矩形変奏曲

矩形変奏曲
2016 / 09 / 写ルンです シンプルエース





不揃いの矩形たち
2016 / 09 / 写ルンです シンプルエース





かかしの夏
2016 / 09 / 写ルンです シンプルエース


数日前、電車の吊り広告で知ったんだけど、彼岸花の英名はRed Spider Lilyなんだそうだ。ずっと何となく不気味な花だと思っていた理由の一つに思い至り、そうかこの世界の花じゃない存在感のほかにも蜘蛛に似てるところが不気味な印象を作っていたんだと、これは大いに納得するところだった。

今年の夏は最後になってからとんでもない締めくくりを用意していた。どんな締めくくりがやってきたかというと、それはアラクノフォビアなら悶絶必至の蜘蛛、アシダカグモが我が部屋に侵入してくるという形を取ってやってきた。
蜘蛛の写真は?写真のことを書いてるのに写真を撮らないでどうするという声が聞こえてきそうだけど、そんな余裕なんか簡単に吹っ飛ばしてしまうほどの蜘蛛で、何しろ日本では最大を誇る蜘蛛、ちょっと調べてみるとHuntsman spiderという名前で、実は日本だけじゃなく世界レベルでも最大級のものらしい。
たとえ写真に撮ってたとしても、こんなものの存在が我がブログを開くたびに現れるというのは、もう簡単に許容量を越えてしまってるから、載せることなんて絶対に出来ない。ということでどんな蜘蛛だったかはアシダカグモで検索してもらうと山のように写真が出てくるから、そっちのほうで確認して欲しい。2chだとアシダカ軍曹というニックネームがついてるほどある意味人気者の蜘蛛でもあったりする。
目の前に現れたのは今現在のところでは回数としては2回。最初の遭遇はPCのモニタを眺めながらブログ巡りをしていた時だったんだけど、ふと視線をモニタの斜め上の壁にやったら、自分では自覚はしてなかったけどおそらく何かの気配に反応してそっちに視線を向けたんだろう、その視線の先の壁に中程度のお皿ほどの大きさの蜘蛛が八本の足を目一杯広げてへばりついていた。
あのね、こんなものに不意をつかれると、思わず叫び声に近いものがでるぞ。我ながら映画なんかでこんなシーンが出てきたらベタな演出だなぁと思うに違いない反応を返してしまって、でもそんなことを考える余裕もなく、何しろ声を上げたことで向こうも吃驚したのか、壁から跳んで、下の棚においてあったフラットベッド・スキャナーの上に、八本の凶悪に長い足を振り乱し、音を立てて落ちてきた。落ちた時に音を立てるほどの質量がある蜘蛛とか想像できる?ちなみにアシダカグモはゴキブリの天敵で、巨大なわりにゴキブリに負けないくらいすばしっこいんだけど、こういう時は走り去るよりも逃げる速度が速いから壁から問答無用で離れ落ちてくる。
わたしは一瞬PCの前から離れようとしたけど、アシダカグモのほうはスキャナーの上に落ちたあと慌てふためいて棚の向こう側に入り込んでしまったので、PCの前から離れようとしたままちょっとの間その場で固まってしまった。


☆ ☆ ☆

蜘蛛との顛末を書こうと思って始めたけど、蜘蛛のことを書いた文章が記事内で大きな場所を取るのも何だか嫌気がさしてきたので、この辺で止め!

今回の写真はこの前の記事で云っていた、この夏中持ち歩いていた写ルンですから。
こういうカメラとかトイカメラを好んで使うのは、高級海外ブランド機材とかそのスペックだとか、レンズの味だとか解像度がどうのこうのとか、そういうことどもに何だか捉われてうんざりしてきた時の、ある種の毒消しみたいな意味合いがあるんじゃないかと自分では思ってるところもある。いつだってこれ以上にないほどシンプルに、写真を撮るとはこういうことだよと囁いてくれそうなところがあって、その囁きを耳にしながらシャッターを切るのは沈殿物でよどみそうになってる精神のある部分を確実にリセットしていってくれて、気分も軽くなるような気がする。

最初の二枚は祇園白川。青空をシュールに変える案山子は小椋の干拓池の通学路に並べられていたものの一体。これが一番目を引いた案山子だった。
真ん中の壁の写真はパターンになりそうでならない、纏まってそうでどこかちぐはぐな印象が楽しい。ちぐはぐな印象で纏まってるなんていう言い方をすると、イメージもどこかトリッキーなものに見えてきたりして。
祇園白川といえば靴下を履いた人懐っこい野良猫がいた。今年の夏も久しぶりに歩いてみてあの猫に会えるかと思ったものの結局会えず仕舞い。餌をやっていた料亭の路地裏空間に何時も置いてあった餌の容器も片付けられてたし、もうここにはいないのかな。猫って不意に目の前から姿を消してしまう印象があって、まだどこかの路地裏を歩き回ってるなら、もう一度出会ってみたいところだ。





