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表徴 / Bat-Rat-Spider Creature

k





あちら





階段





天空の蜂





砕け散る光
(1)(3) Nikon Coolpix S9700 (2) Contax T3 (4) ハチカメラ (5) Fuji Clear Shot S AF
(2) Fuji 業務用400 (4) 110フィルム (5) Lomography Colornegative 400



去年の夏、それ以前から急降下しつつあった体調に対して、大腸内視鏡検査および組織検査等で潰瘍性大腸炎と診断される。その後一月ほどサラゾスルファピリジンの投薬、さらにその一月がすんでから薬をペンタサ顆粒に変えてさらに二ヶ月ほど、そしてその飲み薬にさらにペンタサの座薬を追加して去年の年末頃までにはわりと普通の体調に近づくところまではこぎつけることが出来ていた。ところが今年に入ってお正月を過ぎた辺りから症状が再燃し始めて、粘液と下血の大バーゲンセールと化す。一日に十数回、便器が血に染まるのを見るのは、その原因がわかっていて理屈として納得はしていても、感情は荒れ騒ぎ気が滅入ること夥しく、症状が収まりつつあった去年の暮れ頃には何だ難病と云ってもこれならどうってことないと思っていたある種の安心感ははかなくも崩れ去って、さすが難病指定を受ける病気だけあると思い知らされることとなった。安倍総理がこの病気で左翼の心無い中傷、嘲笑に晒されていたけれど、罹ってみるとこの病気の性悪さ極悪さを嫌というほど体感できる。何しろ外出が出来なくなる。いきなりの猛烈な便意に突き上げられて、この唐突さはその直前まで気配さえなかったのに瞬間的にマックスに近い状態でやってくるんだけど、ものの一、二分で駆け込めるトイレをいつも視界の隅に捉えていないとその場で詰んでしまうような状態になる。ちなみにわたしは二階の自室でいきなりマックスのこれに襲われて、一階のトイレに駆け込むのに間に合わず階段途中で洩らしてしまったことがある。本気で情けなくなるよ、これ。そしてこんなことが外出先で起こったらなんて思うと、これはもう恐怖でしかない。ちなみに潰瘍性大腸炎は大腸内部に炎症、糜爛、潰瘍などが生じる病気なんだけど未だに原因が特定されておらず、完治させる治療法も確立されていないために難病の指定を受けている。一応免疫の異常ということくらいは分かっているらしいものの、なぜ免疫が異常を起こして自分の腸を攻撃してしまうのかというレベルまでは解明されていないということなのか、治すんじゃなくてとにかく症状を押える類の治療しか出来ないのが現状のようだ。根本的な部分で治せない病気ゆえに症状が緩やかな時と派手に発現してしまう時期を繰り返すような形となって、治療はまず寛解させて症状が治まった状態へと持って行った後、その寛解状態を出来るだけ長く維持していくという形を取ることになる。たとえ下血も粘液の下痢も無く、お腹が痛むこともまるでなくて美味しくものが食べられるなんていう状態になっても、この病気の場合はそれは治ったわけじゃなくてただ症状が治まっているだけということだ。わたしの場合、結局ペンタサ顆粒で寛解を維持できなくなって今年に入ってからはリアルダ錠とペンタサ座薬という組み合わせに薬が変わった。リアルダもペンタサも中に入っている薬はメサラジンといって同じものなんだけど薬の体内での振舞いがかなり異なる。ペンタサがメサラジンを徐々に放出するカプセル構造の顆粒で出来ている一方、リアルダのほうは錠剤の形をしており、大腸内のpHで始めてその錠剤が開くような仕組みでメサラジンを大腸患部へとピンポイントで運んでいく。このリアルダがそれなりの効果を発揮してくれてるのか、明日のことは分からないにしても今のところは今年に入ってから大暴れしていた症状も徐々に治まりつつある。リアルダの再燃時の服用量である4錠を夕ご飯のあとに服用する。冷蔵庫保存という条件が若干厄介だけど、この一日分を一度に服用してお終いというのは薬としては扱いやすい。ただ服用回数がシンプルなのはいいにしても、一個の錠剤がとにかく馬鹿でかくて、これ簡単に飲めない人もいるんじゃないかな。アメリカのサプリなんかによくありそうな巨大な錠剤が頭に浮かぶ。わたしはアメリカのサプリとか使っていたことがあるのでこの巨大なサイズについてはそれほどビビらなかったんだけど、4個一緒にはさすがに飲めなくて、一錠単位で4回に分けて服用している。状態が落ち着いている時以外は写真を撮りに出かけられなくなっているのが歯がゆい。それでもカメラ持ってできるだけ撮ろうとしているんだけど、思うのはこういう体の状態は撮る写真に何か蔭のようなものを落としているんだろうかということ。どこか以前と違う何かが混ざりこんだ写真を撮ることになっているのか、あるいは潰瘍性大腸炎がどうであれ、そんなものの影響なんかまるで感知出来ないくらいいつも通りの写真を撮り続けているのか、こういうのはちょっと興味深いところだ。自分が身体のどの部分に依存して写真を撮っているのか、ひょっとしたら写真が教えてくれるようになるかもしれない。今回の写真は街中に潜むしるしを拾い集めて、そのしるしに秘められた暗号でも浮き上がらせるべく何か画策してやろうかと思ったものの完全に腰砕け。中井英夫の「人形たちの夜」のパート3探偵小説編みたいな、見慣れた街が非在の空間へと裏返るようなことが体験できれば面白かったんだけど。何だか今回の選択は写真相互の化学反応さえも呼び起こしてなさそうだ。街の中でなぜか気を引くオブジェや空間。気を引くがゆえに注意を集中していると、そばだてる耳元にそれらが語りかけてくる何かの啓示や指示めいたものが微かに届いてくる。そういうものに耳を傾けているうちに日常は何か異様なものへと変容していく。目の前の立て看板から本当に神の啓示が聞こえてきたら、これはちょっと危ない状況だと思うので、そういうのを擬似的に写真を撮ることで体験できないかなと、そういう遊びをしてみたい。ちなみに最初の「K」階段の写真が一番最近撮った写真。潰瘍性大腸炎が再燃し始めた頃に撮った写真だ。写真のストックを眺めてみると今までにこのタイプの階段の写真を複数撮っている。上がっていく階段が光を暗示する方向へと消えていくというパターンが多くて、こういうジェイコブス・ラダーっぽいのが好みなのか。階段特集なんて纏め方で他のもそのうち披露してみよう。この場合気に入ってシャッターを切った要因は、上方へ消えていく階段であることのほかに、薄暗い中で階段を浮かび上がらせている光が仄暗く柔らかい間接光だったということもあった。今大阪市立美術館で展覧会をやってるから書いてみたりするけど、まるでフェルメールだ。駐車場のフェルメール。フェルメールが宇治のこの場所に立ったら、この左上から差し込む光の中に浮かび上がるがらんとした空間と階段と自動車を前にカンバスを立てているかもしれない。




