夏のラフスケッチ 構造化する世界 + Danny Boy - Mahalia Jackson

扉と窓の構成
柳小路近く 2014/09

四角い枠が画面を区切る。区切られたフレームにはそれぞれに様々なテクスチャ。意味ありげな文字。無彩色に近い色面と赤いパートの色彩的コントラスト。
ファインダーを覗いてる時に頭の中を巡っていたのはこういったことだったかも。
今回の写真もこの夏使っていたトイカメラ、ゴールデンハーフで撮ったものだけど、今回のはノーファインダーじゃなく、きっちりとファインダーを覗いてます。ただ覗いたからといってファインダーで切り取ったそのままで写真になってるわけでもないんだけど、ノーファインダーよりもシャッターを切った時の意図は反映されてると思います。
それにしても、単純なプラスチックレンズがついただけのおもちゃのカメラなのに、写る時は嘘みたいに質感も伴って写る時があるのはちょっと吃驚。

続いて夏の、とタイトルにいれてはみたけど、10月に入ったとなるとさすがにちょっと季節外れの感じがしてきて、この冠詞は取り外してしまおうかと、夏の、といっても別に夏らしいものを撮っていたわけでもないし、ただ撮っていた季節が夏だったというだけの話だから、それほど重大な意味が含まれてるわけでもない。
でも、ラフスケッチだけだと、何もこんなに特別なもののようにわざわざタイトルにしなくても、わたしが撮ってる写真は結局のところ全部ラフスケッチみたいなものだから、あえてつけるタイトルでもないような気もします。

いつも記事のタイトルはどうしようかと思案のしどころになってます。
場所が限定されていたり、何かテーマを持って撮ってるとそうでもないんだろうけど、今夏のような、町の中を歩き回って目に付いたものを片っ端から撮ってた写真はどこへ行って集中的に撮ったというのでもないから、伏見稲荷大社!のようなつけ方も出来ません。

で、メインタイトルが心許ないものだから、副題めいたものを追加してみるんだけど、今回のは大層なことを言ってるように見えながら、写真とか絵画とか、結局のところ混沌とした世界に理解可能な秩序を与える作業のようなものだから、構造化する世界なんて大層に書いても、大半の写真や絵画がそういうことと似たことをやってる以上実は何も言っていないのと大して変らない副題だったりします。
さらにこういう副題をつけておいて云うのもなんだけど、写真を撮ったりするのはそういう作業なんだろうと思う反面、目の前の混沌を混沌として形にするのも魅力的に思えてきたりして、被写体と背景のヒエラルキーだとか見栄えのいいバランスだとか、そんなもの一切関係なく、あらゆるものが等価であるような、云うならばノーニューヨークのような態度で写真撮れないかなと思うこともあります。構造化する世界の写真を撮りながら、解体する世界を夢想したりして、写真を撮る時の態度はいささか両方向に引き裂かれ気味。


重機
河原町三条角、ビル解体工事現場 2014/09

硬質で無骨なイメージかっこいい、機械の一部がかっこいい、錆もかっこいい、様々な角度で走る縦のラインが何だかモダン。色面構成的。
これはこんな感じかな。でも本当はファインダーを覗いてる時はあまり考えないほうがいいです。頭であれこれ考えてるうちに、どこか理屈に落とし込んでしまうと、写真が感じるじゃなくて納得するっていう形になってしまいがちで、納得する写真って、納得した時点で完結して、終わりになってしまいます。後々まで何か引っかかるものが残るような写真は納得する写真からは生まれないように思います。
だからこんな風に書き出してはみたものの、言葉に置き換えるのもプラスになる面、マイナスになる面、両方ありそう。

まぁ感覚が高揚するのも、萎えてしまうのも、感じるままにやればいいってことなんだろうけど、でも、たとえば見てなにかを思ったものや事は一度言葉にしてみるのは、言葉にすることで取りこぼしてしまうものがあるのは承知の上で、自分が感じたことに形を与えることが出来るから、たまにやってみるのはいいかも知れないとも思ってます。