いつも現像を頼んでるフォトハウスKの店先には、このところフィルムあります、写ルンですありますと書いた立て看板が入り口に置かれてる。仕入れたもののあまりにも売れなくて出てる看板なのか、よく売れるからもっと売るための看板なのかどちらかは分からない。でも夏の真っ盛りの時にヨドバシカメラで防水仕様の写ルンですを買ってた女性を見かけたことがあるし、それなりに使う人は増えてるのかもしれないなぁ。何にしろフィルムを使う人が増えるのは仲間が増えてるようで頼もしい。
音楽だとアコースティックと電子楽器は何の苦もなく混在しているのに、なぜ写真は一つの選択肢しか取ろうとしないんだろう。





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コメント

No title

秋空ね
こっちも一雨ごとに秋が深まってるわ
案山子に目をつけるなんて
さすが♪

面白い話

彼岸花や共棲されている蜘蛛の話し楽しませていただきました。
文章ですから楽しんでいられるけど、私も家の中では困ります。

私は、毎日、縁側で蜘蛛の巣にぶつかっています。
案山子の写真素敵ですよ。

みゆきんさんへ

こんばんは!
最初の写真も落ち葉の感じとか結構秋の写真になってますよね。
実際にはこの青空、暑いさなかに撮ってるんだけど、秋の空っぽいなら、それは案山子効果とでも言うようなものが出てるからなんでしょうね。
特に意識しないでも秋の気配のようなものが忍び込んでくるようで、こういうところは面白いです。

こっちはまだまだ夏の中にいます。最近前線が停滞してるとか台風が頻繁にやってくるとかで、とにかく天気が悪くてしかも未だに蒸暑い。
やっぱり本格的に夏の熱気が取れていくのは9月の終わり頃から10月の始め頃になるようで、暑さを気にしないで出歩けるようになるのが待ち遠しいです。今年の夏の暑さは本当に苦手。

和さんへ

こんばんは!
いや、あの蜘蛛との共棲はさすがに勘弁して欲しいです。記事に書いた最初の遭遇の時、夜中だったので何か出来ることがあったとしても時間的に遅すぎて、蜘蛛が隠れた部屋で寝る以外になくなったんだけど、エアコンかけてたのに扉全開で何とか出て行って欲しいと願ってました。夜行性の蜘蛛だったから部屋の明かりを消すのも躊躇われて、照明器具は全部付けっ放し。
典型的な蜘蛛恐怖症なのに、どうしてよりによって日本で一番巨大なものが入ってくるかなぁ。でも典型的な蜘蛛恐怖症なんだけど、慣れるということはあるようで、この何年かはハエトリグモくらいは平気になってきてます。どちらかと言うとちょっと可愛らしいと思うほど。でもやっぱりアシダカグモの外観は比べ物にならないなぁ。これは絶対に慣れそうにないです。
蜘蛛の巣に頭を突っ込んだら、払いのける程度じゃ収まらなくて、わたしだったら頭洗うまでは絶対に意気消沈してるかも。

案山子は、これちょっとユニークな姿でしょ。首が長いのがチャームポイントかな。青空にあいそうと思って、案山子の前にしゃがんで見上げるようにして撮ったんだけど、思ってる以上に空と相性がよかったみたいです。

No title

蜘蛛大好きです!
小さい時からあの思慮深い姿に魅了されてます。
幾何学的な網を張って空中に浮かんでいるあの姿はもはや地球外生物のそれ、シンメトリーの極みです。特にナガコガネグモが好きです。食べるとおいしいそうです。チョコレートの味がします。
まだまだ蜘蛛の話は続きます
畑仕事をしていると蜘蛛がとても頼もしく見えます。何ってったって畑の害虫をその長い足で一網打尽にしてくれます。蜘蛛は農薬に弱いそうです。だから農薬は使わないようにしています。頭に目が六つも八つもついています。たまに首をかしげておどけたりもします。
近くに大きな緑地公園がありました。まだ幼稚園に入る前だと思います。蜘蛛を探しにその公園に行きました。まだ朝もやの晴れない早朝、なぜかたくさんのスーツ姿の男と警官がたくさんいます。足元のコンクリーには赤いものとガラスの破片がたくさん飛び散っています。芝生には大きな穴、爆弾で自殺したそうです。アジサイの青と黄金蜘蛛の黄色と赤い破片ととってもきれいでした。
今までで一番美しい蜘蛛は小学生の時に見た蜘蛛です
田舎に泊まりに行ったとき、大好きなお姉さんにねだってお風呂に一緒に入りました。田舎のお風呂は庭を突っ切った離れにあって脱衣場で服を脱いで裸電球目指して石畳を二人で歩いてゆきます。たどり着くと風呂場の入り口の軒の下に大きなオニグモが巣を架けていました。あかい電球の光でシルエットになった大きな蜘蛛が同じくでっぷり太った大きなカマキリと今まさににらみ合っています。それを眺めながら湯気の立つお風呂場に入っていきました。彼女はとてもきれいでした。きっと今まであった女性の中で一番きれいでした。それまであんなにはしゃいでいたのに二人っきりになってからは一言もしゃべれませんでした。そのお姉さんとはそれっきり、それ以降何にも会話ができなくなりました。
これが僕の蜘蛛にまつわるお話です

