ガーナの手書き映画ポスター

以前ネットを散策しながら集めていたのを思い出して、ハードディスクの中を探してみたら捨てずに残してあったのを発見。全部はちょっと無理なので少しだけ記事に載せてみます。

西アフリカ、ガーナ(Republic of Ghana)で80年代に登場して90年代には消えていった非常に風変わりな映画ポスターの画像です。紙製ではなく、カンバスに手書きされたもので、同じ絵柄のものがあっても微妙に異なってるそうです。
80年代にガーナではビデオ機器や、ビデオカセットが流入してきて、小規模の移動映画館が誕生しました。
この小規模移動映画館はテレビや、時には持ち運びできる小型のプロジェクターを持って町から町、村から村へ巡回していきます。
そして、客を集めたり、移動映画館を宣伝したりする必要から、こういう巨大なポスターが製作されることになりました。
この一連のポスターは、絵師が実際に映画を観て、それを元にして油彩で描いていったようです。
そうして出来上がったポスターは移動映画館の周囲に高く掲げるように取り付けられて、映画館が移動するのに合わせて移動していくようになってました。そういう扱いのせいで雨風に晒されるのは当たり前という極めて過酷な状態で使われ、また用がなくなったポスターはカーテンやマット代わりに使われたりして、生き残ったポスターも相当なダメージを受けたものとなっているそうです。

絵師は映画を観た後で描いてるんですが、ポスターを観ると、描かれた内容はもとの映画にあまり拘束されてないんですよね。
ガーナ周辺の映画は観たことは無いんですが、なかには映画に無いシーンが描きこまれることも当たり前だったらしくて、映画を表現するというよりも絵師のヴィジョンを表現するという要素が勝ってるような創作物になっています。

90年代以降はガーナでもテレビやビデオが広く普及していって、それにつれてこの移動映画館は廃れていきます。ポスターも普通の紙製のものに変わって行き、結局この異様なカンバス製手書きポスターは80年代のガーナに出現して、あっという間に消えていった幻影のような文化となりました。
不思議なことにこのポスターが現れたのはガーナだけで、ガーナ以外のアフリカの周辺国では描かれなかったそうです。

わたしがガーナの手書き映画ポスターを気に入ってるのは、稚拙なタッチで描かれた得体の知れなさもあるんだけど、それに神話的、呪術的なイメージが混ざり合って混沌としてるところ。
得体の知れなさと呪術的なものが相乗効果を起こして、非常に胡散臭くて妖しい世界を作っているようにみえるところが良いです。

☆ ☆ ☆

こういう絵柄のポスターです。わたしは見世物映画とか好きなので、最初の2枚なんかはかなり好奇心を掻きたてられます。いったいどんなに変わった映画なんだろうって。
次のがレイダースとフレディ…。
アメリカ映画ももちろんガーナに入ってきて、主にホラーとかアクション映画だったようですが、大体ほとんどがこんな感じの扱いを受けてます。

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WEB POSTER EXHIBITION - Painted movie posters from Ghana
Extreme canvas

↑にもいくつか画像があります。Extreme canvasのほうは、ガーナの手書きポスターについての本なんですが、現在入手困難のようです。

☆ ☆ ☆

資料としては、ガーナの手書きポスターはドイツで展覧会が開催されていて、その時のカタログがあります。
どうもこれも入手困難なのは変わらないようなんですが、アート系のメディア・ショップのようなところで探せば見つかるかもしれません。
ちなみにわたしは持ってません。
実は今になってこのカタログ、欲しくなってきてるんですよね。手に入る時に買っておけばよかった。

カタログ




↓ポスター画像を追加してます。良ければこちらもどうぞ↓
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コメント

No title

こんばんはぁ。(^^♪

なんか、拡大して見ると引き込まれる感じですね。

書いている人の生活が見えるみたいです。時代は違うにしても。
呪術的なものが、生活に密着している、ごく当たり前に存在しているように想像してしまいます。

特に知っている映画は、一言で表すとこうなっちゃうんだって、驚きました。映画を見ないで描いているにしても、それが通用してしまう土壌の凄さを感じます。

No title

こんばんはv-85

出た~~! クジョ~~!!

この映画、すごく怖かったです・・・

かなり昔に観たんですけどね、未だに覚えてますもん。

お母さんと子供が、延々と犬に襲われるヤツですよね・・・

この手書きのポスター、昔のハリウッドみたいで、何かいいですねv-266

No title

フレディーとジョーンズ博士しかわかりませんw
ん?デモンズ?何故蛇女???
描いたもんがちですねw

でもこれは確かに貴重な美術品だと思います。
変える範囲で、買える物なら私も買うと思います。

No title

クジョー、かわいい。ぜんぜんおとなしい犬のような・・・ 
昔の手書きポスター、どれも味がありますが、ガーナのはちょっと変わってますね。どれも違う映画のような雰囲気がします。銭湯の画を描く職人さんもですが、映画のポスターや看板を描く職人さん、今思うと皆さん貴重ですね。
インドの古い映画のポスターも独特でしたが、こっちの方がおもしろいです。良いもの見せていただきました(笑)。

ダウニー.Jr、オスカーを何度も授賞しているなりきり俳優という設定ですが、ダニエル・デイ=ルイスをイメージしたとか。俳優業、戦争映画へのブラックジョーク満載で、ただのお馬鹿映画とはちょっと違う感じでしたよ。

