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橋の情景

東山陸橋01
2015 / 11 / Nikon F3 +Ai-S Nikkor 35mm f2 / Fuji NEOPAN 400 PRESTOを自家現像





九条陸橋03
2015 / 11 / Nikon F3 +Ai-S Nikkor 35mm f2 / Fuji NEOPAN 400 PRESTOを自家現像





九条陸橋周辺
2015 / 11 / Nikon F3 +Ai-S Nikkor 35mm f2 / Fuji NEOPAN 400 PRESTOを自家現像


今回のはあまり奇をてらわずに撮ったもの。横位置で撮るというだけで客観っぽい要素も顔を出してくるようだ。
見たこともないような視点で撮ってみたいという欲求はいつもあるにしても、奇抜で目を引くっていうのは考えてみれば結構当たり前。もちろんそういうのも面白くて撮る時はいつも頭の中で策略を練ってたりするんだけど、ごく普通に撮って、なおかつそれが際立った印象になってるとすれば、それもまたかっこいいんじゃないかと思う。服装でいうなら流行で尖がったファッションとありきたりのアイテムを上手く着こなしたファッションっていう感じになるかな。ここに載せてるような微妙で微細な何かへと潜行していくような感覚は続けているとやっぱり疲弊してくるし、広い視野に身を置きたいと思うこともある。
でも、特異なイメージになるようにテクニックを駆使して撮るのよりも、普通に撮ってどこか印象に残るような写真を撮るってある意味本当に難しい。写真の持つクリシェに捉われることなく行うのはさらに難しい。
わたしの好きな写真家はでもこういうところは軽々とクリアしてる。アレック・ソスのようにレンズ付きフィルムで撮っても、際立つ写真が撮れてる。その秘密はどこにあるんだろうか。
敬愛する写真家清野賀子さんの白鳥の歌となった写真集の、パウル・ツェランの詩文から取られたタイトル「至るところで 心を集めよ 立っていよ」という言葉が、静かにわたしの心の中へと降りていく。
鍵はこの辺りにあるのかもしれないと思う。
でもあらゆる場所と時間において、心のすべてを集めて、立ち尽くしていることは、思うに孤独であり、云うほどには簡単じゃない。

☆ ☆ ☆

久しぶりにどこで撮ったかも書いておこう。観光案内にはならないと思うけど。
この橋、鴨川にかかってる橋の中では結構好きな橋になる。九条陸橋というあまり風情もない名前の橋で東福寺の近くにかかってる。もとは市電が通っていた橋で、市電が廃止された後、今は車が行きかうだけの橋となってる。名前が陸橋となってるのは鴨川の上だけじゃなく、たとえば東の端は日赤の手前辺りから始まるように、陸の上にもかかっているからなんだと思う。
古風な印象の橋でもなく、市電が通るための目的で作られた無骨な橋にすぎない癖に、どこかちょっとモダンな印象がある橋だ。鴨川にかかる橋としては結構巨大な部類に入り、巨大な分視覚的なダイナミズムもそれなりにある。
JRの鴨川橋梁の上を走る電車から、この橋が見える。JRが鴨川の上を通る時、視界が急に開けるのが視覚的な変化として楽しいんだけど、そのいきなり開けた川の空間の向こう側に見えるこの橋は、結構存在感を主張して視界に入ってくると思う。

☆ ☆ ☆

最近、使ってた安物の時計の電池が切れて、ヨドバシカメラの時計売り場の修理コーナーで電池を入れ替えてもらった。シチズンだったか、Q&Qという名前の雑貨屋時計で、1600円ほどで買ったものに電池の入れ替えで1000円払って、これ、あと600円程度で新しい時計が買えるなら、600円上乗せして買い換えたほうが傷だらけになった安物時計を使い続けるよりも良かったかなと思った。
で、何だか新しい時計も欲しくなって物色してたら、カシオからも似たような安物時計が出ていて、どうやらチープカシオなんて呼ばれてるものらしいけど、そのなかに、金時計を発見。
実は夏頃に若い女の子が、でかくて豪華な金時計にこれまたでかいピンクの玉の、おそらくローズクオーツだと思うブレスレットを組み合わせていて、ラフな服装に合わせた、成金趣味に陥らないその金時計のあしらい方が妙にかっこよく見えて、金時計が欲しいなぁと思っていた。
どうせ高いに決まってると思ってたから、欲しいと思いながら探しもしなかったら、あまりでかくも豪華でもないけど、チープカシオの中に2000円程度で買えるものがあって、思わず買ってしまった。

