【洋画】 スナッチ

個性の塊みたいな癖のある俳優が集まってるので、「オーシャンズ~」みたいにそれぞれが得意な能力を生かして、犯罪を成功させる物語だとばかり思ってたら、全然違ったお話でした。この映画、奪われたダイヤを中心に複数の犯罪集団が入り乱れる話です。

しかも映画に出てくる組織、集団の全部がダイヤを中心に動いてるかといえば、全然違うストーリーラインなのに間接的にダイヤ争奪戦のストーリーと接触して巻き込まれていくラインもあって、物語としてはかなり複雑。そのうえ登場人物が10人くらいいるという、完全娯楽映画で後には何も残らないくせに、やたらと頭を使わせるような映画でした。最初に注意をそらしてしまうとまずほとんど理解できなくなるのは確実。

☆ ☆ ☆

話の舞台はイギリスです。
フォー・フィンガー・フランキー(ベニチオ・デル・トロ)が86カラットのダイヤを盗み出したのが始まり。
それをきっかけにどういう人物が登場してくるかというと、

フランキーが強奪したダイヤを、買い取って捌こうとするマフィア、アヴィー(デニス・ファリナ)と、盗品宝石の裏取引屋ダグ・ザ・ヘッド(マイク・リード)。
アヴィーはダグから電話で、無類の博打好きであるフランキーが賭けボクシング会場に行ったと聞かされ、博打では歯止めが利かないフランキーを制止するべく、アメリカからイギリスまで渡ってきて、フランキーを確保しようとする。しかしフランキーは行方不明になっていて見つからない。
フランキー探しに雇ったブレッド・トゥース・トニー(ヴィニー・ジョーンズ)通称「弾丸歯」とともにアヴィーはフランキーを探し回ることに。

フランキーの仲間割れしたメンバーから、そのダイヤを盗み取る依頼を受けたロシア人ボリス・ザ・ブレイド(ラデ・シェルベッジア)通称「銃弾をくぐる男」。
ボリス・ザ・ブレイドは賭博好きのフランキーを賭けボクシングに誘い出し、依頼した強盗に襲わせる計画を立てる。
そこでボリス・ザ・ブレイドから賭けボクシングのノミ屋を襲うように依頼されるのは黒人の質屋ソル(レニー・ジェイムズ)と、同じく質屋のビニー(ロビー・ギー)と逃がし屋のタイロン(エイド)の3人のお笑い強盗団。

裏組織の総元締めで冷酷無比なブリック・トップ・ポールフィールド(アラン・フォード)通称ネメシス。
賭けボクシングの日にノミ屋に強盗が入ったことで、この強盗団を探し出すことになって、これが間接的にダイヤのラインに絡んでいく事になる。

裏ボクシングのプロモーターのターキッシュ(ジェイソン・ステイサム)とトミー(スティーヴン・グラハム)。
パイキー(映画では放浪民と出て来ます)とのいざこざで間近に迫った裏ボクシングのボクサーを潰され、このままでは元締めのブリック・トップに殺されてしまうと思って、無類の強さを誇ってるパイキーのミッキー・オニール(ブラッド・ピット)を裏ボクシングの代役に立てようとする。
ブリック・トップがダイヤの存在を知ったために、ターキッシュとトミーも、元はダイヤなんか全然関係なかったのに巻き込まれていくことに。

☆ ☆ ☆

こういう連中が入り乱れて、話が進んでいきます。話はもつれて要約なんてほとんど不可能。

演出はとにかく凝ってます。ありったけの技巧を凝らしてる。
「スタイリッシュ」って一言云えばその言葉がそのまま当てはまりそうな画面の作り方をしてます。オープニングのビデオモニターを使ったクレジットとか、シーンの繋ぎ方とか、そのまま編集するのが恥だとでも思ってるんじゃないかというようなカットが一杯詰まってる。
この映画、2000年公開だから、それ以降の映画で散々使われてありきたりになってしまった手法、たとえばアクションシーンのスローモーションとか、そういうものも一杯あるんだけど、それでもスタイリッシュな映画ということは十分に伝わってきました。

ただ、こういう複雑な話でこれだけ演出に凝られると、くどさの方が目立ちそうな感じも受けます。映画全体はスピード感のある編集をしてるんだけど、ただでさえややこしい話がカット割りとかいちいち趣向を凝らして切ったり、繋げたりしてあると、混乱に混乱を重ねるような結果になりそう。
もっとも、人物が次から次へと登場する最初の部分を注意深く乗り切ってしまえば、とにかく区別のつきやすい個性の塊みたいな俳優ばかり出てきてるので、演出や複雑な物語で振り回されはしても、意外とそれなりに理解しながら観られる映画でもあるんですけどね。

観ていて思ったのは、これ、タランティーノだってことでした。
男の見本市みたいに癖のあるいろんな男ばかり出てきて、血なまぐさい話の真っ最中に馬鹿げた会話やシーンが挟み込まれる。変わった男が右往左往するのが面白がれるなら、まず間違いなく楽しめます。
アヴィーがブレッド・トゥース・トニーに「弾丸をくぐる男」の由来を訊くエピソードなんて、タランティーノ的で、人を食っててなかなか面白いです。

☆ ☆ ☆

ブラピが出てるものの、扱いは脇役。でも脇役の癖に存在感は話の中心に絡む人物よりも遥かに大きく、やはり大したオーラを持ってる俳優だと再認します。
パイキー、要するにジプシーなんだけど、アイルランド系のわけの分からないなまりのある言葉を話し(意味不明の字幕がでます)、壊れた車を騙して売りつけるようないんちき臭い人物を好演してます。なまりでほとんど分からなくなった言葉というのも、雰囲気は凄く伝わってきてました。
パイキーの居住区のシーンでブラピといつもつるんでるダレン(ジェイソン・フレミング)が、物語的には背景の添え物のような扱いに過ぎない人物だったんだけど、わたしには一人だけ小さいスポットが当ってるように注意を引いて、かっこいい俳優に見えました。

ベニチオ・デル・トロのあっけない最後は意外だったかな。場面場面で物凄くかっこつけて出て来て、物語の発端であるダイヤの強奪者でもあるのに、あの馬鹿げた最後。ベニチオ・デル・トロは、もうちょっと観たかったんだけどなぁ。

☆ ☆ ☆

ただ、これだけ入り乱れてもその割りにスマートさも保ち続けてる映画だから、最後も切れ味のある終わり方をするかと思ったら、文字通り力任せの終わり方をしたので、これはいまいちでした。
あの終わり方だと、どんな話が前に来ていても簡単にけりがつけらるんじゃないかと。

☆ ☆ ☆

スナッチ デラックス・コレクターズ・エディションスナッチ デラックス・コレクターズ・エディション
(2007/05/30)
ベネチオ・デル・トロブラッド・ピット

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Snatch - Trailer


原題 Snatch
監督 ガイ・リッチー
公開 2000年


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