砕け散る世界を拾い集めてみれば + Luiz Henrique - if you want to be a lover

リングとボール
2014 / 05 / Minolta X-700 / Fuji PRESTO400





風船
2014 / 05 / Minolta X-700 / Fuji PRESTO400





すっぽん
2014 / 05 / Minolta X-700 / Fuji PRESTO400





狭間
2014 / 06 / Fuji Natura Classica / Fuji Venus 800



結局のところ、この前欲しくなってると書いた、森山大道の現在愛用してるカメラ、ニコンのクールピクスS9500を、アマゾンで購入してしまった。中古で13000円くらいのを、まぁどんなものかと好奇心を満たされるだけでもいいかなと思って注文。
当たり前のことなんだけど届いたカメラはごく普通のコンパクトデジカメだった。フィルターっぽいものをかけて画質を変える以外は絞りもシャッタースピードも意図的に変えられない、基本シャッターを切るだけのカメラ。いささか拍子抜けするこういうカメラで森山大道は写真を撮ってる。森山大道がこういうコンデジを使ってるのは小さくて目立たない、起動が早い、ズームが使えるといったことが理由らしいので、そういう条件は満たしてるんだろうけど、ある意味カメラの特性に頼らない写真で勝負してるところはかなり度胸があるともいえそう。
ちなみにアマゾンではどんなに検索しても黒は出てこなかった。森山大道は極力カメラを目立たなくするために、黒のクールピクスに刻印されてる銀色のニコンのロゴも、黒のテープを貼って隠してるらしいけど、黒が見当たらなかったということはひょっとしてブルータスの特集が出てから、こういう理由で売れてしまったということなんだろうか。
何だかあまり使いもしない、それもそれほど高価でもないデジカメがじわじわと増えてきてる。そんなこといってないで使えばいいんだけど、よほど疎外する理由でもない限り持って出るのはフィルムカメラだし、フィルムカメラのほうが面白いものだから、デジはなかなか手にする方向へは動かないようだ。このクールピクスのようなコンデジはサブとしては持って出やすいようなので、今サブで持ち歩いてるのはオリンパスのXA2なんだけど、これの合間にそういう形で暫く使ってみるかな。

この前の記事でブルータスの特集が入門編のような体裁だと書いたけど、入門編としての情報は予想外に密度が高くて、こちらも森山大道入門レベルの知識をすべて持ち合わせてるわけでもないから、丁寧に読んでみると意外と読み応えがある特集だった。コヨーテのは10年近く前の特集だし、なによりも今月に出た特集のほうが活きがいいというか、生々しい感じがする。

☆ ☆ ☆

今回の写真は以前に撮ってブログに載せてなかった写真から。
色彩にしろ事物間にしろコントラストが効いてるイメージが好きだというのが、黒と白のコントラストだけで出来てるモノクロを撮った時には如実に表れてくるようだ。
細部を切り分けていくような写真は向かうところは二方向あって、一つはその切り出した細部に周囲のものとはここだけは違うという意味づけをしようとするもので、もう一つは意味の連鎖の中にあった細部を切り出すことで、その連鎖の中で細部が持っていた意味を剥奪しようとするもの、同じようにディテールに迫るような方法論だけどまるで正反対の結果へと着地していく。
わたしが撮ってるのはどちらかというと後者のほうだと思う。適当に云ってしまうとマクロレンズなんかを使って部分を拡大してみるような撮り方は前者のほうの撮り方なんじゃないかな。その証拠にわたしはマクロレンズを一本だけ持ってるけど、数えるほどしか使ったことが無い。まるで意図しない雰囲気のイメージしかファインダーの中に現れないものだから、そのうち使わなくなってしまった。
コンテクストの中で意味の連鎖のひとつとなっていた事物を、そのコンテクストから切り離した時に、その事物の背後から一体どんなものが顔を出してくるか。仮に異界だとか彼方だとかの単語で代用してるけど、そうい得体の知れない鵺のようなものが顔を覗かせるのか、今のところわたしにはよく分からない。
何かそういう鵺のような巨大なジグソーパズル的なものがあって、細分化し意味から遊離した写真はそのパズルの微細なパズルピースのような気もするけど、どれだけそのピースを集めてみても、おそらくその巨大な鵺的な何かのパズルは完成しないようにも思える。

