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飛行船を見た日

祇園の飛行船





祇園のエントランス





駐車場の片隅で





重なるコーン




2016 / 10 / 祇園
Canon A35 Datelux
Fuji 100


去年の秋に祇園辺りを歩いて撮った写真。祇園らしさを外してやろうって云う意図で撮っていたものだけど、これ、考えてみれば祇園だと云わなければそんな思惑はまるで関係なくなる。で、そんな思惑で何を撮っていたかというと、祇園っぽいの対極を目指して、とりたててどうという事のないものばかり撮っていた。
とは云うものの、どうということもない被写体を選んでいるにしても、本当にどうという事もないなぁと思って選んでいたかというと、振り返ってみると必ずしもそうではないような気がする。被写体として選ばずにカメラを向けなかったものと、なんら特異なものがなさそうに見えてカメラを向けてシャッターを切ったものの差が自分の中には歴然とあったんじゃないか。その差異は他人に伝わるかどうかは別にして、自分的にはシャッターを切る切らないで応答は出来ていたと思いたいところだ。

飛行船は結構京都の空を飛んでいるのを見かける。宣伝のためなのに飛行船を見たという記憶しか残らなくて、何の広告を背負っていたのかよく憶えていない。これはあまりどうということもないものでもないか。
二枚目のはおそらくラブホの出入り口。これは外しているようである意味祇園っぽいかもしれない。
あとは孤独な自動車とかっこつけて積みあがったコーンといったところ。
せっかくどうってことのない被写体を選び境界線上でイメージを成立させようとしていたのに、まだ写真としてかっこつけてやろうって云う魂胆が見え隠れしている。


☆ ☆ ☆

The Ocean


The Rain Song


飛行船ということでZepの好きな曲から。
最初のは15/8拍子に終盤はシャッフルなんていう変拍子の、まるでコンクリートを打ち付けているようなハンマービートがかっこいい。ジミー・ペイジの独特のグルーブ感へ引きずり込んでいく骨太のリフもいつも通り。
レインソングはSince I've been loving youに並んで、Zepの中で好きなバラード。天国への階段よりもはるかにお気に入りだ。これもギターのリフが好きなんだなぁ。

それにしてもドラゴンスーツを難なく着こなしていたジミー・ペイジがあんなにじいさんに、しかもギターもそこはかとなく下手になるとは思わなかった。ヤードバーズ出身の三人のギタリストの中では、今はジェフ・ベックがいいな。ギターの語り口というか、そういうのが突出している。おもちゃ的なギミックにしか過ぎないトレモロアームをあれだけ繊細に縦横無尽に使うのはこの人の独壇場だ。
ロック系のギターを弾く人はYoutubeで見るような腕自慢の人も含めてほとんどがブルースフィーリングに絡め撮られたような弾き方をしていて、もうこればっかり、ギターの弾き方はこれしかないという視野の固定感に、ブルース好きでもないものとしては閉口してしまう。クラプトンが自分ではいまひとつ好きじゃないのはこの辺りにあるんだと思う。ブルースなんか爪の先ほども影響を受けてないよといったギタリストのほうが好きだなぁ。ロバート・フリップなんかは今は知らないけどそんな感じだった。




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コメント

No title

祇園に住んでる人じゃなきゃ分からないかも~ん
飛行船の写真が好き♪
今年も京都にいくぞ^^

みゆきんさんへ

こんばんは!
祇園の人でも気がつかないんじゃないかな。とにかくあまり人の気を引かないようなのを意図的に撮ってました。でもこれが祇園にあるということが前提でないと、祇園っぽくないという意図が生きてこないんですよね。この辺は失敗したかな。
飛行船のは意外とかっこいいでしょ。右端のビルの壁面の入り方がドラマチックで、飛行船は動きがゆったりしてるからフレーミングで暫く考えながら撮ってました。飛行船が若干小さいかなと思っていたんだけど、小さく写っていてもこれはこれでいいんじゃないかなと見直した今では思ってます。メインの被写体は大きく写ってなければならないなんていうのも固定観念かもしれないし。小さいとこれは何だというような興味を引くかもしれないっていうところがありそうです。

京都旅行は去年の夏頃でしたよね。冬は底冷えするし、意外と雪とか降らないから雪景色の寺院なんかもそんなに見られるわけでもなくてあまりお勧めしないけど、春とか秋は良いですよ。何よりも過ごしやすいのが良いです。春は葵祭なんていうのもあります。
初夏に北のほうの山をハイキングするのもいいかも。貴船とか鞍馬とか。まずわたしが歩いてみたいって云うところもあったりして。カメラ持って初夏の貴船を歩く、これ今年やってみようかなぁ。

No title

これね、明らかに昇天のイメージですよ。
手順を踏まないと見えない、普段は隠されているモノ
(チラ見えする、奥の方、暗がりに停められた車)
明らかに尖がった先端を持ったモノ
(フレームアウトした先端が暗示的)
でも、ドロドロではなくて、アッケラカンとしたような、
そういったリビドーがあるように思いました。

