ラフスケッチ 鋭角的な理髪店、Bと風車 + Don't Bother Me / Till There Was You - The Beatles

バーバー
2014/09



いつもタイトルをつけるのに頭悩ますのに、これは「バーバー」あるいは「理髪店」以外にないだろうと、こんなにすっきりとタイトルつけられたのはひょっとして初めてだったかも。ただ、「バーバー」あるいは「理髪店」とつけても、さらに不可解さを増すために「鋭角的」なんていう形容を付け加えても、タイトルの意味合いはだからどうなんだと問い詰められれば一言も返す言葉を用意してないほどにほとんど無意味ではあるんだけど。ようするに散髪屋さんに思い入れがあって撮った写真じゃないって事。
自分の撮る写真は本当は大半を「無題」にしておきたい。でも記事のタイトルを全部無題にすると後で何の写真を載せた記事だったかさっぱり分からなくなるので、そういうこともできないままに続けてます。

実はこれを撮った日、ここで3回ほど写真撮ってます。いつもガラスがあればもっと反射を!と願うほうなんだけど、この場所はガラスに反射像が入って欲しくなかったから、シャッター切った瞬間、誰か通った人が写りこんだかなと思って撮り直し、二枚撮って一旦この場を立ち去ったのに、歩いてるうちにさらにもうちょっと椅子を画面に入れたほうが良かったかと思い始めて、もう一度戻って撮り直し。結局一番最後に撮ったのがお気に入りの写り方(この写真です)だったので、撮りに戻ったのは正解でした。こういう撮りなおしって、結局最初のひらめきが一番良く、どこをどうしたほうがよさそうなんていう、手直し的思考が介入すると、破格であった部分まで切り離して勢いを失うというような結果になることが多いので、最後に撮ったのがよかったと思えるのもあまりない経験でした。

幾何学的な、ロシアンアヴァンギャルドだとか、バウハウスなんかにありそうな感じで目に止まった場所でした。何か明文化できるようなテーマだとかで撮るよりも、色とか形で反応してるようです。冷たい感じのメタリックな椅子と、ガラスに書かれたロゴが白い壁に投影されてるのがかっこよかったです。





風車とビニール傘
2014/09




タイトルをつけるとしたら「Bと風車」っていうところ。基本無題にしておきたいのにタイトルをつけるとなると、わたしの場合は内容を的確に示すというよりも、意味不明の方向に何とか持っていこうとする傾向でもあるようです。
こっちもエッジが立ったオブジェばかりが集まってる感じなので、個別に眺めていた時はそうも思わなかったんだけど、理髪店のと並べてみると、似たようなロシアンアヴァンギャルド的な雰囲気がないこともないって云う感じかな。撮ったのは文化博物館の近くにある雑貨屋の前でした。

いつ行っても大抵同じ場所に同じものがあるという、こういう決定的瞬間でもなく、演出としてセットアップされたものでもない対象を撮っていて思うのは、このカメラ持って立っていた私の足の位置に立って、同じ高さで同じ角度で同じ天気の同じ時間帯に、同じ画角のカメラでシャッターを切れば、同じ写真が撮れるんだろうなぁということ。こういう行為を自己表現のような文脈で考えると、何しろ極端に言えばただシャッターを切っただけの行為でありそれは他人にも置換可能な行為でもあるから、あまり馴染まないところがあるように思えます。
これは写真が、こういう媒体としては唯一といってもいいんじゃないかと思うけど、基本的に修練なしに誰もが人差し指さえ動かせれば簡単に撮れるものだということも大きいような気がします。絵を書くとか楽器を演奏するとか、まず練習して基礎的な技術を習得しないと、まるで話が始まらないのとは正反対。そんななかであえてオリジナリティを主張するなら、この鋭角的な理髪店を撮った時にわたしが立っていた位置を、わたししか写真が撮れない位置という扱いにするしかなく、考えるまでもなくそんなナンセンスなことはありえない。
だから、基本部分で、カメラは誰にでも使える、シャッターさえ切れるならその場にいた撮影者でさえ置換可能だという特徴を、今までの良く理解していた表現物の文脈に押さえ込もうとして、あえて細工していく独自の表現とかテーマ主義のようなもので補強してるところもあるような気がします。絵画なんかに比べたらこんなに新しいメディアなのに、写真やってる人はやたらと師匠、弟子のような古色蒼然とした徒弟制度に寄りかかろうとするのも、ひょっとしたら表現行為としての写真の持つ根なし草的な寄る辺なさの性なのかもしれません。
でもわたしはこういう自己表現だとかテーマだとか、そういうものとまるで関係なしにシャッターを切るだけでも成立してしまう写真という領域は、それゆえに面白いと思うほうだったりします。バウハウスが写真を積極的に取り入れたのも、カメラさえ持っていれば、この誰もが修練なしに簡単に関われるということが理由の一つだったと聞いてるし、わたしは自我とか自己とか、檻のようなものだと思うところもあるので、手を加えて表現物的な方向を目指したりテーマの従属物的な扱いにしたりするその裏面で、自我の檻の境界をあいまいにしてくれそうなところがいつも寄り添うようにしてあるのも、カメラで写真を撮るという行為を気に入ってる理由の一つなんだろうなぁと思ってます。