こんばんは。

ガーナの手書きポスター、正直みた瞬間「怖い!!」と思いますが、
呪術的にして神秘的な要素も感じさせるこれらのポスターは私が愛する映画「インディ・ジョーンズ」のセットの一部に登場しても違和感が無いと思いますよ。

よーじっくさんへ

こんばんは(。・ω・)ノ゙ コンバンゎ♪

呪術的なものが混ざり合ってる日常って云う感じは、やはり不思議な感じを受けるところがありますよね。
そういう雰囲気を自然に画像に盛り込めたのも、それだけ呪術的なものが生活のなかで血肉化してるからなんでしょうね。

映画のポスター見て、そういうのが見られると期待して映画を観たガーナの人は、観た後どういう感情を持ったのかちょっと気になります。
多少ギャップがあっても全然平気だったのかな。

コメント有難うございました ☆

ともさんへ

こんばんはv-484

ともさんは、クジョーがお気に入りなんだv-290
犬の様相がまるで違うのがご愛嬌ですけど。スフィンクスみたいv-363

昔のハリウッドのポスターの、図案的で絵画的な感じは、呪術的なもの抜きにしたガーナの素朴なタッチとどこか共通してる部分があるのかもしれませんねv-290

コメント有難うございました ☆

もじゃもじゃのっぽさんへ

こんばんはv-484

わたしもフレディーとジョーンズ博士しか区別できません。
でもこれがまた、一応ジョーンズ博士に見えるんですよね(笑

絵師の想像力の暴発具合は、凄まじいです。
格闘ものの映画もたくさん入ってきてたみたいで、他にもセガールとか倉田保昭とかもあるんですが、これまたなかなかの出来です。

実際に買うとしたら幾らぐらいするんでしょうね。

コメント有難うございました ☆

Whitedogさんへ

こんばんは

クジョー、もう犬の種類が違うとか、そんな風に見えませんか?描いた人の頭の中を覗いてみたくなるような作画になってますね。絵師さんにはこういう風に見えてたんだ。

呪術的な要素が強いというのがやはりガーナの特徴だと思うんですが、もともとあまりそっくりに作ることに意味を置いて無さそうな感じが基本にありそうで、そういうところも面白いです。
確かにこういう職人さんが消えていくのは勿体無いと思います。

インドの手描きポスターもまた雰囲気が違って面白いですよね。それぞれやはり地域性とか生活から生まれる感性とかが織り込まれますから。

ダウニー.Jrのなりきり具合は、ともかく半端じゃなかったので、看板見て唖然としてました。あれ誰がどうみても完璧な黒人ですよ。なんか見るからに馬鹿映画みたいな外見だったけど、実際はそうでもないんですね。ブラック・ジョークとか、シニカルなものとかは割と楽しめるほうなので、面白そうです。

コメント有難うございました ☆

手書きポスターっていいですよね♪

手書きポスターって、歴史や地域性をすごく感じることができて好きです。
また、忘れていた何かを感じさせてくれることもあります。

インドの映画ポスターもいいですよ。

これからも楽しい記事書いてください。

URLははじかれるため、入力していません。

AquaSunネットサービスさんへ

こんにちは!

手描きのポスターって、描いてる時の時間も一緒に封印されてるみたいなところがありますものね。

確かにインドの映画ポスターも味があって良いですよね。この10年くらいでアート的な扱いをされるようになってきてますし。
こういう手描きのテイストが魅力的だと思う人が一杯居るんだと思います。

楽しめるような話題選びを目指していきます(*´∀`*)ノ
よろしくお願いしますね。

コメント有難うございました ☆

No title

うわぁーーめちゃくちゃイイですね(笑)
ワタシもこういう系大すきです。

何だか駄菓子屋に並んでそうな色彩もステキです。

ナナツさんへ

こんにちは!

胡散臭くて良いでしょ(笑
ナナツさんもこういうの好きなんだ。

駄菓子屋の色彩!たとえも凄く良く分かります。確かにそんな感じしますよね。

これからもよろしくお願いします。
コメント有難うございました ☆

日本だったら蛭子能収?

レイダースのポスターもありましたね。

話は逸れますが
レイダース結構好きでしたが
四作目はやらなかったほうが良かったかなと

何か話のつくりに無理があるような感じでした。
ちなみにインディーの父親は聖杯の水を飲んだのに
死んじゃったんですね!
もっと長生きするのかと

いつも応援ありがとうございます。
お礼の応援です!

kunさんへ

こんばんは!

蛭子能収!これはまたとんでもない人を(笑
へたうまの人だし、見かけ暢気そうなのに実は凶悪というのも暴露されたりしてますから、
この人はガーナのポスターの要件のかなりの部分を共有してるかもしれませんね。

インディーの父親が飲んだ水は確かあの場所の結界から外に出ると効果を失うんでしたっけ。
今度の映画はショーン・コネリーが出演を承諾しなかったんですよね。

これからもよろしくお願いします。
応援、コメント有難うございます ☆

No title

ガーナの手書き映画ポスターカッコヨスです!v-10
欲しくなります!
久しぶりに絵書きたい気分になってきましたv-33

ぶちさんへ

こんばんは!

かっこいいですか。欲しくなるのは一緒ですね^^
カタログを買い逃したのは悔やまれます。
おおいに絵を描いてください。そんなに想像力を刺激されたとなると記事にしたかいがありました。
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