2022/02/25
知覚の地図 XXX 、電球の柔らかさがこの世で一番重要なことだとして

世界はすぐに大事なものを奪おうとする。(田中諸葛孔明)
柔らかさが一番重要な電球について、きわめてシュールなイメージで飾り立てる一文を思いついて、これはメモしておかないとと思いスマホを取り出してみると、入れているアプリ、メルカリとブックオフからお知らせの情報が入っているとの表示が出ていた。なんだろうととりあえずメッセージを確認、派生する情報も含めて思わない時間を費やして、情報を確認し終わった後でなぜかそれでおしまいと納得してしまった。しばらく時間がたった後で、そうだ思いついたことをメモするところだったんだと思い出し、もう一度スマホを取り出したんだけど、その時はなんと思いついた一文はわたしの頭の中からすっかり流れ去っていた。すごい一文だったという感触だけは頭に残っているんだけど、どんな内容だったかはまるで思い出すことができない。時間的にはそんなに経ってはいなかったんだけどなぁ。ということで電球の前の空白は本来はいるべきだった凄い一文が永遠に消え去った跡地ということになる。
写真は電球の柔らかさを説く熱っぽい内容になるどころか、ここぞとばかりに固くカチカチのイメージだ。柔らかいとろけるような闇の写真とか撮れたらかっこよさそう。

ジャック・リッチー「クライム・マシン」を読み終える。単行本で持っていたので、持って出かける際はバッグが重くなって辟易したものの、単行本で読む快楽に久しぶりに目覚めてしまった読書でもあった。本は2006年の「このミス」海外部門で一位を取ったミステリ。わたしが単行本で所持している理由はこれで、このランキングを見てその年に買ったから。この当時まだ文庫化はされていなかった。余談だけど、のちに古本で間違えてもう一冊買ってしまい、値段は200円ほどだったんだけどただでさえ嵩張るのに余計な一冊が本の山に積みあがっている。きれいなほうを手元に置いておいて一冊売ってしまいたいんだけど、なにせ200円で買えるような代物だから売れたとしてもろくな値段にはならないだろうなぁ。
掌編と呼べるほどの短いものから連作短編ものまでの14篇を集めた短編集となっている。
内容はシンプルに一言で云ってしまえるので、かえって説明するのが難しい。小粋なミステリ、ただこれだけで十分なんだけど、多少言葉をそえるなら、風変わりな状況に、人を喰ったようなユーモアとひねりが効いたプロットが掛け合わされて完成したスタイリッシュなクライム・ノベルといったところか。謎めいた事件が起こってそれを探偵が理詰めで解決すると云ったいかにもミステリというのはほとんど入っていない犯罪小説がメインなので、なぞ解きを期待すると、全体の洒脱な雰囲気も相まって肩透かしを食らうことになるかもしれない。いっぱい言葉をついいやすことは野暮だとばかりに可能な限りシンプルに仕上げようとしたそのスタイルは、このひねりとユーモアの超絶技巧をただひたすら堪能しろとでも言っているようだ。
全編、読後心の中で「あっ」と思わず声を出していそうな予想外の結末に向かう語り口に関心のほとんどを持っていかれると思うけど、それぞれ趣向の異なる凝った状況を取り揃えているのもなかなか面白い。表題作のタイムマシンの使い方も、こういうガジェットを時間移動を中心としないこんな形で犯罪に絡めるなんて、まぁ普通は思いつかないだろうし、殺す前に必ず相手の年齢を聞く殺し屋とか、もちろん尋ねる理由はあって物語の中で納得できるようにはなるんだけど、そもそも最初にどういうところからこんな発想を得たのか頭の中の舞台裏を知りたいものだと思うようなのが勢ぞろいしている。
