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【写真】「欲望」に導かれてNikonのフィルム一眼レフカメラ、FM3Aを買う。+忘れ果てたわけでもないビスケットカメラの最近の写真 +右と左の問題 +ロマンチック・ラブソング

少し前から一眼レフのフィルム・カメラが欲しくなって、色々と品定めしてた挙句、先日ニコンのFM3Aという機種のフィルム・カメラを買いました。
一眼レフのカメラというと実は一台既に持っていて、ここでも何度か取り上げてるハッセルブラッドのことなんですけど、光の入射口が一つで、レンズを通して見た光景をそのままファインダーに反映させるためのレフレックスの機構を持ったカメラというポイントではまさしく一眼レフのカメラではあるものの、これはブローニーというちょっと大き目のあまり一般的じゃないフィルムを使うカメラでした。
このブローニー・フィルムの写り方はフィルムの面積が大きいだけあってフィルム面に定着させる情報量も破格的に多いせいか、目を見張るほどの緻密て立体的なものになります。上手く撮れた写真の質感にはちょっと虜になってしまうようなところがあるカメラで、これはこれで大好きなんですけど、フィルムの独自性はやっぱり多少撮影する意識みたいなものに反映されるようなところがありました。
最初はハッセルのフィルムマガジンに組み入れるのもたどたどしかったのがそのうちフィルムの扱いにも慣れてきたとはいえ、1ロールで12枚しか撮れないというのは結構な制限のようで、なによりもたったの12枚しか撮れないというのは、一枚一枚撮る時の緊張感もあったり、この被写体に気は惹かれるけどもっと面白いものに出くわした時のためにフィルムはとって置こうなんて考え出すことにもつながっていって、なかなか気楽にシャッターを切れなくなってしまいます。そのくせいざ12枚とり終わってみると、逡巡しながらシャッター切ったわりにあっけなくとり終わってしまうという印象だったりします。

河川敷にて
Hasselblad 500C/M Planar 80mm f:2.8 : kodak Tri-X400 CANOSCAN F8600

ハッセルブラッドは出来上がる写真を観たりすると、圧倒的な存在感を放つカメラなんですけど、こんな風にやっぱり常用するには気分が負けてしまうようなところもあり、通常のどこでも手に入って扱いの楽な35mmフィルムを使って、いつもあまり考えもせずに気楽にパチパチ撮ってるコンパクトカメラ的な気分の延長で使える一眼レフのカメラも欲しいなぁと思ってました。それで今回の35mm一眼レフ・フィルム・カメラの購入作戦に乗り出すことにしたわけです。
デジタルの一眼レフはそのうち揃えるかもしれないけど、とりあえず今回はパス。今のところ撮影してる時の面白さや上手く撮れてるかなぁといった期待感と、現像が仕上がってくるときのドキドキ感の、一つで2度美味しいというようなフィルムカメラの楽しさのほうに気が向いてるので、美味しい味を一度に一気に楽しめる即効性はあるけど、もう一度楽しめる機会を持ち合わせていないデジタルはちょっと頼りない感じがしてます。

ニコンにしたのは割りと単純な理由で去年父がくれたニコンのコンパクト・デジカメの写りが妙に気に入ってしまったため。それと日本の代表的なメーカーでこれまでにも山のように製品を送り出してきてるから、カメラやレンズなど中古屋に大量に出回っていて、手に入れやすいだろうという事もありました。それとニコンはFM10という現行機種で一台だけ、これはコシナという他社のOEMでニコンで作ったものではないらしいけど、それはともかく未だにメカニカルなフィルム・カメラを新品で売ってるメーカーというのもなんだか共感を覚えるところがありました。

もう一つ。ミケランジェロ・アントニオーニ監督の映画「欲望」で主人公のカメラマン、この人が使ってるのがスタジオではハッセルブラッド、屋外の殺人現場をたまたま撮影してしまったカメラがニコンの古い機種、ニコンFだったというのも結構影響は大きいかも知れません。35mm一眼レフをニコンにすると、わたしのカメラ環境をこの主人公のカメラ使用と同じ環境にすることが出来るんですね。映画の中でニコンのカメラのペンタプリズムが収まってる三角のとんがり頭もデザイン的に凄い好きなイメージでもありました。

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実際に買うまでに候補に上げていた機種は、「欲望」でデヴィッド・ヘミングスが無造作に車のダッシュボードに放り込んでいたのを取り出して人気の無い公園に持っていったニコンFシリーズのうちの「F」か「F2」、それともう一つ、Fシリーズが展開されていた時にその廉価版として登場したコンパクトな一眼レフ、ニコマートの後継機種になるFMシリーズのうち、一番長い間作られていたマニュアル・フォーカスの「newFM2」、そしてその後継としてFMシリーズ最終形態となって実質上のニコンの最後のフィルム一眼レフになった「FM3A」辺りでした。基本は電池が無くても動くメカニカルなカメラ。こういうのに惹かれるのは完全メカニカル・カメラであるハッセルブラッドを使ってみた結果、全部が歯車なんかの力学で動いてる手触りのカメラが妙に好きになってしまったせいなんでしょう。
でも、ニコンって長い間に結構な機種がリリースされていて、さらにリリースされたすべてのカメラが符号のような名前なので区別がつきにくく、個々の機種の違いなんて資料を読んでるだけではよく分からないんですね。実際に使ってみてこういうことかと理解できる、そういうこまごまとした差異が符号のオンパレードの中で交錯して存在してます。交換レンズも「AI」だとか「AIS」だとかやっぱり符号に近いものでどの機種にはこれがつけられないとか、資料を読んでも頭に入ってこないです。これがレンズの性質によって違う取り付け形式になってたら、つけられないものがよく分かるんですけど、ニコンはFマウントという名称でレンズの取り付け方式を長い歴史の中で変えておらず、このことが結局同じFマウントのレンズなのに細かい違いで利用できる出来ないが生じてしまい、ややこしくしてるように思えました。

☆ ☆ ☆

どの機種にしようか考えてるだけで分けが分からなくなってきて、結局細かい選択基準を立てるのは途中で放棄という形に近くなりました。映画「欲望」に出てきたF、およびFシリーズはニコンのフィルム一眼レフ・カメラのフラグシップ機だったらしいんですが、「F」は歴史的な意味合いも含めてるのかこれは結構高価ではあるものの、「F2」なんかは中古の数が市場に多く存在してるせいか、クラシック・カメラほどの扱いでもなく意外なほど安価で手に入れられる状態でした。マニュアル操作で、露出も自分で決めなければならないのは、ハッセルブラッドを使うときに単体露出計を使って撮ってるので露出計がついてないカメラでも全く問題なし。
この機種で不満は無いところでしたけど、最初に買うとしてはちょっと古すぎるかなという懸念もありました。これ以降作られた交換レンズの適応具合も実際はどうなのか分からないですけどあまりよくなさそうな感じがしたし。
FM3Aは買おうと思って挙げた候補の中では一番高くて、これも最初はちょっと脇に置く感じで、結果として買おうと思うカメラの一番の候補はnewFM2というのに暫くは落ち着いてたんですね。価格的にはF2辺りにちょっと上乗せする程度で買えるし、F2に比べると普及版という性質と、のちに発売された分機能的には使いやすくなってるようだし、使いやすくなってるにしろ、肝心のメカニカル・カメラの一線は崩してないし、買うならこれだろうなぁって思ってました。
結果的には一番高いFM3Aを買うことになったんですけど、今でもこれでもいいなぁと云う気分は消えてません。

newFM2でも良かったのにFM3Aにした理由は金銭的には他の候補に比べて結構高くなるけど、このくらいなら払ってもいいかなという状態になったことがまず一番。これがクリアできないと幾ら欲しいといっても手に入れるのは間違いなく不可能です。
機能的には機械式のシャッターと電子式シャッターのハイブリッド構成になっていて、電池を使えば絞り優先オートのカメラになる一方、電池を使わなければすべてこちらの制御に任されるマニュアルのカメラになるというのが特徴のカメラです。マニュアル・カメラになった時の状態はひとつ前の世代のnewFM2とほぼ同じというのもポイントが高かったです。
newFM2がなんだか気に入っていて、その状態でまったく別のカメラとどちらを買うか迷うというのじゃなく、結局良さそうと思ったnewFM2とそれの電子式という機能追加バージョンの間での選択になったから、これは悩みどころがそれほど極端な形を取らなかったんですね。それで基本はnewFM2と同じなら追加されたものがあるほうがいいかなと。FM3Aはニコマートから別系列に派生していた電気仕掛けのカメラとの統合形態で、ニコンのカメラの集大成といった感じもありました。
ちょっと触ってみた感じではファインダーが凄く見やすかったというのと、ファインダーを覗いた時に見える露出計の表示がFM3AのほうがLEDのライトによる表示形式じゃなくて、追針式の表示になってたのもポイントが高かったです。針が動くって云うアナログ的な見かけのほうがわたしとしては迷うことのない好みだったりしますから。ファインダーが綺麗に見えるというのも凄く重要だと思ってます。世界を切り取り、そこに見える世界が美しいものとして立ち現れてくれなかったらシャッターを切ろうという気にもならないかもしれません。
それと、最後まで迷ったnewFM2とFM3Aの選択で、高価にもかかわらずFM3Aのほうに傾いたのには、FM3Aのほうはニコンがまだサポートしてるというのも大きかったです。実は見かけもそうだしマニュアル操作のフィルム・カメラっていうだけで古臭い機種のように思えるけど、このカメラは今世紀に入ってから発売されたカメラなんですね。デジタル・カメラが加速的に普及していった時代に、姿を現したフィルムのカメラ。時代の動きには抗うことが出来なかったのか5年ほどの期間世の中に姿を現しただけで2006年には生産が終了になったカメラです。なんだか独自の個性で精一杯時代に棹差しながらも幻のように消えていったカメラというイメージもあって、そういうところもかっこいいんですけど、それはともかく生産終了になってからそんなに云うほど年月も経ってなくて、何かことがあったら第三者の修理業者じゃなくてメーカーが対応してくれるというのは、中古カメラを買う場合なんかではやっぱりかなり頼りになる要素になりました。ニコンのホームページに行くと、FM3A用のカメラ・アクセサリーの類もいくつかは未だに新品で手に入るような状態です。

