2014/10/27
古い煉瓦の校舎にて

ハリス理化学館 2014/04
今年の春ごろに同志社の中に潜り込んで撮った写真。同志社といえば煉瓦作りの校舎が美しい学校として知られてます。ロケーションも今出川通りをはさんで御所に隣接してるし、北側は相国寺、東に少し歩けば鴨川で、周囲の環境も京都的な風情があります。
でも、こんなに風情があるのに学校側はそういうことがどれだけ同志社を嗜好する気分に関与してるのか知らなかったのか、確かに勉強するだけなら校舎が煉瓦であろうがなかろうがまるで関係はないんだけど、いつの頃だったかかなり昔に、学校の一部を京都の南のほうの郊外である田辺に移転させるなんていうことをしてしまいました。
このニュースを知った時、「え~、何で??同志社はあの場所であの煉瓦作りの校舎があってこそいいのに」なんて思ったことがあります。最近になって田辺のキャンパスにあった一部の学部を再び今出川のほうに統合してるようで、田辺のほうはどうも縮小気味らしく、今出川のほうが手狭になった結果の田辺移転だったと思うけど、今出川キャンパスでの再統合のほうがわたしはいいように思います。
京都の大学も色々と郊外のほうに一部移転だとか拡張だとかしてるところが多くて、でもどこもやっぱり創設の地に有るほうが一番雰囲気はいいです。

明徳館 2014/04
数年前に一度やってきて写真撮ったことがあり、その時の写真は確か一枚だけだったと思うけど以前の記事に載せたことがあります。だから写真撮りに来たのは初めてではないんだけど、この前の時は結局キャンパス内、深くには入らなかったから、今回は内部に潜入してみることに。
昔ここに来ていたとはいえ、どう見ても学生じゃない外見で、カメラ持って門をくぐるのは、何しろ門の傍らに門番、と云っては語弊があるかもしれないけど、そういうタイプの人がいて、そこから必ず品定めするような視線を浴びせられたあげく、「ちょっとそこの人」と止められるかも知れないと思うと、ドキドキものの瞬間でした。まぁ実際は大手を振って通り抜けてもこちらは見向きもされないって言うほうが正解だったんだけど。
今出川キャンパスの中は時を経て、まるで同じようなところもありながら全然違った様子になってるところもあり、微妙に記憶と食い違っています。というか細かい枝道の曲がり角がどんな風に連なっていたとか細部の印象なんかほとんど忘れてるので、ここはこんなに変ったんだと明確に確認できるわけでもなく、なんとなく記憶にある世界にいるようでどうも違う世界に来てしまったような不思議な感覚で歩き回ることとなりました。
図書館はまるで変らずにそこにある印象。創設時からあるんだろうと思わせる重要文化財に違いない礼拝堂なんかも変らないまま。反面この写真撮った明徳館はここにこういう校舎があったのは覚えてるものの、中はこんなだったかとまるで記憶にないところに来たような感じでした。
まぁそんなちぐはぐな感覚を抱いたままキャンパス内を歩いてみて、煉瓦作りの古い建築の、いろんな絵になる細部を撮れないかなと思って来てみたのに、そのうちあまり撮りたくなるようなものもないなぁって言う印象のほうが強くなってきました。
新しく建った校舎もイメージを統一するために煉瓦の壁面だけど、一見した印象ではそう見えるだけの外壁材で出来上がってるようで、あるいはそうじゃなくて本物の煉瓦だったとしても、真新しさのせいであまり風情があるようにも見えない。校舎内部は、旧府庁で撮っていた雰囲気と大して変らなかったり、授業をやってたりするからあまり近づかなかったんだけど、教室なんかは単純に学校の一室って言う雰囲気に見え出すとどうも撮る気にはなれなくなってました。
というわけで、学内では歩き回ったわりに、あまり写真が撮れずに終了。でも何だか気分を変えればまた何か写したくなるものが現れてくるかもしれないという気もするので、再び写真撮りに出かけてみようと思ってます。
春先のこの撮影は2~3日くらい通っていて、その間煉瓦校舎の周囲を右往左往するだけじゃなく、同志社の構内を離れて、周囲の街中も散策してました。
同志社の東側に、正確な名前は忘れたんだけどアメリカン・センターっていうような施設、アメリカの文化を紹介してたり小さな図書室やギャラリーなんかが併設されてる施設が昔あって、これがちょっと懐かしかったから確かこの辺りと思っていってみたけど、影も形もなくなってました。ひょっとしたら探す通りを間違えてた可能性もあるので、今度行ったらまた探してみるつもり。戦後のアメリカ美術が好きだったから、ここの図書室でジャスパー・ジョーンズの画集なんか眺めてたのを思い出します。

ハリス理化学館 2014/04

ハリス理化学館 2014/04

有終館 2014/04
明徳館以外はニコンF3.、フィルムはフジのプレスト400を自家現像してます。次に自家現像する予定のモノクロフィルムは今トイカメラのワイドレンズカメラに入れてあります。まだ一枚も撮ってはいないけど、涼しくなってからの自家現像再開の1本目になりそう。
有終館の写真はニコンのマニュアルフォーカスのレンズ、Ais35mmで撮ってる筈で、わたしが持ってるそのAis35mmは鉛レンズを搭載してるものでした。鉛の使用が環境問題で出来なくなる寸前の、鉛含有としては最終版のようなレンズで、店の人に鉛が入ってると他のレンズとどう違うのか聞いてみると、気にする人は多少はいるけど、そんなに画質は変わらないっていうことらしく、あまり変るところもないということでも、他のと大して値段が変らなかったし、新品同様っていうことだったので、ものは試しと購入してみたレンズでした。
何だか緻密に写ってるようなのはこの鉛含有レンズのせいなんじゃないかと思います。カラーフィルムで撮ってみると、異様にギトギトした色合いになることが多くて今ひとつだったけど、モノクロは本領発揮というところなのかな。
鉛筆の細密画だとか銅版画みたいな、硬質のリリシズムのようなものが出てこないかなと思ってます。
版画といえば、フィルムって考えようによっては版画なんですよね。これがデジタル写真と決定的に違う要素なのかも。
だからどういう絵作りをするという方向には今のところ発展してはいないけど、そのうちいつかこういう考え方がなにか写真に刻印をつけることがあるかもしれません。