拾い集めた夏の光たち

細い路地に光が降り注ぐ
2016 / 08 / Howay Anny-35 / FUJICOLOR 100





提灯
2016 / 08 / Howay Anny-35 / FUJICOLOR 100





鯉
2016 / 08 / Howay Anny-35 / FUJICOLOR 100




リコーのオートハーフを落札してから、そしてあのレトロなカメラを掻っ攫われてから、何度かヤフオクを利用してみて思うのは、出品側は何とか誤魔化そうとしてるけど、出てくる品物はやっぱりほとんどがどこか訳ありのものだと云うことだ。説明もそのまま素直に受け止めることなんか出来なくなって、そんな目で読んでると、どこかにテンプレでもありそうな業者風の書き方はかえって胡散臭いというか、実際に自分で使っていたものですというような説明書きのもののほうがまだしも信用できそうだ。
撮影に影響するようなカビや埃は一切ありませんとか書いてあるのを読んでも、影響しないカビや埃は一杯ついてるんだろうなぁと思い、大変綺麗な一品ですなんていうのはまず疑ってかかるべきというのが数回利用しただけで何となく理解できてくる。

昨日オークション終了間際のフォクトレンダー・ビトーⅡという昔の蛇腹のカメラに5000円ほどで入札したらそのまま最高額入札者となって、まぁこのカメラは大体こんな価格でやり取りされてるようだけど、実物も見ないで蛇腹のカメラとか無謀だよなぁ、穴が開いてるに決まってるぞ、という思いが頭に浮かんできたら、しまったなぁ、払いたくないなぁって云う気分のほうが大きくなってきた。結局さらに高値で入札した人が続いて自分は落札の権利を失ったんだけど、これは横取りされたというより、払わなくてすんだ、助かったという安堵のほうが大きかった。
信頼できるような品物は多くないというのが分かってながら、入札してみようと思わせ、競り上げに付き合ってしまうというのはやっぱり伏魔殿そのものという感じだと痛感する今日この頃だったりする。


☆ ☆ ☆


トイカメラで拾い集めた夏の光たち。

anny-35
豊栄産業というところが60年代に発売していたカメラで、色々触ってみた感じでは子供が使うためのきちんとしたカメラというコンセプトで作られてるような印象だ。カテゴリー的にはトイカメラなんだろうけど、子供のおもちゃと見るにはかなり本格的なカメラだったりする。
カメラの素性はネットで検索しても日本語ではあまり出てこない。英語のフォーラムなんかがあったから、どうやら海外のほうが知られてる様子だ。日本語で書かれたものではなんと祖父が作ったカメラという内容でブログの記事にしていたところを見つけて、その記事では豊栄産業はその人が社長を引退してから潰れてしまったと書かれていた。
ビートルズが形になるかならないかの頃に製作されたカメラで、このカメラがこの世界に誕生した時、その世界はビートルズを知らなかった世界だったというのが、なんとも奇妙な感じを抱かせるし、そんな時代の機械が時間の堆積を潜り抜けて、しかも高級カメラ的な扱いもされなかったのに、今になってもまだこの世界に存在し使えるというのも、考えてみたら凄いことだと思う。たとえばその頃の洗濯機とか今でも使ってるところなんて想像もできない。
ただ使えるといっても経年による影響はあって、わたしのもレンズに点々とカビ跡がついてるような状態だった。
古いカメラとかレンズとか、ライカなんかはカビなんて当たり前、それが味になるといった扱いの仕方をしてるようなところもあるけど、わたしはカビが発生してるなんて言う事態を静観できるほど達観した感覚を持ち合わせてない。
間の悪いことにカビ跡はレンズの裏側についていて、しかもレンズの外し方が分からない。というか外せるような作り方になってるのかさえも分からない。しかたないのでバルブでシャッターを開いた状態にしたまま本体の裏側から綿棒を使ってオキシドールで拭い取ってしまおうと思った。
一応カビ跡は取れて見た目はクリアになったものの、光にかざした角度ではうっすらと汚れを広げてしまったような感じで、なんとかレンズを外して裏側から直接思う存分拭き取ってみたい衝動に駆られてる。
あとフィルム室内の反射防止処置がレンズ周りの一部にしか施されてなくて、光沢をそれほど抑えてない黒い暗箱の中に、あろう事か銀色のビスの頭が銀色のまま顔を覗かせてたりするから、逆光気味だと思い切り派手なフレアが出るんだな。
取扱説明書でも必ず太陽を背にして撮ってくださいと書いてあった。
最初の写真なんかも夏の光なんて表現してさもそれ風の光を捉えたように振舞ってるけど、これ単純にフレアが生じてるだけだったりする。こういうのの対策に使う植毛紙は以前スメ8の内部反射防止用に使ったものが手元にあるけど、Anny-35のフィルム室内は結構起伏があって貼り難そうだから、そのうちつや消しの塗料でも塗ってみようかと思ってる。
フレアが全部収まってしまうと、これまた普通のカメラになりすぎて面白くなくなったりするから、絶妙の按配でフレアが派生するカメラになるのが理想だけど、こんなの普通のカメラを作るよりも難しいんじゃないかなぁ。