金時計
ベルトの調節に持ち出しただけで、一度も使ってないから、盤面の保護シールもまだそのままだ。こういうのを剥がす時に結構決断力がいるタイプというか、ある種気合が必要となる。これはまぁ目立つから使う前に剥がすけど、目立たないものだったら出来ればつけたままでいたいと思うほうかも。
最初はアマゾンで見つけて、その後ヨドバシでも発見、値段はヨドバシが200円ほど高価でも、ポイントが200円分ついてその分は帳消し、おまけにヨドバシで買った時計はバンドの調節が無料となると、これはもうアマゾンで買う選択肢は無くなってしまった。



この何年もファッション的なものに手を出してなかったけど、今年の年末はちょっとこういうところに刺激を受けてしまって、身の回りの、飽き飽きしながらも別にそれでもいいわと使い続けてるものを新調したくなってきてる。
金時計の次はチチカカでみたエスニックのリュックが欲しいなぁ。工夫すればカメラも入れられそうな感じだった。バッグに関してはカメラが入るって云うのがまず一番の選択条件になってしまってるから、ろくな選択肢がない。
カメラバッグとして売られてるものはものの見事にダサいし、カメラが入ればそれでいいんだろうと言わんばかりの作り方で、さて財布をどこに入れようかなんていう段階で、既に大いに考え込んでしまうくらい、本当に使い勝手が悪い。だからといってダサくないように工夫したカメラバッグはその魂胆が逆に眼についてしまって、そのままダサいカメラバッグと同じくらいダサかったりする。
わたしの場合は雨が降ってきたときなんかにしまいこむだけの意味合いしかなくて、持ち運びはバッグに入れて移動なんかせずに、襷がけにしたり手に持って歩き回ってる。つまり雨が降らない限りはバッグの中のカメラが入る予定のスペースはいつも何も入ってない状態で持ち歩いてるという、極めて効率の悪い使い方しか出来ない。
だから本格的なカメラバッグじゃなくても、保護用のインナーケースを入れた程度の普通のバッグなりリュックで十分なのかも知れないといつも思ってる。リュックは入れたものが全部底面に集まっていくからインナーケースが一番下に来る形は使いにくいだろうなぁと思うんだけど、どちらにしろカメラバッグは使いにくいものだし、エスニックのデザインが気に入ってしまって、やっぱりあのチチカカのリュックが欲しいなぁ。これ、絶対にそのうちに買ってしまってると思う。





もっと豪華なのがいいんだけど。これちょっと大人しすぎるかも。
一度金色の時計をつけてみたかったので、つけた感じがどんなものか確かめるには最適の時計だった。



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コメント

No title

橋って鉄骨で出来てるのに、柔らかい曲線が出てて、何だか、彗星さんの目の付け所っていうか優しさが出てるわ♪
カシオの時計が200円?
こっちにヨドバシがないの
だから欲しくても買えない((+_+))

みゆきんさんへ

こんばんは!
この橋に限らないけど、考えてみれば金属で柔らかいものを表現するって、造形作品にはよくあるし、当たり前のように見たりするけど、結構凄いことをやってるのかもしれないですね。
この橋、確かにアーチ状の部分とかは結構優雅です。細部が装飾的なものに満ちてるっていうような作りじゃないし、どちらかと言うと鉄骨むき出しの橋なんだけど、遠くから眺めたりすると意外と無骨に見えないのはそういうところがあるからなのかななんて思いました。
でもこの辺り寂れてるんですよね。二枚目の橋の下を潜るところなんか、元あった倉庫のようなのがもう使われてないような様子で朽ち果てていて、廃墟のようになってます。ちょっと離れてみると優雅で散歩やウォーキングしてる人がいたるする憩いの場所のようにも見えるけど、細部に立ち入ってみるとちょっと怖い場所だったりします。

あはは、いくらなんでも200円で時計は買えないです。もし買えたら皆買い占めてますよ。
アマゾンで売ってるのが200円安かったけど、他のことも考慮すると200円高いヨドバシで買ったほうが結局徳だったっていうお話。
そっちにはヨドバシカメラはないんだ。全国展開してる店のような印象だったんだけど違うのかな。
カメラとついてるけど一種の百貨店みたいな店舗で洋服や日用品、雑貨の類も売ってます。ポイントが品物によるのかもしれないけどほぼ定価の一割還元っていう形で凄い太っ腹なことやってます。ポイント、すぐに1000円くらい溜まりますよ。
ネットショップもあるから、一度覗いてみてもいいかも。

No title

いえいえ、どうして良い雰囲気が出てますよ~
これがカラーだと違った印象なんだろうけど
モノクロならではの光と影が
色々な物語を彷彿させます(*^_^*)

時計、私は「悪魔の手」らしくて
どんな時計も付けているだけで壊してしまうの(^^;
なので今は専ら携帯で時間見ているけど
本当はアンティークな懐中時計とかに憧れるわ。

ROUGEさんへ

こんにちは!
かっこよく撮れてますか。ちょっとここに来てみたくなります?(笑)

