【洋画】 AVP2 エイリアンズVS. プレデター

「AVP2 エイリアンズVS. プレデター」ということで、前作が終わったところからきっちりと繋げるように物語は始まります。とは云っても前作とは全く関係のない物語へと展開していきますので、お話としては完全に独立してます。今回の売りは「プレデリアン」。エイリアンとプレデターの両方の力を備えたモンスターが出てきます。

前作で亡くなったプレデターの遺体を回収して去っていくプレデターの宇宙船内。
冒頭のシーンで遺体安置室に置かれたプレデターの遺体の胸を破って、「チェスト・バスター」が飛び出してきます。このプレデターはエイリアンとの戦いの途中、エイリアンに寄生されていたというわけです。
プレデターの遺体から飛び出したチェスト・バスターは、その口元がプレデターのように開く構造を持っていて、これが両方の血を受け継いだ「プレデリアン」誕生となりました。

ところで、エイリアンはプレデターに寄生しただけで苦もなく両者の混合体「プレデリアン」として生まれてきたのに、今までの成り行きでは、人に寄生した場合は人型エイリアンにはならなかったんですよね。
なぜなんでしょう?

わたしはあの長い頭部の先に人の顔がついてるようなエイリアンとか観てみたいのに。

☆ ☆ ☆

プレデリアンによって乗組員を殺されたプレデターの小型宇宙船が地球に不時着、プレデリアンと小型艇のなかで生きて捕獲されていたフェイス・ハガー(尻尾のある巨大蜘蛛のような形態のやつ)が、宇宙船の墜落したコロラドの田舎町にばら撒かれることになります。そしてその事情を知り、エイリアン駆除を目的に、後を追うようにして同じその田舎町へ降り立つのがプレデター戦士ザ・クリーナー1人。

今回の映画はエイリアンの方は複数のエイリアンとプレデリアン(以下、面倒臭いので全部プレデリアンで統一します)が登場するものの、プレデターの方はこの1体のみ。この複数のプレデリアンと一人のプレデター戦士がコロラドの田舎町を壊滅させる話です。

自分の町をプレデリアンとプレデター戦士ザ・クリーナーの戦場にされてしまって、逃げ惑う人間側は、結構人数が多いです。
キャラクター付けされてるけど、明らかにプレデリアンが襲う形を見せるためだけに用意されてるキャラクター以外だと、警官のエディ(ジョン・オースティン)のラインでは刑務所帰りでエディのもとにやってきたダラス(スティーヴン・パスカル)と町では若干問題児扱いになってる弟のリッキー(ジョニー・ルイス)その恋人ジェシー(クリスティン・ヘイガー)、ジェシーを間に挟んでリッキーと反目してる男デール(デヴィッド・パートコー)とその仲間。

もう一つ軍隊帰りの女性兵士ケリー(レイコ・エイルスワース)とその娘モリー(アリエル・ゲイド)のラインもあります。父親はプレデリアン襲撃であっけなく退場し、警官のエディたちと合流するまでは母娘だけのサバイバルとなって、こちらはリプリーとニュートのような扱いなのかと思えば、特にそういうキャラクターを思い出させるものでもありませんでした。
こういう登場人物たちがプレデリアンとザ・クリーナーの破壊行動の最中を、ひたすら逃げまくります。
多人数の登場人物のわりに人の動かし方は整理されていて分かりやすい物語になっていました。

☆ ☆ ☆

映画はプレデター・パートと人間パートの2つの層で成り立ってるんですが、この2つの層はプレデリアンを中継にする部分以外は、映画の中でほとんど交わりません。水と油といえば、混ぜ合わそうと思って混ざらないニュアンスも若干ありそうなので、そういう感じでもなく、最初から両方の層とも交わる気がないというか、そんな感じで進行します。
プレデター戦士ザ・クリーナーはコロラドの田舎町に降り立って破壊の限りを尽くすんですが、人間は全く眼中にありません。ザ・クリーナーの目的はプレデリアンを殲滅することと不時着船に残ってるプレデターや自らの行為の痕跡をプレデリアン共々完全に消し去ってしまうこと。これで全部。