海外の小説はその時代や他国の町の背景雰囲気、空気感、そして登場する人物のものの考え方や一番単純なところではその名前なんかに馴染むのに日本のものよりも多少は労力を使うし、その辺りは日本の古典を読もうとする時の気構えみたいなものに通じるところがあるかもしれない。でもこの短編集にはそういう海外の小説独特の取っつきにくさみたいなのはほとんどなくて、掲載作の中にはあまりピンとこなかったものはもちろんいくつかあるものの、総じて読みやすかった。気に入ったのは最後の一行の驚きに向けてその前の全行が収斂していく「殺人哲学者」全編騙しあいの「エミリーがいない」あたりかな。表題作の「クライムマシン」はセールスマンとタイムマシンの組み合わせが、日本のある漫画を連想させ、ジャック・リッチーのほうはタイムマシンを使いながらあくまで犯罪小説として構成し、時間旅行で話を組み立てなかったへそ曲がりに近い荒業が面白いものの、読後の感覚は時間旅行そのものを扱ったこの漫画のほうが奇妙さにおいてはタイムマシン物の王道として意識に残る。
書かれた年代は60年代から80年代にかけてというところらしいけどヒッチコックが好んだなんていうことも聞くと、イメージとしては時間も鷹揚に流れている古い時代の雰囲気のほうがしっくりきそうだ。
たとえるなら諧調性が豊かなしっとりしたモノクロの映画にすれば似合う。表題作に登場するタイムマシンも最先端の研究室が似合いそうなものじゃなく、レトロで優雅な曲面で構成された銀色に光る本体に、デジタルじゃなく針で数値を示している丸い窓の計器が並んでいる操作盤といったいでたちのタイムマシンでないとしっくりこない。
最初このポスターを見た時なんだこれはと思った映画。1961年の台湾製トラッシュムービーで、再発見の後今ではDVDもリリースされているらしい。

ポスターを見る限りでは異様な、見たこともない映画体験ができそうな期待を持つんだけど、実際に見てみるとこれはそういう期待に反して、いい年をした大人が動物コスプレで大真面目に演じている、誰が得しているのかよくわからない映画だった。悪ふざけ感ばかりが目立って、なおかつそれが面白いかどうかはまた別の問題といった感じで、熱演も収まりどころを見失っているようにしか見えない。最近黒澤明の「夢」を見直したんだけど、第一話の狐の嫁入りも言うならば動物コスプレしていると云えないこともないと思いいたり、でもイメージの差は歴然、このトラッシュムービーは「夢」のあの魅了する独自の動きが導く非現実な空間の密度とはまるで違う方向を向いている。って比べるのが無謀か。子供向けに作られたということらしいけど、子供はこれが楽しめたのか?大人は見始めてしばらくすると確実に見ていることが苦痛になってくる。女性陣が子供向けにしては妙に色っぽいのはこれを見る羽目になった大人へのサービスだったんだろうか。なんだかすごい勘違いが集結して奇跡的な一作が生まれ、普通なら散逸してしまっていても不思議じゃないのに、なぜかわたしの目の前にあるという、こういうことのほうが内容よりもはるかに面白いかもしれない。
大俠梅花鹿
最後まで見た、忍耐の人は世界中にどのくらいいるんだろう。
群集心理を利用して国民を意のままにコントロールする方法。情報を遮断し孤立させ選択肢の可能性をすべて奪って、恐怖のみを与えたあとで、唯一の希望として導きたい方向を示す選択肢のみを提示する。こういう形で簡単にまとめられるものなら既に政治的なレベルで用いられているのは確実だろう。ある意味こういうことをやっていない馬鹿正直で善良な政府とか逆に脆弱すぎて大丈夫なのかとさえ思う。ただそうはいっても自分に対してしかけられるのはやっぱりけったくそ悪い。カナダ人ニュースさんはこの手法がいい方向に使われるならと留意しているけれど、他人を意のままに操ろうなんて、その上に積み上げたものがいくら立派でも、根本部分が下衆そのものだというのは忘れちゃいけないことだと思う。