☆ ☆ ☆

写真は全部祇園で撮ったものだけど、まるで祇園なんていう感じがしない。
2枚目のがもう何だかホラー映画のような感じで、このツブツブ感は嫌がる人がいるかもしれないなぁと思ってなかなか出せなかったもの。
3枚目のすっぽんの写真が祇園の料亭の感じで一応それっぽいかな。「あ!すっぽんだ!」と水槽の前で眺めていたら、すっぽんのほうは目をつけられたのを感じたのか水の中に潜り込んだものの、そのままずっと眺めていると、明らかにもう息が続かないといった様子になって、思わず水面に鼻を出そうとしたところを撮った写真。2014年に撮ったものだからこの写真に写ってるすっぽんはとっくに鍋の中に消えてしまってるだろうなぁ。
最後のはタイトルをつけるとしたら「束ねられた建築」なんていう感じか。フレームの中にもう一つフレームを作る形の変形といったところかな。上のほうを斜め横に走る電線もあまり邪魔という感じにも見えず絶好のアクセントになってるように思う。
グラフィカルな強さみたいなのはやっぱり歴然とあって、どんな写真を撮るにしても、そういう強さは何とか盛り込んでみたい。
祇園の辺りは意外と風変わりな装飾のビルが立ち並んでいて、巽橋だとか舞妓さんだとかだけじゃなく、こういう建築物もある意味祇園の顔のような側面を持ってる。



☆ ☆ ☆



if you want to be a lover - Luiz Henrique ('68)


これ、以前にビザールなマシュ・ケ・ナダなんていう言い方でここに載せた歌を歌ってた人。マシュ・ケ・ナダのほうはモード・モザイクというちょっとモンド系っぽいお洒落なラウンジのコンピレーション・アルバムに入ってたんだけど、その名前の表記がこれとは違っていて、追跡できなかった歌手だった。どうもこっちの名前のほうが通りがいいみたい。
いかにもボッサノヴァという感じのルーズな囁き声とゆるいグルーブ感が心地良い。素朴なブラスやストリングスも交えて意外とメロディアスな盛り上がりがあるのもポイントかも。

ちなみに以前に紹介したビザールなマシュ・ケ・ナダというのはこれ。
Luis Enriquez - Mas Que Nada

奇怪なスキャットと、土俗的というか、ドラムとかパーカッションというよりも太鼓といったほうが相応しい、地の底から響いてくるようなリズムが、目一杯怪しげな雰囲気を撒き散らしてる。
そういえばビザールな音楽特集なんてやるつもりだったけど、中断したままだ。

☆ ☆ ☆



空を行く鯨の写真がかっこいい。こんなのその場に居合わせないと撮れないわけで、よく云われるように、そこに居合わせるというのも写真を撮る才能のうちなんだろうと思う。








スポンサーサイト

コメント

No title

デジカメも私の使ってるオリンパスだと
結構、マニュアル撮影が出来るんだけどね~
まぁ一眼にはかなわないけど(^^;
まぁ写真の用途で私にはコンデジで充分なんだけど。

でも小さいというのは、いつでも撮れるから
それはそれでシャッターチャンス逃さなくていいかも。

2枚目の写真は本当にエイリアンとかみたい。
これはこれで面白いけどな。

亀の写真は薄荷グリーンさんには珍しい被写体だけど
息継ぎしてる様子を撮るのが
何とも意味深で、やっぱり色んなストーリーを感じます(笑)

ROUGEさんへ

おはようございます!
ニコンのこのコンデジ、軽い不具合が出たので昨日返品の処理をしてアマゾンに送り返し、結局買い直すことになりました。このモデルは少し古い型番になってるので、森山大道のコンデジがどんなものかは感じとして分かったから、一世代新しいものにするかもしれないです。この森山大道モデルの次のものから絞り優先とかできるようになったみたい。一応持ち歩いてみるとやっぱり便利だし、本当にほとんど操作なしで撮れるのは、森山大道が愛用するのが分かるくらい、街中で撮るのにむいてます。京都は大きなカメラでもぶら下げて歩いてる人が多いから、一眼でも他の都市に比べると街中で使いやすいんだけど、コンパクトなカメラの機動性はやっぱり一眼では無理。補完する形の道具としては最適なんだなぁって思いました。
森山大道の撮り方とか、ドキュメンタリーでみてみると、さっささっさと街中を歩いて気が向いたものがあると立ち止まり、軽く構えてあまり間をおかずにシャッターボタン押してるだけなんですよね。カメラバッグも持ってない。まぁフィルムのコンパクトカメラでももちろん出来るんだけど、肩の力の抜け具合はデジのほうが良さそうな感じなので、さてどれに買いなおそうかと今またちょっと楽しい思案の最中です。やっぱりちょっとマニュアル操作もできたほうがいいですよね。
オリンパスはわたしはデジペン持ってるけど、これも使わないと。まだマニュアル半分ほどで止まってます。アートフィルターとか使わないから基本動作だけ理解すればいいだけなんだけど、昔から本の類は最後まで読まないと納得しない性質だから。