武器を持ってる人間は戦闘意志ありと見做して問答無用で殺してしまう以外、人がどこで何をしていようがその辺に転がってる石ころと扱いは大して変わらず、熱源として視覚に入って認識はしてるけれど、能動的に何かの行動を取って関わろうとはしません。

人間側のほうは、最初から最後まで町を破壊しつくそうとしてる者の正体が分からない。何だか巨大で物々しい異形の者たちが常軌を逸した破壊を続けてるという認識からほとんど出ない状態で、要するに訳が分からないままに最後まで逃げ回ってるだけ。

しかもこの、寄り添いはしてるけれどお互いにそっぽを向いていて、交わる気のない2つの層の内、映画は半ばプレデターの物語を基本において作ってるような部分があるんですよね。

冒頭からコロラドへ墜落するまでは明らかにプレデターの物語として語られます。この部分はプレデターが喋らないために、もちろんプレデリアンも喋ったりはしないので、完全に無言劇!考えてみれば凄い作り方をしてます。暫らくは言葉で説明されない、プレデターの動作だけを見て何が起こってるのか理解しなければならない映画なんですから。もちろんこのシークエンスだけじゃなく、人間パートが併走し始めても、ザ・クリーナーとプレデリアンの部分は無言劇から意味を汲み取らなければならないのは全く同じです。

ザ・クリーナーの行動に重心を寄りかからせるような映画の画面作りをしていくために、ザ・クリーナーが全く無視してる人間の存在は、映画としてはこちらのほうが普通に物語として有るのに、半ば周辺に追いやられてるような感じの扱いになっている部分も出てきます。

本来なら中心にあるものが必ずしも中心に据えられずに進む物語というか、考えようによっては、かなり奇妙な手触りの映画でした。

☆ ☆ ☆

暫らく観ていて、ポール・アンダーソンにしては大音響驚愕演出が出てこないなぁと、多少は改心したのかなと思ってたら、この映画はポール・アンダーソンが監督したんじゃなくて、監督交代してるんですね。
そのせいなのか、生きたままエイリアンの酸で顔が溶けていくシーンだとか、プレデターの銃で一瞬にして人の頭が吹っ飛んでしまうシーンだとか、ゴア・シーンでもちょっとリミッターが外れかけてるような過激さが垣間見える作り方をしてました。

子供もお構い無しに殺していくのもそうとう嫌な感じだったんだけど、病院に侵入したプレデリアンがベッドの上で逃げられないでいる妊婦の口へ大量の卵?を流し込むシーン、同じくベッドで動けない他の妊婦がそのおぞましい光景を見て、次は自分がやられると分かって泣き叫んでる光景など、かなり陰惨な印象でした。こういう傾向を好んで映画に盛り込んで、結果としてPG-12の年齢制限がついたようです。
モンスター同士の対決なんて子供が喜びそうな題材なのに、年齢制限で子供を締め出して大丈夫なのかと、そんなこともちょっと思ったけど、基本過激なもののほうが好きなので、どうせ作ってくれるならこういうののほうがやはり面白かったかな。

☆ ☆ ☆

この映画には実は最大の欠点があって、それは何かと云うと、暗すぎて何が写ってるのかさっぱり分からないこと。

別に誇張して云ってるわけでもなく、本当に何が写ってるのか判別できない。夜の闇の中で黒っぽいプレデターとプレデリアンが闘うわけで、しかもかっこつけて影の部分で絵を作ろうとしてるから、よけいに訳分からなくなってます。
さらに始末の悪いことに爆発の閃光とか、プレデターの暗視ゴーグル風の視界で光が入って眩しくなった次の瞬間に真っ暗な画面を出してきたりして、暗さに拍車をかけたりするんですよね。ちょっと酷すぎ。
リドリー・スコットが自らの「エイリアン」を宇宙版の「悪魔のいけにえ」だと云ったという理由で、撮影には「悪魔のいけにえ」の撮影監督を呼んできたらしいんですが、でもわざわざ呼んできた効果がこれでは何の意味もなかったようです。
監督はモンスターを全部見せきるのは愚の骨頂、見せないから良いなどと云ってるらしい。これは基本賛同する部分もあるんですが、この映画の場合、見せないにも程があるというか、プレデリアンがどんな姿だったか映画を見終わって頭の中に残ってた人ってほとんど居なかったんじゃないかと思います。
闘ってるプレデリアンがどんな姿をしてるのかもう一つ良く分からないというのは画面の暗さ以外にも、至近距離からの撮影方法を多用してるからとか、短いカット割の積み重ねでじっくりと見せないようにしてるとか、他にも要因はあったようです。ひょっとしてアクションシーンをまともに撮る自信がなかったのかもしれません。

