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IN ' OUT '  機械式辻占師言行録Ⅵ

黄光





空が通る穴





地のモンドリアン






ジグザグ
2018/10~2019/05 宇治
写ルンです / Canon DEMI EE17
lomography colornegative 100



五月の二十日に指定難病の特定医療費支給認定の申請を保健所に提出してきた。これは指定難病に関して高額の治療になった場合に、治療費が設定された上限を超えた分は公的に支給してもらえるという制度だ。難病だと誰でも承認、支給されるかというとそうでもなくて、提出の翌月には審査があり、その審査に通って始めてさらにその翌月に認定証が発行されるという段取りになっていた。認定までの三ヶ月というのはやっぱり待っているとやきもきする期間だったんだけど、それでも無事に審査をパスしたようで、書類にあったスケジュールどおりに七月の下旬には認定証が無事にわたしの手元に届くこととなった。これで一安心。わたしの病気の場合高額の治療となると10万単位のものもあるそうなので、そういうのが必要となった場合20万30万と簡単に請求されても、到底実費では払えないことになるところだった。でもこの申請が通るのを切望してはいたけれど、いざ手にしてみると、軽症だと通らない審査だと聞いているから、これはもう確実に軽症ではないとお墨つきをもらったようなものだなぁと、なんだか逃げ場がなくなってしまった気分にもなる。写真は、これは最近撮りに出かけられなくなっていると書いているその時期に、それでも少しずつ撮っていた今現在の写真から何枚か。ポップでキュートでグラフィカルでシュールという呪文に沿って、あるいは生成する空間みたいな関心事を出発点にするような、要するに最近の思考をストレートに押し出そうとしたものとでもいえるかな。といったことを書いたとしても、そういう写真なんだと納得する必要もさらさらなかったりする。撮った本人が書いているからといって何もかも正直に書いているとも限らない。タイトルは今回も偶然性の海から救い上げようと嬉々として遊んでいたんだけど、写真の中にたまたまこのフレーズを見つけ、もとは駐車場の案内表示ではあるものの、なんだか写真ぽい何かにリンクしているように感じて急遽これに決定することとなった。レーモン・ルーセル的方法に色目を使ったりと、最近はもう具体的な内容に沿ったタイトルなんかつける気がまったくなくなっている。後で見返したときタイトルからはどういう内容だったのかまるで判断できなくなるだろうと予測するものの、そういうのもまた混沌として楽しそうでもある。大体、事の最初の「彗星絵具箱」からして水彩絵具のずらし、読み替えなんだからして、最初の感覚に回帰しているといってもいいのかもしれない。もとからこういう遊戯事を好む人間だってことだ。写真集を眺めていたり、美術書を眺めていたりと、まぁビジュアルに関わらず本そのものが好きということもあるんだけど、そういう時間を持つことが楽しいと思う反面、写真集は高価だという壁にやすやすと突き当たることがほとんどだったりもする。新刊も豪華な印刷技術を駆使したりしていると当然価格は跳ね上がるし、写真集なんて初版を逃したらまず書店では目にすることもなくなり、古書となるとこれまた驚愕するほどの値段がついてたりするのがざらだ。おまけに海外の写真集の古書となると高価である以前に本そのものを目にする機会もまれになる。そこでそういうフラストレーションを紛らわせるためにたまにする遊び。諸事情でどうせ中身を見ることがかなわない本なら、ここはいっそのことその中にどんな写真が隠れているのか想像して自分で撮ってみる。手に入らないなら捏造、擬態してみるってことだ。大体見たいと思っている写真集ならどこか自分の嗜好にシンクロしているところがあるはずで、そういうところは何なのか、本や写真家を取り巻くあらゆる要素とフィードバックしながら探り当ててみる。これは擬態しながら撮った写真が、その擬態のもととなった本の中に実際に似たようなものとして載っているかどうかなんていうことはまるで重要じゃない。結果として呆れかえるほどに違っていてもまったくかまわない。元になるものを知らない、見たことがないというのがポイントで、模倣のようでいて模倣でもない、でも自分の嗜好がどういう形で自分の中にあるのかわりと分かりやすい形で浮き出てくることもある、ちょっと不思議な試みになることがある。ちなみに今回の写真の中にそういった方法論で撮ってみた写真が混じっている。


ボストン サングラス
最近のファッションというか、この夏買ったサングラス。白のTシャツと黒地に水玉のショートパンツを身に纏い、アクセサリーを色々つけて、このサングラスで夏の白い日差しの中にいる。上の派手なのはユニクロ、下のは3COINSで売っていた。雑貨屋の安いサングラスの類だ。両方ともボストンでこうやって並べてみると、見た目の派手さに違いがあるのに、それを上回って同類の眼鏡デザインという感じが強い。結局似たようなものを買ってしまって、こういうボストンやラウンドの眼鏡がよほど好きなんだなぁと単純な自分の嗜好に若干あきれる。なにしろブログのURLまで丸眼鏡主義だ。ユニクロのは一見派手すぎて眼鏡だけ浮いてしまうように見えるものの、かけてみると意外にそうでもなくて悪目立ちもせずに落ち着いた印象になるのが不思議だ。販売の終盤では500円にまで値崩れしていたのは、みんなこの一見の派手さに騙されて手が出なかったという事なんだろう。とまぁこの夏雑貨系のサングラスを色々と物色してみたんだけど、普段に度入りの眼鏡を使ってるから、ただのサングラスはかけかえる場合結構面倒で、やっぱり度入りのサングラスのほうがいいなぁと思った。両方ともおもちゃみたいなサングラスだからこれに度入りのレンズを入れるというのも無理な話で、だから気に入ってはいるものの結局のところこれはそんなに長く使えるものでもなさそうだ。これにくわえて最近お気に入りになっているものは靴で、まぁ極端に暑くなってからはサンダルに切り替えたけれど梅雨の終わりくらいまで厨房シューズを履いていた。滑らない靴としてワークマンのスニーカーでいちやく有名になったコック御用達の靴という存在なんだけど、この厨房シューズをコンセプトに作ったワークマンのはあまり好きじゃないスニーカーっぽさがあって、わたしが梅雨の終わりまで愛用していたのはシェフメイトという本物のコックさん用の靴だった。サボっぽいコロンとしたデザインが結構可愛らしくて、お気に入りになっている。厨房という水場で使うのが目的の靴なので、謳い文句どおり濡れた路面でも本当に滑らないし、パッケージには明記していないけれど防水性もかなりある。アマゾンのレビューなんかでは合皮のテカテカした艶があるのがどうも不評のようだけど、わたしはもっとテカテカしてエナメルの靴のようになっていたほうがいいと思ったくちなので、テカテカしてる艶もほとんど気にならない。ポリウレタンの合皮なので何もしなくても空気中の水分に反応して劣化していくはずだけど、2000円前後の価格なので履き潰し、買い換えていく靴として割り切れるだろう。見ようによってはモード系の服に合わないこともない雰囲気で、ギャルソンの靴だと言い張ればひょっとしたらなんとなく通用してしまうかも。モード系によく見るわりとごつごつした靴って云うのも好みで冬には編み上げのロングブーツなんていうのも買ってみようかと春先くらいから計画中なんだけど、その欲求のある部分をこの厨房シューズが満たしてくれてる感じもある。





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