【洋画】 THE JUON/呪怨 The Grudge

わたしが持ってるこの映画のDVDは確か、温度によって俊雄が現われたり消えたりするジャケットだったはずなんだけど、知らない間に出っ放し状態になってる…。この印刷ギミックはあんまり長持ちしないのかな。

劇場版1をベースにOV版などからエピソードを集めて一本に纏めたような内容で、全編に渡って既視感があります。舞台は日本のあの家だし、日本版の役者を外人に変えただけって云っても良いかもしれない。これにはプロデュースしたサム・ライミに思惑があって、自分が観た「呪怨」をどうしてもアメリカに紹介したいが、日本人しか出てないとなるとアメリカ人は観ようとしない。アメリカ人に見せる必要性でこういう設定になったとか。日本人に見せることを一義的には想定して無かったってことですね。

いつもの如く時系列を攪拌させた作りになってます。始めて観た外人は面食らうだろうなぁ、何せ今布団で寝てた人が次のシーンで不動産屋に連れられてその家に始めて入ってくるシーンがあったりするんだから。それとも「パルプ・フィクション」なんかで慣れてるかな。
今回のは3つの時系列の断片が時間軸を無視して並べられてるんだけど、3つくらいだと特に意識的にならなくても、観てるだけでそれなりに整理されてきます。あの時系列のシーンでああいう風になってたのはこっちの時系列でこうなってくることに繋がってたのかと、断片が繋がって大きな絵になっていく感じは楽しめる。

全米で2週間トップ、日本人監督としては史上初のハリウッド1位でしたっけ、そんな成績だったらしいけど、でもこれ本当に外人に受けたのか?って云う疑問はあります。「2」が出来たくらいだからやっぱ受けた?
この悪霊にとりつかれるのって、特別な理由も因果関係も何もない、ただあの化け物屋敷に入ったということだけが原因になっていて、どんな形でも家に入ったものは無差別に殺されていく。こういうのって、わたしはそれほど詳しくはないんだけど、要するに「穢れ」じゃないでしょうか、日本人ならお馴染みの。
禍の原因は唯一つで、「穢れ」に触れてしまったこと。こういうのは解決しようとして呪われた因果関係を特定して原因を探っても全く無駄。「穢れ」に対抗できるのは「お祓い」です。
清水崇監督はそういうことを頭に入れてたのか、OV版の第一作で伽椰子や俊雄が悪霊として家に憑くことになった事件について仄めかす程度で説明的には描写しませんでした。だから第一作目では被害者は何故だか良く分からないままにただひたすら呪い殺されるだけ。伽椰子や俊雄の目的?も良く分からない。「穢れ」ならそれを明らかにすることはそれほど重要じゃないです。

アメリカ版では、伽椰子や俊雄が殺された経緯が描写されます。どういう経緯で、なぜ祟るようになったかが一応理解できるように描写される。
もう一つ、アメリカ版では伽椰子、俊雄が随分と肉化されてるんですよね。伽椰子が階段を這いずり下りてくるシーン、殺されたあとで詰め込まれたゴミ袋を引きずって、そこからもがき出る描写を伴って、這い降りてくる。霊化したものじゃなくて、死んだ肉体をそのまま引きずってやってくるような出現の仕方をする。云い変えると、伽椰子も俊雄も感触は幽霊よりもどちらかというとゾンビに近い感じがします。
アメリカ人に理解できたとするなら、おそらくこういう部分のちょっとした変化があったからじゃないかと思います。云うならばゾンビ映画の一種。「穢れ」だけじゃおそらく何のことかさっぱり分からなかったんじゃないかと。清水崇監督は、ここはちょっと意識的にやってたかも知れません。

☆ ☆ ☆

わたしは気がつけばOV版1、日本映画版1,2と「呪怨」シリーズは知らない間に4本も観てしまって、毎回出方がパワーアップしてるとはいえ、さすがに伽椰子が怖いとは見えなくなってきてます。俊雄なんて白塗りでちょこまかすると、もはや怖いどころか可愛らしい。俊雄の霊は同時に殺された飼い猫の霊と混ざり合ってるために、時々猫の声で鳴いたりするのがまた余計に可愛らしい。

☆ ☆ ☆

スムーズに動きすぎてそのことが若干不気味さを薄めていたけど、タイトルの蠢く髪の毛が雰囲気だしてました。タイトルを製作したのはアメリカの会社みたいで、髪の毛が呪物であるのはアメリカ人も一緒なんだなぁとちょっと感心。コメンタリーでも髪の毛が手に絡みついてるような場面で気持ち悪いって発言してた出演者がいました。

THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディションTHE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション
(2005/07/22)
サラ・ミシェル・ゲラージェイソン・ベア

商品詳細を見る


THE JUON/呪怨 The Grudge トレーラー


原題 The Grudge
監督 清水崇
公開 2004年


応援ポチッとして頂けると嬉しいです♪
にほんブログ村 映画ブログへ にほんブログ村 映画ブログ 外国映画(洋画)へ

スポンサーサイト

コメント

DE JA VU

 うわ~!感心させられますわ、自分もこんな感じの感想!
でも、実は 大石 圭の小説版の方が好きでありまして、3回ほど読み直しました。
全米1位は? 「酢パイだーマン」の時のサムライミの威光が大きかったかもで
清水崇もこれ以降は?「輪廻」も惜しかったですし、いや~でも参りますわー
感想とか批評の仕方 勉強さしてもらいます。
同じパッケージの「じゅおん」もってましゅ。
でもシーン的にはどれのか忘れましたが・・・エレベータ 監視カメラ コピー機のが秀逸でしたね、でも小説の方が自分で想像膨らませれるので、映画ヨリ本に軍配ってことで
失礼します。

日本版1と、このハリウッド版を観ましたが、日本版の方が怖かった印象です。
確かに伽耶子と俊雄は日本特有の幽霊っぽくありませんでしたね~。
アメリカ人と日本人の怖がるポイントが違うからでしょうか。こういう部分でお国柄が出てきますよね^^

MEGA一休DETH さんへ

やはりこんな風な印象の映画でしたか。
確かに清水監督だけじゃ1位は無理だったでしょうね。と云うか、観てももらえなかったんじゃないかな。
ところでサム・ライミって、サムライ・ミーから来てるって本当なんでしょうか。

パッケージの俊雄が出入りするってどうもわたしの勘違いだったみたいです…。
あとDVDの話だと、清水監督のコメンタリーが結構好きです。
わたしもどのシーンがどれに入ってるのかごちゃごちゃになってます。エピソードだったら、2の壁から聞こえてくる音の話なんかわりと好きです。
本のほうも面白そうですね。


Kさんへ

恐怖のポイントは民族によってかなり違うでしょうね。
四谷怪談もアメリカ人には何が怖いのかさっぱり分からないそうですし。
吸血鬼なんか違う文化圏では、不死になるならそのほうがいいなんて考える人もいるかも。
非公開コメント