☆ ☆ ☆

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(2008/05/02)
スティーブン・パスカル

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Aliens vs Predator Requiem trailer



原題 Aliens vs. Predator - Requiem
監督 コリン・ストラウス&グレッグ・ストラウス
公開 2007年

☆ ☆ ☆

この写真↓は「AVP2」公開当時、京都はムービックス京都で公開してたんですが、そのムービックス京都の入り口に立ててあった宣伝看板です。
四角で囲まれてる中の模様は立体視画像で、この大きさの写真になってもきちんと立体視できます。
見えてくるものはプレデリアンには見えないような立体物なんですが、立体視できるなら、試してみてください。
プレデリアン立体視 Lサイズ
クリックで大きな画像 (1600×1200) が表示されます。

☆ ☆ ☆

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コメント

こんばんは、よーじっくです。
至近距離からの撮影とか、短いカット割りとかって、単に監督の「逃げ」だと、いつも思います。映画館で観てるとイライラして、騙された印象を持ちます。
ただ、テレビで見ると、不思議と気にならなかったりするのは、お金と時間の負担が軽いからなのかなぁ・・・。
いつも、ご訪問くださり、ありがとうございます。ぽち!。

よーじっくさんへ

おはようございます!

そういうのって元ミュージック・ビデオの監督とかがよくやってますよね。わたしも、何が写ってるのか分からないほど短く繋いでるカットってあまり意味がないと思います。
予告編で酷いのがあって、1秒くらいのカットをご丁寧にいちいち暗転付きで繋いだやつを映画館で観た時は、ほとんど点滅してるみたいな見え方が耐え難くて、目を閉じてたことがありました。

応援、コメント有難うございました ☆

初めまして―。
いやぁ、トレーラーを見る限り前作とは比べモノにならない程、
残虐な感じなんですね…
実はちょっと観てみたかったんだけどかなり尻ごみしました。痛そうなのちょっと苦手。
実際こんなエイリアン達が地球に来たらあっという間に人類は絶命しそうですよね。

ナナツさんへ

はじめまして!

人体破壊シーンは見せ場としてそれなりに仕込んである印象でした。でも一瞬でアウト!のようなのが多かったかな。
「ホステル」みたいに拷問でじわじわいくようなのじゃないので、意外とあっさりと見られるかもしれませんよ。

それより、画面の真っ暗さの方が頭にくると思います。DVDで鑑賞したんですが、部屋の明かりを全部消してみても、何が写ってるのか分からない状態は大して変わりませんでした。

実際に来たら怖いでしょうね。この連中、情け容赦がないですから。

これからもよろしくお願いしますね。
コメント、有難うございました ☆

こんばんは!^^

これ観ました。冒頭の土星をかすめるように飛ぶプレデター戦艦や、地球に墜落してくる小型艇の特撮にはグッときたのですが、その後はもうダメダメでした。
色んな人物が出てきてその合間にAとPが活動するところ。仰る通りに画面真っ暗すぎで何やってるのか全然わかりませんでした。
DVDのメイキングで監督やスタッフらが「画面を暗くして観客の想像力をかき立てるんだ。最高だろ?」というようなことを嬉しそうに話しているのを見て腹立った記憶があります。その前にアクション演出とか考えるべきこといっぱいあるのに。特撮畑の監督では限界なんですかね。
あとメイキングでよくある役者へのインタビューですが、どの作品でも殆ど同じこと言ってるような気がしますね(笑)。自分が演じたキャラを客観的に述べたり、スタッフや共演者をベタ褒めしたり。たまには本心を聞いてみたいと思います。すみません、話逸れました(笑;)。

