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京都矩形化計画 その2 / 執拗に京都駅にて

矩形がぎっしり
2016 / 10 / Canon AF35ML / Lomography Colornegative 100






巣箱模様
2016 / 10 / Canon AF35ML / Lomography Colornegative 100





突出通路
2015 / 09 / Olympus Pen F / Kodak Gold200



熱病の如き笠置行は、あまり続けて書くと飽きそうなので、今回はちょっとお休み。というか小出しにしてもったいぶってみる。
これまでの笠置について書いているのを読み返してみると、まさに道なり歩行実況とでも云うような直情的なレポートになっていて、もうちょっと複合的多面的重層的に書けないものかと思った。おまけに誰も居ない誰も居ないと連呼していて、これ、笠置の人が読んだら怒るんじゃないか。
そこでちょっとフォロー。いろんなシーズン中は結構人通りがありそうだ。この前行った時紅葉という感じのところはまだそんなに見当たらなかったけれど、それまでにはなかったもみじまつりと記した赤い幟が、町のいたるところに立っていたので、今からしばらくは人出も増えているかもしれない。
笠置が桜や紅葉の名所だと知り、ちょうど紅葉のシーズンに入るところだからわたしも撮ってみようかと思った。でもイベント的なものを撮る気分はもう盛り上がらないと書いたことは変わらず、この前脇腹の痛みで医者に行ったこともあって、もみじ公園に行くのに笠置山の頂上まで登らなければならないとなるとどうも躊躇いがちだ。

☆ ☆ ☆

今回のは全部京都駅。もう京都駅も目新しいものなんてほとんどないし、撮りようがないなぁと思うんだけど、それでもよく行くものだから思いついたらカメラを出している。
森山大道は商店街を端から端まで歩いたら、今度は逆方向に端から端まで歩いてみようと云った。これはまぁそういう精神のささやかな実践でもある。
最初のはただの京都駅の玄関口なんだけど、何となく眺めていてタイプの違う四角が一杯あると思い、ここは京都矩形化計画を発動しないでどうするという意気込みで撮ってみた。端正な感じで意外と妙に絵になっている気がする。
こういうのとか、三枚目の写真とか、わたしの周囲の世界に対する接触方法というか関心事は表層的、グラフィカルな側面に寄っているようにみえるなぁ。

ロモの感度100のフィルムの色合いが好きで使っている。今回のも低彩度で落ち着いていてやっぱりいい感じの色合いになっている。ロモは自社でフィルムを製造していないし、メイドインUSAということだから、おそらくコダックのどれかのフィルムのOEMなんだと思う。コダックのどのフィルムなのか多少興味はあるものの、銘柄が判明したとしてもロモのものよりも高いのは決まっているから、いずれにしろロモの100を使うし、素性探査はあまり意味がなさそうだ。

最近コダックのスーパーゴールド400を使っていて、とにかく色が変に仕上がってくるのに嫌気が差している。ひょっとしてコダック、SG400のレシピを変えたのか。スキャナーの調子は最悪だし、あるいはスキャナーのせいかとも思っていたけど、ためしにフジのフィルムを使ってみたら、まともな色合いで読み込めたので、これはやっぱりフィルムそのものの色なんだと判断。
結局使用フィルムをコダックからフジに鞍替えすることにした。コダックはフィルムの事業に関して仕方なくやっているようにみえるし、まぁフジもやめたいなぁと思っているのかもしれないけれど、ここは少しでも長く続けて欲しいからフジの応援でもしてみるか。

☆ ☆ ☆


AF35ML

使ったカメラAF35MLはキヤノンの昔のプラカメだ。別名スーパーオートボーイ。キヤノンのコンパクトカメラのブランド、オートボーイの二代目に当たるカメラなんだけど、オートボーイ2というのは別にあって、これはちょっと特別扱いの位置にいる。
クラシックのフィルムカメラが好きでも、こういうプラスチックで電気仕掛けのファミリーカメラは安っぽくて敬遠する人が多いと思う。でもわたしは安っぽさも魅力に見えるので結構好きだ。探せば今となっては二束三文で手に入るのもいい。
それに安っぽいといってもこれはまだスタイリッシュな雰囲気がある。
このカメラ、F1.9の明るいレンズが搭載されていて写りはそれなりにいい。捨て値のカメラの写りがいいと、何だか得したような気分にもなる。でも得した気分になるくらい写りが良くても、機能的にはストレスが溜まりそうなカメラでもある。オートフォーカスが世の中に現れ始めた頃のカメラのようで、その機構はまだまだチューニング不足。合焦するまで結構時間がかかるし、カメラはこれでピントが合ったと主張しても、実際にはあまりきちんと合っていなかったりすることもある。駆動音は誇張なしにけたたましく、とてもじゃないけどキャンディッドフォトには使えない。そしてこれはこのカメラの持病らしいんだけど、感度設定のリングがそのうち渋くなって、恐ろしく力をこめても回らなくなってくる。ちなみにわたしのは動かしてしまうともう元に戻らないんじゃないかと思うくらい固まってきていて、感度を変えないほうが無難だと思わせる状態になっている。
でもお手軽コンパクト、プラカメ好きにはこういうのも愛嬌に見えてくるから面白い。喧しいなぁとか思いつつ、それも含めて楽しんで使っている。












