変容 + Your Mother Should Know - The Beatles

BELL
2014 / 12 ILFORD XP2

まるで眼球状の突起物が一杯くっついて増殖を続けてる、正体不明の宇宙生物のようにも見える。
去年のクリスマスの時に街に飾ってあったベルの装飾。わたしは知らないんだけど、こういう風にベルを玉状に集める飾り方が一般的な方法としてあるのかな。
これ、出来上がってみたらこんな写りになっていたというよりも、珍しくこういうイメージになるだろうと予測して撮った写真で、でも予測はしても、そういう予測をうわまわって妖しい写真になっていた一枚でした。自分にとっては予測した路線上にあるものの、同じ地点でその予測を裏切ってるような妙な按配の写真。
賑やかで楽しいなんていうクリスマスの事々にあまり合わないんじゃないかと思ってシーズン中には出せなかった。

こういう妖しげな被写体は目の前にするととにかく撮りたくなってくるほうだけど、問題もいくつかあって、たとえば上にもちょっと仄めかしたように、わたしが知らないだけで、本当は珍しくもなんでもない被写体であるというような場合なんかは後でそういうことに気づいたりすると、撮った時のテンションは地の底まで急降下でダウンして行ったりすることがあります。
また、特異な被写体ばかりをターゲットにしていくと、そのうち特異でもなんでもない被写体に対してあらゆる判断が出来なくなるんじゃないかということも考えます。ありきたりの日常にあるものとの微妙な感応を捉えられなくなって、奇矯な被写体以外は全部目の前を通り過ぎるままにしてしまう状態。そうなると、どこでシャッターを切るのか全く判断できなくなってきます。実は最近結構こういう状態になってます、参った。

もう一つ。異様な風体の被写体の類は、こういう風だから異様なんだと納得してしまうとその地点からあまり広がらないところがあるということ。強烈なイメージではあってもイメージそのものはやせ細ってるということが多いです。
カメラだけは捉えることができても撮った側も思いもしなかった何か、見てる側にも言葉に置換できないような何かを一杯含み持ってるようなイメージというのは、実はこういう一見得体が知れないように見えて、でも異様さに寄りかかってるようなイメージからはなかなか生まれてこないんじゃないかと思ったりします。



☆ ☆ ☆


Your Mother Should Know - The Beatles


あまり代表作扱いにもなってないけど、「マジカルミステリーツアー」のなかでは一番好きだった曲。ポールのポピュラー音楽に対する素養がよく出てる曲だと思います。
映画のほうは長い間DVDでリリースされず、わたしが持ってるのもアマゾンで扱っていた輸入のブートもので、恐ろしく画質の悪いものでした。映画「レットイットビー」が、正式にリリースされてないものだから、今輸入物の海賊版が出回ってるけど、ちょうどそんな感じのもの。
でもこれ書くのにアマゾンで検索してみたら、最近になってようやく正規のものがリリースされていたようです。ちょっと高いし、今興味の中心にあるものでもないから、もうちょっと安いのが中古で出た頃に買おうかなと。でもビートルズものはあまり安くはならないからどうなるかな。

「マジカルミステリーツアー」は「サージェント・ペッパーズ~」のあとで、そのサイケデリック路線を延長させたものとして映像作品を作ろうと、ブライアン・エプスタイン亡き後で全部自分たちの手で企画し形にしたプロジェクトでした。
映画のほうは実は散々な出来で、カラフルなサイケデリック的イメージはあふれてるんだけど、ストーリーなんか無いに等しく、ミュージッククリップのはしりのようなというと評価も出来るけれど、映画としては冗長な駄作といった結果に終わりました。当時テレビで放映すると計画していたのも中止、結局アンダーグラウンド的な機会でしか見られないような位置に落ち着いていきます。
サウンドトラックのほうは映画とは正反対にまさしくビートルズというようないい仕上がりとなって、大ヒット。68年のグラミー賞のベストアルバムにノミネートされることとなります。

ポールはノリノリ、ジョンは冗談好きの気さくな青年って云う感じで、コンサートでもおどけてたりする雰囲気がそのままでてるように思えます。イマジン的なレノンのイメージはなんだかなぁと思うものとして、こういう本来的なレノンの側面が垣間見えるのはなかなか楽しい。リンゴはいつになってもビートルズとして仕事できるのが本当に楽しい!って云う感じなのかな。一番そぐわない雰囲気というか、他のメンバーのノリに合わせるのがちょっと無理してるように見えるのがジョージという印象です。

☆ ☆ ☆

ビートルズの曲をピックアップしたついでに、講談社現代新書で出てる中山康樹著の「ビートルズの謎」って言う本、最近ブックオフで見つけたんだけど、これビートルズ好きならかなり面白いです。
わたしはビートルズの曲は大好きだけど、誰も知らない薀蓄を語るようなファンでもないから、一通りビートルズのことは知っていてもそれっきりというのがほとんどで、そういう知識の持ち主には、そこからさらに深部に分け入っていくようなこの本の内容は非常に興味深いものとなっています。推論のすべてが正解ではないのかもしれないけど、謎の提起と解明の過程はかなり楽しめると思います。
ホワイトアルバムに封入されてた4人のポートレートのうちポールだけ顔を大きくトリミングされてる謎とか、このポートレートなんか飽きるほど見てるのに、この本を手にするまでわたしには思いつきもしなかった指摘でした。









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