ラストの登場人物が「おお!そうくるかあ」とちょっと嬉しいサプライズではありました。ここだけが見ものだったと思います(笑)。
あと、立体視はできたのですが何なのかわかりませんでした。配給までもがこういう出来にしちゃってるのね(笑)。

ガッツンと応援いきますよ♪凸

こんばんわ^^
私も見ましたが全作のプレデターが不甲斐ないせいか、今回はたくましかった気がします。
プレデリアンがなんか凄い安易な見た目で少しガッカリしたのを覚えてます。
強さ的に、エイリアン4のリプリーJrエイリアン>女王>プレデリアン>一般エイリアンって感じですね。
私思うのですが、今回プレデター・・・マスクの外しどころ間違えてません?w

画が暗いというのは、いろんな方のレビューでも読んだんですが、未見です。そろそろ観てみます。1作目は面白かったんですが、2作目、予算も減り、きつかったのかな?レビュー読みながらそんな気がしています。
人間が登場しないと話が進まないし、時間が持たないから人間が登場するんでしょうが、エイリアンとプレデターの対決に必要かな?と1作目でも感じたんですが、2作目もさらにそうみたいですね。とりあえず観てみま~す。

「サイレントヒル」って、とてもよく出来てると思います。ゲームは未体験なんですが、危険をクリアしたら真実を見せてもらえたりと、いかにもゲーム的でした。エンドロールまできっちり作ってあって、最後まで面白かったです。

umetramanさんへ

こんにちは!

わたしはDVDの特典をまだ観てないんですが、腹立ってくるんですか。それはぜひとも早く観て、わたしも腹を立ててみなくては(^_^)

メイキング、そうですよね(笑
ほとんどどの映画のでも自画自賛ばかり。映像で見せるんだから座って喋ってる人物ばかりじゃなく、もうちょっと撮影現場の裏側とか見せて欲しいし、そういうのを期待してわざわざ特典付きのに手を出してるんですけどね。

最後のサプライズって、ひょっとして謎の日本人「ユタニ」さんのことですか?全シリーズに向けて伏線を張るのには意外と気を使ってる部分はありそうです。

ひょっとしてAVP3も視野に入ってる??

umetramanさんも立体視は出来る方なんですね。これ見えないとなると全く立体視出来ない人も居るようです。
それで、何か分からない立体っていうのは、まさしくそうなんです。映画館の前で実物で試してみても、周りに足の生えてるくらげくらいにしか見えませんでした。これのどこがプレデリアン!と思ったのを覚えてます。
画像、大きめのに差し替えておきましたので、プレデリアンと称する得体の知れないものがもうちょっとはっきり見えるようになってるかもしれません。

ガッツンと応援、コメント有難うございました ☆

もじゃもじゃのっぽさんへ

こんにちは!

結局、プレデリアンがエイリアンよりもどういう風に強くなってるのかってあまり分からなかったような気がします。見た目はドレッド・ヘアでお洒落したエイリアンってところでしょうか。
強さの比較はもじゃもじゃのっぽさんの一覧が妥当だと思います。

マスクの外しどころって、最終決戦でのことですか?あのシーンだったら防具まで外してますよ(笑
プレデリアンもプレデターが装備取り外すのを眺めながらずっと待ってるし。

コメント有難うございました ☆

Whitedogさんへ

こんにちは!

わたしも観る前に、画面が暗いっていう評判はいろんなところで目にしてたので、そういうことを頭に留めておいて観たんですが、全く評判どおりの暗さで面食らいました。
エイリアン殲滅のみを目的としてるプレデターっていうキャラクターはかっこいいんですけど、物語を作る上でちょっと制限が大きすぎたって云う感じなんでしょうか。もともとエイリアン対プレデターって云う構図では人は巻き添えになる形でしか入れにくいのに、その領域にさらに限定をかけてしまったわけですし。

「サイレントヒル」は本当に好きな映画ですヽ(=´▽`=)ノ
あの結末が分からないっていう感想を結構いろんなところで見たんですが、そんなに意味不明の終わり方だったかなと思ったことがあります。凄く分かりやすい結末だったと思うのに。
わたしも「サイレントヒル」は、あの世界に愛情を持って最後まで丁寧に作られた映画だと思いました。

コメント有難うございました ☆
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