sukunahikonaさんへ

こんばんは!
せっかく蜘蛛への賛美のコメントもらったけど、記事の書きようから分かる通り、残念ながらわたしは蜘蛛が大の苦手。
ハエトリグモだけは除外対象になってるけど、他は全部トラウマ対象です。不思議と6本足の甲虫はまるで平気なのに。
千歩以上譲って可愛いと形容するなら、ハエトリグモだとかろうじて同意できる程度。うちに出てくるハエトリグモは真っ白なラインがアクセントに入ってるアダンソン・ハエトリなんだけど、放置してるものだから、好奇心旺盛な性格を発揮して、本当に目の前までやってきて不思議そうに首を傾げてるようなときがあります。
アラクノフォビアなんていう言葉があるくらいだもの、人の蜘蛛に対する感情は特別のものがあるんじゃないかと思ってます。

No title

はじめまして
halさんのところからジョーカー辿って参りました

蜘蛛の話…実感としてわかります(汗)
実家にその蜘蛛がいました。
和室に布団で寝ていた子供の頃、なんか音がする…
枕にのせた頭を左に向けて目を開けたら
わずか30センチくらいの距離のところに。
たぶん目が合ったと思います
動くと音がするんですよね… 

以来、蜘蛛(特に大型種)はトラウマです。(--

で。写ルンですの「毒消し」というご意見に
共感します^^ フィルム撮られるんですね
自分は2枚目の写真が好きです
またお邪魔させてくださいね

NINA 27さんへ

> はじめまして。こんばんは!
ご訪問有難うございます。
halさんとジョーカーのことを話題にしてちょっとやり取りしてたんですよね。結局正体はまだ謎のままなんですけど、そのうちあれが何の目的で立っているのか分かる時がくるのかな。分かってしまうとつまらないものへ変貌しそうなので、あるいは分からないほうがいいかもしれないですね。
アシダカグモ、ずっと以前に遭遇した時はわたしもそんな感じでした。寝転んで本を読んでたら、いつのまにか目の前までやってきて、気づいた時はもうパニックでした。何も知識がないと、あの蜘蛛は本当に化け物で、この世のものとは到底思えないんですよね。アシダカグモという名前でゴキブリを取る益虫だということ、人に対してかなり臆病で襲うことはまずないと知ってるだけでも、認識の埒外にあった化け物が、多少は普通の世界にいるただの虫の一種と思うことも出来るようになるんだけど。
今回の遭遇の二回目にはちょっと冷静になって動きとか観察してみたりしてました。でも化け物の類じゃないと頭で分かっていても、あの長い足の不気味さにはやっぱり背筋がぞくぞくします。
目があったら動けなくなりそうですね。
音もしますよね。やっぱりすべてが桁外れの蜘蛛っていう感じです。動画でこの蜘蛛とじゃれあってる人とか見たけど、足の先だけでも触れられる人がいるのが信じられないです。

フィルムを使うのにいろいろと理由つけてるようでも、本当のところは単純に面白いからっていうのが一番の理由だったりします。デジタルで感じなかった面白さが確かにフィルムにはある、そういうことだけで使ってるといっても間違いじゃないかも。
何十メートル先の小さな格子模様が潰れないとか、写真の本質でもなんでもないと思うんだけど、同時に性能がいいほうが使うにはやっぱりいいんじゃないかと思うわたしもいて、その辺りのせめぎ合いに自分でも嫌気がさす時があるので、写ルンですにはああいう感想を持ってます。自分の感覚の動きよりも早く写真を撮る、そういうこともできそうなシンプルさを持った道具として興味は尽きないです。

2枚目、おぉ、賛同してくれる人がいてうれしい。ホンキートンクピアノの調子外れの音楽のような写真でしょ。アクセントになってるのかなってないのか今一つ良く判断できないピンクのホースなんかも押えどころだったりします。

ということで、よかったらまた様子を見に来てもらえると本当にうれしいです。
これからもよろしくお願いします。
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