2016/01/26
すべてがばらばらで、なおかつすべてが纏まっている + 千切れたフィルムの顛末

2015 / 12 / PENTAX K100D SUPER + SMC PENTAX-A 50mm f1.7

2015 / 11 / Lomography La Sardina + 21mm Lens / Kodak Gold 200

2016 / 01 / OLYMPUS 35DC +F.ZUIKO 40mm f1.7 / Lomography Color Negative 400
去年の暮れから今年にかけて撮っていた写真で、得体の知れないのを3枚ほどピックアップ。
テクスチャや事物の質感、空間に接する皮膚感覚といったものに関心を持って撮ったというなら確かにそうなんだけど、そういってしまうと何かを見失ってしまいそうな感じもする。あるものに注視することでもやもやとしていたものの大半が消え去ってしまうような感じ。だからもやもやのままで置いておきたいところだけど、テクスチャがどうしたとか書いてみたいわたしもこうやって存在してたりする。
でもそのもやもやとしたものに何か意味があるかと言うなら、意味なんてどこにもない。
それが写真のすべてとは云わないけれど、事物が纏ってる意味の薄皮を少し剥ぎ取ってみたい。写真による主観の表現とか半ば信じちゃいないけど、そういうことなら写真には出来そうに思える。そしてその皮膜の下からどんなものが顔を出してくるのか見てみたい。
想像してみるとなんだか殺伐とした写真になってしまいそうだけど。
とまぁ、わかったようでわからない、そんな曖昧な想念をちょっとメモしておいた。まだ自分の中でも整理がついていない。
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最初のは廃屋で破棄された雑多なものが積み重ねられていた場所。廃屋であることよりも、いろんな質感が寄り集まってるのが面白かった。ごたごたと無関係なものが集まってるけど、全体の印象は個々の被写体ほどには雑多な感じがしない。
二枚目は四条河原町を少し下がったところにある寿ビルで。
三枚目の写真は実は左端にはいってる壁の継ぎ目の縦のラインが結構な関心事だった。このラインをフレームに入れるかどうかで印象が変ってくる。少なくともわたしにはそう見える。言い換えるとそういう部分にしか関心がいってないし、そういう要素のみで成り立った写真ともいえる。
それにしても並んだ木の配置間隔だとか、右の木だけ枝が広がってる対比だとか、朽ち果てた謎のパネルの位置だとか、なんだかすべてがばらばらでなおかつすべてがとても収まり具合がいい。枝のバランスなんか完全に神様のデザインセンスなんだろうと思う。
☆ ☆ ☆
この前の記事で最初十数枚撮って放置してると書いたペンF。36枚撮りのフィルムを入れていたから倍の72枚と少しをその後撮り終えて、巻き戻そうとしたらカメラの中でフィルムが切れた。その時はもちろんカメラの中を確認できなかったので、まず切れたんだろうと判断したものの本当はどんな状態になったかは分からず、でも急に抵抗がなくなって巻き戻しのクランクが完全に空回りしてるようだった。
巻き戻しを始めて直後の出来事だったので、フィルムはほとんどパトローネの中に巻き戻されてない状態でカメラの中に取り残されてる。そんなイレギュラーな状態のフィルムをいつも現像を頼んでるフォトハウスKにカメラごと持っていって何とかしてくれと頼み込むのも、店側に余計な責任が発生してしまいそうで、厄介なことを持ち込まれたと思われたりしたら何だか気が重い。その後の展開に気を使いそうなところに嫌気が差して、撮影再開後の分はどこでどういう風に撮ったかほとんど覚えていたから、また撮りに行けば良いやと思って、フィルムが全滅するのを承知の上で裏蓋を開いてみた。まぁ、中が一体どんな状態になってしまったか見てみたい好奇心もあった。
開いてみた結果は思ったとおり、フィルムは切れると言うよりも斜めに裂けたような状態になってた。

こんなことは初めてだ。何しろ巻き取り始めて直後のことで、特に力を入れて無理に巻き取ったと言うことでもないのにこういう状態になったのはちょっと信じがたい。この部分だけ巻き癖が逆についてるから、パトローネの中で最初からおかしな状態でセットされてた可能性がありそう。
普段使っていたコダックのフィルムが値上げ攻勢を続ける中、たまに使っていた廉価のフィルムを常用にしようかと変えた結果の出来事だった。色のりがあまりよくないなぁと思いつつ、時折使っていたこのフィルムも今まではトラブルがなかったし、たまたま今回のフィルムだけがトラブルのある代物だったと言う可能性もあるんだけど、やっぱりいつも使ってたフィルムのほうが安心して使えそうだ。
それにしても全滅を納得して裏蓋を開いたけど、思いのほか食らったダメージは大きいようだ。何しろ70枚以上が虚空に消えてしまったわけで、裏蓋を開いた時は思い切ったつもりが、今頃になって気落ちしてきた。中の状態を見てみたいという好奇心を抑えて、気が重いなんていわずに駄目もとでフォトハウスKに持っていけばよかったかなと思う。と言うか今度こんな状態になったらまず間違いなくそうすると思う。
先に書いたように大半はどこで何を撮ったのか覚えていたから、このところの寒波の襲来ですぐには無理でも、少し穏やかになって晴れ間が出たらおそらくまた撮りに行くとは思う。でももう一度同じようなのを撮るとか、あまり面白いものでもないだろうなぁ。
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気落ちした時に、最近ニコ動で大笑いした動画。
コメント込みでみるほうが面白い。