2008/10/05
【洋楽】 Quiet Kenny - Kenny Dorham
わたしはこのジャケット写真を見るたびに、もうちょっとキリッと写ってる写真を用意できなかったのかなと思ってしまいます。邦題は「静かなるケニー」。トランペット奏者、ケニー・ドーハムの代表作です。
ケニー・ドーハムを最初に良いなと思ったのは、カフェ・ボヘミアでのライブで演奏した「Autumn in New York」でした。これはたまたまかかっていたラジオで聴いて、そしてその後「静かなるケニー」が代表作と知って手を出してみることに。
「静かなる」なんてついてるからバラードばかりが並んでる、なだらかな平地みたいなアルバムだろうと思ってたのが、そんなに云うほど静かじゃない。それなりにスウィング感もあります。
バラードしか入ってないアルバムって、割とバラード好きのわたしも辛気臭いだろうなと思うんですが、タイトルに「静かなる」なんて書いてれば、一応そういうのだと心構えをして聴くわけで、音が鳴り出すとちょっと拍子抜けしてしまいました。
1曲目に出てくる代表作の「蓮の花(Lotus Blossom )」だって6/4拍子の変拍子で面白いし「静かなる」という割には音数が多い。普通に起伏のある風景が拡がります。
「静かなるケニー」はタイトルで云うほど静かじゃないし、でもそれでは逆に浮かれ騒ぐほど陽気なアルバムかといえばそうでもない、ちょっとちぐはぐなアルバムといった印象になりました。
ケニー・ドーハムを割とよく聴きだすようになるのは、もっと後にリリースしたアルバム、「Afro-Cuban」みたいにラテンをやってるアルバムを聴いて気に入ってからなんですが、「静かなるケニー」のどっちつかずの印象は未だにちょっとだけ残ってます。
それにしても地味なトランペッターなんだけど、でもこの人のトランペットの音はつや消しみたいな不思議な音色で、何か暖かい感じが伝わってきて基本的には嫌いじゃないです。
それと「静かなるケニー」で意外と良いのがピアノ。ピアノを演奏してるのはトミー・フラナガンです。
☆ ☆ ☆
ケニー・ドーハムはアルバム「Una Mas」を出したのを最後に、キャリア途中でなぜか失速し、表舞台から消えてしまうんだけど、80年代に入ってから「Afro-Cuban」をDJとかが取り上げ、予想外の領域とも云えるクラブ・シーンで復活することになります。
ジャズ・シーンではキャリアこそ途中で消えてしまったものの、それでも普通に知られてたので、復活というのはちょっと失礼じゃないかと思いました。
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演奏シーンです。
画質劣悪なんですが、でもケニー・ドーハムの演奏シーンなんてほとんど残ってないんじゃないかと思うので、これは貴重な動画かも。
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