50~60年代の古いSF映画に登場してカルト的な人気のあるモンスター、Bat-Rat-Spider。「The Angry Red Planet」という映画に出てくる、監督のイブ・メルキオールは小説家でもある才人で、おそらく今では何一つ入手できないと思うけどナチスが絡むような冒険小説が講談社や角川から出版されたことがある。このモンスター、長い間スチール写真のみで見ていたもので、その頃からどんな動きをするんだろうとか、その異様な外観も相まって頭の一角に居座り続けていた。映画を見る機会があった時、今でも覚えてるんだけど大昔KBS京都がまだ近畿放送といっていた頃の昼の映画劇場で始めて動いているのを見た時には本当に感動した。でもこの愛すべきモンスターのこの映画の中でのあしらわれ方はちょっと酷いと思う。死んでると思われたのか何だか知らないけど、ただそこにじっと佇んでいただけなのに、思慮を欠いた宇宙飛行士に足を傷つけられて、正当防衛の反撃をやったら今度は眼を潰されてしまう、このモンスターの運命には本当に同情する。眼なんか潰されたら、あのよたよたと逃げていった後、おそらくまともに生きていけなかったんじゃないか。このバットラットスパイダーがこの映画のサイケデリックな造形を一番体現しているモンスターだけど他のモンスターも結構シュールでセンス・オブ・ワンダーに満ち溢れていて楽しい。今の映画では映像はリアリティに満ち溢れているくせに、こういう異世界的な幻想感覚ってなかなか感じ取れないので、この頃のSF映画は本当に好きだ。




邦題は「巨大アメーバの惑星」確かに巨大アメーバは出てくるんだけど、それでも原題そのままか、直訳でも良かったんじゃないかと思う。




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