2017/02/25
真夜 + Verklärte Nacht - Arnold Schoenberg
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2017 / 01 / 奈良
OLYMPUS PEN E-P5 / E-P3 ( Body Cap Lens )
全部じゃないんだけど今年のお正月をちょっと過ぎた頃に撮った写真。元旦に八坂神社で引いた凶のおみくじのリベンジもしてみたいと、そういう気分も多少あって春日大社に行ってみようと思い立った。最近奈良との境界辺りが関係深くなっているようで、春日大社を選んだのもその程度の関連からだった。
ちなみにお正月に引いたからといってそのおみくじに一年の吉凶がこめられているかというと実はそうでもないらしく、おみくじの有効期限は自分で決められるんだそうだ。だから凶の日々は今日までと決めてしまっても一向に構わないということで、奈良公園や奈良町は行ったことがあるんだけど春日大社は本殿まで行ったことがなかったので、行ってみようという気分になった。
最初に行ったのは夕方近く、三が日は過ぎていたので人通りは極端に多くもなく、参道には疎らではあるけれど屋台もまだ店を出していた。結果的に云うとこの日は本殿まで辿りつけず意外と遠い道筋に途中で飽きてしまった。
長く単調な参道を歩きつつ、まだつかないのかなぁと思いながらふと空を見上げると、参道の両側の木々から参道の上空をかけ渡すように電線が張られていて、その電線に転々と電灯が並べてあるのに気づいた。
見つけた時は明かりが灯っていなかったので、もっと暗くなってからくるとこの電灯の列が参道を照らすんだなと思うと写真を撮りたくなって、でもその日は明かりが灯るまで待てずに帰宅、翌日だったかその次の日だったか、今度は暗くなってから行ってみた。
この辺が凶を引いた証だろうと思うんだけど、再度行ってみたら辺りは真っ暗闇で、お正月三が日をわずかに過ぎていてもそれなりに歩いていた観光客も誰も居ない。
帰ってから調べてみたら、どうやら最初に行った日がお正月モードの最後の日だったようで、空に浮かぶ明かりを撮ろうと思って暗くなってから行ったこの日は既に通常運転。閉門時間まで早くなってしまっていて、門前払いを食らった形になった。もちろん屋台なんて何一つ出てないし、空の電灯はまだ設置されてはいたけど、真っ暗闇の夜空に溶け込むように明かり一つついていなかった。
参ったなぁと思ってほとんど人通りも絶えた奈良公園で仕方なく撮っていたのが今回の写真だ。夜に撮るということで持って出たのはデジタルのほうだったんだけど、三脚は持ってこなかった。もうちょっと明かりがあると手持ちでもそれなりに撮れたと思うんだけど、結果は大半が手振れしていた。まぁそれもその時の写真の形として現れたものだから、問答無用に失敗とは思わないんだけど、手振れにも気落ちした気分が乗っかっていそうだった。
それからあと、今に至るまで春日大社に行ったのは一度くらいかな。一応本殿までは到達したんだけどおみくじコーナーは人が並ぶほど盛況で未だに凶のリセットは果たせていない。
点々と灯る丸い街灯に誘われて夜の様々な位相を巡り、やがて遠くの闇の中へと消えていく。
夜に撮るのも結構面白いね。フィルムだと夜に撮れる自信がまるでないけど、デジタルは夜の撮影にはかなり有利なんじゃないかと思う。もうちょっと暖かくなったらまた誰も居ない夜の奈良公園で今度は三脚も担いで歩き回ってみようかな。
☆ ☆ ☆
Schoenberg: Verklärte Nacht
夜の曲で頭に浮かんだのがこれ。無調の音楽が浪漫主義の行き着いた果てだというのがよく分かる。
中古で買ったE-P5のほうについていた。目測、パンフォーカスのトイカメラや写ルンですっぽく使えないかと、さらに旧機種のE-P3につけっ放しにしてある。でもやっぱりどこまでいってもデジタルはデジタルというか、逸脱部分までもすっきりと割り切れた逸脱として綺麗に写り、ローファイのテイストは出てこないなぁ。
わたしが持っているCDはカラヤンの指揮した、シェーンベルクのほかにベルク、ヴェーベルンの曲が詰め合わせになっているこれの古いバージョンだけど、どのバージョンもみんな高くなってるなぁ。
高くなっているといえばこの彗星絵具箱で以前に取り上げた、サラ・ムーンの写真集「12345」。最近たまたまこれの英語版のアマゾンでの高騰ぶりに気づいてちょっと吃驚した。あの値段で買う人いるのか?写真集は市場から弾数が不足し始めると急激にプレミア化するものが多い。これもその類のものなんだろうけど、それにしても手に入れられる値段の時に買っておいてよかった。