☆ ☆ ☆

とまぁこんな感じで機種を絞り込んで、それでもやっぱりnewFM2の方がいいかなぁ、ロゴはnewFM2の斜めになってない昔のNikon表示の方がかっこいいんだけどなぁ、でも頭のとんがり具合で云うとFM3Aになってしまうし、とか思いながらも、京都の中古カメラショップで色々品定めしてました。
京都の中古カメラショップといってもわたしは小さいところまで網羅してるわけでもなく、行くとしても河原町周辺の行きなれた店限定でした。でもFM3Aって5年ほどしか作ってなかったからなのか、人気があって手放す人が少ないのかあまり店に出てないんですね。CONTAX TVS2を買った店でFM3Aは黒のボディが3台ほど並んでるのを見つけただけ。CONTAXを買ったことがあって店の感じは立ち寄るカメラ屋のなかでは一番馴染みがあるところだったし、ここは委託販売と店の販売との区別がついたり、程度のいいカメラ限定のようだけど半年の保障がついたりするのでカメラを選ぶ目安となるものに分かりやすいところがあって、さらにCONTAXを修理にも出してその時の店の対応も見てるので割りと買いやすい店でもありました。最近移転したほかの店なんか中古で置いてあるものの大半が委託販売。品物は数多く置いてるみたいですけど、委託販売だと店はカメラを売ろうとしてる人に場所を貸してるだけだから保障がつかないんですね。
わたしは黒のボディよりもシルバーに黒の貼り革が巻いてあるタイプのほうがクラシカルな感じなので、そっちが欲しかったんですけど、わたしが京都の店を廻り歩いてる時はシルバータイプのFM3Aはどこにも見当たりませんでした。でも出回ってる数も少なそうだし、ボディは黒しか見つからなくても仕方がない、それで妥協しても構わないといったところまで選択基準を広げてもいいかと思うところもありました。この見て回ってる時に購買にブレーキがかかる問題があったとすれば、どちらかというとそれはボディのほうじゃなくてレンズのほうでした。
一眼レフなんて初めて買うから最初に買うレンズは何がいいのかなんてさっぱり分からず、だからといってボディだけ買ってもまったく意味を成さないわけで、色々調べてとりあえず50mmのものが標準レンズだといってる人が多かったから、これをボディと一緒に買ってみようと思ってました。ニコンだとAi-s50mm f1,4って云うレンズ。ちなみに「s」ってついてる意味合いが未だに分からないですけど(シャッター関連の何か?)、これが使えるらしいというのは分かってました。
わたしがこの店で物色し始めた時、50mmのこのレンズは2本在庫があって、両方とももう直ぐ2万円に届くかなという価格で売られてました。その2本には片方は「少々ホコリあり」、そしてもう片方は「ホコリあり」と、両方ともレンズ内部にホコリが混入してるという注意書きがつけてありました。「ホコリあり」のほうは「少々」よりも値段が安かったから、きっと「少々」じゃないくらいホコリが入り込んでるレンズだったんでしょう。調べてみると写りに影響しないホコリ混入もあるということらしいんですけど、2万近く出してホコリが入ってるのが分かってるようなものを買うのはやっぱりかなり躊躇いがありました。ボディのほうは黒で妥協するつもりではいても、この状態のレンズは気分としては譲れないところがあったという感じです。
それで2ヶ月くらいの間だったかな、この店に新しいレンズが入荷するか様子見を決め込んでたんですね。結果はその期間に新しい50mmレンズは一本追加されましたけど、これがなんだか見た目にもくたびれてるような代物で、ホコリの注意書きこそなかったけど、別の側面で買う気をそいでしまうような状態のレンズでした。
2ヶ月近く様子見をしてこの結果。「ホコリあり」のレンズも売れないまま残ってるし、もう妥協に妥協を重ねて写りに影響しないことが確認できるようなら「少々」のほうでも買ってしまおうかなとも思ったりした瞬間もあったんですが、わたしがこの「少々ホコリあり」を買ったあと、空いた棚に新しい50mmが入荷してそれが目も覚めるような美品だったら目も当てられないというか、立ち直れなくなりそうだったので、そこまで妥協する一歩手前で踏みとどまってるというような状態を続けてました。

結局最終的にこの店では埒が明かないと判断して、二ヶ月近くの足踏み状態のあとで大阪まで見にいってみることになります。
大阪といってもわたしが買い物で行くのは梅田か難波、日本橋辺りが中心で、他のところは殆ど未知の領域です。この行動範囲の中では梅田の駅前ビル群に何軒か、梅田大丸の地下辺りに一軒、心斎橋にわたしが京都で2ヶ月様子見していた店の本店があり、難波のほうでは黒門市場の近くに一軒と日本橋に様子見の店の支店があります。このぐらいがわたしが知ってる中古のカメラ屋さん。今回はちょっと思惑があったので梅田界隈のカメラ屋は後回しで、最初に京都で様子見していた店の心斎橋本店に行って見ました。ポイント・カードを持ってるので、ここで買えると何となく収まりがいい買い物になりそうな気もしてました。
でも結果は京都の店と大して変わらないなぁって云うもの。箱付きの美品という黒のFM3Aが80000円くらいの強気の値段で出てる程度で、レンズもあまり状態のよくなさそうなのしか見当たらなかったです。それに意外だったのが、京都の支店だと結構保障がついてるものが多かったのに、この本店は保障無しのものが圧倒的に多かったんですね。

期待はずれの結果に終わってしまって、早々にその店を出てから難波のほうまで写真撮りながら歩いていきました。目指したのは黒門市場の近くにあるカメラ屋さん。ここがこの日大阪までやってきた一番の目的の店でした。

結構品揃えのいいカメラ屋さん
Nikon COOLPIX P5100

日本橋の電器屋街に中古のDVDを漁りに行ったついでに立ち寄ったりして、それまでに店の品揃えは少しは知ってる店。結構小さい店なんだけどわたしがいつか欲しいと思う機種が意外と揃って棚に並んでるという印象の店でした。そしてこの日、心斎橋から歩いてきてこの店に立ち寄り、ここで7台くらいFM3Aが並んでるのを見ることになります。思惑は大当たりです。しかもそのうちの2台は私が欲しかったシルバーの機種でした。
並んでるFM3Aをみて、一杯ある!っていうのが最初の印象だったでしょうか。大体今までのところでは置いてない店の方が圧倒的に多かったのでなおさらそんな風に感じました。ニコンのマニュアル一眼レフのカメラが並んでたのは奥まった入り口近くの、どちらかというと店外から眺められるようなガラスケースの棚で、一方レンズのほうは店の中の棚に置いてあり、そっちも確かめてみると不具合表示もない50mmレンズの綺麗なのがあの「少々ホコリあり」と同じような値段で並んでました。
ボディのほうも59800円の値段がついていて、これはわたしが見回ったほかの店と同程度、安くはないんだけど特にここだけが高く設定してるというわけでもありませんでした。

でもこの日はこういうカメラを目の前にしながら、実はわたしの勢いが足りなくて買うところまで行かなかったんですね。一応この程度の費用はいるだろうとそれまで見て廻ってたところから予想して予算は持ってきてたし、その用意で買える状態ではあったんですが、いいものがあれば買うつもりでいたのに、どうやらどんな状態のものが店に出てるか確認してこようという気分の方が強かったようでした。いざ目の前に買えそうなものが並んでしまうと、本当にここで今買うか?舞い上がった気分に乗せて大金をここで一気につぎこんでしまうのか?ここにあるのは分かったから買う前にちょっと考えた方がいいんじゃないか?っていう一種のしり込み状態に入った感じになってしまったんですね。それとこの日雨が降ってたのも明らかにわたしの気分に影響していたようでした。高い買い物するのに何もこんな雨降りの日を選ばなくてもいいじゃないか、買ったカメラも持って帰る間に濡れてしまうよ、カメラなんていうものはちょっとした湿度でも極端に嫌うんじゃなかったのか。こんな牽制の気持ちとせっかく目的のものが目の前にあるんだから何も考えずに買ってしまえという気分とが店の前のニコンのケースを眺めてるわたしのなかで取っ組み合いの戦いをしてるような状態になってました。
暫く店頭で葛藤したあと、どうにも購入の一歩を踏み出す決断がつかずに、その日は結局出直すことに決め、もう一度ここまでくるには結構な電車賃がいるんだけどなぁなんて思いながら帰宅の道に着きました。