一応ブログに載せる段階で気に入ってるのを選んでるから、自分としてはそんなに酷くはないと思ってはいるけど、風変わりなものとかいかにも絶景なんていうものを対象にしてないから、こういう風な撮り方をしてる時は、自分以外にはどんな受け取り方をされるんだろうっていうのはいつも感じてます。
何だか特徴のない普通の写真だなぁって、妙な迷いが入り込んでくる。
そんなことあまり考えずに自分が見ようとしたものをとにかく信じればいいっていうのは分かってるんですけどね。
モノクロはそれだけで抽象的な絵になるから、結構助けられるところがありますよね。光の表情とか影のニュアンスとかを第一にして撮る、これがいいんだろうと思います。こういうのを拠り所にすればいいのかなぁ。
モノクロで撮ってる時は色なんかいらないって思って撮るんだけど、カラーフィルムを入れると今度は色があって華やかだ!って言う感覚になって、まぁどちらも面白いと。最近思うんだけどモノクロに比べるとカラーはちょっと難易度が高いんじゃないかな。普通は逆に考える人がほとんどだと思うけど。

ある種凄いパワーのある腕なんだ。時計がつけられないとアクセサリーの種類が一つ減ったみたいなものだから物足りないでしょ。
そういえば最近は腕時計とかしてない人が増えてるんだそうですね。それこそアクセサリーだと考えてつければいいのに。結構安値のものが揃ってたのはそういう人向けの戦略だったのかな。わたしは昔から腕につけていたアイテムだから腕時計がないとどうも落ち着かない感じです。
ステイタスシンボルとしての時計とかはまるで興味がないし、実際に買えもしないんだけど、安価な時計は雑貨屋なんかにおいてあるとよくみてます。懐中時計もかっこいいですね。装飾的なのがいい。わたしが買った金時計も本当はもっと装飾的なのが良かったんだけど、2000円で手に入れるのはそれこそ無理という感じで、この大人しめの金時計で暫くは楽しもうと思ってます。
金時計とエスニックの雑貨屋なんかで売ってるバングルとかブレスレットの重ねづけが派手でいいです。

そういえば2000円くらいの値段で売ってるクロノグラフタイプの腕時計、これ盤面の中の小さな針は全部接着剤で貼り付けてあるだけの単なる飾りなんですよね。いくら安物でもこういうのは嫌だ。

No title

気持ちが忙しなくなってきたわ
正月はストレス絶好調予定

みゆきんさんへ

こんばんは!
年の瀬はどうしても気分的に浮き足立ってくるところがありますね。
お正月の接待係としてはそれに拍車がかかってる感じなんだと思います。
責任が伴うとストレスそのものかもしれないけど、気分だけの話ならわたしはこのちょっと浮き足立ってくる感覚は結構好き。
お正月はもう唯特別な日が過ぎていくだけの感じとなるから、あえて云うとあまり好きじゃないかも。

No title

お早うございます。

 初めまして
 F3ですか
 まだ、触ったこともありません。
 35mm F2 憧れていたレンズですね。

  モノクロの象徴的な雰囲気が
  無機的なものに命を与えますね。

higemajinさんへ

こんにちは!
始めまして。
コメント有難うございました。

F3、視野率100パーセントっていうのが一台欲しくて買ったカメラでした。それまではFM3A一台で、これもいいカメラなんだけど、真ん中にオブジェを置きたかったのになぜか真ん中に来ないって云うのが何回かあって、まぁトリミングすればいいんだけど、なぜかフィルムで撮ってると加工してないって言うのが妙に意味を持ったりするから、それで見えてる部分だけきっちりと写真に出来るカメラって云うのも一台欲しくなったと。
これ以降のニコンのフラグシップ機って昔のカメラっぽい外見から離れていってしまうし、そういう部分でもF3でした。
使いやすいカメラなんだけど、一つ、露出ロックのボタンが正面から見てレンズの左下のほうにあるのが物凄く使いにくい。人差し指はシャッターに乗ってるし、中指でこのボタンを押そうとするとこの2本の指の間が異様に開くことになるんですよね。
特に縦位置で撮ろうとすると途方にくれますよ。
35mmのは店の人の云うところだと、鉛入りの最後のレンズだったそうで、どう違うのか訊いてみたら、大して変らないということでした。でもこだわる人がいるらしいということで、変らないなら入ってるほうがいいのかなと、そう思って買ってきたレンズです。
でも35mmは未だに使い方がよく分からないです。茫洋とした絵になり勝ち。

モノクロは意味ありげになりますよね。おまけにちょっと上手くなったような気分にもなるし。
単純に色を抜いただけの絵になることも多いんだけど、上手く雰囲気が出てたりすると凄い楽しいです。
見たままの絵から具体性をちょっとそぎ落とすような感じで、別の側面を見せるようにするには最適の形式だと思います。



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