山科散策 目の前を掠め過ぎていくものたち。 + 写真集 HIROMIX - girls blue

森のスポットライト
叢に落ちる陽
2015 / 04 / Nikon FM3A + Ai-S Nikkor 50mm F1.4 / Fuji PROVIA100F

山科疎水西端の少し手前、山科の浄水場に出る短いトンネルを抜ける手前にあった木立の中の広場で。
陽の当たり方がスポットライトで照らしてるようで、脳内イメージとしては薄暗い森の深奥で木漏れ日のスポットライトの中を妖精がダンスしてるような場所といったイメージを強引に重ねて撮ったものでした。バーデン・パウエルの曲をハービーマンが演奏していた、あの曲と似たようなイメージですね。実際はすぐそばに手洗いの汚苦しい建物が建っていたり、これもすぐそばの休憩エリアでウォーキングしてきた年寄りが世間話してるような、結構散文的なところだったんだけど。
フレームを外れてしまえば、そんなものはこの世界に存在してないも同じこと。こういうところでも写真は嘘を上手くつきます。
たまたま最初に日本語で名前を与えた時に真を写すなんてつけたから、何だかそういうメディアのように思うところもあるけど、実感としてはこれは嘘だと思う。実際のところは写真は嘘つき上手です。

疎水路の水辺の写真を載せようと撮った写真を眺めてみても、やっぱりほとんど撮ってなくて、撮った数枚も何だかあまり気にいらないって云う仕上がり。桜の季節の後結構通ってたつもりだったんだけど、収穫は今のところそれほどないまま別の場所に気を引かれてあまり訪問しなくなりました。
やっぱり桜か紅葉込みで様になる場所という印象で、普段はジョギングだとかウォーキング、あるいは犬の散歩とか、さらには釣りなんかしてる人もいたりして、そういうのには最適なんだけど、観光目的では一度道なりに歩いてしまうとそれで十分な感じです。西端で一旦山肌の短いトンネルに消えた後すぐにまた顔を出してあっという間に蹴上に向けて第三トンネルの中に再び消えてしまう浄水場のエリアは、疎水が山の中に消えてる間は市街地の中を回り込んでいく形になって、少しの間疎水路から離れてしまうせいか、観光客もほとんどここまで来なかったり、浄水場も人の気配はまるでないので、雰囲気はまるでミストの世界というか、人類死滅後の世界のような超常的な静けさに覆われた場所になっています。これは雰囲気的にはちょっと面白かったりするんだけど、でもここも何度も来るような場所でもないかな。
第三トンネルの手前には日本で始めてかけられたコンクリートの橋というのもあるにはあるけど、わざわざ見に来るようなものでもなくて、付加価値はついても見た目はただのコンクリートのそっけない橋だったりします。



展望台へ
展望台
2015 / 05 / Nikon F3HP + Ai-S Nikkor 35mm F2 / Fuji C200


長い疎水の途中にある、ベンチや藤棚を利用した木陰のあるちょっと開けた場所。展望台にもなっていて、眼下に山科の街が一望できます。真下をJRの線路が通っていて、この場所で電車の中から見上げると、まず見上げる人はいないと思うけど、たまたま好奇心で視線を上に上げると、その先にこの展望台と柵が見えます。下から見ると意外と高くないんだけど、展望台から見下ろすと結構高さがある感じ。
山科駅の方向から歩いてくると、目の前に現れる雰囲気とかでここが中間ポイントのような印象を受けるけど、実は行程の中間ポイントはまだまださきで、残り半分なんて思って歩いてたらきっと辟易すると思います。

後は疎水の近くを離れて山科の街中で撮っていた写真が多いです。

巨木
曲がり角の木
2015 / 05 / Nikon F3HP + Ai-S Nikkor 35mm F2 / Fuji C200





錆びたフェンス
錆びたフェンス
2015 / 05 / Fuji Tiara + 28mm F3.5 / Fuji C200


こうやって見ると今回のは植物をターゲットにしてるのが多いです。全体に若干撮りあぐねてる感じがあるので、植物系統はシャッターを切る取っ掛かりとして利用しやすいというところがあるからかもしれません。
最後のはコンパクトカメラのティアラ、28mmのレンズだけど、その一枚前の巨木の写真のように、この頃から今現在まで、意図的に35mmレンズに限定して撮るという、ある種縛りのようなものをかけて撮影してます。50mmのわずかだけど存在する注視感覚だとか望遠レンズの距離圧縮効果や背景のボケ易さだとか、画角による画面効果といったものがあるレンズに頼らないで撮ってみたらどうなるかなと思って、そういう効果が一番なさそうな画角の35mmを使ってるんだけど、これ、結構難しい。もう取っ掛かりのない茫洋とした写真を量産してるというか、このレンズを使いこなしてる人は本気で結構凄いと思い始めてます。何だかどこが見せたいのかまるで分からないようなのっぺりした写真を量産してるとちょっと意地になってくるところもあって、使いこなせないから50mmに戻そうなんていう方向には今のところ向かっておらず、気がすむまで35mmだけ持って出かける日が続きそう。