帰宅してもう一度自分の気持ちに問いかけ、ここが一番揃っていて、値段も含めてあまり理不尽な印象も持たなかったし、さらにこの後も他の店の偵察を続けるという労力を払う意味もわたしの中には生まれてこなかったから、買うとしたら品物もあるしやっぱりここしかないだろうなぁと再確認、買うか買わないかの気持ちの傾き具合も、少し時間をおいてみても買うほうに傾いたままだったので、ここで漸く決心して、数日後にまたこの店にやってくることになりました。
買うと決めてもう一度やってきた日も実は雨模様の日だったんですけど、一日中降ってるような予報でもなくて、直ぐに止むだろうというような空模様の日でした。
再び店頭に立ってFM3Aの置いてある棚を確認したら、数日前に見た状態とまったく変わらずに、シルバーの2台もそのまま棚に飾られてました。
そこで近くにいた店員さんに、このニコンのカメラのFM3Aっていうのの、シルバーのほうを見せて欲しいんですけどと頼んでみます。実はわたしは結構人見知りなのでこの段階でもそれなりの気力が必要だったりするんですが、なにせもう今日は絶対に買って帰ると決めていてたので、気力をだして声をかけてみました。よほど酷い状態の中古ならやっぱりいらないくらいは云えるんですけど、見せてもらうとなると断りにくい状況になりがちなのも承知の上です。ちなみにブティックなんかで店員さんにつかれるのも凄いいやなタイプなんですね。
店のカウンターに座って待ってると、店員さんは奥のほうにおいてあった2台のシルバーのFM3Aを持ってきて、わたしの前に並べてくれました。棚においてある状態の時に、そのうちの一つはつり金具の保護パーツが一個ついてなかったのと貼り革の一部が僅かに浮いてるのを確認してたので、持ってきてもらった2台のうち、そちらはまったく見向きもしないでもう一つのほうを実際に手に持ってみます。

目当てのほうのFM3Aを暫く触って色々眺めていてちょっと驚いたのが、見せてといって出してきてもらったものは中古として売ってるし、もう一つのパスしたほうは中古らしく明らかに傷んでる部分があるのに、わたしが手に持って眺めたほうは、まったく人の手が触れたという気配、痕跡がないということでした。裏蓋を開けてみると、薄い金属の部品を使ってるから触らないようにしてくださいと書かれた保護のシートがシャッターの上に被せられたままになってます。これ本当に中古??っていうのが観察してみた第一の印象でした。
結構家で調べてたし、ニコンのホーム・ページからFM3Aのマニュアルのダウンロードもしていたくらいなので、その後は目の前に座っていた店員さんに使い方なんかもいろいろ訊くこともなく、さらに痛みがありそうな場所を実際に使用した場合にどうなのか質問してみるようなところも見当たらないままに、殆ど時間をかけずにチェック終了。チェック中に尋ねたのは、店のほうで何か不具合があるとか分かってるところは無いですか?くらいでした。
返事は店に出す段階で店側としては不具合がないかどうかはチェックしてるということだったので、買う覚悟を決めて店にやってきて、中古かどうかも疑わしいような超美品のFM3Aを目の前にしてたわけだから、わたしはこの時点で店員さんに買う意思表示をしてしまいます。チェックしてる間わたしの頭のなかでは今まで自分で調べてたことが駆け巡ってはいたものの、外見的にはただ黙って暫くカメラを品定めした挙句、いきなり、これください♪っていう決断の言葉を口にしたものだから、わたしの頭の中で駆け巡っていた様々のことなんかまるっきり知らない店員さんにしてみれば、なんと簡単に高価なカメラの購入を決める客だなぁなんて思われてたかもしれません。普通は売るためにいろいろ客の気を購買側に持っていくための努力をするはずなのに、この日のこの店員さんはわたしの相手をしたことで凄くラッキーというか、営業努力を何もせずわたしの前に黙って座ったままで売り上げ成績に繋がったわけですね。

購入を決めたあとで、値札の裏側に付属物のことなどが色々書いてあったのに気づいて、それによるとわたしが選んだシルバーのFM3Aはどうも製品が入っていた化粧箱も付属するカメラのようでした。店員さんは店の奥から殆ど痛んでない金色のニコンFM3Aの箱を持ってきてわたしの買ったカメラを詰めていきます。箱を開いたところを見たら、取扱説明書や他のいろんな書類状の紙なんかも入ってる様子。付属品も全部揃ってるんですか?と訊いてみたら、一応全部揃ってますという返事が返ってきました。
レンズも目的の50mm、f1.4というのが店においてあり、これも売れてなかったので一緒に購入することに。中古ですけどホコリありなんていう表示のない美品でした。

カメラの代金59800円と50mmレンズの代金18500円の合計78300円を支払い、品物一式と納品書、店の側でつけるカメラ、レンズの6ヶ月保証書と、おまけにカメラに使う電池をつけて手渡してもらって店を出ることになりました。買うと決めて店員さんに声をかけてから店を出るまで20分もかからなかったかもしれません。わたしは20分でいきなり貧乏人になってしまって、店を出た時はちょっとした虚脱感に襲われてしまいました。わたしにとって8万円はやっぱり大金で、普段大金なんて払いなれてないものだから、品物は受け取って損してないはずなのにちょっとだけため息が漏れるような精神状態になりました。
でも一気に貧乏人になった虚脱感にもかかわらず、その後日本橋の電器屋街の方に足を伸ばして、別の中古カメラショップで現状渡し保障無しという条件でしたけど、フジのインスタント・カメラInstax Mini55が4000円ほどで出ているのを見つけ、80000円近く支払った後では4000円など何ほどでもないと気が大きくなってることもあってこれも購入するという散財に走ったりしてました。

☆ ☆ ☆

FM3A 50mmレンズ付き
Nikon COOLPIX P5100

買ったNikon FM3Aってこういうカメラです。

家に帰ってから、こんなカメラ買ったと父に見せたりしました。箱がついてることとかページを繰った痕跡もない取扱説明書とか見せてると、父もやっぱり新品じゃないかという感想。
中に入っていた書類にはニコンの発行する保証書も入っていて、これも無記名のままでした。誰かがこれを買ってたらこの保証書には必ず売った店の印が入ってたはずで、これが無記名のままというのはちょっと考えられないです。だからわたしの買ったFM3Aは少なくともどこかの店で客に売られたものではないと判断できるんじゃないかと思います。
どういうかたちでこの店に来たのか経路は分からないですけど、おそらく新古品だった可能性が高いです。これは結構な掘り出し物に当たったのかもしれません。心斎橋の店で見た中古、箱付きのものは80000円の値段がついてましたから、新品同様のカメラで箱だけじゃなく付属品すべてついた状態でこの値段はやっぱりラッキーだったと思ってます。

この日は一気に貧乏人になった虚脱感とそれに反するようなまるで散財が気にもならないというほど太っ腹になった気分と、さらに帰ってからのカメラを眺めて発見したことへの高揚感で、なんだかかなり感情の振幅が激しい一日になってしまい、精神的にかなり疲れてしまいました。

さて、このカメラでどんな写真が撮れることになるか。

☆ ☆ ☆


真ん中の大阪っぽい人がこちらを見てる
Nikon COOLPIX P5100

始めて見た条件
Nikon COOLPIX P5100

ついでに大枚はたいて舞い上がっていたこの日の大阪の光景と、同じく難波の中古カメラ店で見つけた中古カメラの珍しい注意書き。

道頓堀の写真はかに道楽の看板を撮ってる振りをして実は大阪っぽい兄ちゃんの写真を撮ろうとしたものです。でも大阪っぽい兄ちゃんは完全にこっち見てますね。気づかれてたかな。
中古カメラの写真のほうは、フォクトレンダーというかっこいい名前のカメラなんですけど、この注意書きが…。この条件で手を出す人って本当にいるのかなぁ。顔の近くに持ってくるものだけにかなりきつい状態だと思うけど。怖いもの見たさがちょっとあったものの、ガラスの向こうなのでどんなものかは試せませんでした。

☆ ☆ ☆

80000円支払ったカメラの話題に続けて、今度は2000円+アルファの安いカメラのお話。

久しぶりのトイデジ、ビスケットカメラです。
最近CONTAX TVS2とか割とまともなカメラ、おまけにフィルムのカメラにシフトして、トイカメラってあまり手にしてない印象になってるかもしれませんが、実はそれほどでもなくてビスケットカメラはサブのサブ・カメラ位の扱いになってはいるものの、ポケットに放り込んで、出かける時はよく一緒に持って出歩いてます。
トイカメラってひと言で言うと写真の絵画的なアプローチの一つだと思うので、写真は光で描いてる絵画なんだと思い出してから写真が面白くなってきたわたしとしては、解像感なんかまるでないビスケットカメラの画像でもそれなりに面白く見られるところがあるんですよね。
ただこの被写体を是非撮ってみたいと思うような状況ではやっぱり普通のカメラ、もうちょっとまともに出来てるトイカメラを使うことが多くて、ビスケットカメラを使うとしたら何を撮るといった意識よりも、この気にも留めないようなものを撮ったらどんなになるだろうというような興味でカメラを向けてることが多いかもしれません。だから被写体になってるものもかなり適当だし、普通はこんなもの撮らないのにあえて作品的に撮ってみるというような気負いさえもない撮り方に終始してる感じです。
最近撮ってたビスケットカメラを使った写真をいくつかアップしておきます。