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コメント

No title

東京
池袋に住んでたけど変わっちゃったものね
去年身内の結婚式で行ったけど
ビルだらけでジッちゃん感動してたわ
でもって首が疲れたって
また来年遊びに行きたくなるような風景
裏通りとか探検したくなったわ^^

みゆきんさんへ

こんにちは!
東京は昔友達が住んでいたことがあって、その頃に遊びに行ったきり。今そういう頃に歩いた場所に行ったら、もう完全に別世界になっているでしょうね。
京都も変化していないようで、変化しています。昔よく足を運んだ場所とか後にまるで違う印象の場所になっているのを目にしたら、あの時の様子を写真に撮っておけば良かったと思います。まぁその時は写真になんか興味なかったりしてたわけだけど。
京都駅もこの駅になるときに大変化を通過してるんですよね。でも昔の京都駅は今の京都駅に上書きされてしまって断片的な記憶しか残ってないなぁ。ここも昔の空間を隅々まで写真に撮っておけば良かったと思うし、ひょっとしたら今飽きるほど京都駅の写真を撮っているのって、将来この駅がまた違う駅に変貌した時に、あの時写真を撮っておけば良かったと云わないために役に立つかもしれませんね。
一応京都駅前、こんな撮り方をしたらまるでメトロポリスかと思うくらいビルの密集地帯のように見えるけど、まぁ実際はそうでもなかったりして。そうでもなかった空間にメトロポリス風の幻想を見出し重ね合わせたために、シャッターを切ったという感じだったのかもしれません。
今回の写真で京都駅の雰囲気、ちょっと懐かしいですか?京都は観光の顔と生活の顔が結構違っていたりするから、裏通りの旅は面白いかもしれないですよ。

No title

重々しく黒い矩形から、日が差して軽やかに飛翔してゆく、
そんな感じの流れでしょうか。
鳥小屋を照らす光が相まって、
最後のシルエットが天に続く梯子のイメージです。
てか、壁から張り出してる足場みたいなヤツ、何ですのん?

さて、このカメラ超懐かしいです!
僕が最初に買ったカメラだと思います。
初カメラはキャノンだった!って、コレみて思い出したり(笑。
ずっとOM707だとばかり思い込んでました。
テレコンとワイコン、フィルター枠にねじ込むヤツ、
両方持ってたと思います、ホンマに懐かしいですわ(^^。
中学校の修学旅行ん時の話ですから30年近く前?(笑

フィルムはあまりこだわりがないというか、
出す現像所がフジってのもあって、長らく同社製品です。
近所に堀内カラーがあった頃はコダック使ってたんですけども。
今は安上がりに業務用ASA100です(笑。

halさんへ

おはようございます!
実のところ、そんなに深く考えてなかったりします(笑)
四角の窓の写真が二つ続くと単調かなと思って、間に巣箱の写真を入れてみたって云う感じかなぁ。それも単調になるからこれを挟み込もうなんて言葉に出来るほどに意識していたわけでもないです。
読み取ろうと思えばそういう風に上手く読み取れるんだ、なるほどなぁと感心しました。でもそういうのが理想的なあり方なのかなとも思いますよね。何かの意図があって写真をその意図を伝えるための道具のような扱いにしたくないし、見てもらって想起してくるものが自分の思っていたものと違う事が嫌ならば、写真なんか使わないで最初から言葉で伝えればいいわけだし。
写真を撮る時わたしの場合は垂直方向に深く掘り下げていくような撮り方ができなくて、写真が想起するものも深くじゃなく、絶えず表層を滑空するように読み替えていけるような場で成立させたいなんて思ったりしてます。天に続くイメージ、かっこいい!
最後のは京都駅の東の端にあるホテルの壁面なんだけど、これ、なんでしょうね。ここから先へさらに延びていくものが格納されてる様子でもないし、この場所に出てきても空中に少し進んだだけで行き止まり。本当になんだろう?

