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物質化する情緒 / Rosemary Clooney - Look to the Rainbow

黄色い自転車





地を這うライン





たわわちゃん





トリコロール観光

2015 / 03 梅田
2017 / 06 京都駅
2017 / 04 京都タワー
2016 / 11 京都駅
Pentax 67 / Nikon F100 / Olympus μ2 / 写ルンです
Fuji Reala Ace / Fuji 業務用400 / Kodak Tri-X

ちょっと大層なタイトルで纏めてみた。
物質化する情緒。ごつごつとした語感でいかにも意味ありげなのがかっこいいんじゃないかな。物象化した情緒なんてさらにごつごつした感じで書こうとしたけど、これはちょっと別方向を向きすぎてるような気がして却下してしまった。
まぁこんな風に特殊なテーマのようなつけ方をしても、よく考えれば写真とかどれも結局はこういうものであるし、そういう意味では大層なわりに何も云ってないに近いまとめ方でもある。

元々脈絡も無い写真をこうやって並べてみて、自分で思ったのはふわふわしたような柔らかさとは違う方向を向いてる写真だなってことか。フレームに満ちている光も硬いエッジを備えてるような感じがする。眺めているとあらためてそう云うのが自分の感覚の資質の一つなんだろうなと思う。最近は陰鬱な暗い幻想のようなものに興味が集中してるけど、触れば皮膚が切り裂かれそうな硬質の光に満ちた写真とか、そういうのも撮ってみたい。

先日夕方から奥歯が痛くなってきて、夜の7時過ぎ頃にはこれはちょっとやばいんじゃないかと思い始めていつも行ってる歯医者に駆け込んだ。ところが、いざ診察台に寝そべってどういう風に痛いのかとか聞かれても、痛みの表現なんて難しすぎて上手く伝えられない。レントゲンを撮ってみるも、これは意に反して特に悪くなってる箇所もなさそうって言う見立てだった。結局その夜はロキソニンを出してもらって、治療そのものは次回の診察に持ち越しとなり、今現在はロキソニンが効いたのか何とか痛みは治まってる状態だ。被せてある歯なので、その中で不都合なことが生じてるか、まぁ痛みの原因はそのうちに判明すると思うけど、年末に歯医者通いは興ざめもいいところだなぁ。

なかなかシャッターが切れないという精神状態が続いているなかで、去年同様に、帰る場所でありまた再び出発する場所でもある京都駅の写真を集めて、これが今年の最後の更新となる。
ということで、今年もありがとうございました。また来年も彗星絵具箱をご贔屓に。

皆様も良いお年をお迎えください。




Rosemary Clooney - Look to the Rainbow


まぁ年末年始だし少し前向きの歌という感じで。この曲は以前モルモンタバナクル合唱団のを取り上げたことがあるんだけど、今回はローズマリー・クルーニーのもの。
押し出しのいい甘さを抑えたいなせな歌い方が、ロマンチックな歌に新鮮な雰囲気を付け加えてると思う。














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緑の深度2

不動川2






不動川3






不動川 4






不動川 5
2017 / 12 棚倉 不動川
Fuji 写ルンです シンプルエース

この前フォトハウスKで現像してもらった写ルンですからさらに数枚。
小雨が降ってる曇り空の日、普段なら絶対に出かけない空模様だったけど、陰鬱な雰囲気の写真が撮りたくて出かけてきた。この日の雨は体が濡れるほど降ってもいないのに道は濡れていて陰気くさいと、目的にぴったりなものだったから妙にうきうき気分だった。
この場所を見つけたのはグーグルマップを眺めていて、山中にポツンと点在してる「名も無き公園」という名前の公園を目にしたのがきっかけだった。変な公園だなぁと興味を引かれ、そこへ行く道はどんなになってるんだろうと脇を走ってる川沿いを辿ってるうちにこういう建築物を見つけて、実際に行ってみたという成り行きだ。
一見打ち捨てられた廃品置き場のような印象だったものの、奥のほうで断続的に何か木材でも切ってるような音がしていたから、そういう作業場のようなところだったのかもしれない。見た感じわたしの中では辺境にある砦のようなイメージが重なってた。
それにしてもグーグルマップのストリートビューなんか見てると、これはまさしくストリートスナップじゃないかと思うことが多い。カメラ持って町に出かけることを別の形で実行していて、ストリートビューにはなんだか街の写真を撮りに出かけていくことの意味合いを奪われてしまいそうなところがあるなぁ。

全体にあまねく回り込んだ薄暗い光。暗いんだけどその暗い光を一杯身に纏わせ、湿度を帯びたその光によって浮かび上がる空間や色合いが結構お気に入りだった。




小雨が降る曇り空の、さらに影となってる領域は、これで撮るには結構きつかった。もう少し光が入ってる状態がこのカメラの写る限界かな。写ルンですはフラッシュをいかに抵抗無く焚けるかが上手く使う秘訣なんだけど、遠景ではフラッシュが届かないのでこういう写真ではあまり意味が無い。このあたりの限界の見極めとか、アンダー時のフィルムのイレギュラーな反応だとかは使ってるうちにわかってはきそうだけど。