黒い花弁
ビスケットカメラ

庭先にて
ビスケットカメラ

近所の家の庭先にあった花。黒っぽい紫色がシックだったので撮りました。背景の木の置物(?)の一部が上手くポイント的に写りこんでます。基本的にこのカメラはすべてノーファインダーで撮ってます。ファインダーを覗いてもどうせ思うように正確には写らないから。わたしは小さな穴から覗き込むヴィジョンが好きなので、こういうあり方は本来あまり気が進まないほうなんですけど、基本的にどれだけ見たようには写らないかを期待するような場合はこれもまた有効な方法の一つなんでしょう。カメラの正面でレンズのある位置に対応する部分が裏側ではどの辺りになるのか大体見当を付けで、被写体と自分の視線の間に割り込ませるようにカメラを持ってくるというやり方で撮ってます。これで対象物は結構上手くフレームの中に入ってきてくれます。
下のものは確かあまり撮るものがなかった日で何か撮って帰らないと面白くないと思って撮った写真だったと思います。路地においてあった植木用の桶といった感じなのかな。

二月の御所
ビスケットカメラ

これは2月頃に御所に行った時の写真です。御所の梅園で撮った一枚。この時は他のカメラで撮ってたなかで、ビスケットカメラでも撮っておこうって云う感じで撮りました。写した構図は割りとありがちな感じですね。ただこの写りだと、梅の花だといわれてもまったく分からなくなってます。それとわたしのビスケットカメラは右上のコーナーが不調のよう。ビネットというより色が変になってるという感じが強いです。この程度のおもちゃカメラでは個体差で写り方は結構違ってきそうな感じもします。

オリンパスペン EE-2
ビスケットカメラ(被写体のカメラのことじゃないです)

手持ちのカメラの一つ、オリンパスペン EE-2。このカメラ見た目がなかなか可愛らしくて好きです。従来のフィルム一齣分を二つに分割することで二枚の写真が撮れるようにしてあるハーフカメラ。見た目は可愛らしいのに36枚撮りのフィルムを詰めたら72枚撮るまで解放してくれないという骨のあるカメラでもあります。ビスケットカメラにピントを合わせる機能なんて最初からまるっきりついてないので当然といえば当然なんでしょうけど、若干ぶれてるのとあいまって、正面に書いてあるオリンパスペンというロゴも全然はっきりとは写ってないです。
このオリンパスペン EE-2で撮った写真もあるので、そのうちに記事にするつもりでいます。その時にいきさつは詳しく書くと思うけど、このカメラ、ジャンクの籠の中から1000円で買ったものでした。故障品を部品取り用途に捨て値で売ってる類のものだったんですけど、これは普通に動きました。実はこれに味を占めて最近オリンパスμズームというのをジャンクで買ってみたら、これはものの見事に外れ。電池を入れてみてもまったく動きませんでした。電池式のカメラはジャンクでは期待しない方がいいようです。

春の予感
ビスケットカメラ

これも写すものがないなぁと思ってた時に適当に撮ったものだったと思います。実はシャッター切ったときの動機ははっきり覚えてないです。特にこのディスプレイが気に入ったというわけでもなかったんですけど、無意識的な部分でなにか引っかかるものでもあったのかなぁ。

優雅な曲線
ビスケットカメラ

これは休憩に入った喫茶店で使ってたiPodをテーブルに置いた時、イヤホンのコードが描く曲線がなんだか優雅に見えて撮ってしまったものです。偶然にこのときこの世界に出現した曲線。同じ曲線はもう二度とこの世界には現れてこないと考えたら、なんだか貴重なもののように見えてくるでしょ。ちなみに手を加えてこんな曲線になるように整えたわけじゃないです。置いた時の形そのまま。
ファインダー覗かないものだから、その時読もうとしてた雑誌も一緒に写りこんでます。

絵画的な質と構図
ビスケットカメラ

反対にこれはかなり意図して撮ったもの。最近ビスケットカメラで撮った写真としては一番のお気に入りです。
烏丸御池にある新風館の中庭で右に写ってるのは2階から3階に上がってくるエスカレーターです。わたしは3階の回廊から下のエスカレーターにカメラを向けて誰かが上がってくるのを待ってました。そしてこの写真の人が上がってきたのを見て写真にしてます。地表に見えるもう一人の子供(?)はシャッターを切ったときにはまったく気がつきませんでした。
これは地表の子供が入ってる方が何か意味ありげで面白いです。エスカレーターの女の人の後姿というのもどこか意味ありげ。本当は意味なんてどこにもないんですけどね。
交差するラインで成り立ってる全体の幾何学的な構造感が構図的なパターンにもならずに割りと上手く収まった感じがするし、回廊に面してる店のウィンドウ内部もディテールが完全に飛んでまるで絵画のような雰囲気になってます。なんだかわたしが期待したものがすべて上手く画面に定着されたみたいな感じの出来上がりになってました。

ちなみにここは新風館でどうのこううのなんて書いてますけど、こういう情報は伏せておいた方が面白いのかなぁ。どことも分からない世界の光景って云う方が含みがあって面白い?
たとえば、ビスケットカメラじゃないけどこういう写真。

得体の知れない世界で
VQ 1015 Entry

これなんか撮った本人がこんな写りかたしてたとは予想もつかなくて、帰ってからパソコンに取り込んで吃驚したんですけど、どこの何とも分からない得体の知れない世界の一部という感じでなかなか面白いイメージだと思います。これなんかどこでこういうものを撮ったらこんな感じになったなんてばらしてしまうと面白さ半減ですよね。
ところで、これ、何の写真だか分かります?

☆ ☆ ☆

皆さんはカメラのファインダーを覗く時に右目で覗きます?それとも左目で覗きます?
いつの頃からかカメラは背後の液晶を見るものとなったり、携帯がカメラ代わりになって、ひょっとしたらもうカメラなんて知らない世代が出てきてるんじゃないかと思ったりする現状で、ファインダーを覗くという行為そのものが一般的な行為としてはすでに世の中からは消失してるかもしれませんけど、そうであっても仮にファインダーを覗くとして、その場合はどちらの目を使って覗き込みます?

わたしは左目。

ところが最近色々読み物をしている最中に、顕微鏡を覗く時に左目で覗いて右目は手許で書き物をするほうに使ってる、だからカメラも左目で覗くことになってるんだが、やっぱり本来的に右目でカメラを覗く練習をしなければならないのだろうかといった内容の文章に行き当たって、吃驚したんですね。だってわたしは世の中の全ての人がカメラを左目で覗いていて、それが惑うことなくスタンダードなスタイルだと思ってたから。本当はカメラは右目で覗くものでそういう風に使われるようにデザインされてる、大半の人が何の疑問もなく右目でファインダーを覗いてると知って、わたしが当たり前だと思い描いてる世界の一部が完全に瓦解してしまったような思いに囚われ、大げさでもなく愕然としてしまいました。

でもそういう予想外の真実を知ってもわたしには右目で覗くことに理があるとはなかなか思えません。
カメラのファインダーは中央上部につくもの以外だったら大抵カメラを裏から見て左側についてます。これ、カメラを顔の中央に持ってきたらちょうど左眼で見る位置に来るんですよね。世界を見る、認識するというのは左右の眼で見た延長線上に成立するわけだから、カメラを顔の真正面にすえるのはカメラという人の感覚の延長としてある道具の位置としては凄く当然のものだと思います。目の前のものを対象とするならカメラもまた目の前に置くのがきわめて自然。
反対に右眼でファインダーを見た場合、左側にファインダーがついているカメラは顔の正面よりも確実に右側にずれてしまいます。これは位置としてはあまり適切ではない感じを覚えてしまいます。右と左の眼で見たものを写し取るのにどうして顔の右側にはみ出てしまうかもしれないレンズから捉えなければならないのか。ここからえられる映像は正面にカメラをすえて得られる映像とたとえそっくりであっても、どこかまがい物の認識のような胡散臭いものが付き纏ってしまうんじゃないかといったようなことを考えてしまいます。