フィルムはフジのC200が多いなぁ。気に入ってるからじゃなくて、気に入らないから手持ちのを早く使い切ってしまおうって言う使い方です。フジの生産といっても国内で売られてるものじゃなくて、海外でのみ売られてるものが逆輸入で入ってきてるもの。廉価フィルムとして大阪だとカメラのナニワ辺りで売られてました。1本300円くらい?梅田に出かけた折などに5本パックのを買ってストックしてました。
使ってみるとマゼンタかぶりが酷いフィルムで、色のりも悪く、かなり極端にフォトショップで補正する必要が出てくるコマが多発します。コンタックスT3に入れていたものなんか結果みてT3が壊れたんじゃないかと思うくらい酷い色になってました。それで欲しい色になるまで補正に没頭するんだけど、それでも最終的には満足に補正できない結果になるくらい片寄りは極端です。
もう生産は終了してるようなので、いまさらこんなことをいっても意味は無いんだけど、このフィルムは二度と使わない。ちなみに最近はこればかり使って何とか手持ちを使い切り、C200とはようやく縁が切れました。

☆ ☆ ☆

使ってるのはニコンのカメラがメインになってます。F3とFM3Aを、こっちばかり使ってるともう一つのほうに悪いなぁという感じで、たまに持ち替えて使ってます。レンズは35mm三昧。ニコンの一眼に35mmレンズをつけて35mmレンズのコンタックスT3をサブカメラにするなんていうどこまで35mmが好きやねんって云う組み合わせだった時もあります。


☆ ☆ ☆


ヒロミックス1

HIROMIXのデビューとなった写真集。いわゆるガーリー・フォトの起点となった写真集で、当時の少女たちはこの写真集で使われたコンパクトカメラ、コニカのビッグミニBM301を手にして追従する写真を撮るのが流行ったんだとか。
出版年を見てみると1996年初版とあって、影響の度合いは、20年前にはカメラなんてまるきり興味なかったものとしては確認のしようがないけど、この写真集が普段カメラを持たなかった少女たちに行動を促すだけの力があったというのは、今眺めてみてもどこか納得するところがあるように思えます。
それにしても当時影響されて少女たちが撮った写真ってどんなのだったんだろうと、結構見てみたいです

ヒロミックス2



ヒロミックス3


写されてるものはヒロミックスが普段の生活で眺めてるものやおそらく友人たちの日常で見せるいろんなシーンなど。ノリとしては暇だから写真でも撮ろうかなといったものに近いかも。
ピントを合わせたり、といってもビッグミニはオートで合わせにいってしまうカメラだけど、構図を決めたりとか、いわゆる従来的な名画的に決まった写真を撮るための方法をことごとく無視してるような身構えない撮り方で、とにかく気が向いたり面白そうと思ったりしたものにカメラを向けてその場その時のテンションに任せてシャッター切ってるような感じの写真が満載となってます。ストロボも躊躇なく使って、わたしはストロボ写真見ると結構クールでロケンローな写真っていうイメージを持ったりするんだけど、こういう破格の要素で成り立った写真は、行儀よく名画風に収まるわけもなく、ラフでエネルギッシュで、何よりも生々しい感じがします。こういう生々しさは自分の写真にはほとんど現れてこないから、結構興味深いところだったりします。
あるいはそんな風にこの写真集を見る一方で、この日常の生々しさを撮るプライベート写真って云うような外見は、でも写真を誰かに見せようという意識がまるでない状態で日常的な写真をこんな風な撮り方をするかなぁと、本当のところラフで生々しいプライベート写真風を装うような計算で撮ってるんじゃないかと思うようなところもありました。これをやってたならかなり策略的な写真集ではあるんだけど、本当のところはどっちなんだろう。写真は嘘つきだからよく分からない。

ガーリー・フォトの出発点になったといっても、今よく見るガーリー・フォトの、ハイキーでゆるくふわふわした写真とは結構違った写真となっていて、ガーリー・フォトというジャンルっぽいものが出来てるにしても20年の間には随分と変化してるのが分かり興味深いです。

あるレベルで少女の日常を生々しく切り取ろうとした写真は虚実織り交ぜて私小説風に写真を撮ってる荒木経惟の写真と同調する部分もあるんじゃないかと、事実ヒロミックスが世に出るために荒木経惟が尽力したそうだから、云うなら少女版荒木経惟といってもまるで間違いということもなさそうなんて、写真集を見て思ってました。















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