☆ ☆ ☆

夏の光を拾い集めて街中の探検に勤しんでるけど、やっぱりこの暑さはかなり耐えがたい。そういえば去年の今頃、富野荘の駅から木津川の堤防まで歩いていった時、到着したはいいけど堤防なんていう遮るものもない場所で容赦ない暑さに晒されるやいなや、こんなところをうろついてたら駅まで戻れる体力もなくなるかもしれないといきなり弱気になってしまい、到着しただけでそのまま踵を返して駅まで戻ってきたことがあった。あの時は駅の待合の冷房の効いたところに逃げ込んでもまったく汗が引かずに、おそらく熱中症一歩手前くらいまで行ってたんじゃないかと思う。だから去年の夏だって相当に暑くて、でもそんな暑さの中でも写真撮りに出かける気分はあまり削がれはしなかったのに、今年の暑さといったらなにかと気に触るというか、相性が悪い。
暑さを凌駕するような夏の鮮烈な体感もそれほどなくて、もう暑いのに飽き飽きしてるんだよなぁ。


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コメント

No title

今日の写真の最初は
なつーーーーーーーーーーーっ
次はまつりーーーーーーーーーーーっ
3番目は
これから秋が混ざるよ?みたいな
今の北国にピッタリ♪
私は風邪引いちゃった・・・しくしく

みゆきんさんへ

こんばんは!
あはは、云われてみればそんな感じに時間を追って流れていくような配置になってますね。ほとんど意識してなかったけど、組写真にした時にちょっと物語っぽい何かが生成してくる感じなのかな。一枚一枚の写真はそんなに意味のあるものでもない、断片に過ぎないようなものなんだけど、一枚に大層な意味とかテーマを乗せて撮るような写真だとこんな形で流動的な意味の空間を作るのは難しいでしょうね。また他の写真を混ぜて読み替えていくのも面白そうだし、組写真にした時に何かが動き出すようなことを想定して、断片的な写真を撮ってみるのも刺激的な撮り方になるかもしれないです。
最後のはなんだか分からないでしょ。これ鯉の絵を描いてる壁をわずかにずらしながら多重露光したものです。それにランダムなフレアが乗ってこんな感じになってます。赤とか緑とかが目につくからやっぱり紅葉の季節的なイメージに結びついていくのかな。
こういうのを出すとみんな途方にくれるかも知れないと思ってなかなか出せないんだけど、ちゃんと読み解いてもらってよかった。
この間から肌寒いとか蒸暑いとか日替わりで嘆いてたから、そういう影響が出てしまったのかな。
暑いさなかに風邪は鬱陶しい極みだと思うけど、あまり無理しないで休んでください。早く治るといいですね。

No title

不思議な三枚!
どうしてこんなふうに光が漏れているの?
あ、3枚目は多重露光なのですね。
多重露光できるトイカメラなんて素敵だなぁ。

ラサさんへ

こんばんは!
変な光の漏れ方ですよね。単純に写した光景によるフレアとかじゃなくて、どんな写し方しても出るときは同じ場所だし。裏蓋から入ってくる光線引きでもないし、実は現像したフィルムをみると暗い場所で写したほうが多量に出てるんですよね。これどういうことなんだろう、どうも絞りを開いた時のほうがあやしそうとか色々考えてました。推理の具合はまるでミステリ小説の探偵みたい。
で、ちょっと調べていて、ここじゃないかというのを見つけて、そこを塞ぐ算段をさっきからやってました。軍艦部を外す必要があって、外したはいいんだけど、元に戻そうとしたら小ネジが小さすぎてうまくネジ穴に乗ってくれなくて、さっきから四苦八苦してる最中です。もう夜中だから出来なかったら明日に回すほかないかな。
ちょうちんの写り方とか、なんだかものすごく古びた感じがあって気に入ってます。まともに写ると色ノリのいいまさにフィルム写真って云うのが出来上がることがあったりして、面白いカメラだと思います。
なんだか去年の夏もそうだったんだけど暑すぎて本格的なカメラ持って出かけるのが嫌になって、手軽なホルガとかやたらと持って出てました。夏はトイカメラ三昧で、今年もそんな感じになりそうです。

多重露光は出来上がりを想定してやるものなのかもしれないけど、わたしの場合はそこまで計画的にことを進めるような性格でもないから、出来上がりはもう偶然次第ということになってます。元の映像が何であるかまったく分からなくなるほうが面白いかな。
多重露光はやってみると出来上がりがどうなってるか現像の仕上がりを見るまで楽しめますよね。

No title

こんばんは。訪問ありがとうございます。

オリンパス35DC、僕も昔使っていました。

いいカメラですね。

choconigroさんへ

初めまして、こんばんは!
こちらこそご訪問有難うございました。
オリンパスの35DC、わたしも大好き。確かデラックス・コンパクトの略なんですよね。ほとんど距離をあわせる程度で写真撮れるから、簡単な写真しか撮れないかというと、結構ニュアンスのある写真が撮れたりして、出来上がりをみた時楽しくなってきます。
自分で撮ってみて、画角が自分の感覚と合ってるからなのか、気に入ったものが多く撮れたりするカメラだったりします。
カメラとかただの道具なのに、相性の良さ悪さみたいのなのは確実にあって、自分にとってはDCはかなり相性のいいタイプのカメラになってます。
オリンパスは最近はこれかハーフカメラっていう持ち出し方してます。OM-1とかも持ってるけど最近はこの二つの陰に隠れてしまってる感じです。
もうちょっと涼しくなったらまたDC持って出かけるのもいいですね。
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