右目でファインダーを覗いた場合、左目は鼻を境にして完全にカメラの左外側に出てしまいます。それでこのカメラの存在から完全に切り離された左目をどうするかというと、ファインダーを覗いていないからといって決して閉じたりせずに、ファインダーのフレームから外れた外側の光景を終始観察することに使うのが、推奨されるカメラの覗き方らしいです。
これもわたしの感覚からしたら考えられないです。わたしは暗闇の中に開く四角い窓から外の世界を覗き見ることに特別の意義を覚えてるのに、こんなことをしたら暗闇で息を潜めて覗き穴から覗いてる感覚は完全にスポイルされてしまいます。たとえばマルセル・デュシャンが自らの遺作「1. 落ちる水、2. 照明用ガス、が与えられたとせよ」を扉の向こうに封じ込めて扉にあいた覗き穴からしか見られないようにした感覚、見るという行為を対象化し、覗き込む行為まで作品に取り込んだデュシャンの感覚にわたしは凄く共感するもので、せっかくカメラという格好の道具、携帯できる覗き穴をつかって、その穴から世界をひそやかに観察してるのに、開いたもう一方の目で散文的に世界を眺めろという、こんなことを主唱する人間は見るということの基本的な特質、意味、見ることにまつわるあらゆることに関して極めて鈍感だとしか思えないです。
映画で云えば暗闇で四角いスクリーンの向こうに広がる世界を覗き見てる感覚、カメラのファインダーってわたしにとってはこういうことにも結びついてくるんですけど、左目でファインダー枠に収まらなかった周囲の光景を見ろという言い分は、映画館の扉の境目に立って片目でスクリーンを見ながらもう一方の目でロビーの売店の売り上げ状態を観察しろといってるようなもの、映画が好きな人間、暗闇の向こうにこことは違った世界が広がってるのを覗き眺めるのが好きで、そういうことに価値を置いてる人間にとっては、ナンセンスそのもののやり方としか考えられないです。
その点左側にファインダーがあるカメラを左目で覗くと右目はカメラの裏側を間近に見つめることになり、いやでも左のファインダーから垣間見える世界に注意を集中することになります。左目で見るというのはたとえ意図しない形であってもファインダー以外の視線を封じることでおのずと雑念を払ってしまえる見方だともいえるかもしれません。

また左で見ると鼻がカメラの裏側に当たるから駄目という言い分もあるようで、でもわたしは当たる鼻も使ってカメラを支えてるからこの言い分も理解不能。額とか鼻とか頬とか左目でファインダーを覗くとカメラを支えられるポイントが一杯あって凄く有利です。右目で覗くと支えるのは右目周辺のみになって、眼鏡族のわたしにとっては眼鏡を接触させてカメラを支える以外になさそうなので、おそらく手ぶれ写真を量産することになると思われます。

☆ ☆ ☆

こんな理由で右眼で見るのが一般的だったと知っても左目の方が理にかなってると思ってるんですけど、わたしの言い分はさておいて、それではプロは本当に推奨どおり右で見てるんだろうかと思ってちょっと調べてみました。結果は実際のところでは左でファインダーを覗いてるプロも結構いるというところに落ち着くようでした。結論的には教科書的な意味合いでは右眼で見ることがスタンダード化されてるものの、結局どちらでもいいというもののようです。
でもどちらでもいいということを知った後でも、右眼で見て当然と考えてる人が圧倒的多数だということ、カメラが右目専用にデザインされてるということは世界観の一部が瓦解するような、やっぱりかなり思いがけないことだったので、驚きはなかなか消えてくれないかもしれません。

ところで右目、左目どちらでファインダーを覗いてるかはどうやら効き目が関係してるようなんですね。人には右利き左利きと同じように目にも効き目があるということ、そして両方の目で満遍なく物事を見てるんじゃなくて、どちらかの目に重点を置いてものごとを眺めてるらしいです。
ウィンクした時に閉じない方が効き目。また目の前、顔の正面に指をかざしてそれを見つめて片目を閉じた時に指の見え方に変わりがなかった方が効き目なんだそうです。効き目じゃないほうで見ると指の角度が変わって見えます。
わたしの場合はどちらも左が効き目という結果になったので、やっぱり左目を中心にしてものを見てるんでしょう。

こんなことをあれこれ考えながら、関連して思い出していたのは高校の時の部活のことでした。わたしは高校の時、軽音との掛け持ちで弓道部に入ってました。段位は高校卒業までに初段止まりという程度、一応全国大会の京都代表チームの補欠で、決死の覚悟というよりは旅行気分で一緒に行った事はあるんですけど、必中の狙撃手というほどの腕前でもありませんでした。どちらかというと肝心な時にはずしてしまう頼りにならない腕前だったかも。それで今になってこういうのもひょっとしたら効き目がどうのこうのということと関連してたのかなと急に思い至ったりしてます。右手でひいて矢を右の頬につけた状態で的を狙うには右目の方が矢に近い分より直接的なラインで狙うことができます。左だと僅かに補正しないといけないんですね。確かに無意識的にだったけどそういう視差の補正をやっていたような感触が思い起こせば若干あったような気がします。カメラを介して効き目という観点から眺めなおしてみると、あまり外さなかった人は右目で的に狙いを定めてたのかもしれないと、今になって真相に気づいた探偵のような気分になってます。

これは完全に余談なんですけど部活の話ついでに。
弓道って高校のクラブにしてはなかなかユニークな存在だったと思います。わたしが弓道部に入ろうと思ったのは、何か運動部にも入りたかったけどたとえばバスケットのような本格的に運動してるって云う感じのクラブだととてもじゃないけどついていけそうに思えなかったから。弓道って競技の時の立ち振る舞いだとかに形があって、まるで日本舞踊みたいにみえ、何か文化部と運動部の中間くらいにあるような感じがしてました。
でも文化部と運動部の中間という、云うならば運動部としてはいささか軟弱な位置にいながら、高校の部活の中では唯一殺傷能力のある武器を扱うというとてつもなくハードな部でもあったんですよね。もちろん矢尻は密かに錐のように細く研ぎ澄ませていたわけじゃないんですけど、射た矢が当たればかなりの高確率で怪我をすることは必至。そのせいなのかわたしの所属していた弓道部の道場は学校の校舎の裏手、意図しない限り誰も入ってこないような場所にありました。危険だから立ち入らないようにという看板もたってたような記憶があります。礼に始まり礼に終わるような部活を過ごしながら、いざ事があったらランボーのごとく実戦部隊として最前線にたてるかもしれないというギャップ。こういうちぐはぐさがあるクラブって今から思うと、なかなか面白い存在だったと思います。

☆ ☆ ☆

カメラに話を戻すと、推奨されてる右目でファインダーを見るというのが、やったことがない人間にはどんな感じのものなのか知りたくなって、一応ちょっとだけ試してみました。やってみた感想なんですが、これはやっぱり左が効き目の人間には、眼がちかちかして長時間みてられない方法ですね。右眼で見てるファインダーの枠が視界から頻繁に消えうせて微妙にずれた左右の視界が一緒に入ってくるという感じ。そのうち何を見てるのか分からなくなってきます。試しに効き目の左で覗いた状態で右の目を開いた場合は、左の眼でみてるファインダー越しの光景が中心となって入ってくるので、右目の見てる光景に引っ張られて混乱するということはあまりなかったです。
練習して両目使いになるのも面白いかなと思ったものの、この感じではかなり難儀な行程になりそうな予感がします。


☆ ☆ ☆



Henry Mancini - Dear Heart


「ムーン・リバー」などで有名なヘンリー・マンシーニの曲。結構シンプルでどこかで聴いてるようなメロディが寄り集まってるような曲とも云えないこともないんですが、とにかく美しく響く曲ではあります。わたしははるか昔に聴いた事などないのに、なんだか昔この曲を聴いた時のことが思い出されるようなノスタルジックな気分になる曲といった感じ。ひょっとして自分では聴いてないと思ってるけど、本当は小さい時に聴いてるのかも。
1964年のデルバート・マン監督による日本未公開映画、のちに「ニューヨークの恋人」というタイトルでTV放映された映画の主題歌。


☆ ☆ ☆



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不明

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Midnight Moonlight & Magic: Very Best of HenryMidnight Moonlight & Magic: Very Best of Henry
(2004/03/23)
Henry Mancini

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「Dear Heart」はサントラとかもあったりするんですが、わたしが聴いたのはこのベスト盤。ヘンリー・マンシー二の代表曲満載のCDです。シャレードとか、聴き飽きてるだろうと思いながらもあらためて聴いてみるとヘンリー・マンシーニのメロディ・メイカーぶりにちょっと吃驚したりします。



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コメント

こんにちは(^^)

ハッセルブラッドで撮った、最初の写真、すごく良い雰囲気ですね~。
フィルムも大きくて、見ごたえあります。
でも、12枚撮りとなると、気軽には写せませんよね。
1枚1枚に対する思い入れが、すごく大きくなりそうです。
このカメラでの撮影は、特別の時用ですよね^^

Nikonのカメラとの出会いは、本当にラッキーでしたね!
こんな出会いは、そうそうないと思います。
8万円は、かなり勇気がいりますけどね。
買ったあとの気持ちも、よくわかります^^
このカメラで撮影した、中古のカメラの写真もいいですね。
映画のワンシーンのようです。街角の映像のよう^^

私も利き目は、完全に左目ですよ。
右目で撮る写真は、ぼけた失敗写真になると思います。
弓道と利き目の話も面白いです。
薄荷グリーンさんの学校は、弓道が強いんですね!

