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夏のラフスケッチ + Minha Namorada - Neco and the Ipanema Strings

模造の鳥かご
寺町 2014/08

今年の夏が始まる時に、こういうカメラにフィルム入れて準備万端!なんて云うようなことを書いたけど、まさかこんな夏になるなんて予想もしてなかったから、思惑は大外れとなりました。
その場で足踏みして様子を伺ってるような性格の悪い台風が現れた頃から、台風が去れば天気も持ち直すだろうと思っていたのが、その後も一向に晴れ間も見せてくれない、曇りと雨が交互にやってくるような日々が延々と続く羽目になって、夏に持ち出すつもりでフィルムを詰めたハッセルなんか今のところ結局一度も触りもせずに夏が終わってしまいそうな気配になってます。ハッセルに詰めたブローニー、使用期限は七月末だったのに。しかも同じ期限のフィルムがまだ二本も残ってるし。
夏らしさといえば、一番遠慮したい酷暑だけが例年を上回るような勢いだったから、この点でも大層なカメラを持ち出す気にならず、一度コンタックスT3を持ち出した日があったんだけど、炎天下を少し歩いただけで黒いチタンのT3は熱したフライパンのように熱くなって吃驚。こんなに火で炙られたようになったらカメラも絶対に痛むだろうと、なおのこと今年の夏は本格的なカメラを持って出ることもなく過ぎていくこととなりました。

かといって外出時にカメラを持ってないととんでもないものを忘れてきたような気分になるから、今年の夏は久しぶりに気楽なトイカメラを中心に持って歩き回ってました。
最近もずっと持って出歩いてるのはゴールデンハーフというトイカメラ。名前から予測できるようにトイカメラでは珍しいハーフサイズのカメラです。ハーフカメラは今現在オリンパスのEE-2にもフィルムを詰めて持ち歩いてる最中だから、今夏はハーフサイズ三昧の日々となってます。
今時フィルムが倍撮れるなんていうことで喜ぶ人も極めて限られてるだろうけど、これだけのことでも気軽にシャッターが切れるという気分になったりします。
思えば去年の夏もオリンパスペンFで撮って、あとで「この夏見ようとしていたもの」なんていうタイトルで記事にしてたように、ハーフカメラ三昧の日々でした。今回のはペンFのようにレンズ交換できるカメラじゃないので、目的の望遠一本だけ選んで撮って、距離の圧縮効果で平面的な絵画的印象にしようとした去年のものとは、同じハーフカメラで撮ったものだとしても印象はそれなりに違ってると思うけど、変化があるほうが面白いんじゃないかと思います。


鉢植え
新風館 2014/08




氷
六角通 2014/08

今のところ今夏このゴールデンハーフで撮ったのはフィルム2本と今現在入れて撮ってる最中のが1本という進捗具合。
EE-2のほうも夏のフィルムは1本撮り終えて2本目にかかってる最中となってます。
ちなみに今回の写真の使用フィルムはコダックのスーパーゴールド400の24枚撮りでした。
カメラそのものがラフなカメラだからというわけでもないんだけど、意図的にノー・ファインダーで、またピントが合う最短距離もほとんど気にしないで撮ってることが多いです。最短の撮影距離が1.5mらしいというのは一旦脇に置いておいて、撮ろうとしてるものの10cmくらい近くまでカメラを持っていって、そのままファインダーでどう写ってるか確認せずにシャッターを切るようなやり方。それとストロボも積極的に使ってます。

ファインダーという枠を通して世界を見ることへの偏愛のようなことを以前に書いて、このやり方は以前に書いたのとは矛盾するんだけど、ファインダーを覗くとどうしても構図的なものが頭の中で動き始めることも多く、こういう、云うならみんながいいとする枠組みのようなものに合わせてしまう自分の感覚の凡庸さに倦んで来るような時、そういうのとはちょっと違うところへ着地させられないかと思うこともあったから、こういうラフな撮り方は自分の中ではそういうのを試してみてる意味合いもあるんじゃないかと思います。
立派なファインダーだと無視するのもなかなかやりにくいです。

☆ ☆ ☆

ちなみにゴールデンハーフってこんなカメラ。

ゴールデンハーフ

形はコダックのボックスカメラ、ホリディにそっくり。大きさがうんと小さくなった以外は権利関係大丈夫なのかというくらい似てます。
今はもうカメラ自体は製造してないようだけど、京都の話でいくと何店舗かあるヴィレッジヴァンガードにまだ売れ残ってるのが棚の上のほうに埃をかぶって置いてあったりします。でも売れ残りでも5000円前後の正価の値札のままで、とても高い。面白いカメラだけど、この値段出すならわたしならオリンパスペンのEE-2のほうを買ってます。
わたしの持ってるのはキティちゃんヴァージョンのもの。実は向かって左下にキティちゃんのプリントがあったんだけど、ここ、ちょうど指が当たるところで、キティちゃんはあっというまに剥げ落ちてしまいました。総体にプリントはヤワヤワで、カメラの表面にインクを乗せてるだけという印象。わたしのこれ、そのうち真っ白なカメラになりそうです。
写りは見た目のトイっぽさにもかかわらず、実はかなりまともに写ります。自分で思うには、最短距離を無視して撮ったりするのはそのままだとまともに写り過ぎるからというような意識もあるのかもしれないです。
絞りは晴れと曇りとフラッシュ時の3種類の切り替え。晴れの時の絞りの値は説明書によるとf11でシャッターは1/100の単速らしいから、感度400のフィルムを入れると晴天の日向で2段くらい露出オーバーになるのかな。オーバーの度合いはフィルムの許容範囲だから、感度400のフィルムで日向から薄明るい日陰くらいまでを撮影範囲にした設定といえると思います。日向からの光が回り込んでこないような影の部分は感度400のフィルムだと、絞りをf8設定の曇りにあわせて一段開いてもぎりぎりくらいで、撮影するのはちょっときついかも。
だから完全にお天気カメラという性質のカメラで、撮影状況を広げようとするなら、フラッシュは必携となります。このカメラは、何の調節も出来ない、ただ光らせるだけという仕様でも、ホットシューが装備されてフラッシュがつけられる仕様になってます。これってゴールデンハーフのちょっとしたチャームポイントになってると思います。

使っていて思ったんだけど、ほとんど何もすることがないカメラだから総てが分かりやすい存在かと言うと、むしろある程度露出の体感が無いと、真っ黒なコマを量産してしまう可能性があるので、晴天順光以外の条件で撮ろうとするなら、意外とハードなカメラになってしまう側面もあります。
大体どんな明るさでもシャッターが切れるから、ストロボが必要な状況かどうかも分かりにくいし、その点ではここは暗すぎて写せないとカメラが教えてくれるペンEE-2のほうがよっぽど簡単だったりします。



☆ ☆ ☆

Minha Namorada - Neco and the Ipanema Strings


このジャケットのイメージとネコなんていう名前で勝手に女性ギタリストだと思ってしまうけど、実は男のギタリストです。
60年代のブラジル音楽で代表的なギタリスト。
全体的には今で言うところのラウンジっぽい感じで、この前のと同じく夏の午睡にぴったり。粒が揃ったギターの音は引っ掛かりもなく、聴きやすくなってます。でもイージーリスニング的ではあるけど、グルーブのあるタイム感で結構表情蓋かなフレージングや、粒のそろった音を併せ持って、わたしは意外とテクニカルな人っていう印象を持ちました。
曲は作曲がカルロス・リラ、作詞がヴィニシウス・モライスという美しい曲。邦題は僕の恋人なんていうベタなものがついてます。






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