2014/11/17
高瀬川、木屋町辺り + Hiyodori - Tsutomu Satachi

枝が触手のように空間を絡め取っていた。 2014 /05

川面を横切る薔薇の列。 2014 / 06
高瀬川に沿って歩いて撮った写真。
雨に濡れたり、体に水がかかるのは猫並みに大嫌いで、晴れてる日でもバッグの中に折りたたみの傘を入れてるくらい。カメラバッグを新調しようとしてレンズの入れ場所なんかじゃなくて傘の入れ場所がないといって買えなかったりするくらいなんだけど、そんなに水と接触するのを忌み嫌うわりに、水辺とかどこかに水が流れてるような空間は結構好きなところがあります。考えてみると去年の春頃に大阪の大川を遡っていった探査行とか京都でも白川沿いとか疎水沿いとか、南のほうだと宇治川、最近では淀川の縁に沿うようにして立ち並ぶ橋本と、川縁に沿ってカメラ持って歩き回ってることは意外と多い感じです。
高瀬川は江戸時代に作られた運河で、鴨川から水を取り入れ、二条の辺りから南に向けて鴨川と併走するように流れ、現在は十条辺りで再び鴨川に合流するような水路を辿っています。昔は合流地点で鴨川と合流せずにそのまま南下し、豪川と一緒になって伏見港の辺りで宇治川へと繋がる流れとなっていて、これは現在のように十条で分断された後も、別経路の川となり豪川とも切り離された独立した川として宇治川に注ぎ込む形となってます。
大体、高瀬川といえば三条から南側の木屋町沿いに、五条辺りまで続く飲食店、歓楽街の中を流れていく川というのが一般的なイメージだと思います。五条以南の五条楽園を通り過ぎた頃からもう観光地的なイメージは消えうせて宅地の合間を流れるただの細い川といった形のものになっていきます。以前伏見港で写真を撮っていた時に宇治側沿いに歩いていて高瀬川の終着地を見たときに、高瀬川ってこんなところまで延びてきてたんだとまるで新発見した探検家のような気分になったことがありました。南端の高瀬川は、それほど一般的なイメージとしてある木屋町沿いの高瀬川とは印象が異なった川となっていきます。というか木屋町沿いの辺りのイメージだけが高瀬川にとってはことのほか特別なものになってるということなんでしょう。
でも特別とは云っても木屋町を流れていく高瀬川が情緒にあふれてるかというと実はそうでもないというのが本当のところかな。一応夜になるとライトアップされてるし、歓楽街のネオンなんかが水面に写りこんでそれなりの雰囲気はあるんだろうけど、昼間見るといつも水は少ないし、ゴミが流れ着いてるところもあちこちにあるし、回りは飲み屋や居酒屋なんかが入った雑居ビルばかりだし、あまり綺麗なところでもなかったりします。かかる橋の数は多いものの、これも何だかコンクリートのそっけない橋ばかり。昼間見て綺麗と思うのは桜の季節、高瀬川沿いの並木道が桜色に染まる頃くらいかな。ここの桜並木は本当に綺麗で春のひと時は高瀬川の存在が引き立つ頃となります。

川に面して建つビルの、細長いガラス窓の向こうに、赤いガラス瓶が見えていた。 2014 / 10
薔薇の流れる川の写真を撮ったので、高瀬川メインで何か書いてみようと思ったけど、高瀬川を撮った写真が極めて少ないということに気づいて、結局川の写真はこれ一枚。水辺の光景は好きだけど、自分にとっては様々な異なったイメージへと展開するのが若干難しい対象となってるような感じです。

いつの頃からか、三味線を弾く女の絵が貼られていた。 2014 / 05
使用機材は最初と最後がオリンパスのPen EE-2、薔薇の川がニコンのFM3A、赤いガラス瓶のがミノルタのNew X-700です。フィルムはコダックのトライXとフジのプレスト400、カラーのはコダックのスーパーゴールド400を使ってます。
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Tsutomu Satachi - Hiyodori / A Take Away Show
A Take Away Showというのは、フランス発音楽情報サイト「La Blogothèque」のなかにあるアコースティック・セッションのコーナーということらしいです。
そこに上がってる日本人のシンガーソングライターである、佐立努さんのPV。
音楽も華奢で内省的で儚げで、独特の雰囲気があっていいんだけど、川の情景を写してるのが,また雰囲気があっていい。今回の写真は川の周辺だということもあって、こういう川縁のイメージに乗せた音楽を選んでみた次第です。
でもなんかちょっと卑怯な感じというか、フランスで撮ればそれは雰囲気のある映像が撮れるだろうなと。
異国情緒に憧れてるわけでもないから、京都を異国風に撮っても仕方ないし、自分は自分が見たように自分のいる場所を撮っていけばいいんだけど、街全体が一丸となってどこをどう切り取っても、それなりに絵になるようなつくり方をしてるんだろうと思うとちょっとやっかみ気分になりそうです。かもめまで雰囲気作りに協力してそうなんだもの。鴨川の鳶は河原でお昼ご飯食べてる人の手元から食べ物をくすねようと急降下したりはするけど、鴨川の雰囲気作りに協力してるとは到底思えないです。
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