木馬と街

街の木馬
2015 / 12 / Olympus 35DC / Lomography Color Negative 400


河原町辺りに買い物なんかに出かけた時に撮っていたものから。
単純に気を引いたり、目に留まったものにカメラを向けシャッターを切っていた。ただ目の前にあるものを写し取ってるだけの行為なんだけど、影の感じとか、光の差し込む形だとか、色彩や形の、あらゆるレベルでのコントラストの配分だとか、あるいはフィルムの調子だとか、カメラの光漏れの具合だとか、そういった様々なことが上手く噛み合って、たまにどこか際立つ痕跡のようなものが一緒に写る。その場所やオブジェを切り出したのはわたしでも、それは云わば外在する力で、わたしという主体とは基本的には無関係なものであり、時には写真を撮ったわたしに対してさえ異化する効果があって、それをわたしは面白いと思う。
逆に、大抵の場合はこうなんだけど、ファインダーを覗いても目の前のものがただフレームの中に納まってるだけで、まるでオーラがないじゃないかと、ファインダーから目を離し、カメラを下ろしてしまうこともある。
その辺の事情の違いが明確に分かるなら、喜び勇んでシャッターを切る機会も増えるんだけど、極めて感覚的なことなのでなかなかそうも上手くいかない。
あるいはたとえ明文化でき法則として抽出できたとしても、こうすれば可愛い写真が撮れるというようなハウツー本を読んでるようなものになるなら、それはそれでつまらなそうに見える。




不在の光
2015 / 05 / Olympus 35 DC 35DC / Fuji C200





ドアノブ
2015 / 12 / Olympus 35DC / Lomography Color Negative 400


木馬はお気に入りの被写体だ。街の中で木馬を見つけたら必ずカメラを向けてる。
と云いたいほど気に入ってるんだけど、街中で木馬を見るなんて可能性はほとんどないに等しい。
以前に一度民家の玄関先に木馬が放置されてたのを見つけて撮ったくらいかな。これは確か記事に載せてるはず。特に子供の頃に木馬で遊んでたと言うこともないのに、どこか心をそそる造形物であり続けてる。
二枚目のは特に何が被写体と言うものでもなく、空間の質感を撮ったもの。なぜか結構気に入ってたりする。壁のクリーム色と赤色のコントラスト、横から差し込んでる外光と階段下の暗がりの対比、黒いコードと白い配管のフレーム、曲線と直線のコントラスト、色々複雑な要素が交じり合って、自分には気を引く空間となってる。
電球のランダムさもいいし、この電球、明かりが灯ってないのも良い。これに火が灯ってたらすべてが揃って当たり前のイメージになってたと思う。云うならここにはないもの、不在を写した写真と言った感じかな。何かの「不在」という形で写真撮ってることは結構あるような気がする。

最後のは、説明されてもそうは見えない、ドアの取っ手だ。最初は奇妙な取っ手を写すつもりでカメラを向けたものの気がつけばドアの取っ手であることを伝えようと言う意思などどこかに放り出してシャッターを切ってた。取っ手自体は黒潰れでシルエット状になってしまって、これはこれで何かの記号のようで、取っ手であることは放棄してるイメージだけど、それなりに視覚的には強さをもってるように思う。さらに背景のぼんやり映った何かとか淡い色が滲んで広がってるのが、意味ありげなニュアンスを付け加えてるようだ。


オリンパスのレンジファインダー機 35DCで撮ってる。見返してみると意外なほど気に入った写真が撮れてるのに気づくカメラだったりして、わたしとは相性がいいのかもしれない。シャッターを切ればどのカメラも律儀に写真を撮ってくれるけど、カメラとの相性とかあるんじゃないかなと思う。
でもわたしの35DCはファインダーが曇ってるんだよなぁ。陽の当たるところに向けると青く霞んだような見え方しかしない。これ何とか掃除したいんだけど、モルトくらいは交換できてもこういうのは自力ではちょっと無理そう。




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コメント

No title

木馬は、昔、必死で子育てをした時と異なロマンがありますね
今、私はこんな木馬を縁側に置きたいです。

和さんへ

おはようございます。
木馬はわりとイメージとしては周囲にあっても違和感なさそうですよね。わたしの場合は日常生活のなかでは眼にすることはなかったけど、あったとしてもそのまま普通に眺めてたかもしれないです。子供が夢見る世界を一つの物体で端的に体現してるようなロマンチックな雰囲気がありますよね。
そういえば子供の頃の記憶に、部屋の中に滑り台が置いてあった近所の家があったんだけど、子供の遊具は木馬も含めてコンパクト化されて意外と日常的な空間に入っていたのかもしれないです。
遊園地のメリーゴーランドの木馬とか、まぁこれが一般的に見られる木馬だと思うけど結構好きです。海外は街中で移動遊園地のような小さな規模のこういうものが出現するようで、日本でもそういうのをやる人はいないのかな。
これ、雑貨屋の店先だったから、おそらく売り物。値段は見なかったけど手に入れようと思えば手に入れられるものでした。大人が乗って様になるかどうかは分からないけど、単純にゆらゆら揺れる動きだけでも体感的には大人になっても面白そうです。