つぶつぶ写真、異様な感じでしょ。わぁ凄いと思ったもののブログに載せたら嫌がる人も出そうと、載せられませんでした。今回載せたから気味悪がる人が出ても平気だ!と宗旨替えしたわけでもないんだけど、ちょっと様子伺い的に披露した感じです。不気味なイメージとか退廃的なイメージとかスナップ写真で狙ってる人はあまり多くなさそうだし、意外とこういう方向は狙い目なのかもしれないです。シュルレアリスムやホラー映画好きの血が騒ぎます。

わたしもどこかに息継ぎしたいなぁって思うところがあるのかな。あまり情緒をのせた写真は撮らないんだけど、客観的に撮ろうとしても撮ってる主体であるわたしの気分のようなものはどこかに見え隠れしてるのかもしれないですね。
このすっぽん、身を潜めたはいいけど、今動くとガラス越しに眺めてるわたしの注意を引いてしまうと必死に我慢してる様子まで分かってみていて面白かったです。写真には写せなかったけど、祇園の裏通りの昼間、誰も通ってない物音一つしない空間で、かすかな音を立てて蠢いてる様はちょっとシュールでした。

No title

今日のテーマは丸だね
よく見つけたわ
アッパレ
最後のすっぽんは鼻が丸に爆笑
コーヒー吹いたわ( *´艸`)

みゆきんさんへ

こんばんは!
云われて見てみて始めて気がつきました。確かに○がテーマになってる。これ良く気づいたですよね。
円とか球体とか、形としては宇宙を内包するような完璧体で神秘的、エロチックな形だから、いろんな形の中でも結構好きだったりします。球体関節人形が大好きなのも関節に入ってる球体のエロチックな曲面が好きだからだし、そういう意味では、今回のだけじゃなくて、これまでにも自分では気づかないうちに円や球という好きな形を取り込んでシャッターを切る契機にしてるのがあったかもしれないです。
でもこういう風に気づいてしまうと、次からは無意識的に取り入れるなんていうことがやりにくくなるかな。まぁ意識的に円、球をモチーフに写真撮ってもそれはそれでまた過激な表出振りの写真が撮れるかもしれないから、それはそれで面白そう。これからはちょっと意識的にテーマに加えてみるのもいいですね。
すっぽんはわたしが見てるから水面に顔を出せずに相当我慢してたんですよね。鼻の穴の開きっぷりが我慢できずに息をしに出てきた切羽詰った感じを表してるんじゃないかと思います。

No title

昨日、出先での作業の合間に、びっくり・ゆっくり読ませていただいた、写真談義、凄く私には楽しい~

写真は良くわからず、スッポン→祗園→鍋、これも~亀と暮らすものには すぐには理解できない(笑)

方向が、アチコチ転回、バァバの脳は鍛われる、生きた・ハートある写真とは、被写体にカメラを向けてシャッターを押すだけのものではないということが、よくわかりました。
次は、何が飛び出してくるのでしょう。

和さんへ

おはようございます。
文章量の多いブログなので、写真は見てもらえても文章までは辛気臭くて目を通してもらってないかもと思うこともあり、だから丁寧に目を通してもらってるとなるとやっぱり嬉しいです。
以前映画のことを書いていた時も文章量は多くて、一番多かったのはクローバーフィールドのことを書いた時だったか、この時はちょっとあきれ返った人もいたようでした。文章量の多さで他のブログにない特徴にしようとしていたところもあって、これは写真のことを中心にした今でも変わってないです。
基本的に文章を読むのは好きなほうで、写真のことについて書かれたものを読むのもわたしは大好き。だからわたしも自分が読んで面白かったような書きようで書いてみたいなぁなんて思ってます。
でも理論付けて書いてるわけでもなくて、そのときに思いついたり頭の中を占領してることについて書いたりしてるだけなので、以前に書いたものと矛盾したことを書いてることも絶対にあると思うんですよね。まぁ写真自体が得体の知れないものだという認識はいつもあるから、書くことで混沌としてきたとしてもそれはそれで面白いんじゃないかと開き直ったりもしてます。

