかいい感じに写ってました。


木屋町02


これも何の店だったのか、リズミカルな模様が楽しい看板でした。
見慣れてる街角も詳細に見ていくと意外と目新しく思えるものを見つけ出したりすることもあります。



木屋町03

これは木屋町と河原町の間の路地というのか、居酒屋なんかが並んでる一角に立っていた人形。似たような写真で去年の夏にPEN Fで撮っていた象とか豚の看板人形のアップのものがあったけど、象の店も豚の店も今は閉店してしまったようで、路上で人形を見ることが出来なくなってます。河原町辺りの店の栄枯盛衰もなかなか激しいものがあるというか、新しく出来た店も簡単に潰れる上に、昔からある店も予想以上に商売やめてしまうところが多いような気がします。
最近だと文房具の壷中堂とか、中華料理のハマムラだとか。壷中堂は調べてみたら明治6年創業の老舗だったし、ハマムラなんて大昔からあるから潰れるなんて想像もできなかった店なのに。河原町自体パチンコ屋とかカラオケとかが目に付きだしてからは歩いて楽しい町でもなくなってるけど、町の活気の無さがそのまま店が消えていってしまうのに結びついてるのかなとも思ったりします。



木屋町クロス

木屋町の四条からちょっと上がって、路地を分け入ったところに昔から生えてる巨木。これを撮ったわたしの背中側には昔、「みゅーず」という古い名曲喫茶がありました。今はなんの店になってるんだろう。しょっちゅう見てるんだけどわたしと係わり合いがないところなのか、あまり印象に残ってない。
消えてしまった喫茶店と言うと、大昔わたしがよく行ってたのは河原町三条を少し下がったところ、細い階段を二階に上がっていくコニーアイランドって言う喫茶店。古びた映画にでも出てきそうな、天井で大きな扇風機が回る避暑地のくすんだ小屋のようなところで、ぶあいそうなおばさん(だったかな、おじさんじゃなかった記憶があるんだけど)が出すコーヒーが思いのほか美味しかった記憶があります。ちょっと空間の質が違う場所に迷い込んだような感じが楽しくて、買い物途中に一服したり友達との待ち合わせでよく利用してたんだけど、でもある時火事で消失してそれっきり。コニーアイランドっていう名前で記憶を呼び起こされる人、いるかな。
こんなことを書いてるとなんだか懐かしくなってくる。そのうち消えたジャズ喫茶とか纏めて書いてみようかなぁ。



モノクロはニコンのF3で撮ったフジのモノクロ・フィルム、プレスト400を自家現像。
カラーのほうはフジのティアラにフジのカラーネガ、スペリアヴィーナス800を入れて撮ってます。

そして最後の一枚はロモLC-Aで撮ったロモのスライドフィルムをクロスプロセスしたものです。これだけはちょっと以前に撮りました。




☆ ☆ ☆


Count Basie & Shirley Scott Street of Dreams


ヴィクター・ヤング作曲の洒落たタイトルのスタンダード・ナンバー。独特の響きに情緒をふんだんに盛り込んだブルージーでソウルフルなシャーリー・スコットのオルガンもいいんだけど、要所要所ではいるカウント・ベイシーのピアノがまた凄い。音数は無茶がつくほど少ないのに、総て的確でこれ以上の音は不必要だと納得させられてしまうのに、聴き終えてみて吃驚です。


THE TENOR OF EDDIE ’LOCKJAW’ DAVISTHE TENOR OF EDDIE ’LOCKJAW’ DAVIS
(2009/10/06)
COUNT BASIE、Eddie ’Lockjaw’ Davis 他

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