No title

こんばんは
木馬を見るとなぜかドキドキしますね。家にあったわけでもなく(もしかしたらプラスチックのまがい物はあったような気がします)別にリモコンで動くすごいラジコンとかではないんだけど小さいころからあこがれがありました。
昔買ってもらった不思議な話集みたいな子供向けの本の中にヨーロッパの話で街で倒れてた青年を救った話が載っていていました。彼はなぜか一言もしゃべることが出来ず、まるで今生まれてきたかのようだった、運よく、金持ちの慈善家に保護されるのですが、木馬に対する執着が異常だった、という内容でした。
バラの写真をアップしたのですがどうしても淡色の彩度の高いものはベタッとしてそれはそれできれいなのかもしれませんが貼り絵のようになってしまいます。
OLYMPUS PEN mini使ってるんですけどこれが限界なんでしょうか?

sukunahikonaさんへ

こんばんは!
実際に家にあったわけでもないのにどこか琴線に触れるところがあるっていうのはわたしと似てるかもしれないですね。どうして子供の心に引っかかるところがあるのかなぁ。まるで日本の文化でもないのに。馬というのも何か共有できるような親和性があるのかなとも思ってしまいます。メリーゴーランドとかこういう形の遊具とか、馬以外だとあまり様にならないような気がします。
その話、ちょっとカスパール・ハウザーっぽいなぁ。確かカスパール・ハウザーも木馬に執着してたんじゃなかったかな。まぁ違う話かもしれないけど、そういうのって謎めいていて魅力的な話ですよね。その青年の来歴がどういうものだったのか確かめるすべがもうないし謎は永遠に解かれないというのが好奇心を刺激して止まないです。わたしミステリ結構好きで、老眼が入りだしてからあまり読めなくなったけど、色々と読んでます。
OLYMPUS PEN miniのことは使ったことがないからよく分からないけど、どのカメラでも赤色とかはすぐに色飽和起こしてしまうから、ニュアンスに富んだ色で写真に撮るのは結句難しいですよ。フィルムでも赤色は絵具垂らしたような色になりやすいです。
RAWで撮って後レタッチで彩度を調整するとか、「デジカメ、赤、色飽和」で検索してみると、ひょっとしたら役立つ方法でも見つかるかも。
ルーシェちゃんの名前見てちょっと吃驚でした。

No title

やっとgooのメンテが終わったわ
私の好きな木馬だわ
角度が違うと柔らかい線が出て素敵♪

みゆきんさんへ

こんにちは!
ちょうど今日になったと同時くらいにメンテに入ってましたよね。訪問してもメンテ中のつれない画面が出てくるだけでした。他にも訪問したけど、この画面でシャットダウンされたところがいくつかありました。メンテの必要は分かるけどお手上げ状態になるのは勘弁して欲しいですよね。
みんな木馬が大好きなんだ。考えてみれば木馬が大嫌いって云う人って見たことないですよね。嫌いになる理由とか想像できないもの。木馬から落ちたとかそんな稀有な体験をした人の一部が嫌いになるくらいかな。こんなに無条件で愛される存在もちょっと珍しいかもしれないです。
見る角度、重要ですよね。写真撮る時は特に気を配ります。それだけのことで印象も随分と変わってくるし。これは結構見栄え良く写せたかな。真正面からとかちょっと無謀だし、そりの形なんかが上手く出てくるこういう位置からの見方が綺麗に見えるポイントなんでしょう。

No title

カスパール・ハウザー!それそれ!
有名な話なんですね、この本読んでよく泣いてました
ルーシェちゃん、ネタに引っ張り出して申し訳なかったかな
でも、バラの花見るといつも思い出すんですよね

sukunahikonaさんへ

こんばんは!
やっぱりカスパール・ハウザーだったんだ。何か良く似てる話だなぁって思って。
わたしは確か昔に種村季弘の本で読んだのが最初だったような記憶があります。子供向けの本の題材にもなってるのは知らなかった。ヘルツォークが映画にしてるけど、これはわたしはいまだに見たことがないです。
話としては魅力的な謎の話だから、子供の想像力を刺激するには最適のテーマだったのかもしれないですね。

同じブログを訪問してるんだと思って。ROUGEさんのところは今年は本当に試練の年になってるから、何とか乗り越えて欲しいと思ってはいるんですけど。
わたしはROUGEさんのブログでやたらと薔薇の名前を知ってしまいました。他の花の名前なんてまるで知らないのに。
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