No title

こんにちは~。
FM3が59800ですか~。
やっぱりニコンですねぇ。
私のペンタのフィルム一眼なんてヤフオクで3000円でも売れてない。 (T_T)

私はPENTAXとミノルタ使いですが、やはりニコンには憧れます。
なぜ手を出さないかというとレンズが高価で中古でも手が出せないから。
腕はメチャ下手なのに、どうしてもレンズ沼にはまりやすい性格が災いしてます。
時々ニコンのFシリーズをヤフオクで眺めて欲しいなとため息ついています。
視野が抜群ですからね~。
いい買い物されましたよ。

現行のカメラというのは基本的に右利きのために作られていますね。
利き手だからシャッターは右手でとなると、ファインダーを右目でカメラの左サイドから裸眼で被写体を左目で、と言う具合になったのだと思います。
専門家でないのでわかりませんが。
私も利き目は左なんですけど右目でファインダー覗いてますね。

No title

こんばんは、薄荷グリーンさん。

私はファインダーを右目で覗きます。
っていうか、覗いていたと記憶しています。

というほど、カメラを持たなくなって長い年月が
経っています。
歳を経た私ですらそんな有様ですから、
おっしゃる通り、カメラを知らない若い人は多いのでしょうね。

ビスケットカメラで撮影なさった紅梅がすごいですv-354

No title

こんばんは~!
新しいカメラ買ったのですね!(笑)
薄荷グリーンさんが、どんどんカメラにのめり込む様子が
すごく解ります(笑)
写真も撮る度に物語るような感じがしてきて
すごく素敵だし。
私は詩(歌詞)を以前書くのが好きだったのですが
一枚の写真や絵からインスピレーションを得る事も多くて
薄荷グリーンさんの写真は私の想像意欲を掻き立てます(笑)
とはいえ、もう外に向けて歌う事も無いので歌詞にはしませんが(^^;

って言う私の一眼レフのフィルムカメラは頂き物で
出始めた頃の古いキャノンのイオスなんで
撮るテクニックとか皆無なんですが
例えば24枚撮っても中で気に入る写真が数枚だったり
思わぬ写真が撮れていたりの楽しさは
デジカメじゃ決して味わえないと思います(笑)

元々は薄明かりの中で瞳孔が開いた状態の
”可愛い顔”の愛猫を撮りたくて戴いた一眼レフだったのですが
頂いてから数年は一眼レフにはまって
フィルム代と現像代が物凄い事になってました(^^;

ちなみに今回の記事を拝見して改めて自分がどっちの目でファインダー覗いてたか
全く意識して無かった事に気が付いて試しました(笑)
私は右目でした。
効き目も初めて知りました。
右が効き目だから右で覗いてたのかな~?
カメラの知識が全く無い状態で写真撮っていたので
(頂き物のカメラには取り扱い説明書も無く、適当にいじって適当に撮ってました)
本当に何も考えて無かったんだなって改めて思いました(笑)

りい子☆さんへ

こんにちは!

ハッセルの写真。かっこいいでしょ。孤立して群生してる木を見て面白い♪と思ってシャッターを切ってみました。
モノクロというのもやっぱり雰囲気が出て良いです。カラーも嫌いじゃないけど思うような色になってなかったりする時も多いから、モノクロはそういうことを気にすることがないというのも利用価値があるところかもしれないです。
12枚は被写体を厳選することを要求する割りに、現像が上がって眺めたりする時はあっけなく見終わってしまうというちょっとアンバランスな気分を引き起こす感じがします。
撮る時は気合はいりますよ。カメラを向けてみたもののそれほど被写体に気を惹かれないと少しでも感じたらシャッター切れないくらい気合が入ります。
だから今日は気合を入れて写真を撮るという時しか持ち出せないかもしれないです。本心ではもうちょっと気楽に持ち歩きたいと思うんですけど、道具として馴染めるまで未だ時間がかかりそうです。
ハッセルの写真はこの木のものもそうなんですけど、12枚撮ったものから一番気に入ってるものをピックアップしてるので、そういうのを小出しにしてるとハッセル単独の記事を書いた場合載せる写真に困りそうな感じになってます。記事書くにはやっぱり枚数多く撮らないと駄目みたいなところがあるので、積極的に持ち出した方がいいってこの頃思ったりしてます。

このカメラを買った時の気分の翻弄され具合は記事に書いたとおりなんですけど、実際に買った日前後の何日間は本当に舞い上がってました。買ってからも楽しかったけど、買う前も凄い楽しかったですよ。
まず間違いなく新品だと思うので、これは本当にラッキー。レンスの包装してもらってる時、こちらは中古になりますので箱はついてませんって云いながらクロスで包んでたので、もう店員さんも暗にカメラが新品だといってしまってます。他のところで妥協して買わなくて本当によかったです。それで普通なら6ヶ月保障が切れるまでに不具合をあぶりだそうと試し撮りに必死になってる頃なんですが、新品に違いないと思ってるから試し撮りも随分と悠長な間合いになってしまってる感じです。

あの中古カメラ売れたかな?今度難波に確かめてきます。「臭い」ありって言う注意書きのカメラは始めて見ました。よっぽどとんでもない匂いがするのかな。ロシアのカメラは漁船で運んでくるので蟹の臭いがするとか、冗談で聞いたことはありますけどね。
雑踏の写真は大阪っぽく雑然とした感じで撮ってやろうと思って撮りました。ごちゃごちゃしてるのも街撮りスナップだったら面白いかもしれないですね。直ぐに写るものを整理したくなってくるけど、混沌のままというのも意図して撮ってみても良いかもって思いました。

卒業してからはよく知らないんですけど、この時の代表になったのがわが弓道部では初めてだったんじゃないかな。そんなに強くなかったですよ。事実本大会予選で敗退。わたしの出番はなかったです。メンバーからは出番を作れなくて申し訳なかったって云われたんですけど、物見遊山で付いて行った感じの方が強かったので、わたしは気楽で良かったです。
効き目の話はちょっと面白いでしょ。わたしは右目でファインダーを覗く練習でもしてみるつもり。目がちかちかしたままで撮る写真に新機軸が現れてくる可能性もあったりするかもしれません。

No title

新しいカメラ買ったのですね!!
それもNikon一眼のフィルムカメラというチョイスが渋いっ!
今やフィルムカメラって凄く贅沢品のように感じます
ウチではちょっと勿体無くて・・・
でも、いつかは一眼のフィルムカメラを買ってみたいです☆

kuroさんへ

こんにちは!

大体わたしが見て廻ってた店はこの程度の値段で売っていて、極端に安かったり高かったりというところはなかったです。だからこれが今の相場なのかなと。でも今も修理がきくとか新しい機種の利点があるせいなのかやっぱりちょっと高いですよね。何か話によると2006年に生産中止が決まった時中古の相場が一気に高騰したそうで、そんなに貴重に思うものなら生産中止に追い込まれる前に新品で買ってマニュアルカメラを支えればよかったのになんて思ったりしました。
ちなみにわたしの父に聞いてみると父はペンタックス使ってたそうです。ニコンはやっぱり高かったって。

一眼レフって買ってみて思ったんですけど、レンズが高いですね。本体なんかよりずっと手が出しにくいというか。コンタックスも好きで購入時にアリアと選択肢を分けてたところがあったんですけど、カール・ツァイスのレンズの高さに吃驚して、とにかく第一歩目の選択からははずしてしまいました。ニコンは評判の良いレンズで割りと流布してるものはそれほど無茶な値段になってるとも思わなかったんですけど、数を揃えたくなってくるとやっぱり負担になってくるんでしょうか。
わたしは一応最初のものとして50mmを選んだので、もう一本、とりあえず広角のものが欲しいかなと思ってます。わたしの場合欲しいメーカーの機種を揃えていく結果として、ニコンのレンズのみが増えていくというよりも、メーカーごとに融通の利かない似たようなレンズが増えていくような散財の仕方をしそうです。
ペンタックスというのはわたしはよく知らないんですけど、ミノルタはコンパクトカメラとかでも名機に認定されてるようなものがありますよね。ミノルタは二眼が欲しいかも。ニコンもフラグシップ機の「F2」はちょっと欲しいです。右手で握るグリップのないデザインの方が好きだったりするので、この辺りが見た目にも大好き。

カメラが右利きのためにデザインされてるというのはわたしにとってはかなり思いがけない事実でした。何もこんなものにまで右利き左利きの区別つけなくてもいいのにと思いました。左利きのカメラが一切存在しないというのも何かちょっと理不尽な感じ。もっともわたしは手のほうは右利きで目の効き目だけが左なので、こうなるとちょっと対応はしにくいんだろうとは思いますけどね。
効き目と違う目でファインダーを覗いていて目がちかちかしてきませんか?わたしはそれと縦にした時シャッターボタンを下側にする構え方も信じられません。この構え方はシャッターボタンを押すのが無茶苦茶難しいです。この構え方でも一つ記事にしてみようかなぁ。

とのさんへ

こんにちは!