このラブホ、記憶にないですわ~。
今日ね、三年坂~祇園、歩いてきたんですよ。
ありましたよ、アノ、角っちょに置かれた『イケズの木』(笑。
ローライと写ルンですで行きましたので、現像はこれからですが♪

halさんへ

こんばんは!
結局向こうにある暗がりとか、尖ったものとか、そういう普段から気を引く要素を撮ってるということになるのかな。対象は特別なものじゃないんだけど、現実感が少し揺らいでいるようなところに視線が行って、そういう感覚が反応する様々なポイントで色々と動いているのかもしれないです。
まるで興味のないものとかやっぱり撮れないし、どこでシャッターを切る?なんていう判断も出来ないと思います。
そういう風に隠されたものを顕現させるのも写真の作用としては面白いところですよね。面倒くさくなると異界なんていう言葉でわりとかんたんに代用させることが多いけど、もっと得体の知れないある種の豊かなもの、シュルレアリストが現実の中で見ようとしたものを自分も見出してみたいと、わたしはどちらかというと写真が発想の元になっているよりも絵画好きなので、そんな風に物を見ることを好んでるんだろうと思います。
至高点を目指すというコンセプトも凄い好きです。今もずっと愛読書のルネ・ドーマルの「類推の山」なんていうのもまさしく昇天していくイメージだもの。そのわりにZepの音楽で天国への階段はそんなに好きじゃないと書いてはいるけど。

それと、個的な感性とかあまり信用もしてないし、豊かな幻想を見たいとは思うけど自分を投影するようなものにはあまり興味もなく、どちらかと言うと事物が見る夢なんていうほうに興味があるから、結局あまり主情的な写真を撮れなくて、結果としてアッケラカンとしたものになっているんじゃないかと思います。硬質のリリシズムなんていうのはいいなぁって思ったりするんだけど、リリシズムそのものもあまり出てこないかなぁ。こういうのはあったほうが写真は見やすくはなるとは思うんだけど、その辺りはやっぱりわたし自身の資質とか関係しているのかもしれないです。

ラブホは確か安井金比羅宮の近くだったんじゃないかな。ここ基本的には縁切りの場所なのに、近くにラブホがあるというのも面白いです。あの木をは動かすつもりはなさそうですよね。あのささやかな嫌がらせに気づいてる人は、でもあまり多くはなさそうな気がします。
三年坂~祇園辺りは観光地のイメージが強すぎてわたしには凄い撮りにくい場所だったりします。

No title

そういえば先日ジミー・ペイジだったっけ?
来日したのに弾かなかったの。

ラブホも最近は外国人向けのホテルに改装が多いらしいね。
いかにもな感じのカーテンが、うらぶれていて良い感じ。

飛行船は私も見ても飛行船そのものしか記憶にないな~
空が曇り空なのが逆に雰囲気が出ていますね

ROUGEさんへ

こんばんは!
ジミー・ペイジ、来日してたんだ。以前ツェッペリンの時の音源をリマスターするようなことに専念していて、新しく音楽をやるようなことから遠ざかってしまってるなんて聞いたことがあって、その前に結成何十周年かの記念コンサートでも、これがあのジミー・ペイジ!?なんていう演奏だったから、もう大して弾けないんじゃないかな。日本に来て弾かなかったというのはそういうことだったのかも。毎日練習してないと、あっという間に指とか動かなくなりそうだもの。
でも弾けなくなっていたとしても、せっかく来日していたのなら弾いて欲しかったなぁ。といっても来日してたことも知らないほど今の関心事でもなくなってしまってるのが、自分としても何だか淋しいです。
さっき以前に書いた記事の音楽の部分がYoutubeから削除されていて聞けなくなっていたのをいくつか差し替えていたんだけど、聴いていて楽しかったから音楽そのものは好きなままなんですよね。今はロックそのものがちょっと感心の埒外にあるって云う感じです。

ラブホのカーテンの色合いがちょっと風化してるようでいい感じでしょ。横に一枚大きく伸びているのも何か見栄えして絵になるなぁと思ってシャッター切ってみたものです。奥の暗闇もこういう雰囲気は好きだったりします。何でもないところだけどそういうところからちょっとしたものを拾い上げる視線っていうのをいつも持ちたいと思って歩いてます。
祇園の南のほう、他にもいくつかラブホが集まってるんだけど、でもこういうところはカメラ持って歩いてたら後ろ指刺されそうです。こういうエリアの生々しいタッチとか特に期待して写真撮ってないから、文句云われたりすると謂れのない非難を受けたみたいで気分的に結構後を引きそう。

飛行船は宣伝効果とかあまりないですよね。利用するのにいくらくらいかかるんだろう。どこで離着陸しているか知らないんだけど、離着陸しているところを写真に撮ってみたいなぁ。
空の色がこんな感じだと右のビルの壁面もコントラストが際立って効果的になった感じです。あまり曇り空とか撮らないんだけど、この日は曇りでよかったということかな。空が曇っていると画面の上半分が白っぽくなって扱いが難しいんですよね。
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