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屋根の上のしらたき

明けましておめでとうございます。

年末からルーターの電源が入らなくなって、PCがネットに繋がらなくなってる。スマホからでは思うように操作できないし、早急になんとかしないと。でも正月休みて身動きがとれない。

百番目の男

「百番目の男」を読み終える。このタイトルは内容の犯罪に関するものじゃなく、ある寓話の言葉を借りて主人公カーソン・ライダー刑事の人となりを一言で現わしてるものだ。このタイトルはこの書物がまさしく犯罪との関わりにおいて描かれるライダー刑事についての物語の始まりだと、シリーズ一作目で宣言しているようでなかなかかっこいい。
で、売り物だった驚愕の真相がどうだったかというと、正直なところこの物語の何が驚愕の真相だったのかさっぱり分からないという形で読み終えてしまった。大どんでん返しがあるのかと思って、多少身構えて読んでいたんだけど、そういうこともなく、確かに真犯人は予想外な人物ではあったけど、これコンピュータ・ゲームでいったらNPCの一人をいきなり犯人に指摘するようなもので、ほとんど能動的に物語に絡んでこなかった人が犯人だと云われても、それは驚愕の真相というとはまたちょっと違うんじゃないかと思う。
で、みんなこの物語の何に対して驚愕だといっているのか調べてみたら、どうやら死体に残された文字の謎に関してのことらしい。確かにこの文字の扱いは意味とはまるで別次元の真相が用意されていて、あまりに常識はずれなものだったので確かにびっくりはするんだけど、じつはわたしは昔機材を使って似たようなことをして遊んだことがあって、ミステリの中でこんな形で使ってるという新鮮さはあっても、わたしにとってはこれもそんなに云うほど驚愕というわけでもなかった。
というわけで最後に用意された驚愕の真相というのはちょっと肩透かしで終わってしまったんだけど、だからといってつまらなかったわけでもない。むしろわたしにとって面白かったのは終盤近くに登場する犯人が撮っていたビデオ映像の件だった。ライダー刑事たちが犯人の家でビデオテープを見つけて再生してみると、これがまたグロテスクで超現実的な前衛映画のような様相で、隠微な秘密が異様な映像で暴露されていくのを息をひそめて眺めていくことになる。犯行の真の意味合いも遺体に残された文字の謎もこの前衛映像で明らかになる。もちろん小説なのでビデオの映像と云っても文字起こしの形になるわけだけど、直接そのものを見るよりもイメージ豊かに頭の中で再構築されて再生されていく。荒くノイズ交じりの画面の奥でハイコントラストな映像がグロテスクで頭のネジが外れてるようなシーンを繋いでいくのを、主人公たちと一緒になって息をつめて眺めることになるわけで、これはちょっと圧巻の体験となった。
物語は終盤は冒険小説風となって、サイコパスもの嫌いのわたしでもページを繰らせていくほどの勢いはある。登場人物たちもそれなりに魅力的で感情移入を促してくる。意外だったのは主人公の兄。この人もサイコパスの殺人鬼で、出所することも不可能な施設に監視つきで監禁されているんだけど、主人公は事件解決のヒントを教えてもらうために何度かこの兄を訪れていく。対話はまともには進行しないので、登場人物のなかでは真犯人についで感情移入しにくい人物と思われていたのが、エピローグで一変。エピローグを締めくくるエピソードでかなり歪んではいるけど主人公との兄弟愛みたいなのを垣間見せて、余韻をのこして物語を締めくくる。どうしようもなく狂ってるけど、子供っぽい遊び心もあっていい兄貴じゃないかと、物語の読後感は予想以上に良い。
次は長いのを読むなんて書いてたけど、ジャック・カーリイのものは未読のものがあと二冊手元にあり、ここはキャラクターに馴染みができたぶん、手持ちのシリーズものを続けて読んだほうがいいかなと迷ってる。


ストール
ごく最近の買い物で、GUのストール。セールに出ていたのを990円で購入だ。黒のノーカラーボアブルゾンにクリーム色のタートルセーター、くすんだローズレッドのニットグローブにチープカシオ、ツイードライクなグレーのパンツといった組み合わせに合わせるつもり。
さて買ったはいいが首に巻くつもりの、その巻き方が分からない。マフラーはミラノ巻きが好みだったけど、今度はストールをかっこよく巻く研究をしなければならなくなった。




バード南極探検隊が発見した失われた古代文明の遺構の秘匿された写真という体裁だけど、もし本当にあったのならわたしも現場で見てみたい。超巨大壁画なんて実際に目の当たりにすれば鳥肌ものだろう。








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