とのさんは右目派ですか。やっぱり右目で見る方が多数派なのかなぁ。
でも云われてみるまで殆ど気にもならなかったでしょ。わたしの場合は他人がカメラ覗いてる姿なんて生まれてから数え切れないほど見てるはずなのに、自分とは覗き方が違うって気づかなかったですから。
カメラというと携帯の形を思い浮かべるような世代は絶対に育ってると思います。逆に云うとそういう世代にカメラって本来はこういう形をしてたんだよって見せてみると凄い新鮮なものとして受け取ってくれるかも。フィルムの消費は従来からカメラを触っていた層よりもトイカメラで興味を持って始めてカメラを手にした層が下支えしてる部分もあるし、そういう風にカメラから携帯に移行してしまった人間相手にするよりも今までカメラとは携帯の事だと思ってた人を相手にした方がカメラの未来は明るいかもしれないです。

梅の写真、凄い写りでしょ♪赤い斑点が飛び散ってるみたい。云われても梅に見えなかったりして。
予想外の写り方をするこういうおもちゃで遊んでみると、意外とこちらの発想の堅さみたいなものに気づくこともあったりして、色々自省してみたり、なかなか面白い体験が出来ますよ。

No title

薄荷グリーンさん こんばんわ*☆

決心されたんですね。

薄荷グリーンさんの気持ちの揺らぎが確信へと変わっていく様子が手に取るようにわかって
読ませていただいてて自分の姿とオーバーラップさせてしまってました;^^
以前、ほしい楽器(ギター)があって それがネックジョイント部分にわずかな塗装割れが
あるために市場価格の6割値くらいで販売されていて自分にとってはかなりの大枚をはた
いて購入した・・そのときの心情にとても近くて・・

その、グリーンさんの気持ちを鷲づかみにしたNikon FM3Aで撮影した写真、やはりいい
ですね。クリアーで自然な感じに撮れてるなって思いました。

ファインダーを覗く目・・自分の場合どっちかなって思ったのですが左目ですね。やっぱり
右目だと不自然な感じで安定しなくてピンボケ写真になっちゃうだろうと思います。 

Henry Mancini の Dear Heart  この曲、アンディ・ウイリアムスが歌ってたのを聴いたこ
とがあります。いつだったか聴いたことのある懐かしいメロディ・・ そんな感じのする曲で
すよね。







ROUGEさんへ

こんばんは!

元々美術系のことに関心があったから、単純に外の光景を写し取るだけじゃない写真というのが面白くなってきたら、そういうところに再び火がついてしまったのか、気づいたら色々カメラを持ってることになってしまいました。
ちょっとコレクター気質もある感じです。
フィルムのカメラって色々と個性的で、それぞれ気になるところがあったり一度は手にとってみたいなと思わせるところがあって欲しくなってくるんですよね。これがまた絶対に手に出来ないほど高価なものだったらいろいろ試してみようなんて思わないんですけど、手にできる範囲でもいろいろと面白そうなのが出てるから困りものです。色々試してみてそのうちよく使う必要なものとそうでもないものの区別は出てくるとは思うんですけど、今のところ試してないものの方が圧倒的に多いのでその分、気が多い状態になってます。
映画のブログなのに映画のほうは開店休業状態。今回も「欲望」をちょっと混ぜ込んだりして繋がりを維持しようとしてるんですけど、のめりこみの度合いは今はカメラの方が大きくなってます。
映画の事を書く時はいつでも観てない人を相手に書こうとするから結構考えてしまうところもあって書きにくい思いをするんですけど、写真だと実際にブログに載せて具体例付きで書けるし、何よりも自分で撮ったものについて書くんだから映画のように他人が造ったものに関して書くのとはまた違った面白さがあります。


写真は含みがあると面白い写真になりますよね。観たままを切り取っただけというよりもイメージが広がる余地を含んでる写真は観ていてわたしも面白いです。写す時にも色々と工夫するんですけど、そういうのが思い通りに写真に定着できるかどうかはやっぱり難しいものがあります。一応ちょっとかっこいいかなと思うものを選んでブログに載せてますけど、撮った写真の殆どはただ見たままの風景が写ってるだけというのはまったく同じ状態です。含みのある写真を思い通りに撮ってみたいです。
詩作もそういう写真と似てるのかな。少ない言葉でいろいろと含む部分を多くするように世界を作っていくって云う感じ。
でもわたしは詩作のほうはからっきし駄目です。ブログの文章見ても判るとおりとにかく大量に文字を使って書いていくから、簡潔に言葉を連ねるってまったくできないんですよね。わたしには文章しかかけないと分かってるから、詩作が出来る人の言語感覚は結構羨ましく思うときがあります。

フィルム代と現像代はわたしも凄いことになってますよ。今まで買いあさってた中古の映画DVDがあまり買えなくなってしまったくらい。
ブログに載せてるのはフィルムからスキャンしたものでプリントをスキャンしてるものじゃないから、そのうちプリントは省略して現像だけ頼むようになるかもしれないです。結構費用がかかるというのはフィルムを始める足かせの一つになってるかもしれませんね。

ROUGEさんは右目派ですか。やっぱり右目の人が多いのかな。大体7割くらいが効き目が右の人らしいです。では左目で覗いてるわたしのような人間は気づいてしまうとちょっと妙なことやってるような感じに見えるかもしれませんね。
当たり前だと思ってたことが他人とは違う方法でやってたというようなことは、気づかないだけで日常生活の中では色々ありそうですよ。

ロキ様へ

こんばんは!

新しいカメラ買ってしまいました♪
高い買い物になるしやっぱりオーソドックスな選択にしておいた方が良いかなと思ってニコンです。
ハッセルと上手く使い分けが出来ると良いんですけど。両方ともちょっと気合が入らないと持ち出せないかも。

フィルムカメラは完全に趣味の領域に入ってますよね。あえて不便な手続きで写真撮るのが面白いだとか。でもちょっと触りだすとフィルムの巻上げの感触が面白かったり、なかなか撮った写真が見られないのがドキドキする期待に変化したりして、手軽に見られるデジタルカメラの手順がなんだか物足りなくなってくるんですよね。
ただコストが結構かかるのは確かに贅沢品といっていいのかも。これは予想外にお金が飛んでいって結構痛いです。全部フィルムなんていうのもちょっと馬鹿げてるのでデジタルとも併用していくのが一番いいと思ってます。
トイカメラからフィルムに入ってきたり、デジタルしか知らなかった世代がフィルムの面白さに気づいて入ってきたりと色々と変化はあるような気がするし、フィルムの市場はやっぱりデジタルに押されはしてるものの、意外としぶとく生き残っていくかもしれないです。
フィルムの一眼、ぜひ買ってみてくださいね!
わたしは次は二眼レフが欲しいかな。

諸星輝々さんへ

こんばんは!

今回の内容は、ちょっと書くの躊躇ったんですよね。買った記念に日記みたいにして書いておきたいという考えと個人的な買い物の話なんか読んで面白いんだろうかっていう考えがぶつかり合ってるような感じになってました。それで実際に買うに当たって右往左往した気持ちをメインにして書けば、買った品物に興味がなくても何とか読めるものになるんじゃないかと思ってそういう方向で書いてみることにしました。
大枚をはたいて自分が欲しいと思ってるものを買う決断をする、その時の気持ちの動き方とかやっぱり同じような体験されてますか。気持ちの揺らぎもなくすんなり買える人ってやっぱり数としては少ないでしょうね。

それでニコンのコンデジも混ぜた内容になってるから、ちょっと書き方が紛らわしかったか、実は今回の記事には買った一眼レフで撮った写真は未だ載せてないんですよね。ニコンで撮った写真は今回の記事のはコンデジのほうです。でもこのコンデジが気に入って一眼レフもニコンにしたわけだから、そういう意味ではわたしが心惹かれたものが当然この中にも入ってるといえるんじゃないかと思います。
既に今回買ったFM3Aでフィルム一本試し撮りしてます。結果はそのうち記事にすると思いますけど、カメラのほうは凄く使い勝手が良い感じなんですけど、一緒に買ったレンズの画角50mmというのが意外に手強いというか、これを自分のものにするにはかなり使い込む以外にないだろうなぁという感想を持ちました。

諸星輝々さんはわたしと同じ左目派ですか。これは少数派です。でも左が当然と思ってる側からみると右眼でみるなんて不自然で凄く見難いように思えるんですよね。理にかなってるのは左だと思うんですけど、この理屈は通用しないのかな。

今回アップしたのはCDでわたしが聴いたマンシーニのオーケストラのものでした。探してる最中にアンディ・ウィリアムスのも見つけましたよ。この人とシナトラはスタンダード曲になるとやたら名前を見ますよね。シナトラの歌うのは洒脱に過ぎてちょっとぴんと来ないものが結構あるんですけど、アンディ・ウィリアムスの歌ってるこの歌のは結構気持ちよく聴けました。シンプルだけど綺麗な曲でわたしは大好きです。

No title

こんにちは

高価な買い物をする時のドキドキ感、伝わってきました。
買うと決めて、あれこれ迷っている時というのも楽しいものですよね。
私も一緒にワクワクした感じで、面白く読ませてもらいました。
結果は、ほとんど新品が中古と同じ価格で購入できたとのこと、良い買い物ができたようで良かったですね。
ニコンの一眼、カッコいいです。

かに道楽前の兄ちゃんは完全にこっち見てますね(笑)
こういう感じの人は、自意識が高そうだから、ファッション雑誌にでも載ると思ったかもしれません^^

私も、ビスケットカメラの写真は、エスカレーターのが良かったです。
直線で区切られた感じと色合い、そして、下の子供とエスカレーターに乗る女性の対比みたいなのも面白いです。
あと、謎の写真は皆目何だか分かりません。
ソーラーパネル?、スピーカー?、車のホイール?、全部違うと思いますが^^;、答えが気になります。

ヘンリー・マンシーニの曲は、どこかで聴いたようなんだけど、思い出せないのがミソですよね^^
謎の写真も同じような感覚です(笑)、ピアノのリフみたいなのがいい感じです。
あと映像の最後(何も映ってませんが^^)、ビートルズがカバーした「Till There Was You」が次の動画になってて、なるほどこの人の曲だったんだと思いました。

因みに私もファインダー覗くのは左目です。

ジオヤーさんへ

こんにちは!