緑の深度

緑と螺旋





六角柳





不動川1
2017 / 11 三条
2017 / 11 六角堂
2017 / 12 棚倉 不動川
Fuji 写ルンです シンプルエース

写真以外のいろんなものが写りこむ写真と、目の前にあるものだけが写る、フレームの中に見えるものだけしか写っていない写真と、自分の嗜好は両極端に分かれていて揺れ動いてる。とは云ってももちろん完全に両極へ振り切ったような写真は撮れるはずもなく、この二つの混ざり合った度合いが異なる写真を撮ることがほとんどだと思う。
最近はどうやら気分のバランスがこの両極の中央辺りにあることが多いようで、そういう時はこれは撮るべきなんだろうかとか、構えてみたもののどこが良くて構えてしまったのか自分でも即断できないとか、カメラを構えてしまう衝動はあっても、その正体が掴みきれなくてなかなかシャッターが切れなくなる。自分が何をどういう風に撮ろうとしてるのか見失ったような気分になってる。

先日久しぶりに現像に出せた写ルンですからまずは写らなかった写真をピックアップ。写ルンですは思いのほかよく写るカメラなのに、今回は本気で露出アンダーのコマが頻出してた。一応CDにしてもらってるので、そこからデータは取り出せたものの、この露出のまるで足りないフィルムではうちの壊れかけのスキャナーではまるで歯が立たず、一面の粒子画面になるだけのコマが多かった。
絞り、シャッタースピード固定のカメラに期待するとしたら、上手く写る方よりもその制限によって上手く写らなかったほうだろう。どういう具合に上手く写らなかったのか、これを基準にしたほうが、もちろん上手く写る時の雰囲気も大好きなんだけど、この類のカメラは特性を発揮し始めると思ってる。
イメージの染みだとかイメージの何かの痕跡だとか、染みのイメージや痕跡のイメージじゃなくて、そういうイメージになるかならないかのぎりぎりのところで陽炎のように揺らいでる何か、そんなのが撮れれば面白いだろうなと思う。
最初のは草木に覆われた螺旋階段のステップ。これは影の中にあっでも一応道路に面して開いていて、太陽光から隔絶されていたわけでもないのに、まるでフィルムに痕跡が残ってなかった。二枚目のは六角堂の六角柳の内側から。ちなみにこれは縁結びの柳だ。最後のは棚倉、雨の日の不動川へ降りていって撮ったもの。最近は雨の日や曇りの日に撮るのが興味をひいてる。




冬の道標

通路の幾何学





漆黒ハンドル
2017 / 03 高の原
2017 / 04 新祝園
Olympus XA2 / μ2
Kodak SuperGold 400 / Kodak Tri-X

撮った者の贔屓目で云ってみると、彩色銅版画風というかエッチング風味というか、ここでもまた版画家志望の内在する我が奇妙な欲望が垣間見えてるような気がする。しかも平面的。立体空間を相手にしながら奥行きを地ならしして平面へと置換していこうとする衝動もまた絵画主義的な嗜好、さらにいうなら日本画的なものへの嗜好の表れだろうと思う。写真を撮りながら、写真は表現には馴染まずコピーであることが本領などと、写真原理的であろうとすることに意図的であるにもかかわらず、出来上がるものはいわゆる写真的なものにはちょっと距離を置いてるように見えるのが自分としては面白い。

去年の今頃、笠置に入り浸っていた後で、奈良方面へ向かう電車の各駅で降りて写真を撮ってみようと思い立って撮っていた写真から。それにしても笠置で写真を撮っていた時からもう一年経ったとは信じられない。電車待ち30分の連続二段攻撃なんてまるでつい先日の出来事のようだ。
最初のは近鉄の高の原で降りて歩き回っていた時。ここは近鉄の線路沿いに細い河を挟んで並木道が延びていて、車窓から眺めるたびになんだか絵になりそうで写真に撮ろうと思ったところだった。実際に歩いてみると対岸から見るのとは大違い。大して見栄えがする道でもなくてがっかりしたんだけど、この場所だけは幾何学的で妙に気に入ったところだった。使ったXA2は買った時に入れた電池が入れっぱなしで放置状態だったのに、チェックしてみると未だに電池OKのブザーが元気一杯に鳴るしそのまま使えてる。物凄くコストパフォーマンスがいい。
二枚目のは新祝園の駅だったか、広い道路に舵輪のオブジェが突っ立ってた。うしろの遊歩道が別に特殊なレンズを使ったわけでもないのに魚眼っぽく歪んで見える。

最近あまり写真が撮れなくて、フィルムがなかなか消費できないでいる。ニコンのF3に入れたモノクロは撮り終えられずに春頃からカメラの中に入ったまま。ちょっと気分を変えようと最近絞りもシャッタースピードもほぼ固定のボックスカメラであるホルガに感度100のリバーサル、しかも期限切れを詰めるなんていう無謀なことをやってみて、これはどこまでちゃんと写るのか実験してみるような感じになるだろう。ホルガはマグナムの写真家が使っていたり、ハッセルとともにお気に入りカメラだと公言するマイケル・ケンナがこの冗談のように破格のカメラで撮った写真を集めて写真集を出したりと、流行遅れのようにみえながらもいつもどこかで地下深くに熱を溜め込んでる印象だ。
こんな自分の撮影状況の中、一ヶ月近くかけて昨日ようやく写ルンですを撮り終え、今日久しぶりにフォトハウスKに現像を頼みに行くつもりだ。新しく撮った写真を眺めるのは結構久しぶりとなるので、どんな風に写ってるのか、どんな風に写ってないのか結果を見るのが楽しみだったりする。