2023/01/21
辺境の地にて丘の上に聳えるけだものの振り子を遠望する。

ようやくネット復帰。と云っても実際は10日少し前にすでに復旧していたんだけど、手足の不自由さに加えて再燃した潰瘍性大腸炎に心のいくばくかを折られてしまったのか何もする気が起きずに今に至ってる。10日に消化器内科の診察予約が入っていたので、血液混じりの粘液が出るとかなんとかいろいろと現状報告をしてきた。診察前には大腸内視鏡検査やりましょうくらい言われるかと覚悟していったんだけど、血液検査の結果や報告内容からそれほどでもないと思われたのか、薬であるリアルダを再燃時の最大限用量の4錠に増やす程度で様子を見ることになった。現状は寛解時の用量である2錠服用なので薬の量は倍になる。以前症状が出まくっていた時の用量に戻ったわけで、これで治まってくれればいいけど。血液検査の炎症に関する値は前回の診察時の10月のほうが高くて、症状としてはまだ出てこなくても、この辺りが再燃の始まりだったんじゃないかと思う。それにしてもしんどいなぁ。肉体的な苦痛同等に精神的にも擦り切れていく。

少し前からハクキンカイロが欲しくなって、今年になってから燃料となるベンジンと一緒に購入した。ところが購入したのはいいんだけど、どうやらシーズン中に品切れを起こすアイテムだったらしく、のちに直近の期日に更新されたものの注文当初の納期は2月の8日と一月先、結局ベンジンだけ先に到着して、しばらく所在なさげに部屋に佇んでいた。
気の利いたガジェットの特徴というか、手に持ってるだけでその手触りや質感が楽しそうというのが見た目からでも伝わってくる。ジッポのライターの蓋を開け閉めしてるだけで楽しいといった感覚に通じるものがある。形は角の丸みや鏡面反射する銀面がレトロフューチャーっぽく、昔の空想科学絵画に出てくる流線型の宇宙船の部品のようだ。ベンジンが燃料となるからといって、実は火をつけて使うわけじゃない。火口に仕込んである白金と気化したベンジンの化学反応を利用して熱を発生させてる。これもなんだか科学的、未来的で、こんな仕組みが100年前に考案されたっていうのがまさしくレトロフューチャーっぽい。道具として視覚的触覚的に魅力にあふれ、そして暖かいという実用性も兼ね備えてる。わたしはつるの剛士の紹介で知ったんだけど、アニメだかコミックで取り上げられて、今流行ってるんだとか。

気分が低迷してるので遅々として進まないけど、現在二冊同時読み。同じく言葉のみを使って成り立っているものなのに、読書感がまるで違ってるのが面白い。カフカもエンタテインメント的に、結構ストーリーテラーの資質があるんだけど、この質感の違いは何だろう。カフカの頭に浮かんだもやもやしたものをわかりやすいものに翻訳しないでそのまま吐き出してるって感じが独特の物語空間を作ってる。カーリイのサイコキラーの物語はサイコキラーは異常であっても物語空間は明晰であって、はみだし収まりきらない歪な空間を形作ることはない。こういう違いなんだろうか。
これ書いてたら、さらに眩暈まで始まってしまった。持病が全部稼働状態になってる。頭を動かすと周囲の世界が高速で回転しだす良性発作性頭位めまい症。寝る時にあおむけに横たわるとこれが始まるので寝るのが恐怖の対象になる。眩暈は長くても一か月ほどで自然に収まるのは経験的にわかってはいるけど、ちょっとハードモードになりすぎじゃないか。眩暈持ちということで常時病院からメリスロンはもらってるから、これでしばらく耐え忍ぶ。

ハクキンカイロでガジェット趣味が刺激されて、ライターまで買ってしまった。イムコのライター。古くからあるオイルライターでオーストリアの本家は製造100年ちょっと手前でライター作りを止めてしまったんだけど、その後日本の会社が権利を買い取って復刻版を出してる。
円筒部分がオイルタンクと着火部分でその横についてる長方形のパーツにはフリント等仕込んである。このライターの駆動部分を開くとフリントを押さえてる部品がばね仕掛けでせり出してきたりして、メカニカルな感覚剥き出しのギミック感がなかなか楽しい。
ハクキンカイロは火を使わないけど化学反応を開始するために最初温度を必要とし、そのために火口に熱を加える必要がある。その用途のためにこのライターを買った。5秒ほど焙るだけなので別に100円ライターでもマッチでも構わなかったんだけど、せっかくハクキンカイロに使うのにどうも見劣りする。しかし煙草なんかもう吸わなくなって久しいし、ほかに使い道もないのにこれは衝動買いに近い。いや、非常時の道具の一つとして常備しておけるか。
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