使用したのはキヤノン7。ズミタールとインダスターをとっかえひっかえ使ってます。
少し前の記事でわたしのキヤノン7は露出アンダー気味と書いたけど、他のカメラで撮ったのも似たような傾向なので、ひょっとしたらスキャナーの調子が悪いのかも。ネットで買った一万円しなかった型落ちのキヤノンのフラットベッドスキャナー、Canoscan 8600Fっていうのを使ってフィルムを取り込んでるんだけど、もう限界なのかなぁ。ガラスは内側から曇ってるようで取り外せないからふき取ることも出来ないし、フィルムのような透過原稿以外のものをスキャンする時に上蓋の裏側につけておく板は爪が折れて止まらなくなってるのでビニールテープで止めてるような状態になってます。
これ、プレビュー画面と取り込んだ画像の色がはっきりと違うなんていうくらい性能は大したことないんだけど、安いのにブローニーフィルムもスキャンできて便利でした。しかしいくら便利でも上手く動かなくなりつつあるのならこれはどうしようもないわけで、何だか出費を迫られそうで頭が痛い。

ちなみにわたしはこの類のスキャナーをずっとフラットヘッドだと思ってました。気づいたのは数年前だったけど、正確にはフラットベッドです。


☆ ☆ ☆


Don't Bother Me - The Beatles


もう一曲、ビートルズ時代のジョージの曲。収録されたアルバムの中では捨て曲扱いしてる人もいるけど、わたしはこの曲も結構好きでした。
どこがどうだからといえないんだけど、云われてみるとなるほどジョージの作った曲っぽいと思わせる部分が多々あるというか。
闇の中から斜光で半身が浮かび上がる超有名なジャケットの、ビートルズとしては2作目になるアルバム「With The Beatles」に収録。ジョージのものとしては始めて世に出た曲でもあります。このアルバムはイギリスで63年にリリースされた、今は公式アルバムの扱いだけど、アメリカや日本では違う形でリリースされていて、レコードは収録曲違い、ジャケット違いで数種類存在します。以前にそういうヴァージョン違いのもセットになった形でCD販売されたんじゃなかったかと思うけど、今はおそらく公式のこの形のみになってるんじゃないかな。
初期ビートルズのアルバムは本当に輝きに満ちてる。このアルバムでは全曲オリジナルじゃなくて、14曲中6曲が当時のR&Bなんかのカバーなんだけど、わたしは一度もとの曲はどんな感じだったんだろうと思って探せたものをいくつか聴いてみた事があって、どれもこれもビートルズのカヴァーしたもののほうがかっこいい、元の曲はそれなりの時間の刻印を押されて、その時代のかっこよさに留まってるのに、ビートルズのものはオールディーズ的な雰囲気にはほとんどならないのに吃驚。
ブライアン・エプスタインやジョージ・マーティンなど、当時のビートルズのサウンドやイメージコンセプトのようなものを作り上げていったスタッフの先を見通す力(眼力です)が突出していたのは明らかで、総ての曲でオリジナルを越えてしまってるのを初めとして、リーゼントをやめさせてマッシュルームカットにしたことや、革ジャンからスーツに着替えさせたこと、上に書いた斬新なアルバムジャケットデザインとか、やろうとしたことのほとんどが通例の発想のようなものを飛び越えていたんじゃないかと思います。

あと、このアルバムには「Till There Was You」が入っているのも、わたしには大きなポイントになってます。曲はミュージック・マンというミュージカルに出てくるもので、ビートルズのオリジナルじゃないんだけど、デッカのオーディション・テープにも入っていて、メジャーデビューする前から演奏していた曲の一つでした。
ポールのロックンロール以外の音楽的なルーツが垣間見える感じ。ポールはペギー・リーが歌ったのを良く耳にしていたらしいです。

Till There Was You - The Beatles

63年のイギリス王室主催のロイヤル・ミュージック・パフォーマンスでのライブ映像。
デッカのテープのほうはまだちょっとこなれてない感じが残ってるんだけど、これを見るとライブでもほとんどレコードの印象通りの演奏してます。メジャーデビューしてから腕も上がってる感じです。
エリック・アイドルが真似してたけど、首振りすぎ。








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(2009/09/09)
Beatles

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