今回は何だか取りとめのないことを書いてる。


自宅付近
自宅付近 2014/08


今回の写真は上にも書いたように総てゴールデンハーフで撮ったもの。さらにノーファインダーではなくきっちりとファインダーを覗いて撮ったコマから。
フィルムは上の二枚がフジの感度800のもの、最後のがコダックのスーパーゴールド400でした。
この類のカメラは低感度のフィルムを使っても絞りを開いて遊ぶようなことも出来ないし、ゴールデンハーフに関してはハーフサイズなので元から粒状性がどうしたとかいう撮影にもならないから、晴天の昼間だけじゃなく撮影できる時間帯、状況を増やすために出来るだけ高感度のものを使ったほうがいいです。

フィルムといえば気温もそろそろ下がり始めて、現像液の温度管理もやりやすくなってきたので、暫くやめていたモノクロフィルムをまた使い出そうかと思っています。カメラの調子を見るために今入れてるカラーフィルムを撮り終わった後で、夏前にハッセルに装填した期限切れフィルム、これ結局一度も使わずに夏を越してしまったんだけど、これを撮ってみてまだ使えるようだったら、残りの期限切れ二本を早急に使うのと平行してモノクロをいれてみるつもり。
そういえば最近カメラ雑誌を立ち読みしていて、フィルムは意外と増益にシフトしてるとか書いてありました。特にイルフォードのモノクロフィルムが、これはコダックのTri-Xの結構な値上げと入手しがたさや、フジが感度100以外のモノクロを全廃してしまったことの影響だと思うけど、今までの収益も順調だったうえにさらに売り上げを伸ばしてるそうで、わたしもコダックの仕打ちに今ストックしてるコダックのモノクロを使い切ったらイルフォードに変えようと思っていたから、同じように考えた人が大勢いるんだろうなぁと思いました。
イルフォードは海外では老舗のモノクロ専用の乾板、感剤メーカーなんだけど、コダックとフジの二強の影で日本では普及度はいまひとつ。各フィルムの違いが名前から予測できないところがあるので区別しがたく、この辺りをもうちょっと上手く宣伝したらもっと買いやすくなるんじゃないかと思います。
あと、チェコのフォマっていうモノクロフィルムも使ってみたい。





☆ ☆ ☆




Danny Boy - Mahalia Jackson


子供のt期にはじめて買ってもらったステレオセットに、お試しでついてきた音源に、この曲が入ってました。
なんて綺麗な曲なんだろうと虜になってから、今に至るも世界で一番美しい曲の座を、わたしの中で守り続けてます。
もちろんそこから今まで山のようにいろんな音楽を聴いてきて、「マイロマンス」だとか「マイフーリッシュハート」だとか「ティルゼアウォズユー」だとか、美しいと思うお気に入りの曲は増えたけど、ダニーボーイは未だに別格の特別席に陣取っているようです。

なまじ好きなものだから、好きな音の積み重ね具合とかも歴然とあったりして、いろんな編曲のものを聴いても、ここの和声はこういう音の組み合わせじゃないと思うところが必ずあって、これが完璧っていうのが未だに見つけられずにいます。

マヘリア・ジャクソンが歌うこの曲は、最初ゴスペルでダニーボーイ?なんていう場違い感ありありの第一印象で聞き始めたんだけど、程なく圧倒される結果となりました。思うような音の重ね方じゃないところもあるんだけど、そんな感想も吹っ飛ばしてしまうくらいの堂々とした歌いっぷり。
ゴスペル調アイルランドフォークソングなんていうなんだか居心地の悪そうな形にもせずに意外と原曲に忠実に歌ってたりして、それでこのマヘリア・ジャクソンの存在感なんだから、これはやっぱり凄いとしか言いようがないんじゃないかと思います。
ソウルフルなダニーボーイというのがこれほど聴かせるものになるとは思いもしなかったです。


1964年のアルバム「Great Songs Of Love And Faith」に収録されてます。
これはゴスペルというジャンルから離れて、単純に歌手としてのマヘリア・ジャクソンの存在を世間に認めさせたアルバムだったそうで、それはこのダニーボーイ一曲を聴いても容易に納得できるんじゃないかと思います。




☆ ☆ ☆





GoldenHalf ゴールデンハーフ RED TREES レッドGoldenHalf ゴールデンハーフ RED TREES レッド
()
GoldenHalf(ゴールデンハーフ)

商品詳細を見る


ゴールデンハーフ、キティちゃんヴァージョン以外もオーソドックスなのがいくつか入手できるようになってるけど、これは再生産ということじゃなくて、おそらく在庫整理?
キティちゃんのがほぼ半額で買えるのに、この値段で売れるのか??









スポンサーサイト