【洋画】 ローズ・イン・タイドランド

ローズ・イン・タイドランドローズ・イン・タイドランド
(2008/09/26)
ジョデル・フェルランド;ジェフ・ブリッジス

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主役ジェライザ=ローズを演じたのは、ほぼ同時期に公開されていた「サイレントヒル」の子役と同じジョデル・フェルランドです。

それにしても今一焦点の定まらない映画のように思えました。テリー・ギリアム、結局何がしたかったんでしょうか?

この映画に出てくる登場人物のほとんどは、ジェライザ=ローズの父親ノア(ジェフ・ブリッジス)のように現実世界から薬の世界へ完全に退避してしまうか、あるいは完全撤退しないまでも、それぞれ自分独自の空想のフィルターをかけて現実に向かい合ってます。

頭に手術跡(ロボトミー?)がある男ディケンズ(ブレンダン・フレッチャー)はジェライザ=ローズに、自分は世界を終わらせる秘策を持っていると告げ、「世界」とは憎悪の関係を結んでいるようです。
その姉デル(ジャネット・マクティア)は失われていくものを留めようと剥製を作り、本当は勝てるわけの無い「死」をなんとか出し抜いてやろうと抵抗しています。
それぞれ目の前の現実と、それと関わりあうために拡げる空想の間に葛藤がある。

ところが主人公のジェライザ=ローズは基本的に空想好きという設定のようで、両親が共にヤク中という現実のなかで生活してるものの、生活が悲惨だから空想に逃避してるようにも描かれておらず、現実も空想も少女の中ではどれもこれもみんな同じ、すべてが等価のもののように描かれています。生きてることも死んでることも、対象との距離感を持つ他の登場人物との関わりも、みんな同じように混じり合って、最後には一様な場所に並置されただけのようになってくる。

映画は結局少女の空想の内容そのものを、あるいは妄想モードに入ってる少女の有り様を、見かけは多彩だけど動きに乏しいヴィジョンとして次々に見せつけてるだけという感じになってきます。

父親があの状態で物語もほとんど動かないままに、ジェライザ=ローズの現実や空想が数珠繋ぎになってただひたすら紡ぎだされるだけだから、そのうち全体に収拾がつかないような気配になってきて、観ている途中から、映画としてどう終わらせるつもりなんだろうと思ってました。
それなりの結末には持っていけてたんですが、何だか打算的な結末でここでもまた共感できなかった。

☆ ☆ ☆

話そのものは陰惨の極みで、全体に悪趣味です。ジェライザ=ローズが陥った絶対的な孤独は痛さとして伝わってくるほどに酷い。
少女の空想を扱いながらカメラはちょっと引いた立場で、そういう少女を取り巻く陰惨な現実も描写していきます。
悪趣味な現実描写に重ねて、大なり小なり頭のねじが外れたようなキャラクターばかり出てきて、映画全体のイメージは被害者のいない「悪魔のいけにえ」の不思議の国のアリス版といったところでしょうか。

主役のジョデル・フェルランドは可愛らしいだけの子役という感じじゃないです。とても芸達者。この映画では1人5役、頭だけの人形で遊ぶ時の人形の声4体分を全部1人でこなしてました。

☆ ☆ ☆

画面はなんだかワイエス風っていうか、そんな絵柄が多い。でも舞台はだだっ広い草原に建つ一軒屋とその室内がほとんどなので、あまり広がりがありません。
結構きつめの広角レンズを使っていて、画面の端っこが歪んでます。実は上映中それで若干気持ち悪くなりかけてました。奇妙な登場人物ばかり出てくる映画にはこういう歪んだ画面があってるといえばあってるのかもしれませんが。

ジェフ・ブリッジスの羽織ってる「ことぶき」印の半纏が最初から随分と気になるんですよね。あの「ことぶき」、日本語で記されていてなまじ言葉として読めるもんだから画面に出てくるたびに視線がそちらに行ってしまって。

Tideland Trailer


原題 Tideland
監督 テリー・ギリアム
公開 2006年


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