高価なものを買う時ってこういう風に逡巡する人も結構いるんじゃないかと思って書いてみました。特にわたしは払いなれてないのかこういう風に優柔不断になる場合が多いようです。今回のは躊躇った後でも入手できましたけど、わたしの場合躊躇ってしまったらほぼ確実といっていいくらいの割合で後日行って見たら売り切れてたということになってます。帰ってからそういうことを愚痴ってると、あんたは見た時に欲しかったら買わないと、いつでもそんなこといってとあきれられたりしてました。
中古は特に出会ったのを逃すと次に出会う可能性自体がない場合も多いから、見たときに欲しければ買うというのが鉄則のようです。でもカメラってこういう方向に走っていくとお金かかりますね。特にレンズ。レンズがこんなに高いとは思わなかったので、せっかく一眼レフ買ったけど、レンズをあれこれ買い揃えられないかもしれないなんて思ってます。
トイカメラ中心で遊んでる方が安上がりで気が楽かも。

迷ってる間は本当に楽しいですよね。品物は手に入れたけどこの楽しさに決着がついてしまったのは凄く物足りない感じです。他にも欲しいカメラはいくつかあるので、お金貯めてそういうのが買える状態に早くなって、また迷いまくる日々を過ごしてみたいです。

このカメラかっこいいでしょ。どうも人気は黒バージョンのほうで、こういうシルバーと黒のツートーンはまるで写真学校の学生が持ってるみたいなイメージがあるらしいんですね。でもわたしはクラシカルなこのタイプのカメラの方が絶対に好き。今のところ24枚撮りのフィルム一本試し撮りしてるんですが、使いやすくて良いカメラだと思います。デジタルの波に押されて消えてしまったのがカメラ自身にとっても無念だっただろうなぁって思うくらい。本来ならもっと長い間活躍できたカメラだったと思いますよ。

大阪っぽい兄ちゃんだけで、この兄ちゃんのことだと分かりましたか^^
この後もうちょっと近づいて、携帯電話で話し始めた隙に大写しのも撮ってるんですけど、このファッションはちょっと目を引く感じでした。京都ではあまり見ないタイプの人だったのでわたしは結構気を引かれるところがありました。でもこういう場合文句でも云われたら逃げる以外にないですよね。あまり危なそうなことはやらないでおこうっと。向こうもこっち見てるということはわたしも結構注意を引くようなことをやってたのかな。

ビスケットカメラの写真。実は色味はレタッチで変えてます。好みの色にしてるので色合いがいいといってもらったら凄いうれしいです。子供の配置はまったくの偶然で、それに限らず偶然が作ってる部分が多い画面ですけど、そういう偶然を呼び込むためにも数多く撮る必要があるかもしれません。
謎の写真については次回正解の写真でも載せようかなぁ。ちなみに今のところ全部外れです。割と思いがけないものですよ。

「Till There Was You」は確かマンシーニの曲じゃなかったかと。でもマンシーニの曲みたいに書いてますよね。聴いてみようと思ったらあなたの国では聴けませんって表意が出てきました。ちょっと知りたい気分です。曲そのものは「ミュージック・マン」というミュージカルの曲なんですよね。
マンシーニのこの曲は聴いたことがあるフレーズの集大成みたいな感じがするんですけど、まとめ方が上手いという感じなのかなぁ。手馴れた作曲家が手馴れた手つきで仕上げましたっていう感じがします。わたしはこういうメロディラインにちょっと弱いところがある感じで、気に入ってしまうのが早いです。繰り返すピアノのフレーズ、シンプルだけど軽快さもあって曲に優雅なテンポを与えてるみたいですね。

左目派は少数ですよ。というか他の人が右目で覗いてるって今までに気づいたことありましたか?わたしはこの前の祇園白川の車夫を撮ってるカメラマンが右で覗いてるのを見てるのに、これを書くきっかけになった発見をするまで気づかなかったです。花嫁さんを撮ってるカメラマンもどうやら右で覗いてるみたいだし。
左眼で見てるプロも一杯いるからどっちでも良いんですけど、こういうことでも撮れる写真に何らかの変化を与えてる可能性はあるかもしれないですね。

こんばんわ^^

一眼レフ欲しいです、私も^^
ハッセルブラッドの最初の写真はホント、とってもいいですね!
なんか、渋いプロライクの感じが出てて、好み~♪と、叫びたいくらい^^b

一眼も、あるんですけど、自分で買うならやっぱり、ニコン・・・
キャノンも有りかな???と思ったりしています。
後々、飽きが来ないようにと考えると、ある程度の値段は
まあ、しゃあないかな?と思ったりもしています。

カメラは良い趣味だと思います。
私もたぶん、そのうちですが・・・一眼やっぱりニコンで^^
買うような気がしています♪
一杯撮って、楽しんで下さいね^^b

たえさんへ

こんばんは!

ハッセルの写真なかなかよく撮れてるでしょ。現像が出来上がって見た時になんかかっこよく仕上がってるなぁって自画自賛しましたから。
多分にモノクロの持つ雰囲気に助けられてるんだと思いますけど、こういうのが出来上がってくるとモノクロで撮るのが癖になりそうです。

一眼はとにかく一台欲しいと思って買ってみました。買うと決めても土壇場までいろいろと逡巡してたのは記事に書いたとおりです。
それで買ってみて分かったのは、レンズって高いんだということ。本体を越えてる高価なレンズとか当たり前のようにあって、本体買うのでも四苦八苦してたのにレンズってこれから揃えられるんだろうかとちょっと途方にくれるところがあったりします。
わたしはちょっとミーハー的な理由も追加してニコンにしました。でも買うとしたらわたしもやっぱりニコンかキャノンを第一候補にしてると思います。ソニーとかパナソニックとかツァイスのレンズ使ってたりしてる部分はいいんですけど、どうも家電製品であっても光学製品という感じがしないんですよね。わたしは家電よりも光学機器としてのカメラが欲しかったので、ソニーとかは候補からはずしました。
やっぱり昔からカメラを作ってきたメーカーの方が使っていて楽しそうだし、信頼も置けるんじゃないかと思います。

一眼はあるとやっぱり楽しいですよ。写真撮る幅が一気に広がったような感じがします。ただわたしが買ったのは昔のカメラタイプのものでピント合わせも自分でするようになってるもの、これはとっさのシャッターチャンスにはまったく対応できないです。じっくりと一枚撮る時に威力を発揮するようなカメラなので、シャッターチャンス用にコンパクトカメラも併用することになると思います。用途用途なんですよね。
いっぱい撮って楽しんでみます。現像代が怖いけど。
たえさんもぜひ自分の一眼レフを手にしてくださいね♪

No title

粘り強く探した甲斐がありましたね!
私なら京都の時点で買っていそうな気がします。
新品同様というか、きっと新品なんでしょうね。
掘り出し物が見つかってよかったです。
どのような写真が撮れたのか、今度見せてくださいね~

こちくんへ

こんばんは!

高い買い物をすることになるのでかなり慎重になりました。実際にホコリ混入なんて表示がしてあるものを、始めて一眼レフを買おうかとしてる時に、やっぱりなかなか手を出す気にはならないです。中古だから余計の慎重になりました。
おそらく新品だったんだと思います。こういうのを見つけられるとは正直思えなかったし、一緒に買ったレンズも凄く綺麗な状態のものだったので、この大阪の店が一遍に贔屓になりました。

一応動作確認で24枚撮りのフィルムを撮り終えてます。
載せられるような写真が撮れたら記事にするつもりではいますけど、カメラの使い勝手は凄くいいものの、一緒に買った標準といわれる50mmレンズの扱いがかなり難しいというか、ちょっとてこずってる感じです。
画角で誤魔化してる部分がなくなるからものすごくありきたりの絵になってしまうんですね。
50mmレンズを使いこなせたら絶対に写真の腕も上がってるんじゃないかと思います。

ありがとうございます

 
カメラ、写真に向き合われて、かけがえのない

体験をされておられるのですね


モノクロの木と自転車のお写真

素敵です!


記事から、真摯でご誠実がお人柄が

伺い知れるようです


いつも私の部屋にお立ち寄り、ポチくださり、

ありがとうございます!

ponsunさんへ

こんばんは!

何がきっかけになるか分からないっていうのを言葉どおりなぞってるようなのめりこみ具合になってるというか、ここまで費用を費やして色々試したりするようになるとは自分でも思ってませんでした。元々映像だとか絵画だとかは凄く好きだったし、映画もフィルムを使う映像だから、全く違う分野に入り込んだというわけでもないんでしょうけど。

モノクロのこの木の写真いいでしょ♪
撮った本人もその場にいて気づかなかった雰囲気みたいなのが上手く含まれて絵になってる感じで、わたしも気に入ってるんですよね。またこういうのを撮ってみたいですけど、半分以上運任せなのでなかなか思うようにはいかないです。

そこまで褒めてもらうとちょっと面映いですけど、楽しめるようなブログにしていきたいとは思ってます。

こちらこそいつも有難うございます。これからもよろしくお願いします。
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