亀さんは、これ、祇園の裏通りに店を出してるすっぽん料理屋さんの店先にあった水槽の中の写真です。周りの様子も込みで撮ってると祇園の料亭街の裏通りという感じはよく分かったと思うんですけど、あまり祇園っぽい感じも出したくなかったからこんな感じで撮ってみました。道路に面して水槽を見せてる魚料理の店先とか、水槽の中を覗き込むのとかわりと好きだったりします。一度寿司屋のでかい水槽を外から眺めてたら、店内が薄暗くてすぐには気づかなかったけど、カウンターの客からもよく見える位置に置いてあった水槽のようで、外から眺めてる様子を中のカウンターの客からしっかり見られてたということもありました。これは後になって思い出しても恥ずかしかった。

なにか引っかかるものがあったら、それが何なのか分からなくてもとにかくシャッターを切ってます。最近そういう思い切りの良さというか、分からないままに走っていく勢いとかにちょっと迷いが入ってしまってるんですけど、基本の部分でこういう感じは確保していきたいと思ってます。掴みきれない情動でもシャッターを切るように促した感覚の動きがあったということなので、そういう感覚には忠実でいたいです。
方向が色々と展開するのはわたしの気まぐれの表れかな。色々と気が多いのかも。テーマを決めてしまうとテーマ以外のものに目がいかなくなりそうなので、気が多いのはひょっとしたら利点になってるのかもしれないです。

No title

おひさしぶりです^^そういえば中古の「COOLPIX S3700」というニコンのコンパクトデジカメを注文しました。届くの楽しみです☆色はピンクです。グリーンさんはクールピクスS9500を買ったんですね。同じメーカーなのでちょっとは共通点あるのかもしれません。

家に届いたときはかなり嬉しかったですか?

今回の記事ですと一番下の写真がなんか好きです。右の真ん中付近にあるのは防犯カメラでしょうかね?

えにぜんさんへ

こんばんは!
お久しぶりです。おきてがみが復活しないから、様子見してるうちに結構時間が経ってしまいました。
次の記事で書くつもりなんだけど、買ったカメラにちょっと不具合がでて、返品後買いなおしてます。
結局買ったのはS9700って云う機種。絵作りとか同じメーカーだと結構共通してるところがあるかもしれないですよね。ピンクというのもすぐに物々しくなるカメラとしては優しい感じでいいんじゃないでしょうか。持っていて楽しくなりそう。
わたしは森山大道が使ってるカメラということで型番Sのものしか頭に無かったんだけど、調べてみたらクールピクスはいろんなアルファベットがついてるのがあって、どういう風に分けてるのかさっぱり分からないというか。どうもSはスタイリッシュの略だとか言う話だけど、本当なのかな。後に続く数字もなんか適当につけてるような感じもして、区別がつかないというか、売り場で迷う人一杯いそうです。
届くの楽しみですよね。わたしも凄い楽しみでした。最初のはちょっとトラブルがあったけど、二回目のはどうも上手くいったようで、まだ使ってないけど普通に使えそうな状態です。
やっぱり新しい道具はそれなりに新鮮な感覚をもたらしてくれるし、写真撮るとか言う単純な行為にもちょっとした刺激を与えてくれるところがあるんじゃないかと思います。森山大道はカメラなんて写れば何でもいいという使い方だけど、わたしは道具に刺激されるところが結構あるタイプなんじゃないかと思います。

最後のは鋭角的なエッジがリズミカルに決まって結構かっこいいでしょ。
右のあれ、絵的にはアクセントになってる要素で、これ、おそらく唯の照明なんじゃないかな。あまり確認して撮ったものじゃないし撮ったのも最近でもないからあまり覚えてないけど。
これはどうか分からないけど、監視カメラはその気になって見回して見ると本当に至るところに仕掛けられてますよね。写真撮っていてそういうのに気づくと、わぁ!監視されてる!ってちょっと腰が引けたりします。目を引く動きでもしたら警備の人が飛んでくるんじゃないかとか。街中で止まってる車の中とかもそうだけど、思いの他いろんなところから見られてるんですよね。
怖いというわけでもないけど、用心深くはなります。
ともあれ、わたしもそうだけど、新しいカメラで一杯写真撮りましょう♪
非公開コメント