それにしてもカナダは世界の共産化を体現してるかのように、今やまるで中国かと思うくらいひどい弾圧、強権国家になってしまった。あれをもう一度民主主義国家に戻すのって本当に選挙なんかで可能なのか。まともな選挙なんてもう二度とできないんじゃないか。我が国の総理も口が滑ったのか「グレートリセット」なんて口走っていたし、ひょっとしてグローバリスト、トルドーと同じ穴の狢じゃないかと思うと、カナダの出来事はとても他人事とは思えなくなってくる。
と、ここまで書いておいたら、今日はカナダで緊急事態法撤回だと。自由主義国なら固唾をのんで見守っていた希望の光はかろうじて消えずに残った。フリーダムコンボイの人たちが理不尽な仕打ちを受けないように希望する。
「アンプルの中身」
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=5662845950397532&id=100000165488492
この動画、意外と長い間消されずに残っている。でもコメント欄を見ると実際の上映ではそれなりの圧力がかかっていたみたいだ。
二番目の質問者の女性は質問なんかじゃなくほぼすべて自分のやってることの宣伝に終始して印象悪いなぁ。医師の有志の会が関西でも立ち上がったようで心強い。
もっともこういう情報はワクチンが危険だと気づいた人が自分の知識を補強するためにアクセスするのがほとんどで、反ワクとかレッテル貼っておしまいにしている人には絶対に届かない。おそらく耳を傾けようとさえしない。
総じてこの事柄に関しては医者の云うことよりも、製薬会社から金をもらっていないという条件がつくけど、免疫学者の云うことのほうが起こっていることを正確に捉えてるように思う。医者は、隣接しているように見えて自分の専門の医学とはまた異なるこの分野に関しては、思っている以上に門外漢なうえにまるで勉強していない人もいる。人類に対して初めて使われる遺伝子ワクチンである上に、今も治験中で一番怖い中長期的な影響もテストされないままの、さらにワクチンに含まれている物質の全貌も公開されていないような代物の何を指して安全といえるのか、安全だと勧める医者がいるならその根拠は何かと訊いてみるといい。
危険じゃないと主張したがる人でも今のところ誠実に答えるとするなら、ワクチンに関しては安全かどうか誰にもまるでわからないというのがたどり着ける唯一の答えだろう。
まぁそれでも大人が打つのはいろんな情報を自分で得て判断できるんだから、それはどうでもいいんだけど、少なくとも子供はよく考えたほうがいい。これからの長い人生を守っていくための、しっかりとした自己免疫を形成しようと成長している最中の体に、自己免疫を攪乱しかねないこんなものを入れて、いいことがあるとは到底思えない。
三浦医師 講演&対談 前編 「コロナワクチンと女性の副反応 月経異常」
金儲けの医者とは違って本当に医者の資質を持っている人は凄いことができるんだなとびっくりしつつ、講演はかなりわかりやすかった。
わが部屋にやってきた本。
なぞとき <捕物>時代小説傑作選
あやかし <妖怪>時代小説傑作選 PHP文芸文庫
創作する遺伝子 小島秀夫 新潮文庫
枕元の本棚 津村記久子 実業の日本社文庫
やっぱり全部100円。
ブックオフは毎月29日にアプリ使用者に対してクーポンを発行していて、一月のこのクーポンでPS4の中古ソフト「ドラゴンクエストビルダーズ2」を購入。最近はメディア関連はメルカリかブックオフでしか手に入れていない。
創作する遺伝子は免疫学の本かと思ったら、著者の小島秀夫ってゲームデザインの人だし、題から想像したのとは内容は全然違ったんだけど、制作するゲームの背後にあるほかの作品のことなど、かなり興味深いことが書いてある感じだったので購入。多田富雄氏の本など昔読んでいて、この油断すれば命を守ってくれるはずの医者からも納得ずくで命まで奪われそうな時代に自己防衛のために免疫学についてもまた勉強しておいたほうがよさそうだなと思っている。知識は武器だ。でもそういう本は100円じゃ手に入らないだろうなぁ。
陰極まって陽生ず ( 宏智正覚 )