このカメラ使ってましたか。わたしも基本ニコン好きでキヤノンって同じく7とオートボーイのほかの機種をちょっと使ったくらいでした。なぜかニコンとキヤノンは分離して両方使うという人はあまりいないんですよね。わたしもカメラ探したりする時はキヤノンはまるで頭の中になかったりするから不思議です。
コンパクトカメラでもわたしが持ってるのだとコンタックスのT3なんてもう別格に性能の良い高級コンパクトだし、それを使っていればいいのにと自分でも思うんだけど、ジャンクで転がってるようなカメラが動いてちゃんと写真が撮れたりするとT3で撮るのとはまた別の面白さがあって、気がついたらこんな安いカメラばかり使ってたりします。
でもこれは今となっては安物カメラ扱いになりそうだけど、一概に安物カメラと言い切ってしまうにはちょっと破格なところがあるから、喧しいのがたまに傷だけど使う機会は結構増えていきそうな気がします。
それにしてもこういうカメラを使っていると、単純に昔のカメラと一くくりにして、時間の感覚があまりなくなってくるんだけど、もう30年も昔のカメラなんだ。30年も前の道具を今使っているって他だとあまりないんじゃないかな。

フィルム、わたしも同じく最近富士の業務用、感度400のやつだけど買いました。今カメラにセットしてどんなものかためしに撮っている最中です。結果よければもうこれでいいんじゃないかと思ってます。いろいろと高級フィルムのブランドは、激減したといってもまだ数種類は選べるものの、ネガに関しては色合いとかは後で結構変えられるし、ソラリスなんかはちょっと好みの傾向があったりはしたけど、これでなくては駄目というものもそれほどないから、手軽に使えるのが一番と思ってます。
わたしが頼んでるところは返ってくるネガがフジの袋に入ってるからフジなのかなぁ。あまり気にしないでコダックのを現像してもらってました。当然フジのフィルムのほうが現像所にとっても本領発揮というところなんでしょうね。別にフジか嫌いというんじゃないし、昔はリアラエースが好きでよく使っていたから、フジのフィルムで何も問題ないと。業務用でいいならこれに変えてしまう予定です。
モノクロは一度フォマとか海外ブランドの物を使ってみたいなぁ。イルフォードとかは売り場で普通に目にするからよく使っていたけど、他の海外モノクロは使ったことがないので、これは興味があります。
使う気がうせたコダックのスーパーゴールド400はまだ手元に残ってるのがあるけど、これどうしようかな。

No title

やっぱり京都駅の写真、いいですね。
もう何年も前から見せてもらってるし、それぞれ印象的なんだけど、それぞれ違うのよね(当たり前か・・・)

私はこの駅ビル自体があまり好きではなかったのだけど、あなたの写真を通して見ると、また違った印象をうけるから不思議です。

ところで・・・3枚目の突き出たやつ、なんだろう??
空が空じゃないように見えるくらい、気になるんだけど^^;

さよさんへ

こんばんは!
梅田のスカイビルだったか、行った時に何これ京都駅と同じやんかと思ってしまうくらい、細部のパーツがそっくりでした。調べてみると案の定京都駅を設計した人がスカイビルの設計もしてました。何だかこのタイプの建築しか作れないような人なのかなと思ったことがあります。
わたしも京都駅が好きか嫌いかどっちだと云われると、あまり好きじゃないなっていうほうです。全体にごたごたして、ごたごたしたイメージでは一貫してるんだけど、どうも纏まりがないという感じ。時代が経ってもオーラのようなものは纏わないだろうし、次にまた京都駅を建て替える時も、ほとんど惜しむことなく全部潰してしまえそうな感じがします。
全体が散らかした状態のように見えて、纏まりを欠いた建築なんだけど、細部を見ていくとまるで無駄な行き止まりのようなところがわざと作ってあったりして、中を歩き回ってみたらこのごたごたしたところが結構面白いことに気づきます。探検できるんですよね、駅の中を。それはもうゲームの中の迷宮を歩きまわっている気分にもなれそうなくらいです。
写真はそういう探検気分で撮ってました。迷宮の中を宝箱探して、行き止まりに仕掛けられてる罠を回避しながら歩き回るみたいな。
ひょっとしたら今年中にもう一回くらい京都駅の写真を載せるかもしれないです。でもさすがにちょっとネタ切れ感が出てきて、暫く間を開けるとかしないと撮りにくくなってきてるかなぁ。ともあれ同じ場所を撮り続けるのも写真の方法論としてはありだと思っています。

この突き出し、本当に変な存在ですよね。二日ほど前に京都駅に寄ったついでに、これ見てきたんだけど、やっぱり空中に突き出てそのまま唐突に途切れたこの状態のままでした。先に延びていく部分が格納してあるわけでもないのも相変わらず。
京都駅は上に書いたように無駄な空間だとか思わせぶりに人を導いて行き止まりなんていう場所があるから、ひょっとしたらこれもただの無駄な、ちょっとだけ空中に出られるだけの、実用無視の足場の可能性も結構ありそうです。

全体的に変わった空間を形作っている駅だけど、建築としてのオーラのようなものがあまりないから、変わった空間もいまひとつ惹きつけない所があって、それがもったいないなぁって思います。
で、そういう雑然とした細部に写真を撮ることでちょっとした色気みたいなものを覆い被せられるかなと、京都駅で撮っている写真はそんな感じなのかもしれないです。
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