fc2ブログ

極楽鳥は青い光の玉を見て大混乱

トキジ

手の痺れは相も変わらず、まるで他人の手で何かをしているような感触に常につきまとわれて辟易してる。力が入らないわけじゃないけど常に思った分量だけの力が発揮できず、込めた力は思わないところで減衰し、支えられると思っていたものを取り落とすことになる。腕も上がらない。上げようとすれば脱力する反作用に途中でかなり抵抗しながら上げることになる。電気刺激が絶えず課せられる長手袋でもしてるようで、指の輪郭が分かり辛くキーボードが打ちにくい。静音マウスを使ってるんだけど、指の感覚が鈍くなってるせいでクリックしたのかどうかさっぱりわからずに、これはカチカチ音がするマウスに変えようがと思ってる。あとは本のページを繰りにくい。ボタンははめにくくなってはいるものの、まるではめられないといったところまではいってないから、これでもまだましなほうなんだろうけど。
足元は依然ふらついてまともに歩きにくい。なぜこんなに普通に歩けないんだろうと自分でも不思議になる。普段無意識のレベルでこなしているバランスを取るという作業が全部意識のもとに浮上してくるようだ。一応それでも歩けることは歩けるんだけど、不安なので杖を買った。杖つきながらそれでもバランス取れずに不規則に踏み出しつつふらふらと歩いてると、いろいろ気を使ってくれたりする人がいる。これは気を使ってるというんじゃないだろうけど、向かい側から歩いてきた人が避けたりする。階段は特に降りるのが結構怖くてエレベーターを使うことになる。ちなみに家の自室は二階にあり毎日の上り下りは真剣勝負みたいになってる。
腰椎に関して頸椎に続いて撮ったMRIには出っ張って神経を圧迫している部分が写っていた。整形の先生は首よりもひどい状態だなぁと呟く。
もっとも先生は自然に良くなるんだけどなぁとも呟く。
調べてみると、確かにヘルニアは自然治癒するそうだ。免疫が関わってきて、飛び出した部分を体内の異物と見做して免疫細胞が食べてしまうという機序らしい。先生が云っていたことはこのことなのかもしれない。それにしてもこれが本当ならいささか気の長い話になりそうではあるものの、自然免疫凄いとしか云いようがない。人類発生以来とてつもない長い年月をかけて練り上げられてきた繊細で洗練された驚異のシステムだ。免疫がヘルニア克服への頼りになる相棒だとするなら、その洗練された自然免疫システムを、神にでもなったかのような勘違いのもと、神の手業の優雅さとは比べるべくもない粗暴さで殴り書きしなおしてるようなワクチンで、滅茶苦茶な状態にしてしまうような愚かな行為を一切しなくてよかったと、今にして心底思う。わたしを守る自然免疫は、潰瘍性大腸炎でいささか暴走気味だけど、今も無傷だ。こうなれば自分の本来持っているスポイルされてない自然免疫を強化する生活を目指すしかないだろう。
と云っても具体的に何をすればいいのか皆目それらしいイメージをもっていない。とりあえずは食生活から、発酵食品が免疫育成に良いらしいから、味噌汁でも精力的に飲むか。
手の痺れを軽減するために貰ってる薬の名前をリリカという。まるでアイドル歌手みたいに可愛い名前だ。一体だれがどんな基準でつけたんだか。そもそも薬の命名に何らかの基準、ルールみたいなのがあるんだろうか?それとも命名者が趣味性全開で適当につけてるのか。モルヌピラビルみたいにまるで魔女が怪しげな窯で煮ている姿が想像できるような絶対に体に良くないと直感できる名前の薬は命名者がそれとなくこれは毒だと暗示してくれてるんだろうか。いまのところあまり効いてる感じはしないけど、少なくともモルヌピラビルよりはリリカのほうが体には役立ちそうな名前だろうと思う。それにしてもなんだ、モルヌピラビルって。ヌルヌルピラピラ、語感が悪すぎる。




日本最高のボーカリスト。その歌声で日本語の分からない外人をも泣かせてしまうっていうのが凄い。これ、テレビドラマの主題歌だったんだけど、この曲が耳にはいた途端ドラマのほうは頭から吹っ飛んでしまって、この曲だけが占領してしまった。どんなドラマだったのか今になって見てみたい。



Where Is My Love Tonightという曲。

オムレツサンド
京都駅八条口の志津屋でカツサンドでも買って帰ろうかなと思って店に立ち寄ってみると、普段は近所のスーパーの志津屋コーナーでしか買わないものだから、直営の店に置いてある見慣れないアイテムに目移りがしてしまった。で、このタマゴの迫力に目を奪われて、全部カツサンドのパッケージにするつもりが、こちらを思わず買ってしまう。味は美味しかったけど、タマゴがふわふわ過ぎて、おまけにマヨネーズベースのソースが潤滑剤となってやたらとパンから滑り落ち、サンドイッチとして手に保持できずに食べるのに苦労した。




最初ニコ動にあったものを持ってきたけど珍しくニコ動でもバンされた。これはおなじものを我那覇真子さんがツイッターに投降したもの。こっちは言論弾圧されてない。ツイッターはイーロン・マスクによって言論の自由が回復されつつあるのか。ちなみにライブ配信とあるけど、普通に見られる。



「日本怪談集 奇妙な場所」をようやく読み終える。短編集なのに延々と、ここまで時間がかかるとは思わなかった。ひとつにはいかにも怪談といった風情のものが少ないわりに手強い読書体験となるものがいくつかあったのと、我が実生活の諸要素で集中力をなかなか維持できなかったこと、この辺りが影響していたんだろと思う。全体に怪談のカテゴリーを拡張しすぎている。予想外のところから切り込んでくるような話は大好きだし、種村季広氏の選択眼は信頼しているものの、氏の博覧強記に裏打ちされたような趣向を凝らしたあげく微妙に怪談といえば怪談だろうなぁというのが多くて、こうなると典型的な怪談、もう一冊のほうに収録されていた橘外男の「蒲団」のような身の毛もよだつようなのも、あえてべたで分かりやすい怪談になってもいいから読みたくなっていた。
短編集で楽しみなのは未知のお気にいり作家に出会うこと。この本では「鯉の巴」が収録されてる小田仁二郎だった。ぶっ飛んだ話の内容、まるでそうであることが当然であるかのように語られる不気味で奇矯なイメージ、ぬめぬめしたエロチシズムと読み始める前はこんな話だとはまるで想像できなかったし、読み終えてみるとこちらの世界観にわずかであってもトラウマ級の傷跡を残していきそうな存在感を供えていた。ちなみにこの「鯉の巴」が収録されてる作品集「触手」は探してみても昔に一度再刊されただけの古書であるせいかアマゾンで取り扱いなし、メルカリで検索したら5日前に出品されたものを見つけたもののすでに売れてしまっていて、その取引額は6000円となっていた。ひょっとして狙ってる人がそれなりにいる稀覯本なのか?







大森荘蔵 時間と自我 青土社 2000円 
大森荘蔵 流れとよどみ 産業図書 600円くらい
東雅夫編 文豪妖怪名作選 ちくま文庫 400円くらい 小田仁二郎の作品がひとつ入ってる。
町田康 東京悄然 110円
町田康 正直じゃいけん 110円
沼野光義編 ロシア怪談集 河出文庫 110円





スポンサーサイト